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表3-5に示したように、 電極焼成温度が1300 ocと高い場合、 作動温度が 1000 ocでは電極の性能の順位は前述したように総じて次の通りであったが、

W=lヲX=0.25> W=l ,X=O.l > W=l ,X=0.4 > W=O. 7 5,X=0.4

作動温度が低下するにつれ、 W=l, X=O.1の電極性能が向上し、 次に示すよう な関係が得られた。

W=1.X=O.lミW=1.X=0.25> W=1.X=0.4 > W=O. 75.X=0.4

しかしながらBサイトへの A l, Niの添加効果(Y1, Y2)を考慮するとW=l,

X=O. 25, Y1 =0.01 5, Y2=0.09の電極がほとんどの条件下で最も高い電極反応速 度を示した。 図3-39--図3-41に、 各種の温度で焼成した電池試料について見 掛けの酸素イオン導電率(σi3)のアレニウスプロットの一例を示す。

0.08

E 0.06

c,) C/J

、、0.04

ゲヲ

b 0.02

口;W=l. X=O.l o ; W=l, X=0.25

・; W=l. X=O.4

・; W=0.75, X=O.4

10311 / K-1

Fig. 3- 39 1 300 ocで焼成した(La1_XSr X)O. 9( Co1_ wMnw )O.89SA1o.ol sN iO.0903

の見掛けの酸素イオン導電率(σi3)におよぼす作動温度の効果

84

0.95

Fig. 3-40 1 050 oCで焼成した(La1_XSr X)O. 9( Co1_ wMnw )O.89SA1o.olsNioω03 見掛けのの酸素イオン導電率(σi3)におよぼす作動温度の効果

0.1

0.08

,...・4

ε ü 0.06

CIJ 、、0.04

M

b 0.02

�; W=l, X=0.25

• ; W=l, X=O.4

• ; W=0.75, X=O.4

0.75 0.8 0.85

103'11 / K-1

0.9 0.95

Fig. 3-41 900 oCで焼成した(La1_XSr X)O.9( Co1_ wMnw )o.89sA1o.01sNioω03 の見掛けの酸素イオン導電率(σi3)におよぼす作動温度の効果

σ i3の作動温度依存性は、 電極組成、 焼成温度に複雑に依存し、 調べた範囲 では、 低温(800 oC , 900 OC )でのσ i3は 1050 oCで焼成したW=l, X=0.25,

Y1 =0.015, Y2=0.09の電極で最も高い値を示した。 電極の組成によってその焼 結性が異なるため、 電極反応に適した組織(たとえば3相界面増大、 ガスの拡 散性や電極の導電性など) がこの電極組成と焼成温度の条件下で作製されたも のと推測された。 一方、 分極導電率(σE3)のアレニウスプロットの一例を

図3-42--図3-44に示す。

85

20

{-- 戸阿国 15

ハU

∞10

、、、

戸、Jm一凶hv

0 0.75

o ; W=1 ,X=O.1

・;W=I,X=0.25 口; W=I,X=0.4

・;W=0.75,X=0.

103'11 / K-1

Fig. 3-42 1300 ocで焼成した(La1_XSr X)O. 9( Co1_ wMnw )O.89SAlo.olsNio.090 3 の分極導電率(σE3)におよぼす作動温度の効果

20

15

E U

∞10

、、、

F、Jm一凶h)

0.95

o ; W=1 ,X=0.25

・; W=l ,X=O.4

口;W=0.75,X=0.4

0 0.75

103'11 / K-1

Fig. 3-43 1050 ocで焼成した(La1・xSrX)O.9(COl-wMnw)O.89SAlo.OlSNioω03 の分極導電率(σE3)におよぼす作動温度の効果

25

20

g

15 C乃

、、、

円民j l O

b 5

0.75

0.95

o ; W=l ,X=O.l

・;W=l ,X=0.25 口;W=l,X=O.4

・;W=0.75,X=0.4

10311 / K-1

Fig. 3-44 900 ocで焼成した(La1_XSr X)O.9( Co1_ wMnw )o.89sA1o.olsNioω03 の分極導電率(σE3)におよぼす作動温度の効果

86

σE3についても、 低湿の作動条件下で総じてW=l, X=0.25, Y1 =0.015,

Y2=0.09の電極性能が優れており、 またXが増大するにつれ、 またWが低下 するにつれ電極性能は 低下することがわかった。 また、 電極の焼成温度が低下 するにつれ、 低温でのσE3が向上することがわかった。

以上の結果から、 作動温度が1 000 oC�800 oCの範囲において電極反応速度 が高い電極は、 W=l, X=0.25の電極であり、 次にW=l, X=O.lの電極である ことがわかった。 これまで示したように電極反応速度は、 組成、 焼成温度に強 く依存することがわかったため、 これまで比較的高い性能が得られたW=l,

X=0.25の条件下で、 焼成温度をさらに 増加させ1400 oCで 10 hとし、

(L�.75SrO.25)I-zMn03の電極の 低温作動特性におよぼすAサイト欠損量(Z)の効果 を調べることとした。 図3-45に交流インピーダンス法により大気中で求めた σE3を示す。

101

二Z_-O

・Z_-O.03 - Z_-O.07

ハunU

N15υ

、、、

包j

b

10-1 0.78

. Z_-O.l

0.83 0.88 0.93 0.98 1.03

1000 y-1 / K-1

Fig. 3-45 14000Cで焼成した(L�.7 5S r 0.25) l_ZMnO 3電極の作動温度が 10000Cから 7000Cでの分極導電率( σE3)のアレニウスプロット

作動温度が1OOOoC � 7500Cの範囲ではσE3の対数と混度の逆数との聞に比較 的良い 直線関係が得られることがわかった。 また、 いずれの電極も作動湿度が

7000Cではσ E3 が直線域より大きくて 低下することから、 電極反応のメカニズ ムが700oC--750oCを境に変化することが推測される。 作動温度が高温では、 z 値が大きいほどすなわちAサイトの欠損量が大きいほどσE3は 高い値を示した。

アレニウスプロットの傾きより与えられる活性化エネルギーは、 1OOOoC,_

7500Cの範囲でZ=Oの電極で約0.49eV、 Z=0.03の電極で 0.76 eV、 Z=0.07の 電極で1.0eV、 Z=0.1の電極で1.13 e V であった。 このようにZ 値が小さいほ

ど活性化エネルギーが低下したため、 作動混度が7500CではZ=Oの定比組成

87

の電極のσE3が最も高くなる傾向が得られた。

図3-46�図3-49に作動温度が1000 oC�700 oCの範囲での定常分極(η)の測 定結果を示す。 作動温度が1000 oCの場合、 分極曲線にZ値への大きな依存性 は観察されないが、 作動温度が低下するにつれZ豆0.03の電極とZミ0.07の電 極に差が生じ、 とくに高電流密度域においてZミ0.07の電極でηが増大し、 ま た電極間でηに差が生じる電流密度域が作動温度が低下するにつれ、 低電流側

にシフトすることが確認された。

400

1;Z=O 2:Z=O.03 300ト 3:Z=O.07

4:Z=O.1

〉 a

200

100

o 0.5 1 1.5 2 2.5

log (I / mA cm勺

Fig. 3-46 1400 oCで焼成した(Lao.7SSrO.2S)1_zMn03電極の作動温度が

1000 oCでの定常分極(η)の測定結果

400

l;Z=O 2:Z=O.03 300ト 3:Z戸0.07

4:Z=0.1

L

E200

、、、

に・100

log (I / mA cm勺

Fig. 3-47 1400 uCで焼成した(Lao.7SSrO.2S)I-zMn03電極の作動温度が

9000Cでの定常分極(η)の測定結果

88

400

l;Z=O 2:Z=O.03 300ト 3:Z=O.07

4:Z=O.1

E 2∞

、、、

�loo

log (1 / mA cm-2)

Fig. 3-48 1400 ocで焼成した(Lao.7SSrO.2S)1・zMn03電極の作動温度が

8000Cでの定常分極(η)の測定結果

400

300

E2∞

100

L/ /グ

2:Z=0.03 1;Z=0 3:Z=0.07

4:Z=0.1

0.5 1.5

log (1 / mA cm勺

Fig. 3-49 1400 oCで焼成した(Lao.7SSrO.2S)1・zMn03電極の作動温度が

700 oCでの定常分極(η )の測定結果

作動温度が7000CではZ=Oの定比組成の電極で最も優れた分極特性が得ら れた。 既に述べたように、 交流インピーダンス法(図3-7)より求まる分極導 電率(σE3)は電解質/電極界面近傍の酸化種の電気化学的な反応(吸着、 移動、

電荷の移行など) の速度により支配されるが、 カレントインタラプション法 (図3-4)により求まる分極曲線には界面から比較的沖合の電極内の酸化種の拡

散にも大きく影響を受ける。 本実験では、 Zが大きい電極において作動温度が 高温ほどσE3が大きく、 作動温度が低下するにつれてσE3が低下し、 またηも Zが小さい電極に比べて増大する傾向が観察された。 この原因は明らかではな

いが、 第2章(図2-5) に示したようにZが増大するにつれベロプスカイト型

89

酸化物の焼結性が向上することから、 電極焼成温度が低いほど、 またZが小さ い電極ほど焼結性が低くより多孔質となり、 そのため電解質との密着性が焼成 温度が高いあるいはZが大きい電極に比べて低いことが推測される。 また電極 反応のメカニズ、ムとして、 高温では酸化種の電極内の移動が律速段階となり、

温度が低下するに従って電極表面での吸着あるいは拡散が、 更に低温では電荷 の電極/電解質界面への移動過程が律速段階となることが示唆されている。

このことから、 Zが小さい電極では、 電荷の電極/電解質界面への移動に起 因するσE3がZが大きい電極に比べて低いものの、 その多孔性に起因して酸化 種の電極細孔内の移動あるいは電極表面での吸着あるいは拡散の速度が、 Zが 大きい電極に比べて高いことが推測される。 そのためこれらの電極では作動温 度が低温になるにつれて、 電極反応速度がZが大きい電極より向上するものと 推測された。

また本実験では、 先に述べたように(図3-42---図3-44)電極の焼成温度が低 下するにつれ低温作動下でのσE3が向上する傾向が観察されたが、 これについ ても同様に電極の多孔性に基づく微構造が影響をおよぼしていることが考えら れる。 このように電極反応速度は電極の組成のみならずその組織(微構造)に も大きく影響を受けることが考えられるが、 その電極反応のメカニズ、ム を解明

するには、 今後さらなる研究が必要である。

4-6 酸素分圧の効果

図3-50---図3-52に種々の温度で焼成したX=0.25, W=l, Y1 =0.015, Y 2=0.09 の電極について、 800 oC ---1 000 oCでのσE3と酸素分圧(P02)の関係を示した。

1.5

lO

H

p、JEJ

1 ・; Tf=10500C 口 Tf= 9000C

/ -'

CI) 0.5

、、、

n=l n=l (2

μ同怜

)

」む2心 -0.5

0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5

log(P02 / Pa)

Fig. 3-50 900 oC ---1 300 oCの範囲で焼成した(Lao.7SSfo.2s)o.9Mno.89SAlo.olsNio.0903 電極の1000 oCでの分極導電率(σE3)と酸素分圧(P02)の関係, 焼成混度Tf

90

戸n=l外

0; Tf=1300oC .; T f=1 0500C Tf= 9000C

1.5

0.5

(N'gu∞\白b)∞。{

5.5

log(Po2 / Pa)

1.5

,町、〉

ー0.5

0.5

Fig. 3-51 900 oc ,._ 1 300 ocの範囲で焼成した(Lélo.75Sro.25)o.�1lo.895Alo.0l5Nioω03 電極の9000Cでの分極導電率(σE3)と酸素分圧(P02)の関係, 焼成温度Tf

/4

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