第 1 章 参考文献
2.3.2 ハザード
本実験では顕在的ハザード,潜在的ハザード,行動予測ハザードの三つの分類の いずれかに当てはまる5種類のハザードに対する運転行動を計測した.各ハザード の回数は1回の走行あたりのハザード出現回数である.
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① 減速する先行車(顕在的ハザード)2回
自車の前を走行する先行車が予期せぬ減速を行う顕在的ハザード(図 2.4).自 車両から約100m先に停車中の先行車が発進し,39km/hで400m走行した後,減速 度3.0m/s2で3秒間減速する.自車が先行車に追突しないよう,先行車は減速後,
加速して交差点を左折する.ドライバが先行車の減速に対し,速やかなブレーキ操 作が可能かを評価した.
図 2.4 減速する先行車
② 停車車両の陰から飛び出す子ども(顕在的ハザード)2回
左前方の路肩に停車した車両の陰から歩行者(子ども)が飛び出してくる顕在的 ハザード(図 2.5).自車両が停車車両に接近するタイミングで対向車が停車車両の 横を通過する.そのため,実験参加者は対向車の通過を待ってから停車車両を追い 越す.自車両が停車車両の追い越し中,歩行者は自車両との距離が約 20m となっ た時点で加速度1m/s2,最高速度5km/hで自車両から見て左から右へ横断する.歩 行者の飛び出しに対し,すぐに停車できるかを評価した.
図 2.5 停車車両の陰から飛び出す子ども
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③ 左側の停車車両(潜在的ハザード)1回
左前方の路肩に停車した車両の陰から歩行者が飛び出す可能性を予測する潜在 的ハザード.実際に歩行者が飛び出した「② 停車車両の陰から飛び出す子ども」
のハザードを経験した後に遭遇する設定とした.自車両が停車車両に接近するタイ ミングで対向車が停車車両の横を通過するため,自車両は対向車の通過後,停車車 両を追い越す必要があり,このときの速度によって安全性を評価した.
④ 横断歩道付近の歩行者(行動予測ハザード)2回
自車両から見て左側歩道上の横断歩道付近に歩行者が車道側を向いて立ち止ま っており,歩行者が横断する可能性を予測する行動予測ハザード(図 2.6).横断歩 道手前で減速しなかった場合,歩行者は歩道に留まり横断することはない.減速し た場合は,ドライバが歩行者の横断を待ち続ける可能性があるため,横断歩道手前 32m以内で自車両の速度が36km/h以下となった時点で歩行者が向きを変えて歩道 を歩き始めることとした.歩行者を知覚し,横断歩道手前で減速するかを評価した.
図 2.6 横断歩道付近の歩行者
⑤ 左前方を走行する自転車(行動予測ハザード)4回
左側前方を走行する自転車と接触する可能性を予測する行動予測ハザード(図 2.7).自転車は自車両の前方約90mの位置から時速30km/h で右に約1.4度傾いた 方向へ約8s走行し,その後,約5s直進した後,交差点を左折する.自転車と十分 な距離を保ち,速度を落として走行できるかを評価した.ドライバが自転車を追越 せないようにするため,自転車に接近するタイミングで対向車が近づいてくる場合 を2回,右側の路肩に車両を停車させた場合を2回実施したが,これらの結果には 違いが認められなかったため両者を合わせて解析した.
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図 2.7 左前方を走行する自転車
表 2-1 ハザードごとの情報提示条件
提示開始 時間 内容 位置(縦・横) 図
① 先行車の減速 先行車の減速開始 と同時
2 秒間 明滅
上向き 三角形
先行車の下,
先行車の中央
② 停車車両の陰から飛び出す子ども 子どもの飛び出し
と同時
1 秒間 明滅
右向き 三角形
歩行者の胸位置,
左側9度付近
③ 左側の停車車両 停車車両までの距 離が約100mの時 点
3 秒間 点灯
上向き 三角形
停車車両の下,
停車車両中央
④ 横断歩道付近の歩行者 横断歩道までの距
離が70mの時点
3 秒間 点灯
左向き 三角形
歩行者足元,
歩道と車道の境
⑤ 左前方を走行する自転車 自転車までの距離
が85mの時点
5 秒間 明滅
左向き 三角形
自転車下部,
自転車位置
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