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(イ) ⑪ ⑪  (・)一」P ⑨

ドキュメント内 沖繩語辞典 (ページ 57-66)

も認められる。すなわち,文中にあって後の文節は前の文節よりも全体として低く 発音される傾向がある。すなわち,二つの文節が続く場合,それらが平板型である か下降型であるかによって四通りの組み合わせができるが,比慕春潮氏の発音に よってそれぞれを図式的に示すと次のようになるき1)

形となり,下降型アクセントを持つ形式と型がほぼ同じになる。しかし,前の形式 がいわゆる長母音の揚合でも二次的下降は第2モーラのあとで起こる揚合があるの で,その揚繭は,いわゆる長母音で始まる下降型の単語とは下降の揚所が異なる。

 nuu「sigutu⑪(何の仕事), ii kaNgee⑪(いい考え)

 この辞典の見出し語にアクセントを記入した時にはこの事実に気付かなかったの で,このような揚合の本文見出し語のアクセントの記入には,一部ではあるが,不 充分な箇所があるように思われる。しかし一般に,首里方言の複合語のアクセント は,その第1成分が平板型である場合にはいつも平板型となるから,本文見零し語 に,第1成分(2モーラ)が自立語として用いられた場合に平板型であるのにその複 合語が下降型と記されているものがあれば,それはこの種の二次的月賦をもつ平板 型と見なすことができる。

 〔標準語との灼応〕琉球諸方言のアクセントの型の統合のしかたは,全体として 九州諸方言のそれに似ている。うち,首里方言のそれは,九州西南部の二型アクセ ントのそれと似かよった面がある。金田一春彦博士の類別法に従って「一一 音節」およ びヂ:音節」の名詞について示せば次のようになる。( )の中は東京方欝のアクセ ントによる標準語。

…1=調篇1灘錨{灘驚i継

 注目すべき現象として「開音節」名詞の4類・5類に属する単語のうち一・geのもの が,その「第一音節」が長くなることがあげられる。

 4類「息(#i ki)」?iici⑪,ヂ糸(#i to)」?iicu⑰(絹)〜?iicuu⑪(糸),「奥(善。 ku)」

   ?uuku⑪,「帯(#o b圭)j?uub1⑨,「空(so ra)に対応?」suura⑪(先。梢), r中    (na ka)Jnaaka⑪,「箸(hガsi)jhaasi⑥,「臼(#u「su)」?uu學i⑪,「松(ma cu)」

   lx}aagi⑰など。

       55

5類 「影(ka「ge)」kaagi⑨(ただし kazi⑨とい5形もある),「猿(sa ru)j   saaru⑨,「婿(rnu「ko)j muuku⑨,「ma(#o ke)」,uuki⑥,「蛇(he bi)に対   癒?」hwiibu⑥(蛇)など。

しかし,岡じ4類・5類であっても,次のように長音化しない語もある。

4類 「跡(#a to)」?atu⑨,「粟(#a「wa)」?awa⑪,「稲(#i ne)」?N撮⑪,「海(#u「一   mi)」?烈mi⑪,「笠(kaisa)jkasa⑨,「糟(ka「Sの」ka學i⑪,「今厳(kjo「O)j   CUu⑨,「汁」(Si「Xu)」SirU⑨,「下駄(geta)」Zlta⑪(足駄),「筋(SU7Zi)j   sizi⑪,「銭(zざni)JziN⑪,「種(ta ne)j tani⑨(男根),「苗(na「のj nee⑪   など。

5類 「汗(#a se)」?asi⑪,「雨(#a■me)」?ami⑪,「蔭(ka ge)」kazi⑪(ただし   kaagi⑪という形もある),「琴(ko to)jk就UU⑨,「露(CU ju)」 giju⑪,「春   (ha ru)jhwaru⑭(ただし文語),「鶴(eu ru)」giruco,「秋(#a ki)」 ?aei①   (ただし文語)など。

1)「編集経過の概要」に記したように,首里方言の音素体系を研究するに際して  は,服部簸郎博士の指導を受けた。したがって,ここに述べるものも,博士の  「琉球語」(「世界言語概説」下巻1955)の記述を基礎にしている。

2) 以下単に「標準語」という揚合には,東京方言の話し手によって発音された場  合のそれをいう。なお,対応形としてあげる標準語はf jに入れて示し,さら  に( )に入れて標準語の音素表詑とアクセント(の下がり核)を示す。(本土  の飽の方言や文語を対癒語としてあげる揚合はアクセントを示さない。)標準  語の音素表記中,#は語頭のゼロ子音音素を示す。また,標準語の音素表記と  首里方醤のそれとでは,c, s, zの馴合に違う音声を表わす場会があることに注  意。すなわち,標準語の「ツ(eu)∫チャ(eja)」「チュ(eju)」「チョ(cjo)∫セ(se)」

 「ズ(zu)」「ジャ(z簿)∫ジュ(zju)jfジョ(zjo)」と近似の音をもつ首里方醤の  モーラは,それぞれ,gu, ca, cu, co,墨e,7yU, za, zu, zoのよ5に詑される  く子音音素C,S, Z;g,亭,多の項参照)。

  また,標準語の動詞・形容調の「終止形」を対応語としてあげてある只事,そ  の語尾の部分はふつうそのまま首里方欝に対癒しない(文法の項参照)。しか  し,とくに必要な揚合を除き,いちいちそのことを断わらない。

3) 〔 3でくくってあるローマ字母による表記は音声表記。その徳のPt・一マ字  母表詑はすべて音i素表詑である。

4) 声門破裂音〔?]とは,喉頭にある声門を一たん閉じておいてから急激に開く  時に発する音である。咳のはじめの音や,便所でいきむ時の音は強い声門破裂  音である。また,口を大きくあけておいたまま患を止めることができるのは,

 声門が囲ざされるからである。

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  5) ただし,琉球方雷の中には,名瀬方雷などの奄美大農北部方言のよ5に,

   〔?ma〕(馬),〔?想〕(稲)のような語があって,鼻音が声門破裂音をもつかど5    かによって罰の子音音素となる方書もある。このような方言では

     pt([?M]) ; M([iii])

     v([?n] tv [?Jl]) : 11([n] .v [31))

   のような音韻的対立があると考えられる。

  6)村山七郎氏が「日本語の比較研究から」(「国語学」47愚)でこの語に関して述    べられた箇所に上村の言として「日本語の。に君応ずる琉球語のuの後ろに立    つrが消減する確実な例は1つもない」と記されているが,これは村山Kと上   村とが電話で話をしたため,話が通じなかったものであり,「本土:方言のkor一    に琉球野漆でkw一が対応する確実な例を上村は知らない」の意であった。した    がって,首里方書のQl〈wa①(宮古島東仲宗根方雷では〔ffa〕,奄美大島固体方    言では〔k wa「:〕,喜界農陶伝方奮では〔k,a〕となる)と本土方壽のkoyaとの対    応の可能性は充分考えられるが,まだ証明されたとは言えない。なお,語中の    rに関しては,子音音素rの項の説明にある通りである。

  7) 島袋盛敏氏の発音ではSの場合が多く,比嘉春潮氏の発音では寧の揚合が多    いようである。

  8) すなわち,標準語と平様,後続の音によって調音位:置が異なる。?Nmi①(梅)

   〔単mi〕, Nna①(皆)睡n翫〕, Nkasi⑨(昔)〔i〕ka∫i〕など。ただし,撮部博士    は,このNはふつう同時に〔N〕の調音も伴うようだと述べている(琉球語「盤界    言語概説」下巻1955)。

  9)着里方書では,標準語のfネ」f二」に対応する音はともにni(〔Jli〕,ただしn    の口蓋化の程度は標準語のそれに比してやや少ないように思われる)であり,爾    者は区別されない。しかし,たとえば喜界農阿伝:方書では「ネ」は[ni〕,「二」は    〔31i〕であり,両者の区瀦が保たれている。首里方言でも一時代前までこれと同     じような仕方で両者の区劉がなされたのかもしれない。

  10) 付録の地名一覧を参照。

  11) ただし,前のr文節」があとのf文節」に直接統合される削合など,二つのf文    節」が文論上近い関係にある場合に限る。長い文の中で二つの文飾の間に醜き     な文論上の切れ囚がある揚合はこの限りでなく,またそのことが長い文の中で、

    の文節と文節との関係を示すのに役立っている。

rv首里方

       1)

言の文法

 以下に文法として述べることは,辞興を利用するために必要な限りの動詞・形容 詞・連詞の形態論的な構造にとどめる。

1動 詞

 (1) 勤講の活用

  ①規劉動詞

    動詞の活用形の例として,たとえば動作性の意志動詞の中から junUN⑨    「読む」について「…する(肯定普通態現在の「終止形」)」とい5形と,「…しな    い(否定普通態現在の「終止形」)」および「…して(普通態の「分詞」)」という形    とをあげると,次のようになる。

     ,junUN⑬(読む),,jumaN⑥(読まない),,judi⑨(読んで)

    首里方琶の動詞の諸種の活用形や派生形式は,不規則勤調を除き,この三つ    の形を知ればそれから類推することができる。したがって,本文の規則動詞の    見出し語にはこの蕪つの形だけを示した。たとえば,

     ,ju=nUN⑥  (他 =maN,  =di)

   とあるのは,この三つの形が,junUN⑨,,jumaN⑪,,3udi⑪であることを    示す。

    この三つの形に含まれている jun一,,jum一,,jud一を語幹と呼ぶことにし,

   服部四郎博士に従って jun一を連用語幹, jum一を葦本語幹, jud一を音便語       2)

   幹と呼ぶことにする。この蕪つの語幹}ま宋躍の子音がn,111sdのように交替    している。tt

    つぎに,,junUN⑪にならって首里方書の規則動詞のすべての型について「…

   する」「…しないjr…して」の三つの形と,ほかに「…し(いわゆる「連用形」)」と    をあげると次のようになり,首里方言には次の14種類の規鷺動詞が認められ    ることになる。語幹宋の交替する部分をゴチックで示す。

      58

   「…する(肯定普通態    現在の「終止形」)」

ωイ・呼野

    ?ukijuN@

  ロ・(起きる)

    ?ukijuN@

  ハ●(受:け・る)

  e 1〈oojuNO   一 (買5)

〈ii)

〈蟻)

〈iv)

〈v)

〈vi)

〈vii)

〈viii)

〈ix)

(x)

(xi)

〈xii)

〈xiii)

(xiv)

イ.(切る)

口.

warajuNpt

(笑5)

kaNzuN@

(かぶる)

1{acuN@

(書く)

nasjuN@

(産む)

kuNzuN CD

(くびる)

cijuN(D

(着る)

七ubUN①

(飛ぶ)

junklNtw

(読む)

?WiizUNen

(泳ぐ)

?ir董jUN④

(入れる)

,」ミ1mεしrijuN⑨

(読める)

もaCUN⑪

(立つ)

CijUN an

?ijUN@

(射る)

「…し(肯定普通 態の「連用形」)j tui@

(取り)

・?ukii@

(起き)

?ukii@

(受け)

kooi¢

(買い).

)一一一一一nyitA r

waree.v wa−

rεしi(3)(笑、、)

kaNzi@

(かぶり)

kaci@

(書き)

nasl@

(産み)

kuNzico

(くびり)

eii(1)

(着)

もubi①

(飛び)

jumiO

(読み)

?wi圭zi⑪

(泳ぎ)

?ii−iico

(入れ)

j Ulllal iian

(読め)

taei@

(立ち)

cii@

(切り)

?ii@

(射)

「…しない(否定普通 「…して(肯定普 態現在の「終生形」)」 通態の「分詞」)J tut.aN@

(取らない)

?ukiraN@

(起きない)

?ukh・aN@

(受けない)

1〈ooraN(D.

(買わない)

watLaO)aN (1)

(笑わない)

kaN(垂εしN⑪

(かぶらない)

kakaN@

(書かない)

nasa−N@

(産まない)

kuNdaNQ

(くびらない)

e]raN(!)

(藏ない)

tubaNO

(飛ばない)

jumaNe

(読まない)

?w圭圭gaN⑨

(泳がない)

?iriraN{D

(入れない)

jumaraN@

(読めない)

tataN@

(立たない)

eiraN@

(切らない)

?iraN@

(射ない)

tuti@

(取って)

?ul〈iti @

(起きて)

?ukitl @

(受けて)

kootiO

(買って)

,war飢i①

(笑って)

kaNti@

(かぶって)

1〈acias

(書いて)

naciO

(産んで)

kuNci (D

(くびって)

elci (D

(着て)

tudi tu

・(飛んで)

judiss

(読んで)

?wiizi@

(泳いで)

・ ?iQti co

(入れて)

umaQtiO

(読めて)

taQei@

く立って)

eiQci@

(切って)

?iQei@

(射て)

 それぞれの種類の,標準語文語との対応およびその種類に属する動詞の例を あげれば次のようである。

(i)イ.ラ行四段の大部分。?atajUN①(「当る」), keejUN⑰(「返る」)など。

  ロ.上二段の大部分。?wiijUN⑨(「老ゆ」), sizijUN⑨(f過ぐ」)など。

  ・・.下二段の大部分。meejUN⑤(r燃ゆ」), tatijUN@(「立つ」), 濁UN⑨        59

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