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ものづくりに関する生徒の興味と教師による題材設定との比較

4.2.2 調査1の結果

1) 生徒に製作させたいと教師が考える題材要素

 質問1における自由記述の内容から具体的な題材を除き、生徒に作らせたいと考える題材に必要 なことと思われる記述を抜き出したところ129の内容が得られた。その内容について意味的に一 致する項目をまとめて20項目とした(監ble・4.1)。さらに経験年数5年以上の教師5名を含む社会 人10名により、項目から連想されるキーワードを7つ用意し、これをカテゴリに設定し、各項目 をカテゴリ分類した。その結果において、5人以上が選択したカテゴリに対して有効とし、数量化 皿類により二軸のユークリッド空間上に解を求め、各回の距離から3っのまとまり(感情、技術、

個人)を抽出した。なお、項目8については各まとまりの中間項目として扱った。2軸の解を Table−4。2に、そのグラフをFig・4.1に示す。なお、使用したキーワードは、教科の枠、生徒主体、

技能、よろこび、日常、想い出、経験である。

      Table・4.1生徒に作らせたいと考える題材

1 自分で作れると思っていないもの 2 指導内容が十分に生かせるもの 3 日常生活で役立っもの 4 創意工夫ができるもの 5 自分が必要としているもの 6 選択の幅があるもの 7手作業でさせるもの 8 生徒が体験できるもの 9 人が喜んでくれるもの 10 製作時間が短いもの

11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

記念に残るもの

生徒が意欲をわかせるもの 完成したとき喜びがわくもの 修理などの仕方のわからないもの 興味関心が高いもの

基本を学びやすいもの 親子で話題に上るもの 楽しんで作れるもの 技術的な歴史のあるもの 試行錯誤を繰り返せるもの

;::⊥

α5

P◎蛉18

0・0 感情

一〇,5

一灌.0

−t5

−2.0

−2.5

◆8

 ◆2減10

個人編5

一3.0    −2.0    −1.0    0.O     tO     2.0

Fig−4.1求める解を2軸とした数量化結果

Table−4.2 題材設定の理由内容の数量化

項 目 内 容        解1    解2 要素 9 人が喜んでくれるもの      一1.96664  0.53166

11 記念に残るもの       一t52965  0.25325

13 完成したとき喜びがわくもの        一1.748縛  0.39246 感情 17 親子で話題に上るもの      一t748垂4  0.39246

18 楽しんで作れるもの       一t748糾  0.39246 1 自分で作れると思っていないもの      0.70527  α63498 2 指導内容が十分に生かせるもの       0.89615  tO3322 6 選択の幅があるもの      0.89615  准.03322 7 手作業でさせるもの      0.70527  0.63498

10 製作時間が短いもの       0.89615  1.03322 技術 14 修理などの仕方のわからないもの      0.70229  0.24924

16 基本を学びやすいもの      αフ6906  α8黎652 19 技術的な歴史のあるもの         α76906  0.81652 20 試行錯誤を繰り返せるもの         0.70527  0.63498 3 日常生活で役立つもの      0.33978  −1.69918 4 創意工夫ができるもの      α17707  −2.09215

5 自分が必要としているもの         0.33978  −1.69918 個人 12 生徒が意欲をわかせるもの        0.17707  −2.092葡

で5 興味関心が高いもの      Oj 7707  −2.092蔦 8 生徒が体験できるもの      一〇.23687  −0.41303

2) 教科指導の観点から見た、教師の題材設定の理由

 質問2,3の回答から題材設定の理由について全体の約64%が3つの理由を回答し、

その優先順番はTable・4.3に示す。優先順番の3番目までの総和を計算し、全体の回答数に よって割合を求めた結果、選択肢d.「生徒が積極的に取り組むから」、選択肢e.「生徒に 身につけたい事項がたくさん含まれているから」が24%、選択肢a.「指導要領の目的、

内容と合致するから」が15%であった。なお、優先順位4以降の回答については、回答 者数の割合が30%未満であったので、以降の回答については切り捨てた。

 選択肢f.「その他」の内容についてはTabie−4.4に示す。

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Table−4.3 題材設定の理由

      優先順位1 優先順位2 優先順位3 回答の割合 a.指導要領の目的、内容と合致するから

b.比較的、安価で作ることができるから

。.自分(教師)の知識の範囲で作ることができるから d.生徒が積極的に取り組むから

e.生徒に身につけたい事項がたくさん含まれているから ε学校の設備で作ることが可能だから

g.指導計画時間内で作ることが可能だから h.地域の特徴・特色に合うから

i.生徒の製作レベルにあうから

」.その他

14 3 3 19 15 1 1

0 3 5

6 2 4

虐4

17 5 2 2 4

1

5 4 0 7 7 5 4 2 6 3

15%

5%

4%

24%

24%

7%

4%

2%

8%

5%

回答者数/人数(%) 95.52% 85.07% 64.18%

         Table−4.4選択肢f.「その他」の内容

生徒に製作させたいと教師が考える題材       f.「その他」の内容 親子で学校の学びが話題となるもの、教師が一緒に楽し

で作れるもの、技術的な歴史があるもの、時間が長期 ノならないもの

歴史がある、自分「私」が開発の中心となった題材 ナある

ある一定の負荷があり、工夫したり、試行錯誤を繰り返し トいける可能性があるもの

世の中の技術者集団が行っている営みと同質の営 ンが期待できるから

大きいもの(乗って動くものなど)→機械領域 ものづくりの楽しさ、難しさ、充実感、達成感などを

。わわせることができるから 1年から3年間を見通した作品、生徒が必要と考えている

燉e、基礎的なことを学ぶことが出来る作品

生徒に生活に生かそうとする実践的態度を育てた

「から コルクボードシり一ズ、光センサー付き蛍光灯、リモコン

鴻{ット

製作したときの達成感があるから

LEGOのM五ND STORMをやらせてみたい。マイクロマシ 刀iナノテクノロジーでしかこの国は生き残れない)

国家生き残り政策

創造性の大きなもの 興味のままに製作させてみたいから

ものづくりのすばらしさと環境問題を考えた題材(資源、

Gネルギー問題を考えた動く模型)

環境保全に対する正しい理解

4.3 調査2一ものづくりに関する生徒の興味 4.3.1 調査の方法

 福岡県A中学校、福岡県B中学校の2校において各学年2クラスずつの生徒、合計42

5名を対象にものづくりに関するアンケートを行った。調査対象校の内訳をTable−4.5、ア ンケートの質問項目をTable・4.6に示す。なお、調査時期は平成11年度の2学期、調査は 各クラス担任に依頼した。

Table−4.5 調査対象校の内訳と既習領域

A中学校 履修領域 B中学校 履修領域

全体 208 217

男子

落q

107 P01

108 P09 1年

Q年 R年

71 U7 V0

木材加工、家庭生活

@ 電気、被服

@情報基礎、食物

75 U9 U7

木材加工、家庭生活

@ 電気、食物 棋ュb、機械、被服

Table−4.6 アンケートの質問項目

1.

2.

3.

4.

1つ何かを作るとしたら、どんなものを作りたいですか。(作るものは制限しません)

なぜ、作りたいのですか。(自由記述)

作り方を知っていますか。(二件法)

今の自分の力で作り上げることができますか。(二件法)

4.3.2 調査2の結果

1) 作りたいものに対する回答はTable−4.7のような結果となった。また、質問項目1の 結果と質問項目3,4の関係についての内訳は、Table−4.8に示す。(複数の領域に関わる

ものもそれぞれの領域の数に含む)その結果、加工領域(素材による差異はある)は男女 とも圧倒的に多く、全体の46.8%を占める。機械領域で男子はバイクや車、ロボット等を 記述しており、全体でも14.6%であった。女子は比較的、食物や被服の領域が多い結果と なった。男女とも家や城などの建物を希望する生徒が全体の1割程度おり、加工領域、住 居領域にまたがる回答をしている。

 また、「作り方を知っていますか。」という製作に関わる知識の有無を問う質問に対し、

全体で24.7%、「今の自分の力で作り上げることができますか。」という製作に関わる能力 の有無を問う質問に対し、全体で36.7%がそれぞれ有しているという結果を得た。

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Table−4.7 製作したいものの属す領域   全体    男子    女子    割合

 加工領域  電気領域  機械領域  栽培領域 情報基礎領域  食物領域  被服領域  住居領域  その他

246 17 77

1

15 36 45 40 49

126

11 66

1 11 2 4 28 25

120 6 11

0 4 34 41

准2

24

46.8%

3.2%

14.6%

0.2%

2.9%

6.8%

8.6%

7.6%

9.3%

人数(のべ) 526 274 252

100.0%

Table−4.8製作内容に対する知識と能力

回答数(A) 知識あり(8)  B/A  能力あり(C) C/A 加工領域

電気領域 機械領域 栽培領域 情報領域 食物領域 被服領域 住居領域 その他

246 17 77 1

15 36 45 40 49

66 0 4 1

3 19 17 6 14

26.8%

0.0%

5.2%

100.0%

20.0%

52.8%

37.8%

15,0%

28.6%

100

1

16 1

3 24 22 4 22

40.7%

5.9%

20.8%

100.0%

20.0%

66.7%

48.9%

噛0.0%

44.9%

合計 526 130 24.7% 193

36.7%

○作りたい理由について

 自由記述による回答を内容よって33項目にまとめ、現職教員を含む社会人のべ10人 によって16のカテゴリーに分類し、数量化皿類によって3つのまとまりを抽出した。ま とめた回答内容をTable−4.9、分類に用いたカテゴリーをTable−4.10に記す。

 まず、調査対象生徒425人の自由記述の回答について有効であるもの406人分を2

0代の社会人1人、30代の社会人2人のグループでの検討により、共通する単語と文章 的な意味から絞り込み33項目にまとめた。このときの有効でない回答は無回答及び、「何

となく」というものを排除した。また、1文に複数の意味ととれる内容については、文章 を分解し、それぞれについて以上の処理を施した。

Table−4.9 回答内容 1.他の人が作っているのを見ていいなと思っていた

2.あると便利だから

3.いつも使っているものを買わなくていいから 4.いろいろな道具が使えるから

5.たくさんある小物を整理したいから 6.そのものが好きだから

7.どういう原理で動いているか知りたいから 8.まだ作ってみたことがない物だから 9.みんなで楽しく作って食べるため 10.家族が喜ぶから

11.格好いいから

12.作ったとき感動するから 13.好きな洋服が作れるから 14.今はまっているから

15.今もっているものは使いにくいから 16.作らなければいけないから 17.作ることが面白いから

18.

19.

20.

21.

22.

23.

24.

25.

26.

27.

28.

29.

30.

31.

32.

33.

自分が作ったもので一度は遊んでみたいから 自分が作った物を使いたいから

自分だけしかもっていない物を作りたい 自分でデザインした物を作ってみたい 自分で作ったものを着たりしたいから 自分で作れば,その分思い出になるから 自分専用のものが欲しいから

将来、大工になりたいから 親が大工だからやってみたい 前作って楽しかったから

大工さんみたいなことをしたいから 難しそうだから反対に作ってみたい

日常生活で使うのに便利だから

売っているものは自分の気に入るものがないから どんな仕組みか知りたい

ただ単に欲しいから

Table−4.10 分類に用いるカテゴリー

趣味、挑戦、オリジナル、あこがれ、既知、プロセス、未知、個人   集団、欲求、容姿、技能、楽しさ、学習、よろこび、必要

 次に、社会人10名によるカテゴリー分類表を集計し、5人以上が分類したカテゴリー にのみ有効記号をつけ、2変数における数量化皿類による分類を行った結果、各項目にお ける2変数の値をTable・4.11に、変数を2軸とし、値を平面にプロットした図をFig−4.3 に示す。2変数を2軸としたユークリッド空間において平方距離が0.1未満の項目どうしを まとめ5つのまとまりを見つけ、2変数に関する相対的な位置から3つのまとまりを抽出 することができた。その結果、数量化によってまとめられたグループを内容によって必要、

欲求、嗜好というまとまりをつくることができる。ただし、どのグループからも0.1以上の 距離があり、かつ二解のうち一つが0に近い項目については中間的な項目として取り扱っ た。各項目間の平方距離についてはTable・4.12、抽出した3つのまとまりについては

Table−4.13に示す。

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