第 3 章 ( 中) Orbifold について
3.18 なぜ、 orbifold が出てくるのか?
次にですね、ど うしてorbifoldが出て来るかというのを考えましょう。
図 3.18: M1;0:トーラス
M
1;0というのは何かというのを考えます。Genus 1のリーマン面というのは、平行四辺形をこ う貼り合わせて作る。平行四辺形は、こう取ります。ここを0に取って、ここを1に取って、ここ
C
ZZ=T2 がパラメータ
baseの取り方は自由 (3.56)
C を ZZで割ったやつ、こういうトーラスがあるんですね。 がパラメータなんですが。
図3.19: の範囲
但しですね 、このbaseの取り方というのは 、自由に変えられるわけです。比較的よく知られて いる例があって、Gaussがした例なんですが 。これは、実軸ですね。今、を斜線部( 図3.20参
照)に入るやつで取る2。但し 、異なるに対して、同じ複素構造を与えるところがあります。つ まり、 がここ1にあろうと、ここ 2にあろうと、これは同じ物です3。
ところがですね、ちょっと特別なやつがありまして。それは、この平行四辺形の対称性が高いも のなんですが 。
=p,1 (3.57)
今、 をp,1にします。対応する平行四辺形は、正方形になります( 図3.21)。
1適当な相似拡大を行なって、平行四辺形の長くない方の辺の長さを1としておく。さらに、平行移動と回転により、平 行四辺形の長くない方のひとつの辺aを実軸上の[0;1]におき、原点をはさむ他の一辺bを上半平面内に取る。
2bは、短くない方の辺だから、は、原点中心の半径1の円上または、その外側にある。また、 = 0と = 0+1
は、同じ複素構造を表わす平行四辺形に対応するので、の実数部分は、,12 以上 12 以下としてよい。よって、は、
図の斜線部に取ってよい。
3斜線部のうち、境界の左右の縦線の同じ高さの点( 例えば 、1と2 )は、同じ複素構造を与える。
3.18. なぜ、orbifoldが出てくるのか? 81
図3.20: =p,1 : 正方形の場合
M
1;0における =p,1の近傍は、C のopen setではない。 (3.58)
この近傍を考えましょう。 =p,1の近傍で 、M1;0というのは 、C のopen setでないわ
けです。普通の点は、 を局所的に動かすと、本当に全部違うものが出てくるから、ちゃんとR2
にhomeomorphicになるんですけど 。この点というのは、ちょっと動いた点が同じものを表わすか
ら4、そういう所が違うわけです。
図3.21: こっちに増やそうと、こっちに増やそうと同じ点を表わす
このの近傍では、こっちに増やそうと、こっちに増やそうと、同じ点を表わすんです( 図3.22
参照)。同じことを見るには、寝せればいいです。そうすると同じものですね。
* C
ZZ p
,1 が自己同型を持つ (3.59)
4例えば 、 =p,1の近くで、虚数軸上(長方形たちに対応する部分)を上下にちょっと動かすと、同じ複素構造に対 応するペアが現れる。
注:境界の円弧上(ひし形に対応する部分)で、から左右に同じだけ行った2点が同じ複素構造に対応する。