1. <消毒用エタノールの容器が倒れて衣類が白化> 「消毒用エタノールのボトルが倒れ、衣類の 色が抜けた。他社の同等品には中栓があるがこの製品にはなかった。中栓がないことで衣類の損 害賠償請求をしたい」との相談を男性から受けている。このような相談はどこで受けてくれるか。
<消費生活C>
⇒本来、中栓がある設計としている製品で中栓がなかった場合は製品不良ですので、それによっ ての損害はメーカーが責任をもって対応すべきと考えます。もともと中栓がない設計としてい る場合に中栓がないことを欠陥とするのは難しいと思われますがメーカーに意見として伝え ることを勧められてみてはいかがでしょうか。
2. <下水道工事の影響で化学物質過敏症を発症> 9ヶ月前に行政の発注で下水道工事が行われた。
工事は再生工法というもので、予め工場で作製された熱硬化性樹脂とガラス繊維で出来た更生材 を、既設の下水道管の中に引き入れ水圧などをかけて膨らませた後、温水または蒸気にて硬化さ せるという方法。この熱硬化性樹脂にはスチレンが含まれており、工事の際に現場での加熱等で
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スチレンが揮散し、下水管を通って自宅のキッチンの排水口から室内に流入したと思われる。自 宅にはキッチンが2ヶ所あり、そのうちの一つは普段使っておらず、排水口のトラップが乾燥し て機能していなかった。最初に、化学物質過敏症の既往症がある11歳の息子に呼吸障害、唇が 腫れるなどの症状が出て、相談者本人と主人にも顔が赤くなる、手が痺れるなどの症状が出てい る。すぐに行政に連絡し、工事の中止を申し入れているが、担当者が様子を見に来ただけで工事 は中断されなかった。専門医を受診し、治療は継続しているが、自宅には住めない状況が続いて おり、別の住まいへ転居予定。ただ、現在のスチレン濃度は、厚労省がシックハウス症候群対応 に関連して策定した、スチレンの室内濃度指針値0.05ppm以下となっている。この下水道 工事に際しては、決められたガイドラインが守られていない、事前に住民への周知が徹底できて いない等の不備があったと思われる。行政、工事業者等と交渉をしているが、補償の話しは進展 していない。化学製品PL相談センターで本案件を扱って貰えるだろうか。(中年の女性)<消費 者>
⇒当センターは、化学製品による事故・苦情の相談に対するアドバイスを行ったり、化学製品に 関する問い合わせなどにお答えしたりする民間の機関です。当事者の代理人として交渉にあた ることは行っておりませんのでご了承ください。本案件については、争点を整理し、要求事項 を明確にするとともに、今後の交渉の進め方について、法律の専門家に相談されることをお勧 めします。
3. <ボストンバッグのニオイで体調不良> 生命保険会社のポイントで交換したボストンバッグが 届き開封したところ、ニオイが部屋中に充満し、頭痛がして、喉・目の痛みを感じた。2日後に 眼科を受診し、現在、症状は治まっている。眼科医では原因は特定できないと言われた。このボ ストンバッグは輸入品で、素材は塩化ビニル製である。輸入業者に申し出た所、輸入業者は同じ 製品の在庫品について検査し、微量のホルムアルデヒドが検出され、官能評価でも弱いニオイが 検出されたとの報告があった。消費生活センターに申し出たところ、国民生活センターにて現品 を調査することとなり、現在結果待ちである。ホルムアルデヒドは有害物質なのだから、今回の 体調不良の原因と判断してよいか。化学製品PL相談センターは国民生活センターから紹介され た。(若い男性)<消費者>
⇒体調不良の原因については、国民生活センターの原因調査の報告を待って、その結果を持って 医師にお尋ねください。ホルムアルデヒドは刺激臭のある気体です。濃度によって粘膜への刺 激を中心とした急性毒性があり、発癌性があるとの報告もあります。また、いわゆる「シック ハウス症候群」の原因物質のうちの一つとしても知られています。本件の場合、確かに、ボス トンバッグから放出された臭気成分による急性症状が懸念されますが、曝露量(実際に身体に 取り込まれた量)が微量の場合は身体への影響は軽微です。 また、既に症状は治まっている とのことですので、体調不良は一過性のものと考えてよいと思われます。在庫品から微量のホ ルムアルデヒドが検出されたとのことですが、素材の塩化ビニルそのものには含まれない成分 ですので、他にどの様な材料が使われているか、またホルムアルデヒド以外に原因となるもの はないか等、原因と考えられる物質と実際の放出量を広く調べてみる必要があります。国民生 活センターが原因調査を行っているとのことですので、現時点での断定は避け、調査結果を見 て医師の判断を仰ぐことをお勧めします。
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4. <給湯器の修理工事の事故でシックハウス症候群> 数年前、自宅マンションの給湯器の修理を した際に業者が防水処理をしていない床にかなりの量のお湯を流した。その影響でクローゼット や隣の部屋などにお湯が回り、様々な建材から揮発した成分で吐き気、体調が悪くなり、医師か らはシックハウス症候群の疑いがあると言われた。今はリフォームして住めるようになっている。
この件については現在、民事訴訟中である。建材から揮発した成分でシックハウス症候群になっ たことをデータで証明するために、1990年代のマンションの建材はどのようなものが使用さ れていたか、それらにお湯をかけた際にどのような成分がどのくらい揮発するかを調べたい。ど こに相談すればよいか。(中年の女性)<消費者>
⇒1990年代の建材、また、建材にお湯かけた時に揮発する成分という対象成分を特定しない で分析するのは極めて困難と思われます。なお、本件は民事訴訟中とのことですので、データ での証明の必要性も含め、法律の専門家にご相談ください。
5. <結婚披露宴のソルべパフォーマンスで凍傷>「結婚式場が提供しているサービスで、結婚披露 宴でのソルベパフォーマンスというものがある。会場でジュースと液体窒素を混ぜて、ソルベを 作って客に振る舞うというものだ。新郎でも簡単にできるという事でやった所、液体窒素が手に かかり、凍傷を負ってしまった。事前の説明は、ジュースと液体窒素を混ぜたら、良くかき混ぜ ることで、白い煙が派手に出て、会場が盛り上がるといった内容で、特別な注意はなかった。ま た、実施した際は、薄手の白い綿の手袋をしただけで、特別な保護具等はなかった。結婚式場に 対し、事故を起こし披露宴を台無しにした責任を問いたいがどうか」という相談を被害者の奥様 から受けている。身体被害は全治1週間程度の凍傷とのことである。アドバイスがあればいただ きたい。<消費生活C>
⇒本件は結婚式場が提供しているサービスの安全管理上の問題であり、PL法には該当しないと 思われます。ソルベパフォーマンスに使用された液体窒素は高圧ガス保安法の規制を受けてい ます。また、液体窒素は-196℃と極めて低温な液体であり、取扱いを誤ると、凍傷、爆発
(破裂)、酸欠(窒息)などの事故原因になることが知られています。凍傷に関しては、断熱 性能に優れ着脱しやすい低温用手袋を使用し、液体の染み込みやすい軍手(綿の手袋)や毛糸 製の手袋は使用しない、などの注意が必要です
(http://www.crc.u-tokyo.ac.jp/parts/hoangijutsu_j.pdf)。大学などの研究機関では、液 体窒素の取扱いマニュアルを定めて、事故防止に努めているようです。結婚式場の方に、使用 に際しての取り扱い注意や安全対策はどのようにされていたのか問い質してみてはいかがで しょうか。
6. <超音波用エコーゼリーで皮膚が壊死> 「病院で超音波検査を行った際に使用したゼリーで皮 膚が壊死をした。病院側からは独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医薬品副作 用被害救済制度で補償すると説明をされていたが、当該機構から、超音波用エコーゼリーは医薬 品ではなく補償の対象とならないと言われ、交渉が進まない。どのように交渉すればよいか」と の相談を市民から受けている。化学製品PL相談センターからよいアドバイスはないか。<消費 生活C>
⇒医薬品副作用被害救済制度は、医薬品等を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用によ る健康被害を受けた方に対して、医療費等の給付を行い、被害を受けた方の迅速な救済を図る