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スモールピクセル効果を利用する検出器の最適な構造の検討

ドキュメント内 master thesis oonuki (ページ 34-37)

第 3 章 ピクセル型 CdTe 検出器のスペクトル特 性の考察性の考察

3.6 スモールピクセル効果を利用する検出器の最適な構造の検討

これまでの議論により、スモールピクセル効果によって、厚い素子でもエネルギー分解能の高 いスペクトルを取得可能であることを実証した。そこで、本節では、スモールピクセル効果を最 大限利用することのできる検出器のジオメトリに関して考察を行う。

ピクセル電極で、高いエネルギー分解能を実現するためには、光電ピーク曲線がx軸に垂直で あることが重要である。光電ピーク曲線がx軸に垂直になる条件は、ピクセル電極の電荷誘導効 率が素子のほとんどの領域で平らであればよい。図3.15に、5 mm厚の素子でピクセルサイズの 異なる検出器の電荷誘導効率の計算結果を示す。図から明らかなように、ピクセルサイズが大き くなるとプレーナ型の検出器の応答に近づき、陽極付近で効率が大きく低下する。逆にピクセル サイズを小さくすると、陽極側の効率が上昇し、プレーナ型とは逆の勾配を持つようになる。前 者はホールのトラップの影響であり、後者は電子のトラップと影響である。

図3.16に、5 mm厚のCdTe素子の場合に電荷誘導効率の最大値を与える深さ(実線)と、その 2 %の範囲(点線)をしめす。点線に挟まれた領域がスペクトル中のピークをつくるため、この幅 が大きいW/L比を持つ検出器がより優れたスペクトル性能を示すことを意味している。5 mm厚 の場合は、W/L比が0.4付近がスモールピクセル効果を最大限利用できることになる。

これを、様々な厚みの検出器に対して計算した結果が図3.17である。2 mm厚程度の素子の場 合、W/L比が0.15付近が望ましいことがわかった。これは、300µmピッチに相当する。なお、

この図は、素子内の電場が2000 V/cm、µτeが0.0025 cm2/V、µτhが0.0001 cm2/V、共通電極 とピクセル電極の収集時間を0.5µsと2µsとしたときのもので、動作条件を変えた場合はこの見 積もりも変わる。

W/L = 0.2 W/L = 0.3 W/L = 0.4 W/L = 0.8

3.15: 様々なピクセルサイズに対する電荷誘導効率(C.I.E.)。この効率が平坦であるほど、

スペクトルの鋭いピークを得ることができる。

3.6. スモールピクセル効果を利用する検出器の最適な構造の検討 29

3.16: 5 mmCdTe素子のW/L比と光電ピークの幅の関係。実線は電荷誘導効率が最も 大きい位置、上下の点線はその2 %以内の位置を示す。この幅が大きいほど、スペクトル中 のピークに寄与する部分が多いことを意味し、鋭いピークを得ることができる。

3.17: もっとも平坦な光電曲線を与えるピクセルサイズと厚みの関係。

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