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第一章 世界の現状と課題

第3節 アジア地域の経済発展と問題点

図に見るようにアジア地域の今後の経済発展が期待されることから、先進各

国はアジアの未来市場を狙ってその足場造りに懸命である。

(図1-3-1)

1・アジアの経済発展と国土

(1)世界経済の一つの姿[CDPシェア]

(1994年価格)

絲済成及率の1iij提iii位:%

23/4 21/4 13ノ4 東アジア

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1994-201012010-2025 OECD

日本

23/4 23ノ4

21/4 13ノ4

東アジア 71/2 63/4 その他 33ノ4 41ノ4 世界計 31ノ4 31ノ4

中国9%2025四

■■1頭 0

】ト」

Ⅱ二

資料:ORCDNationalAccoun1s,WorldBankWorldTables,各国銃叶他に基づき 国土庁叶画・国亜属作成

1994年に中国を含めた東アジア7%で曰本が17%、計24%のGDPシェアー が2010年には東アジア13%で曰本が16%、計29%へ、そして、2025年には東ア ジア、曰本を合わせると43%とOECDの中でも大きな比重を占め、完全にア ジアの時代を迎えることが確実視されている。

これはアジアNIESと言われる香港、シンガポール、台湾、韓国が1970年 代から貿易の自由化を進め、外資導入、進出企業への優遇措置等の政策を展開 し、低賃金を活用して生産基地形成を図り、輸出を伸ばすことによって外貨を 蓄積し、経済力をつけてきたためである。その後、ASEAN諸国がその後を 追うように経済発展を遂げてきている。このような状況が上記の数値として将 来の経済発展予測の裏付けになっている。

この限りではアジアの時代の到来を予感させ、かってアジアというと発展途

上国という伝統的イメージを払拭するものであるが、この発展を自然発生的な 趨勢にのみ委ねてばかりおれない事情がある。

先ず第一に、地図を広げて見れば分かるが先差万別の地形・地質と体制、大

小さまざまな国々がそれぞれの文化と生活観をもって異なった言語を使って生 活し、異なる発展段階をたどっている。従って、経済活動のルールや商慣行も

まちまちである。このような経済活動の環境の下では経済犯罪が多発し、信用

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取引が発展しにくい。そのため華僑の血縁・知縁が有力な信用取引の手段にな り、結果としてこのネットワークを持つ華僑がアジア経済圏を支配し牛耳って いる、という状況がある。これが問題なのは、市場取引の場面で資本の論理が 優先し、フェアーな取引、公正な富の分配を阻害している、という点である。

具体的にどういうことかというと、アジアNIESやASEANのようにテ イクオフを始めている国々もあるが、バングラデシュ、ベトナム、カンボジヤ、

フィリッピン等の最貧国(3)と言われ、発展の糸口を掴みきれずに患愈してい る国々がある。これらの国々は丁度日本の明治時代の状況で、いまだ7~80%

が農民という農業社会で、貧しい生活を強いられている。農家の唯一の換金作 物である米を作り、収穫した米をその村の精米所へ持って行き、そこで換金す るわけであるが、精米所はすべて華僑が支配しており、取引の時点で買いたた く。相対的に華僑は利得を得、農民はいつまでも貧しく、生産性を上げるため の機械を購入する余力も生み出せず、子供達を学校へ行かす余裕もない。従っ て、識字率も低く、自分たちの権利を主張したり、正当な取引をする力を組織 するほどのレベルに達していない。場面は違っても多かれ少なかれこのような 資本の論理が支配し、公正な富の分配を阻んでいる状況がある。

後述するが、こういった国々にとって必要なのは高度の農業技術ではなくて、

日本では平板化し、不要になっている管理技術としての農協である。場面は違 うが、15,000の島喚を抱えるインドネシアや7,000の島蝋を抱えるフィリッピ

ンには漁協が必要である。

従って、これらの発展の糸口を掴みかねている国々への最良の援助は、これ らの国々から一定数の留学生を受け入れ、教育して返すことであるが、その場 合でもその国が派遣する国家レベルのエリートではなく、地方自治体。諸団体 レベルの中間層の人材で、彼らが曰本の農業政策や農業団体組織を体得し、帰 国して農民を擁護する農協を組織し農民の生活の向上を図ることである。

また、この中間層の拡大こそがその国の経済発展。民主化の早道でもある、

という意味ももっているのである。

第二に、アジア市場は経済犯罪の多発地帯である。発展段階にある市場には ビジネスチャンスを求めてくる者が多ければ多いほど、そういった者の資本を

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掠めるものも増えてくる。特に曰本人はモラルが高く、風紀が守られていて安 全な社会に住み慣れているため、法制度が不備で風紀もモラルも一様ではない 発展途上国では格好のカモでもあると言われており、やけどをした者も多い。

この様なことから、今後各国の企業家やビジネスをする人たちが安心してフェ アーな商取引、経済活動が行えるような経済環境の浄化は欠かせない課題と言 えよう。

これらの事から総じて言えることは、自然発生的に発展してきているアジア 市場をその成り行きにだけ任しておくのではなく、アジア経済圏の市場の商慣 行や商取引の公正化等の近代化を図り、経済犯罪を防止するための方策をつく

りあげる事はこの地域の国々の共通の利益につながるものであり、新たな発展 の素地造りにもなる。後述するアジア太平洋地域を対象にした「国際取引基準 局」や「国際取引保証機構」等はそのための対応組織・機構として提言されて いる。

一方、世界はEU、NFTA、APECと3ブロックが形成されつつあるが、

その中でもAPECの連帯が一番弱いと言われており、国内でだぶついている 金融資産をアジア市場でドルに次ぐ第二の機軸通貨にすることをも含めたアジ ア太平洋経済圏通貨構想等も連帯の強化策として提案されてもよい時期である。

このようにアジア経済圏の市場の浄化及び近代化を図るための国際機関や機 構が必要な段階に来ており、APECのアジェンダとして取り上げ、具体化を 図る必要がある。

【注釈】

(1)沖縄本島は1,193m(佐渡島857m、奄美大島7201m、淡路島600m、屋久島5011m、種子 島448km)「離島統計年鑑」平成元年

付属島襖を含めた総面積は1959年に約581mであった。その後、海岸の埋め立てなどに よって増大し、約6261m(1988年)、6401口、(1991年)となり、紀元2,000年までには推定730 mに達するものと見込まれている。「もっと知りたいシンガポール」平成6年11月15日

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(株)弘文堂28頁

(2)シンガポールの住宅政策一「シンガポールの公共住宅建設は、その規模とスピードの 点で大胆な環境実験である。それはまた、世界にあまり類のない高密度の人口の大半を 高層建築物に住まわせる、という決意の点で、大胆な社会実験と言えよう。一公共住 宅建設は、HDB(住宅開発局)が20年間に35万6千戸を建設し、人口の70%を収容したと いう点で大胆な都市開発の実験である。

このような活動を促進したのは次のような哲学である。それは我々が理論的な思考、常 識、変化に対する柔軟性を行動の指針とするかぎり、住宅のタイプについてくよくよ考 えるよりも、人々に十分な住宅を供給する事の方が重要である、というものである。

-住宅団地の開発は、できる限りニュータウンという形で進められ、各種の施設、生 活条件、環境の良さに重点がおかれた。地域社会精神の育成には、市民諮問委員会、コ ミュニティー・センター管理委員会、それに自発的に社会奉仕をしようとする団体や個 人の集まりである住民委員会の活動が大きな助けとなった」「シンガポールの知恵」サ イマル出版会、リー・クアンユー首相ほか執筆108~109頁

(3)最貧国(LeastDevelopedCountries)1974年の国連総会はG77のなかで一人当たり所 得1,000ドル(70年価格)識字率20%以下、工業化率10%以下と内陸国、島蝋国など発展の 困難な国をLDCとして、国際開発戦略実施の際、特別な配慮を払うことを決めた。

「現代用語の基礎知識」’97年292頁

(4)コロンボ計画(ColomboP1an)1950年5月にスリランカのコロンボで発足が決定。目的 は、アジア・太平洋地域の経済的社会的開発への関心を高め、それへの援助を増やすこ と、この地域における経済的社会的進歩の条件を調査し、協力の援助を増やすこと、こ の地域への開発援助を容易にすることである。加盟国は被援助国にアフガニスタン、バ ングラデシュ、ブータン、ミャンマー、カンボジア、フィジー、インド、インドネシア、

イラン、韓国、ラオス、マレーシア、モルジブ、ネパール、パキスタン、パプアニュー ギニア、フィリッピン、シンガポール、スリランカ、タイが、援助国としてオーストラ リア、日本、ニュージーランド、アメリカ合衆国があり、計24カ国。「世界国勢図会」’

95/96国勢社68頁

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