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セシウム 134 とセシウム 137 の放射能強度比

ドキュメント内 15 (ページ 172-177)

第 7 章 さいごに 125

B.4 セシウム 134 とセシウム 137 の放射能強度比

セシウム137とセシウム134は、福島第一原子力発電所から放出され、あた りにまき散らされ、いま未だに地面にしっかりとふちゃく付着している。同じところから来 た同じセシウムなのだが、その由来はずいぶん随分とちがう。

セシウム137はウランの核分裂で生まれる核分裂生成物である。一方、セシ ウム134はウランの核分裂では出てこない。だから、原子爆弾が爆発した後に 残る放射性物質には、セシウム137は含まれているが、セシウム134は含まれ ていない。

セシウム134が出てくる理由は以下のとおり。ウランが核分裂すると、半減 期5日の不安定なキセノン133が生まれる。キセノン133はほうかい崩壊して安定な セシウム133になる。このセシウム133が原子炉の核燃料の中に置かれてい ると、核分裂の際に出てくる中性子を捕獲してセシウムほかく 134になるのだ。だか ら、セシウム134の量は、原子炉がどれくらいの期間運転していたか、あるい は、使用済み核燃料がどれくらいの期間使用されていたかを反映する。

一般に、原子炉からでてくる セシウム 134 と セシウム137 の放射能強度 比、つまり

r = (ベクレルで表わしたセシウム134の量) (ベクレルで表わしたセシウム137の量)

は、0.4 から 1.5 の範囲に入るとされる。チェルノブイリの場合、rは0.55程 度だった。

今回の福島原発の事故で放出されたセシウムの場合、放射能強度比rは、(放

B.4 セシウム134とセシウム137の放射能強度比 157 経過年数 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 放射能強度比 1 0.85 0.73 0.62 0.53 0.46 0.39 0.33 0.29

B.3 セシウム134とセシウム137の放射能強度比rの事故後の変化。

出直後には)ほぼ1に等しかったようだ。土壌の調査でも、海水の調査でも、

ほぼ 1 という結果が出ている*24(降下量のデータについては、91 ページの 図5.1を参照)。セシウム137とセシウム134はいったん放出されればまった く同じように拡散していくはずだから、これは、もともとの汚染源(核燃料、

あるいは、使用済み核燃料)での存在比をそのまま反映していると考えられる。

セシウム134の半減期は2年、セシウム137の半減期は30年なので、セシ ウム134のほうが速く減っていく。そのため、放射能強度比rは、時間が経て ばだんだん減っていくことになる。

表 B.3に、事故からの経過年数にともなって放射能強度比r がどのように 変化していくかを計算した結果を示した。本文で、放射性セシウムに関する計 算をする際には、この結果を利用している。

*24なお、r1に近いからといって、普通の意味で両者が「同じだけある」のではない。r 1なら、モル数や質量で測れば、セシウム137はセシウム134の約15倍ある。

158

索引

10のべき乗, 135 ALARA原則, 77 Bq, 18

Bq/kg, 20, 110 Bq/m2, 19, 90 DDREF, 74 DNA, 63

eV, 13, 16, 27, 33,134 Gy, 146

ICRP, 55,69, 75, 77, 113, 145 ICRU, 152

IQの低下, 88 J, 13,133 JCO, 61 kBq/m2, 19, 90 LSS, 67, 72, 86, 144 MBq/km2, 90 MeV, 134 mSv, 50 µSv, 50 µSv/h, 26, 51

Sv,49, 150, 152 WBC, 111, 122 WHO, 127

X, 25, 44, 59, 69, 75, 88

アポトーシス, 64 , 96

アルファ線, 14, 20,24, 45, 46, 149 アルファ粒子, 24

一様ガンマ線被曝, 147 医療被曝, 59

ウクライナ, 46, 127 宇宙線, 26, 58, 59, 96 ウラン, 33

疫学, 67, 74, 143

エネルギー, 13, 16, 24, 27, 31, 33, 62,133 エレクトロン・ボルト, 13, 16, 27, 33, 134 汚染密度, 19, 90, 93, 97

空間線量率と—, 98 化学結合, 11

化学反応, 12 核種, 15 核実験, 93, 124

核燃料, 34, 35, 37, 38, 157 使用済み—, 38, 157 核爆発実験, 93, 124 核分裂, 33

核分裂生成物, 35, 156 確率, 21, 61, 70, 81, 143 花崗岩, 57

加重平均, 148, 152 過剰絶対リスク, 144 過剰相対リスク, 144 活性酸素, 63, 63

カリウム, 19, 20, 26, 45, 114, 156 換算

シーベルト、ミリシーベルト、マイクロ シーベルトの—, 50

ベクレルからグラムへの—, 155

159

ベクレルからモルへの—, 155 ベクレル毎平米とキロベクレル毎平米

—, 90

ガイガーカウンター, 26, 51 外部被曝, 44, 50, 100 ガラスバッジ, 101 , 61, 64

の発症率, 66

ガンマ線, 16, 17, 20,25, 28, 45, 46, 50, 62, 74, 95, 97, 135, 145, 149 希ガス, 37

基準

被曝線量の—, 77 キセノン, 20, 37, 44, 156 気にする自由, 85, 131 キノコ, 57, 104, 110 吸収線量, 146 吸収線量率, 147

キロベクレル毎平米, 19, 90 緊急時被曝状況, 78 空間線量, 26, 51, 96 空間線量率, 26, 51, 96, 97

と地面の汚染密度, 98 クジ引き, 81

グレイ, 146 警戒区域, 2 原子, 9 原子核, 11, 14

安定な—, 15

の崩壊, 16, 21, 28, 36, 90, 96 不安定な—, 15, 35

原子爆弾, 33, 37, 67, 156 原子番号, 11, 15

原子力発電, 35 原子炉, 34, 37 元素, 10, 116

放射性同位—, 17 元素記号, 10, 15 現存被曝状況, 78 降下量

セシウムの—, 91 光子, 16, 27

甲状腺, 45, 126

甲状腺等価線量, 60, 151, 153 甲状腺への被曝量, 60, 151, 154 厚生労働省, 110

高線量地域, 59 校庭, 102

国際放射線防護委員会, 55,69, 75, 77, 113, 145

個人差, 76, 84 個人積算線量計, 101 個人線量当量, 153 ゴイアニア, 114 再浮遊, 104 再臨界, 39 参考レベル, 79 暫定基準, 56, 155 閾値, 74

自然被曝, 57, 70, 76 自然放射線被曝, 57, 70, 76 質量数, 15, 155

遮蔽, 24, 95 周辺線量当量, 153 食事, 122

食品, 110

使用済み核燃料, 38, 157 新宿, 92, 94

シンチレーションカウンター, 26, 51 シーベルト,49, 150,152

実効線量,49, 113, 147,152 外部被曝の—, 50, 100 内部被曝の—, 51, 113

の見積もり, 152 実効線量係数, 55, 113, 153 地面の汚染密度, 93

空間線量率と—, 98 寿命調査, 67, 86, 144 循環注水冷却, 39 ジュール, 13,133 除染, 95, 102, 105 除染支援, 102 水素爆発, 12, 37 ストロンチウム, 20, 33 制御棒, 36

160 索引

生体分子, 27, 47, 54, 63 世界保健機関, 127

セシウム, 15, 19, 20, 22, 33, 38, 44, 46, 48, 57, 90, 110, 114, 155, 156

の降下量, 91

の放出量, 155

セシウム134とセシウム137, 156 線形閾値なし仮説, 72, 77

線源, 23

線量, 26, 49, 51, 96 線量計, 26, 51, 153 線量・線量率効果係数, 74 線量当量, 153

線量率, 26, 51, 96 組織加重係数, 151 外遊び, 103 損害, 151 胎児, 88

正しく怖がる, 131

チェルノブイリ, 45, 94, 110, 114, 122, 126 中性子, 14, 32

中性子線, 24, 35, 74, 150 抽選, 81

超ウラン元素, 35 直線閾値なし, 72 強さ

放射線の—, 26, 51, 96 デオキシリボ核酸, 63 電子, 11

電子ボルト, 13, 16, 27, 33, 134 電離作用, 23, 45, 47, 63 東海村, 61

等価線量, 53, 60, 149 トナカイ, 114 ドイツ, 110 動態, 52

動態モデル, 53, 117

内部被曝, 27, 45, 51, 60, 110, 113 内部被曝検診, 123

長崎, 67, 72 浪江町, 2

妊婦, 88, 101 粘土鉱物, 90 燃料棒, 37, 41 , 88 白血病, 61, 70 半減期, 20, 155 飛距離

放射線の—, 23, 45 飛行機, 59, 75, 77 ひたちなか市, 92 被曝, 43

被曝線量, 49 被曝線量の基準, 77 被曝量, 49

標準人, 76 広島, 67, 72 ビスマス, 96 微生物, 29 双葉郡, 92 ブラジル, 114 分子, 11

プルトニウム, 20, 48 平均的個人, 76 平衡量

放射性セシウムの—, 117 平米, 19

べき乗, 135 ベクレル, 18, 119

ベクレルからモル、グラムへの換算, 155 ベクレル毎キログラム, 20, 110

ベクレル毎平米, 19, 90 ベラルーシ, 46

ベータ線, 16, 17, 20,25, 28, 45, 46, 95, 149

崩壊, 16, 21, 28, 36, 90, 96 崩壊熱, 36, 37

放射性同位元素, 17 放射性廃棄物, 35 放射性物質, 18, 89

ドキュメント内 15 (ページ 172-177)