第 4 章 ジョブをスケジュールする
4.3 必要に応じて行う設定
4.3.8 ジョブネットの持ち越しを行う場合
本日起動予定のジョブネットが、起動されないまま日変わり時刻を越えてしまった場合に、スケジュールの再作成を行わ ずに、翌日にスケジュールを持ち越すことができます。翌日までスケジュールを持ち越した場合、前日の残りの起動条件 を待ち合わせます。
持ち越しが行われると、ガントチャートなどのジョブネット状態の監視ウィンドウやコマンドで、ジョブネットの状態を持ち越 し状態として確認できます。
持ち越しの対象となるジョブネットは、以下の条件にすべて該当する場合のみになります。
・ [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートの[起動条件]において、時刻起動が1つだけ、または[メッセー ジ事象発生時のみ起動]が指定されている
・ [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シートで、[日変わり時刻到来時に持ち越し処理を行う]が指定され ている
・ 待ち合わせるメッセージ事象が発生しないため未起動のまま日変わり時刻を越えている
注意
[メッセージ事象発生時のみ起動]が指定されているジョブネットの持ち越しについて
[メッセージ事象発生時のみ起動]で[起動日のみ有効]が指定されているジョブネットを持ち越した場合、持ち越された日 が非起動日であったときは、メッセージ事象の発生は無視されます。持ち越された日が非起動日であった場合でも、メッ セージ事象の発生により、ジョブネットを起動させたいときには、あらかじめ[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセー ジ]シートの[起動日のみ有効]を設定せずにジョブネットを登録しておいてください。
持ち越しを行う場合は、以下のどちらかの方法によって定義します。定義方法を以下に説明します。
・ [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートおよび[メッセージ]シートによる定義
図4.43 [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シート
[時刻起動]:
ジョブネットを時刻により起動する場合に、起動する時刻を指定します。
[メッセージ事象発生時のみ起動]:
特定のメッセージ事象が発生した時にだけ、ジョブネットを起動する場合に指定します。
図4.44 [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シート([メッセージ事象発生時のみ起動]が指 定されていない場合
)[起動時刻の到来を待つ]:
メッセージ事象が発生しても、起動時刻になるまで、ジョブネットの起動を待つ場合に指定します。
[日変わり時刻到来時に持ち越し処理を行う]:
ジョブネットが未実行のまま日変わり時刻を迎えた場合に、前日の起動予定日時を持ち越したいときに指定 します。
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートの[起動条件]で、[メッセージ事象発生時のみ起動]を指定し た場合、以下の[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シートが表示されます。
図4.45 [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シート([メッセージ事象発生時のみ起動]を指 定している場合)
[メッセージ事象発生時のみ起動を指定した場合の設定]:
[メッセージ事象発生時のみ起動]を指定し、ジョブネットが未実行のまま日変わり時刻を迎えた場合に、前日の 起動予定日時を持ち越したいときに指定します。Systemwalker Operation Manager V13.1.0以前のサーバに接続 した場合は、指定できません。
・ jobschsetnetコマンドによる定義
jobschsetnetコマンドによる定義方法、および定義済のジョブネットの表示方法について説明します。
- jobschsetnetコマンドによる定義方法
1. ジョブネット制御文に以下の指定をします。
時刻起動(単一起動)は、starttimeオペランドを指定して、ジョブネットの起動時間を設定します。
メッセージ事象発生時のみ起動は、msgonlyオペランドにONを設定します。
日変わり時刻到来時の持ち越し処理は、carryoverオペランドにSET(指定あり)を指定します。
2. -nentまたは-ncheオペランドを指定してjobschsetnetコマンドを実行します。“定義ファイル”には、1.で編集
したジョブネット制御文を格納したファイル名を指定します。
jobschsetnetコマンドおよびジョブネット制御文については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュ
アル”の“ジョブスケジューラコマンド”を参照してください。
- 定義済みのジョブネットの表示方法
定義済のジョブネットは、jobschprintコマンドに-a(-A)オプションまたは-rオプションを指定して表示することができ ます。-a(-A)オプションを指定した場合、時刻起動は“Start Time”に、メッセージ事象発生時のみ起動は“<MSG>”
に、日変わり時刻到来時に持ち越し処理を行う指定は“Carry Over:”に表示されます。-rオプションを指定した場 合、時刻起動は“starttime”に、メッセージ事象発生時のみ起動は“msgonly”に、日変わり時刻到来時に持ち越 し処理を行う指定は“carryover”に表示されます。
jobschprintコマンドについては、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”の“ジョブスケジュー ラコマンド”を参照してください。
なお、日変わり時刻到来時の持ち越し処理については、メッセージ事象制御文のcarryoverオペランドにSET(指定あり) を指定し、jobschsetnetコマンドの-sentオペランドを指定して制御文を登録することもできます。
詳細については、Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”の“ジョブスケジューラコマンド”を参照して ください。
参考
持ち越し状態のジョブネットに対して持越解除操作を行うことにより、持ち越したスケジュールを破棄し、新たなスケジュー ルを作成することができます。
4.3.9 メール受信を起動契機とする場合
メール受信を契機に、ジョブネットを起動することができます。
ジョブネットを起動する場合、ジョブスケジューラ専用のユーザに、以下のメールを送信します。“msgevent”というキーワー ドは、あらかじめ決められています。メッセージ事象名は、起動したいジョブネットが待ち合わせているメッセージ事象名 を指定してください。
・ 件名:
msgevent:メッセージ事象名[:プロジェクト名]
・ 宛先:
[ジョブスケジューラ起動パラメタの定義]ウィンドウ-[メール環境]シートで指定した、ジョブスケジューラ専用のユー ザ名
・ 内容:
(任意)
このメールにより、指定したメッセージ事象が発生し、ジョブネットが起動します。新規メールの到着は、5分ごとにチェック されます。
注意
・ メールのサブジェクトはデコードされません。そのため、メッセージ事象名およびプロジェクト名には、アルファベットし か指定できません。日本語を使用した場合、メールが到着してもジョブネットは起動できません。
・ E-mailを受信すると、メール全体の内容が、インストール先のデータベースディレクトリ配下のmailディレクトリにメッ
セージ事象名.textファイルとして作成されます。このファイルにはメール全体が格納されます。このファイルが削除さ れるまで、同じメッセージ事象名のメールは受け付けられません。通常、メールを契機に起動されるジョブネット内で、
このファイルを削除する必要があります。
・ メールの添付ファイルは、デコードされてインストール先のデータベースディレクトリ配下のmailディレクトリに格納され ます。添付ファイルにファイル名が指定されている場合は、その名称になります。ファイル名が指定されていない場 合、ファイル名はメッセージ事象名.binaryとなります。ファイルが既存の場合は上書きされます。
・ メールの添付ファイルは、MIME形式バージョン1.0の場合、メール本文となります。ただし、マルチ・パートには対応 していません。シングル・パートで送信してください。
・ 分割メールはサポートしていません。分割されたメールは、それぞれ別々のメールとして扱われます。
・ 添付ファイルのデコードは、7-bit、base64、quoted-printable、uuencodeに対応します。
4.3.10 任意のサブシステムにネットワークジョブを依頼する場合
複数サブシステム運用を実施しているときに、自ホストのサブシステム、他ホストのサブシステムにかかわらず、任意のサ ブシステムにネットワークジョブを依頼することができます。
任意のサブシステムにネットワークジョブを依頼するには、以下のいずれかの方法で指定します。指定方法を以下に示 します。
GUIで指定する方法
[登録-ジョブ]ウィンドウ-[基本情報]シートで指定します。
図4.46 [登録-ジョブ]-[基本情報]シート
[コマンド]
[コマンド]の先頭に、-rsysオプションを指定します。[コマンド]の指定方法は、以下のとおりです。
-rsys サブシステム番号コマンド
-rsys サブシステム番号:ネットワークジョブを依頼するサブシステム番号を指定します。
[ジョブをネットワークジョブとして投入する]
自ホストと異なるホストのサブシステムにネットワークジョブを依頼するときは、チェックボックスをチェックします。自ホ ストのサブシステムにネットワークジョブを依頼するときは、チェックボックスをチェックする必要はありません。
[依頼ホスト名]
依頼先のホスト名を指定します。自ホストのサブシステムにネットワークジョブを投入したい場合は、指定する必要は ありません。
コマンドで指定する場合
“qsub ジョブの投入コマンド”の、-rsysオプションに依頼先のサブシステム番号を指定します。指定例を以下に示します。
qsub [-rh 依頼ホスト[-rsys サブシステム番号]] ジョブファイル
-rh 依頼ホスト:依頼先のホスト名を指定します。
-rsys サブシステム番号:ネットワークジョブを依頼するサブシステム番号を指定します。
自ホストと異なるホストのサブシステムにネットワークジョブを依頼するときは、-rsysオプションと同時に、-rhオプションを指 定してください。自ホストのサブシステムにネットワークジョブを依頼するときは、-rhオプションを指定する必要はありませ ん。
詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”の、“qsub ジョブの投入コマンド”を参照してくださ い。
APIで指定する場合
ジョブ投入API(Mp_SubmitJob)には、引数submitinfに、qsubコマンドの引数が指定できます。引数submitinfに-rsysオプ ションを指定することにより、実行サーバのサブシステムを指定します。引数の記述形式は、qsubコマンドにおける-rsysオ プションの指定方法と同じです。
ジョブ投入API(Mp_SubmitJob)の詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”の、“ジョブ投入 API”を参照してください。
注意
任意のサブシステムに投入できないジョブ/キューについて
・ 以下のジョブについては、任意のサブシステムへのネットワークジョブは投入できません(投入元で、ネットワークジョ ブを依頼するときのサブシステム番号が指定できません)。
- デマンドジョブ(ジョブフォルダ/フォルダ管理外ジョブからのジョブ投入)
- Interstage属性のジョブ
- JCL(業務手続言語)のジョブ
・ 分散実行キュー、旧互換負荷分散キューに、任意のサブシステムへのジョブ投入はできません(投入元で、ジョブを 依頼するときのサブシステム番号が指定できません)。
参考
・ ジョブの投入元サーバ(スケジュールサーバ)がSystemwalker Operation Manager SE版で、依頼先サーバ(実行サー バ)がSystemwalker Operation Manager EE版の場合、本機能を利用してジョブを投入する実行サーバのサブシステ ムを指定することができます。
ポイント
[ジョブをネットワークジョブとして投入する]/-rhオプションの指定方法について
・ クラスタ構成でない単一サーバで運用している場合
- ジョブの投入サーバと同じホストにジョブを投入する場合は、[ジョブをネットワークジョブとして投入する]および-rhオプションを指定せずに投入サーバと同じホストにジョブを投入することができます。
・ クラスタ構成で運用している場合
- クラスタ上で運用しているサブシステムに対してジョブを投入するときは、[ジョブをネットワークジョブとして投入す る]を指定した上で[依頼ホスト名]に論理IPアドレスを指定する、または論理IPアドレスを指定した-rhオプションを 指定する必要があります。
- クラスタ上で運用していないサブシステムに対してネットワークジョブを投入するときは、[ジョブをネットワークジョ ブとして投入する]を指定した上で[依頼ホスト名]に物理IPアドレスを指定する、または物理ノードのIPアドレスを 指定した-rhオプションを指定する必要があります。