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1981   1982   1983   1984   図2−20 オオカバフスジドロバチの変動主要因分析。年次間増殖率(Ⅰ)を第  

一・および第二世代の羽化成虫定着率(P),産卵率(F),および卵か   ら成虫までの生存率(S)に分割した。  

表2−3 オ・オ・カバフスジドロバチ個体数の年次間変動を規定する主要因の分   析。年次間の羽化成虫数増加率(Ⅰ)を,第一世代および第二せ代の   羽化成虫定着率(P),産卵率(F),および卵から成虫までの生存率  

(S)に分割し,各要素とⅠの間の回帰関係をみた。  

P(t,1)F(t,1)S(t,1)P(t,2)F(t,2)S(t,2)  

回帰係数(b) 0‖25  −0.22 −1..22  0.40  0..60  1.19   相関係数(り  0..52 −0.75 −0..97  0.52  0.72 1.00  

P   ns   ns   ns   ns   ns   <0.005   

ー30一  

ざて,表2−4に各ステージの増殖率,および年次間増殖率の密度依存性に関する結果を示した。Kuno  

(1987)にしたがって,横軸に初期密度の対数を,縦軸に各ステージの増殖率の対数をそれぞれとり回帰関係を調   べた。回帰直線の傾き(b)が0であれば,増殖率ほ密度と無関係であり,0よりも小さければ密度依存過程が   存在することになる。結果は,やはり第一世代および第二世代の羽化成虫定着率(p(t,1),p(t,2))に密度依存性が認   められこのステージにおいて調節がおこなわれていることがここでも示酸された。一九全体としての年次間   増殖率は初期密度に.対して,回帰係数が−1よりもかなり小さいという過度の密度依存性を示した。これは,第二   世・代生存率(s(t,2))における過度の密度依存作用に起因するものであろう。表2−3にみられた年次間増殖率に対  

するこのステージの寄与の大きさからもこのことは袈づけられる。この第二世代生存率の作用は,個体数の安定   化に貢献もしないかわりに,個体群を大きく撹乱するほどの働きももっていなかった(表2−2)。  

表2−4 オオカバフスジドロバチの年次間増殖率(Ⅰ)の密度依存性を羽化成   虫数(A)との回帰関係により調べた。また,第一世代および許二世   代の羽化成虫定着率(P),産卵率(F),および卵から成虫までの生   存率(S)にみられる密度依存性を,それぞれ羽化成虫数(A),営巣   成虫数(NA),および卵数(E)との回帰関係により調べた。  

Ⅰ(t) P(t,1)F(t,1)S(t,1)P(t,2)F(t,2)S(t,2)  

0 00  

5 9    S   ◆  り 3 ︻l▲  

2 0   

+  

00 1  

6 6    S   ⁝ ‖ 4 n  

O O   

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5 7    S  ⁝ 小 4 n  

O O  

− ■  

7 5  

1 1     S   ●  小 4 n山  

0 0  

2 8  

5 7    S   ︐ ● 4 n  

2 0  

− −   

回帰係数(b)−3.32 −1.42   相関係数(ーう ー0.94 ・用.96  

プロット数  3   4  

P   ns   <0.05  

以上の解析で,まず個体数の年次変動を規定する変動主要因は第二世代生存率であり,そこでは過度の密度依   存性が検出された。−・方,個体数の安定化に寄与するステージは第一嚢よび第二世代の羽化成虫定着率であった。   

以上の結果は,各世代について年次変動性を検討したものであった。このため4年間の調査結果は,4つ(ま   たほ3つ)という比較的小さなサンプルサイズで解析せざるを得なかった。統計的により確実な結果を得るた   め,以下では,Kuno(1987)の方法にしたがって,4年間8世代の個体数変動の情報を8世代の連続した変動とし   てとらえ,解析してみる。まず,変動主要国を抽出するために,図2−21に世代間増殖率およびその各構成要素   の変動を示し,表2−5に回帰結果を示した。いずれも鮮明な結果が得られ,卵から成虫までの生存率が変動主   要因としてこもっとも蛮要であった。これは前に述べた年次間の解析結果とも符合する。次に,表2−6に世代間   増殖率およびその各構成要素について,初期密度との回帰関係から密度依存性の有無を検討した。これは,各構   成要素の密度依存性を,世代をこみにして解析したもので,表2−4の世代ごとの結果のうち第一世代と第二世   代をまとめて表していることになる。産卵率(F),および羽化成虫定着率(P)に密度依存性が認められ,全体  

としての世代間増殖率ははぼ完壁に調節されていた。   

−31−  

I   lI   I n   I   Ⅱ   Ⅰ   Ⅱ   1981   1982   19$3   1984  

世代   

図2−21オオカバフスジドロバチのKuno(1987)の方法による変動主要国分   析。各世代の羽化成虫数から次世代の羽化成虫数までの増殖率(Ⅰ)  

を羽化成虫定着率(P),産卵率(F),および卵から成虫までの生存   率(S)に分割した。  

表2−5 オオカバフスジドロバチ個体数の世代間変動を規定する要因の分析。  

世代間増殖率(Ⅰ)を羽化成虫定着率(P),産卵率(F),および卵か   ら成虫までの生存率(S)に∴分割し,各要素とⅠとの回帰関係をみた。  

P(t,i)F(t,i)  S   t    回帰係数(b)  −0.08  

相関係数(ー)  −0い14  

プロット数   7  

P   ns   <  

5  

7 4   0  

6 9   0   ●  ● 7  ●  

0 0   0  

2 00  

4 5    S   

●  ● 7 n O O  

表2−6 オオカバフスジドロバチ個体数の世代間増殖率(Ⅰ),羽化成.虫定着   率(P),産卵率(F),および卵から成虫までの生存率(S)の初期密   度に対する密度依存性。  

Ⅰ(t,i)P(t,i)F(t,i)S(t,i)  

回帰係数(b)  −1.02 −・0.60 −0.93 −0.42   相関係数(r・)  −・0.68 −・0..55 −0.76 −−0..29   プロット数   7   8   8   7  

P   <0.1    ns   <0い05  ns   

ー32−  

ここに述べた第二番目の解析法は,各ステージにおける増殖率が世代間で異ならないという前提に立っている。  

この前提が本研究においては部分的にしか成立しないことをこのあと述べるが,それにしても全体的な傾向をつ   かむ上で,この方法ほ有用であった。すなわら,卵から成虫にかけての生存率が変動主要因として蚤要であるこ   とを再確認するとともに,羽化成虫定着率に加えて産卵率もまた平均的に見た場合には密度依存的であることが   示されたのである。ここで表2−4にもどちて,各ステージにおける増殖率の密度依存性が第一せ代と第二世代  

でどう違っていたかをみると,羽化成虫定着率および産卵率ほ第一世代のはうが密度依存性が高かった。これ   は,第一世代成虫の羽化時期が集中していたために,移出や営巣放棄が密度の変化に対してより鋭敏におこった   ためと考えられる。一・方,卵から成虫までの生存率における密度依存性は,第二世代のはうが圧倒的に高かった。  

この理由については次章において詳しく述べる。いずれにしても世代間で増殖様式(特に密度依存性の程度)が   異なっていたことは事実であり,この解析法による結果の解釈にあたってはこのことに充分留意する必要がある。   

以上の結果を総合すると,オオカバフ個体群の変動性は成長段階における生存率によって大きく規定されるこ   と,およびその個体数調節は,羽化成虫の定着過程と営巣成虫の産卵過程において達成されることがそれぞれ明   らかとなった。この調節過程の具体的な内容については次章以下で詳細に述べるが,各小生息場所に対して空間   的に密度依存的な攻撃をおこなう寄生著を避けるための,ハチ成虫の移動分散によるものと考えられた。   

B. オオフタオビドロバチ   

卵数の年次間(世代間)変動(Ⅰ(t))を,各成長段階での生存率SE′、ノSp)および羽化成虫から卵までの増殖率(0v)  

に分けて図2−22に示した。年次間変動ともっとも同調して一変動するのは,Ovであることがわかる。ⅠとOvの  

−・次回帰直線の傾き(b)は0.61,相関係数(Ⅰ・)は0.82であった。  

・  

▲・▲●▲  

19Sl   1982   1983   19$4  

図2−22 オオフタオビドロバチの変動主要因分析。年次(世代)間増殖率(Ⅰ)  

を各発育段階における生存率(SE〜Sp)および羽化成虫から卵までの   増殖率(Ov)に分割した。   

−33一   次に各構成要素について,その初期密度に対する密度依存性を調べたものを表2−7に示した。年次間増殖率   には密度依存的な傾向がみられ,なんらかの密度調節機構の存在が示唆される。また各構成要素のうち唯一層虔   依存性が検出されたのほ羽化成虫期から卵期までの過程であった。   

この結果より,個体数の変動主要因および調節要因ともに羽化成虫期から卵期までの過程において検出された。  

すなわち,成虫の小生息場所選択,あるいは産卵過程においてなんらかの具体的な調節のメカニズムが存在する   ものと考えられる。次節で詳しく述べるが,ある時点におけるオオフタオビの小生息場所当り営巣個体数は常に   1〜2個体であり,その空間分布は互いにその存在を避けあう−・様分布を示した。すなわち,産卵場所選択の段   階でオオフタオビは他個体が営巣して:いる場所を避けるため,各小生息場所における累積産卵数が制限され,図  

09  12 

2−19に示されたように10(8)〜10(16)卵程度しか1小生息場所当りに産卵されないものと思われた。  

表2−7 オオフタオヒドロバチの年次間増殖率(Ⅰ),およびその各構成要素  

(卵期生存率SE,幼虫期生存率SL,前桶期巷存率Spp,嫡期生存率   Sp,および羽化成虫から卵までの増殖率Ov)における初期密度に対   する密度依存性。  

S−〉P(t) S−,(t) Ov(t)  

回帰係数(b)−1.58   相関係数(r)−・0..99   プロット数   3  

P   ns  

0り01  0…05 ・−・1.13   0..07   0.16  一−0.85  

4   4   3   

nS   nS   nS  

2−3−4 個体数の空間分布の経時的変動   

本小節においてほ,各種カリバチ煩の空間分布様式が各ステージの間でどのように変化するかをみることによ   り,空間分布がより一様になる時期をつきとめる。前小節までで示してきた個体数の経時的な安定化機構と,空   間的な安定化の機構との関連を示すことがここでの目的である。なお,個体数の空間的な安定化,および舵乱が   具体的にどのような変因によって引き起こされているかの解析は次章でおこない,また各種ハチ類における空間   分布の集中性(あるいは一徹性)の程度を決めている近接安田および究極安国については第4章で分析する。   

A オオカバフスジドロバチ  

まず,各世代について小生息場所当りの羽化個体数,1日当り営巣個体数,および産卵数の空間分布をIwao  

*  

(1968)およびIwao&Kuno(1971)の提案した平均値(m)一平均こみあい度(m)関係から解析する。図2−23  

*  

は,上記の3つのパラメータにおけるm−m関係を示したものである。この結果は経年調査地点5ヶ所のデータ   によっている。回帰直線のy切片α,および傾きβはそれぞれ,空間分布しているグループ当り個体数(α=0   で個体単位),および空間分布様式(β=1でランダム,>1で集中,<1で−・様)を示している。羽化個体数で    ほ,α=−0い31±1.69(95%CL),β=1。20±0り39,1日当り営巣個体数でほ,α=−0..84±1.12,β=1.26±  

0.42,産卵数では,α=0.44±4一.53,β=1.18±0.64であった。いずれにおいてもαは0と有意な差がなく,ま