◆ <ポリビニルアルコールの安全性> 墨汁を畑に流して安全性が心配になった。成分はポリビニルア ルコールと思われ、調べたところ、医薬品のカプセルに使用されている一方で安全データシートに はラットに皮下投与して心臓等に影響があるとの記載もあり不安になった。安全なものと毒性のあ るものがあるのか。化学製品PL相談センターはインターネットで知った。(60代男性)<消費者>
⇒ポリビニルアルコールの安全データシートを見ると有害性は低く、畑にまいた墨汁に含まれるポ リビニルアルコールが問題になることはないと思われます。安全データシートには様々な有害性
(ハザード)データが掲載されています。ご懸念のラットでの試験結果が掲載されている安全デ ータシートもありますが、現実的にはあり得ない過剰投与した際のものであり、様々なデータを 統合した判断として、安全性上の問題はないとされています。過度にご心配になる必要はないで しょう。
◆ <ジクロロメタンが皮膚についた場合の安全性> 息子が大学の実験中にジクロロメタンをこぼし、
液が手にかかった。液がかかった時にヒヤッとしたが、すぐに手を洗ったので今は何ともなく、そ の場にいた教授も大丈夫と言われているが調べてみると発がん性など怖い情報もあり、心配になっ た。本当に大丈夫だろうか。化学製品PL相談センターはインターネットで知った。(中年の女性)
<消費者>
⇒厚生労働省がインターネット上で情報提供している職場のあんぜんサイトの安全データシート によると、ジクロロメタンが皮膚に付着した場合に大量の水と石鹸で洗い、皮膚刺激があれば医 師の診断、手当てを受けることとあります。すぐに処置をされていること、今は何ともないとの ことですのでご心配には及ばないでしょう。
◆ <柿渋に含まれるタンニンについて> 自分は、TV番組の作成会社に勤務しており、ある番組で取 り上げる柿渋について調べている。化学製品PL相談センターが発行している「化学の目で見る日 本の伝統工芸」の中に、和紙を柿渋で加工すると柿渋に含まれるタンニンが固まって繊維の強度が 増し、和紙が強くなると記載があるが間違いないか。(30代位の男性)<メディア>
⇒タンニンは植物に含まれるポリフェノールの一種で、柿渋などの主成分です。「化学の目で見る 日本の伝統工芸」の中でご紹介している通り、防腐効果、防虫効果があり、和紙などの繊維製品 に柿渋を塗って乾かすとタンニンが固まって強度と耐水性が増すことが知られており、和紙の加 工に使われてきました。柿渋で加工した紙は渋紙と呼ばれ、合羽(かっぱ)、敷物、荷札、包み紙 などに広く使用されてきたという歴史があります
(https://www.nikkakyo.org/upload/plcenter/566_600.pdf)。
◆ <2ピロリドンの小分け容器の選び方> 2ピロリドンを扱っているが小分けする際にはどのよう な容器を選べばよいかご教授いただきたい。<事業者>
⇒当センターは特定の企業のコンサルタント業務は行っておらず、充分な情報も持ち合わせており ません。本件は当該製品のメーカーにお尋ねください。
- 70 -
◆ <研磨材の輸出について> 自分は研磨材等を輸出している会社に勤務している。顧客から、弊社で 扱っている「褐色アルミナ研削剤」のCASナンバーやUNナンバー、レジストレーションナンバ ーの問い合わせがあった。いままでそのような問い合わせは受けたことがないが、どこで調べれば いいのだろう。化学製品PL相談センターはインターネットで調べた。(30代くらいの男性)<事 業者>
⇒当センターは特定の企業・製品に関するコンサルタント業務は行っておりません。一般論として 申し上げると、CASナンバー等は単一の化学物質に固有の識別番号です。褐色アルミナ研削剤 は酸化アルミニウムを主成分とする混合物ですので、この名称では登録されていないものと思わ れます。化学製品を取り扱う上での種々の情報はSDS(安全データシート)に記載されていま すので、製造元よりSDSを取り寄せるなどしてご確認になってはいかがでしょうか。
◆ <結晶質シリカの職場での取り扱いについて> 結晶質シリカを扱っている倉庫に勤務している。職 場からはマスクを渡されただけけで詳しい説明は受けていない。常時粉じんが舞っている状況。扱 っている製品の表示をみると発がん性のおそれとある。このような環境で働き続けない方がよいか。
化学製品PL相談センターは県の相談室から紹介された。(中高年の男性)<事業者>
⇒結晶質シリカは、国際がん研究機関(IARC)で、発がん性評価区分1A「ヒトに対する発が ん性が知られている」に分類されています。労働安全衛生法ではラベル表示とSDS交付の通知 義務対象物質となっています。取り扱い事業者はリスクアセスメントが義務づけられており、そ の結果を労働者へ周知することが規定されています。仕事の継続については、当センターで判断 しかねますが、お伺いした職場環境は決して好ましいとは思えません。まずは、職場の上司に取 り扱い製品のリスクアセスメントの実施結果の説明を求められ、適切な職場環境の改善を要求さ れてはいかがでしょうか。
◆ <トリクロロエチレンの安全性について> 自分は、中小企業に勤務している。5年程前から、2、
3ヶ月に1回の頻度で、トリクロロエチレンとメチルアルコールを混合して比重を調整する作業を 行っている。1回の作業時間は2~3時間である。最近になって、これらの物質、特にトリクロロ エチレンに安全性上の問題があることを知り、作業時に吸入しないようにマスクをつけるようにな った。これまで、何もしていなかったが大丈夫だろうか。現状、特に健康に問題がある訳ではない。
化学製品PL相談センターはインターネットで調べて知った。(30代くらいの男性)<事業者>
⇒トリクロロエチレンはIARC(国際がん研究機関)の発がん性評価でグループ1、「ヒトに対 する発がん性が認められる」物質に分類されています。吸入すると有害で、眼や皮膚への刺激性 もありますので、使用に際しては、防毒マスクだけでなく、保護衣、保護手袋、保護メガネなど の保護具を着用する、換気装置を設置するなど、適切な安全対策が必要です。トリクロロエチレ ンに限らず、化学物質を扱う場合は、その化学物質のSDS(安全データシート)をよく読んで、
リスクを認識し、適切な安全対策を施すように気をつけてください。なお、これらの安全対策は 労働安全衛生法で、事業者の責務と決められています。トリクロロエチレンは特定化学物質障害 予防規則、メチルアルコールは有機溶媒中毒予防規則に該当しますので、作業主任者の選出、発 生源抑制対策、作業環境測定、特殊健康診断の義務が発生します。
◆ <スーツケースの乾燥剤の安全性>「スーツケースにおそらくシリカゲルと思われる乾燥剤を入れ
- 71 -
たまま衣類を入れてしまった。その衣類を着用して皮膚に影響はないか」との相談を30代の主婦 から受けているがどうか。<消費生活C>
⇒公益財団法人日本中毒情報センターの情報によると、シリカゲルは化学的には不活性であり吸収 されないため、全身毒性はほとんどみられず、無毒物質としてリストされています。
(www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70133.pdf)。ご心配には及ばないでしょう。
◆ <首から下げるタイプの除菌製品の安全性>「2年前に通販で購入した○○社の首からぶら下げる 除菌剤△△を使用しているが、最近、安全性が気になってきた。製品の成分の二酸化塩素の安全性 について知りたい」と区民の方から相談を受けている。どのように回答すればよいか。<消費生活C
>
⇒二酸化塩素は強い酸化力を持ち、常温で気体の、塩素のような刺激臭のある化合物です。国内で は、紙、パルプの漂白、水道水の除菌などに使われており、食品添加物として使用が認められて います。二酸化塩素の職業暴露(工場等の作業現場での薬剤との接触)による健康影響は、気道、
皮膚、および眼の刺激ですが、ヒトに関して信頼できる定量データはないとされています。米国 では労働衛生局が作業環境基準値を定めていますが、国内では基準値は定められておりません。
社団法人日本二酸化塩素工業会では、家庭用の二酸化塩素製品について、米国の作業基準をもと にさらに厳しい自主基準を設けて管理に努めています。家庭用の二酸化塩素製品については、平 成22年に国民生活センターが商品テスト結果を含む報道発表を行っていますので、参考にされ るとよいでしょう。(http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20101111_1.pdf)二酸化塩素の持つ殺菌 効果はよく知られていますが、家庭用の二酸化塩素製品は医薬品としての認証を受けているもの ではなく、あくまでも雑貨品として売られているものです。効果を過信せずに、その他の感染予 防策と併用されることをお勧めします。
◆ <アルコール過敏症について> ドアノブなどにスプレーして、ウィルス活性を抑えるアルコール 40%のエアゾール製品を検討している。誤って吸入した場合などのアルコール過敏症について、ま た、アルコール過敏症での事例があれば教えてほしい。<事業者>
⇒当センターの過去事例を調べたところ、アルコールにアレルギーのある方が、消臭剤をマスクに 使用して意識を失い救急車で運ばれた事例がありました。また、対象物の事故としては、アルミ 製のドアをアルコールで拭いたら艶がなくなったという相談が寄せられています。アルコール過 敏症については当センターでは情報を持ち合わせておりません。情報のひとつとして公益財団法 人日本中毒情報センターの『酒類』
(http://www.j-poison-ic.or.jp/tebiki20121001.nsf/SchHyodai/0BF022F84875DC7D492567DE0 02B8A02/$FILE/M70098_0100_2.pdf)を参考にされてはいかがでしょうか。
◆ <木製フェンスに使用した防腐剤の残存性> 20年前に作った木製のフェンスが朽ちてきたため、
朽ちたものを庭の無農薬の畑に混ぜ込みたい。フェンスを作る際に防腐剤を塗ったらしいが何を塗 ったかわからない。畑の土に混ぜても問題ないか。化学製品PL相談センターは消費生活センター から紹介された。(若年の女性)<消費者>
⇒防腐剤の種類と残存量がわかりませんので、こちらでは判断しかねます。防腐剤が残存している かどうかわからなければ廃棄した方がよろしいでしょう。