EG̲F2=(会 ,岳
6.2 ガウス 0ボ ンネの定理
本節では
,第 3章
で証明 したガウス・ ボンネの定理が,よ
リー般的に リーマン曲面上で成 り立つ ことの証明を行 う。そのための準備 として,
リーマ ン曲面 のガウス曲率 を定義す る。前節 と同様に,リ ーマン曲面 (M,αs2)の 座標近傍(び;zl,・2)上 に
,接
ベク トル空間の正規直交 基底の場 cl,c2お よび,そ
の双対基底の場 ωl,ω2を とる。あ1,d″2C
Ω2(び)は,A,ん
∈θ∞(び)を用いて,
あ
1=A
ωl∧ω2,
あ2=ん
ωl∧ω2と局所座標表示される。 この とき,μ ∈Ωl(び)を
μ
=―
Aωl― んω2 と定め,cl,c2に
関する接続形式 とよぶ.接
続形式 μについて,ω2∧μ
=伽 1,
一ωl∧ μ=αω2が成 り立つ ことがわか る。逆 に び 上の
1次
微分形式 μが この関係式をみたせ ば,μ は el,c2に 関 す る接続形式 となる。接続形式の定義 は
,正
規直交基底 の場の とり方 に依存す る。そ こで,2組
の同じ向きである正規直交基底 の場 に関す る接続形式の関係 について考 えよう。
補題
6.1正
規直交基底 の場 el,c2に 関する接続形式 を μ とし,別
の正規直交基底の場 αl,α2に 関 す る接続形式 を ル とす る。ただ し,2組
の正規直交基底の場は同じ向きであるとす る。 ここで,θ を,(::)= (」
:ifθ :詭:)(::)
をみたすものとすると,ル,μ について,
ル
=μ
―αθ,
αル=αμ が成 り立つ。証明
el,c2の
双対基底をωl,ω2と し,こ1,こ2の双対基底をあ1,あ2と する。 この とき,(1:)= (f:ゴ θ
:量う
)(Z〕 )が成 り立つ ことを用いて あ1の 外微分dう1を 計算すると,
あ
1=α
(COS θωl+sln θ ω2)=(―
Slll θ αθ∧ωl+cOS θ伽1)+(coS θ αθ∧ω2+Sln θ漬ガ2)=cos θ(ω2∧μ)+Sln θ(̲ωl∧ μ)+αθ A(―sln θ ωl+Cosθ ω2)
=(―
Sln θ ωl+cos θ ω2)Aμ―(―sln θ ωl+cos θ ω2)A αθ=あ
2A(μ ― αθ)となる。同様に
,あ 2= あ
1∧ (μ―αθ)と な り,こ1,こ2に 関する接続形式が,μ ―αθであること がわかる。さらに, 命題
59か
ら,αμ=αμ―α(αθ
)=α
μが得 られ る。
□
同じ向きでない正規直交基底の場 を とった ときについては
,正
規直交基底の場 el,c2に 関す る接 続形式 を μ とす ると,正
規直交基底の場el,一e2に関す る接続形式 は 一μ となることが簡単な計算 で確かめられ る。 したがって,上
の補題61と
合わせ ると次の系が得 られ る。系 接続形式の外微分 αμは同じ向きである正規直交基底の場の とり方 によらず
,同
じ向きでない正規直交基底の場をとると
,符
号が変わる。接続形式の外微分 中 は
y上
の2次
微分形式であるか ら,あ
る正規直交基底の場 el,c2の 双対 基底の場 ωl,ω2と κ ∈σ∞(び)を 用 いて,
αμ
=K
ωl∧ ω2と表す ことがで きる。前節で述べた ように,ωl∧ω2も
,同
じ向きである正規直交基底 の場 el,c2 の とり方 によらず,同
じ向きでない正規直交基底の場 に対 しては符号が変わ る。 したがつて,各
点P∈ ″ における κ の値 は一意的に決 ま り
,こ
の κO)を
点Pに
おける χ のガウス曲率 とい う。次に ,M上 の曲線の曲率を定義する .M上 の曲線 cI→ χ が弧長パラメータ表示されてい るとし ,cの 速度ベクトルが,あ る接ベクトル空間の正規直交基底の場el={(el)p}PcM,C2=
{(e2)P}p∈
Mに 対して
,C′(S)=ξ l(S)el(s)+6(S)e2(S)
と表されているとする。ただ し,cl(s),C2(S)は,それぞれ(el)c(s),(C2)c(s)を 表す。 このとき
,測
地的曲率ベク トル λgを,
た
g=(ξ
l′ +μ(Cr)6)el+(&′ ―μ(Cr)ξl)e2 と定める。また,曲
線c(s)の左向き単位法線ベク トル πg(S)を,η
g(S)=‑0(S)el(s)+ξ
l(S)e2(S)と定 義 し
,測
地 的曲率 κgを,κ
g=(た
g,ng)と定 義 す る。 こ こで,
│ICr(S)││=ξ
12+02=1
であるから
,cl(s)か
らc/(s)への角をθ(s)と して,ξl(S)=COS θ
(s), c(S)=SIn
θ(s)となる
.よ
つて,測
地的曲率に関して,κ
g=((ξl′十μ
(ど)6)el+(&′ ―μ
(Cr)ξl)e2, Oel+ξ
lC2〉=ξ16′ ―Oξl′ ―(ξ
12+62)μ
(び)=θ′
―μ(cr)
が成 り立つ。 したがって
,次
の補題が成 り立つ。補題 6.2リ ーマン曲面 (y,αs2)と
,″
の接ベク トル空間の正規直交基底の場cl,c2が与 え られ ているとする。 この とき,″
上の弧長パ ラメータ表示 された曲線c(s)に対 して,cl(s)と び(S)の なす角を θ(s)とする と,κθαs+c*μ =αθ が成 り立つ。
この補題 を用 いて
,次
の命題 を示 す。命題 6.1リ ーマ ン曲面 ν 上 の単連結 な領域
Dの
境界が,Dを
左手 にみ る弧長パ ラメー タ表示 さ れ た閉曲線cI→ Mで
あ る とす る。 この とき,Iκ
g(S)αS+兎
κ ωl∧ ω2=27r
が成 り立つ。
証 明
ス トー クスの定理 よ り,
I:」
【ωl∧ω
2=兎
αμ=Iμ
で あ るか ら
,補
題61を
用 いれ ば,Iκ
g(S)αS+ノ
lKω
l∧ω 2=Iκ
g(S)αS+Iμ =Iα θ
とな る。
Iα
θの値 は,閉
曲線 cを一周 す る間 の θの変化量 で あ るか ら,27Tの整数倍 で あ る. ここ で,
リーマ ン計量 の変形α
s争:=(1‑7)α
S2+7(α″ lα ″ 1+α ″ 2α
"2) (τ ∈
[0,11)を考 える。τが
0→
1と 動 くとき,∴
αθの変化 は連続的でなければな らないが,値
は27の
整数倍であることか ら
,不
変であることがわか る。7=1の
とき, リーマン計量 は通常のユークリッド 平面の もの と一致す る。 さらに,ユ
ークリッド平面上で閉曲線を連続的に変形 して小 さな円にすれば
,elは
方向がほ とん ど変わ らず,円
の接ベク トルは1回転す るので,Iα
θの値は2π となる。したが って,
Iκ
g(S)αS+ノ
lKω
l∧ω
2=27「が得 られ る。
□
この補題 を用 いて, リーマ ン曲面上の三角形 に関するガウス・ ボンネの定理 を証明する。
三角形に関するガウス・ ボンネの定理
向きづけられた リーマン曲面 (M,αs2)上 の
,あ
る座標近傍 (び,″1,″2)内 の3つ
の曲線 Cl,0,C3に 囲まれた単連結な三角形領域を,と
し,Dの
内角を α,β,γ とする。このとき, 境界 ∂Dの
測地的曲率 κg'D内
の各点におけるガウス曲率Kに
関して,が成 り立つ。
ID gα S+ノ :K ω
l∧ω 2= π
+α +β +γ証明 領域
Dを ,そ
れぞれの角の近 くでなめ らかに丸めた領域 をDε とする (図61参
照)。 ただ し,ε ―→0の とき,Dε →Dと
す る。 この とき,補
題61よ
り,IDε
θ==2π
となり
,補
題6。1の証明から,αθ=‑7「 十α+β +γ が成 り立 つ。
証明 領域
Dを
鶴 個 の三角形 Dl,… .,Dれ に分割 した とき*1,頂
点の総数 を η,辺
の総数 をJとす る。
ここで
,三
角形 の頂点の うち ∂D上
にあるものの数 を たとす ると,∂D上
の辺の数 も んである。それぞれの三角形 は
3本
の辺 をもつ ことと,∂D上
の辺 はひ とつの三角形 のみに含 まれ,∂D上
にない辺 はふたつの三角形 に共有 され ることか ら
,3π =た
+2(:一 ん)と なってい る。 したがつて,ん=2ι
‑3mと
な り,Dl,…
。,D"の
内角の総和 は7rた +27「
(2‑ん )=2π
η ‑27Fι+37rm
図6.1:角の近 くで丸 め る
ID gα S+兎
κ ωl∧ω2=ID
□
大域 的なガ ウス・ ボ ンネの定理
向 きづ け られた リーマ ン曲面 (M,αs2)上の有界領域
Dに
ついて,そ
の境界 ∂Dは
空集合,ま
たは
,領
域Dを
左 手 にみ る有 限個 のなめ らか な閉曲線 とす る。 この とき,∂Dの
測地 的 曲率 を ち とす る と,IDκ gdS+I:」
κ ωl∧ ω2=27χ
(Iフ)が成 り立つ。 ここで,χ
(D)は ,領
域Dの
オイラー数である。 とくに,yが
コンパクトであるとき,
IMκ
ωl∧ω2=27「χ(』y)
が成 り立つ。
*1このような分割が可能であることは[q参照
となる.
ゆえに
,三
角形 Dl,… 。,Dれ に関す るガ ウス・ ボンネの定理の総和を とれば,∂D上
にない辺で は測地的曲率の積分が打ち消 し合い,Σ E(IDt gJS+ノ l ω
l∧ω
2)=ID g+ノ
:K ω
l∧ω
2=‑7rm+(27rη
‑2πι+37r7稔)=27「(2+m―
:)=2πχ(D)
が成 り立 ち
,定
理 は示 された。 □hら ∞ ― 訃 +1=
一1一ン∴√αθ+6。
3 ポアンカレ・ホップの指数定理
ガウス・ ボンネの定理の応用 として
,ポ
アンカ レ・ ホ ップの指数定理 を示す。Xを
χ 上の有限 個 の点Pl,….,pれ を除いた ところで定義 された 0と ならないベ ク トル場 とす る。いま,p=pJを
ひとつとり ,Pの まわりの単連結な座標近傍びを
,{pl,…。
,多を
,.…,pπ}の点を含まないようにと る。このとき ,び =び 、 レ
}とおき ,pを 内部に含む弧長パラメータ表示されたθ∞級の単純閉曲 線
c:Ю,司→ び を考える。
Xc(。)と Xc(s)のなす角φ
(s)を s∈ p,月において連続となるように 定めると
,Xc(。)=X.)で あるから
,φ(7)―φ
(0)は 2πの整数倍である。このとき,ベ クトル場
Xの Pに おける指数 indPxを
,indPX:=二
(J)一φ
(0) 2πに よって定義 す る
.す
なわち,X9が pの
まわ りを1周まわ る間 にX9が
何 回転 したか を表 す値 で あ る。 この値 は整数値 であ る こ とか ら,曲
線 cを連続 的 に変形 して も変 わ らない こ とが わか る。こ こ で,
Cl:={X9/IX91}9∈
び′
と定めることで
,び
上の単位ベク トル場elが
得 られ,cl,e2が
正規直交基底の場 となるようにe2 を とることがで きる。 この とき,前
節 と同様 にc′(s)がCl(S)と なす角を θ(s)と お くと,―(θ(ι)一 θ
(0))+27=φ
(J)一 φ(0)が成 り立つことから,
となる。
ポアンカレ・ ホップの指数定理
向きづけられたコンパク ト
2次
元多様体M上
の有限個の点Pl,.… ,pれ を除いた ところで定 義された 0と ならないベク トル場Xに
対 して,Σ hら X=ズ M)
p=p.,.¨,Pη
証明
定理6.1よ り
,Mに
は リーマン計量as2が入 り, リーマン多様体 とみなす ことができる。各pた のまわ りの,pた 以外のPl,….,動 を含 まない座標近傍 内に,pん を中心 とす る半径 εの円 を描 き
,M上
に移 した ものを%(ε):p,Jλ]→ Mと
す る。 また,各
cん(ε)の 内部か らpん を除い た領域 をDん(ε)と し,Mか
らcl(ε),…・,%(ε)の 内部 を除いた領域 をDと
す る。 この とき,補
題6.2,ス トークスの定理およびガウス・ ボンネの定理か ら,
27χ(■
イ )=ズ κ ω
l∧ω 2=Jι Kω
l∧ω 2+']ノ
:ん(ε)」
κ ω
l∧ω
2=兎
dμ+Σ
]/1(ε )ω
l∧ω 2=兎 D 十
,]ノ
:ん(ε)ω
l∧ω
2=― Σ l。 +Σ ん ん 。ω
l∧ω
2=Σ l。 ∈
gα S α の +Σ ん
.。Kω
l Aω
2=Σ
E(27「(inらま χ ‑1)+Iん
(ε)κ
g as十
ブ
:ん(ε)K ω
l∧ω
2)=27
ΣindPX
P=P■,・¨,pπ
となる。
したが つて,
□
Σ indPX=χ (M)
p p■,.¨,Pη
が成 り立つ。
付録 A 微分積分学の諸定理
本論文で用いた