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クリーンダッカ・プロジェクトの5回のサイクル

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 104-107)

第 3 章 クリーンダッカ・プロジェクトの事例分析

3.6 クリーンダッカ・プロジェクトの5回のサイクル

ここで、これまでに見てきたクリーンダッカ・プロジェクトの流れを、時系 列で見てみる(図3-16参照)。

111 本プロジェクトの中間評価において、プロジェクトの直接の実行者であるプロジェク ト・カウンターパートが相手国側評価チームの構成員になったのは例外的である。

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図3-16 クリーンダッカ・プロジェクトの知識創造の5回のサイクル

まず、2000 年から 2006 年にかけておこなわれた 3 次の調査は最初期の計画 段階にあたる。ここでは、まず現状調査を通じて現状を認識し、それにもとづい て合理主義的計画、すなわち分析的・予測的計画がたてられた。適切な現状認識 のためには、バングラデシュ側からのローカルナレッジの提供が必要であった

2013年2月 2009年3月 2010年3月

2010年8月

2011年3月 2012年11月 2000年~2006年 2007年2月 2008年3月

2008年11月

2011年2月 2008年4月

2009年4月 2009年7月

2010年4月

1年次報告 WBA開始

中間評価 WBA認知 2年次報告

3年次報告 収集車稼働 実行

停滞 WBA発案・試行

実行 WBA展開 2年次活動計画

WBA推進

実行 収集車100

収集実験 計画

短期専門家調査 開発調査 事前調査

終了時評価 収集車稼働 プロジェクト完了報

延長フェイズ 終了時評価

WBA認知 実行

運転手確保

実行 WBA展開 収集車稼働 3年次活動計画

WBA推進

4年次活動計画 収集車稼働

延長フェイズ計画 WBA展開 収集車稼働

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が、その提供は必ずしも十分ではなく、そのため日本側からのローカルナレッジ の提供も限られたものになった。その結果、グローバルナレッジの集合からなる 計画を、日本側が中心になって策定した。また、3次の調査が分断的であったこ と、問題が個々に分析され解決策が分断的になったこと、グローバルナレッジが システム化されず断片的知識の集合にとどまったことなどから、プロジェクト 計画が分断的活動の集合になった。

この計画を実行するべく、2007年にクリーンダッカ・プロジェクトが始まっ た。しかし、組織改編の難航や汚職といった現地の文脈固有の問題に直面し、分 断的プロジェクト計画も災いして、プロジェクトは停滞した。その際に、日本側 から日本のローカルナレッジを背景にしたWBAが提案され、停滞の打開策とな った。WBAは市内各地の状況にあわせてカスタマイズする必要があり、カスタ マイズに際しては、バングラデシュ側からローカルナレッジが豊富に提供され た。また、WBAはごみの収集・運搬・清掃を統合的に運営する仕組みであった が、それは同時に、分断的であったプロジェクト活動を統合する結果にもなった。

こうして、予測どおりには進まない現状のなかで、プロジェクトは文脈に適応し、

なんとかして苦境を切り抜けることができた。

この 1年間の活動を援助側と被援助側が協働で振り返り、成功要因・失敗要 因を分析して教訓を抽出した結果は、2008年3月の第 1年次報告書にまとめら れた。その振り返りを反映して、翌年度の活動計画が修正され、それもまた同報 告書に添付された。したがって、第 1 年次の振り返りと第 2 年次の活動計画策 定が、時間的には同時期におこなわれているが、図3-16では、振り返りのフェ イズと計画のフェイズに分けた。ここまでがクリーンダッカ・プロジェクトの第 1サイクルである。

第2サイクルは、第1年次報告書に添付されたプロジェクト計画にしたがっ て、WBAの推進を主要な活動のひとつとして活動が進んだ。2008年11 月に中 間評価がおこなわれ、外部者の視点から見たプロジェクト評価がおこなわれた。

また2009年3月には第2年次報告書がまとめられ、第3年次の活動計画はWBA の推進が課題とされた。

第3サイクルは、第2年次報告書に添付されたプロジェクト計画にしたがっ て活動がおこなわれていたが、2009年に新規収集車 100台が納入され、プロジ ェクトはこの予期していなかった事態への対応に追われた。100台の新規車両が 1台も動かないまま、2010年 3月に第 3年次報告書がまとめられ、第 4年次の 活動計画はWBAの推進と新規収集車の稼働が課題とされた。

第4サイクルは、第3年次報告書に添付されたプロジェクト計画にしたがっ て、WBAの推進と新規収集車の稼働を目指して活動がおこなわれた。バングラ デシュ側の地縁・血縁の活用というローカルナレッジを通じて運転手が手配さ れ、ようやくコンパクター車が動きはじめた2010年8月、終了時評価がおこな

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われた。終了時評価は、廃棄物管理局の機能化、WBAの広範な普及、全収集車 の稼働のためにプロジェクトの延長を提言し、2年間の延長が決まった。2011年 3月には、最後の年次報告書であるプロジェクト完了報告書が作成され提出され た。

第5サイクルは、2011年2月以降の延長フェイズである。プロジェクト計画 は、延長フェイズ開始時にプロジェクト・スタッフがPDMおよび活動計画表を 作成し、それにしたがって終了時評価で指摘された 3 つの課題を達成するべく 活動がおこなわれた。2012年 11 月に延長フェイズの終了時評価がおこなわれ、

WBA導入区の増加、新規収集車の完全稼働が確認され、2013 年 2 月に、13 年 間におよんだダッカ市廃棄物管理への開発援助は終了した。

以上のことから、JICAの技術協力プロジェクトが、計画・実行・評価の3つ のフェイズからなるサイクルを反復的に繰り返すスパイラル・プロセスになっ ていることが確認された。また、最初期の計画には数年をかけているが、ひとた びプロジェクトが現地での活動を始めると、ひとつのサイクルが日本の会計年 度と一致していることが確認された。また、評価のプロセスでは、外部者による 評価以外にチームメンバーによるプロジェクトの進捗確認が定期的におこなわ れていること、ならびに評価および進捗確認の結果はその後の計画に反映され ていることが確認された。

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