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第 8 章 事業方式の検討

1. 検討の目的

公害防止基準値等の設定は、北部環境事業所新 2 号炉を整備するにあたり、周辺地域の 良好な生活環境を保全するため、法や条例の排出基準に基づくだけでなく、最新の技術レ ベルや地域性・環境性等を考慮し環境負荷の低減に努めるため、基準値の設定値について、

技術的及び経済的に可能な範囲を勘案し、適切な設定値を検討します。今後、設定した設 定値や煙突の高さ等の施設条件を基に施設の生活環境影響調査を行い、環境について予測 評価を実施します。

1-2 検討項目

・排ガスの排出基準(硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん、塩化水素、ダイオキシン類、

一酸化炭素、条例で指定される排煙指定物質、水銀)

・排水基準

・騒音・振動・悪臭の規制基準

1-3 検討にあたっての基本的な考え方

検討にあたっては、以下の考え方を基本とします。

・法律、条例等で定められている規制値を基本とします。

・排ガスの排出基準については、現有施設の基準値を考慮して決定します。

2 . 排 ガ ス の 排 出 基 準

火格子面積が 2m2以上、又は焼却能力が 200kg/h 以上の廃棄物焼却炉は、大気汚染防止 法により、「ばい煙発生施設」として処理能力や排ガス量別に排出基準値が定められてい ます。また、火床面積が 0.5 m2以上、又は焼却能力が 50kg/h 以上の廃棄物焼却炉は、ダ イオキシン類の排出基準値は、ダイオキシン類対策特別措置法によりダイオキシン類の排 出基準値が、焼却能力別に定められています。

北部環境事業所新 2 号炉の排ガスの法基準等を確認し、既存施設の維持管理計画排出基 準を参考に、新 2 号炉の維持管理計画排出基準を設定します。

2-1 硫黄酸化物の排出基準

硫黄酸化物の排出基準は、大気汚染防止法において、煙突の高さ及び地域ごとに定めら れた K 値と呼ばれる定数に応じて、ばい煙発生施設ごとに許容限度が定められています。

藤沢市の K 値は下表より 11.5 となります。

表 4-1 神奈川県の地域区分ごとのK値規制値

2-2 窒素酸化物の排出基準

窒素酸化物の排出基準は、大気汚染防止法において炉型式や排ガス量別に定められてい ます。

新 2 号炉は連続炉で計画されるため、排ガス量に係らず窒素酸化物の排出基準は 250ppm となります。

表 4-2 窒素酸化物の排出基準

2-3 ばいじんの排出基準

ばいじんの排出基準は、大気汚染防止法において焼却能力別に定められています。

新 2 号炉の焼却能力は約 6,250kg/h・炉(150t/24h・1 炉)の計画であるため、ばいじ んの排出基準は 0.04g/m3N となります。

地域の区分(神奈川県のみ記載)

大気汚染防止 法の排出基準

(K値)

神奈川県の区域のうち、横浜市、川崎市及び横須賀市の区域 3.0 神奈川県の区域のうち、平塚市、鎌倉市、藤沢市、茅ケ崎市、逗子市、相模原

市、三浦市、厚木市、大和市、海老名市、座間市、三浦郡、高座郡、愛甲郡愛 川町及び津久井郡城山町の区域

11.5

上記の区域以外の地域 17.5

※大気汚染防止法施行令 別表第三(第五条関係)

※大気汚染防止法施行規則 別表第一(第三条関係)

※区域は、昭和五十一年九月一日における行政区画とする。

排ガス量 排出基準

(m3N/h) (ppm)

連続炉 - 250

40,000以上 250

40,000未満 -

※大気汚染防止法施行規則 別表第三の二(第五条関係)

※排出基準は、排ガス中の酸素濃度12%に換算した値。

炉型式

連続炉以外

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表 4-3 ばいじんの排出基準

2-4 塩化水素の排出基準

塩化水素の排出基準は、大気汚染防止法において施設の種類別に定められています。

廃棄物焼却炉の塩化水素排出基準は、700mg/m3N となります。

表 4-4 塩化水素の排出基準

塩化水素排出基準の mg/m3N を ppm に換算する方法は、「大気汚染防止法に基づく窒素酸 化物の排出基準の改定等について」(昭和 52 年 06 月 16 日公布、環大規 136 号)において 示されています。

この方法で換算すると、廃棄物焼却炉の塩化水素排出基準は、約 430ppm となります。

Cs:排出ガス中における塩化水素重量(mg/m3N)

Cp:JISK0107 により算定される塩化水素濃度(単位 ppm)

Cs=(36.5/22.4)×Cp Cp=Cs×(22.4/36.5)

=700×(22.4/36.5)

≒430ppm

2-5 ダイオキシン類の排出基準

ダイオキシン類の排ガスの排出基準は、ダイオキシン類対策特別措置法において焼却能 力別に定められています。

新 2 号炉の焼却能力は約 6,250kg/h・炉(150t/24h・1 炉)の計画であるため、ダイオ キシン類の排出基準は 0.1ng-TEQ/m3N となります。

排出基準

(g/m3) 焼却能力が一時間当たり4,000kg以上 0.04 焼却能力が一時間当たり2,000kg以上4,000kg未満 0.08 焼却能力が一時間当たり2,000kg未満 0.15

※大気汚染防止法施行規則 別表第二(第四条関係)

※排出基準は、排ガス中の酸素濃度12%に換算した値。

焼却能力

排出基準

(mg/m3N)

廃棄物焼却炉 700

※大気汚染防止法施行規則 別表第三(第五条関係)

※排出基準は、排ガス中の酸素濃度12%に換算した値。

施設の種類

表 4-5 ダイオキシン類の排出基準

2-6 一酸化炭素の排出基準

ダイオキシン類は、ごみの燃焼状態が悪くなると発生量が増加する傾向にあるため、発 生量を抑制するには完全燃焼させる必要があります。燃焼状態を示す指標としては、一酸 化炭素(CO)の濃度があり、濃度が低いほど完全燃焼していることになります。

そこで、平成 9 年 1 月に示された「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドラ イン」では、煙突出口の一酸化炭素濃度を 30ppm 以下(O212%換算値の 4 時間平均値)に することが示されています。また、安定燃焼を行うため、100ppm を超える一酸化炭素濃 度瞬時値のピークを極力発生させないように留意することとしています。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第四条の五(一般廃棄物処理施設の維持管 理の技術上の基準)では、煙突から排出される排ガス中の一酸化炭素の濃度が 100ppm 以 下となるようにごみを焼却することとしています。

表 4-6 一酸化炭素の排出基準

2-7 条例で指定される排煙指定物質

神奈川県生活環境の保全等に関する条例では、工場及び事業場の設置についての規制、

排出基準

(ng-TEQ/m3

焼却能力が一時間当たり、4,000kg以上 0.1

焼却能力が一時間当たり、2,000kg以上4,000kg未満 1

焼却能力が一時間当たり、2,000kg未満 5

※ダイオキシン類対策特別措置法施行規則 別表第一 大気排出基準(第一条の二関係)

※排出基準は、排ガス中の酸素濃度12%に換算した値。

焼却能力

排出基準

(ppm)

ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン 30 4時間平均値 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則 100 1時間平均値

※廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第四条の五(一般廃棄物処理施設の維持管理の技術上の基準)

※排出基準は、排ガス中の酸素濃度12%に換算した値。

備考

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表 4-7 排煙指定物質の規制基準

2-8 水銀

水銀の排出基準は定められていませんでしたが、平成 27 年 6 月に「水銀による環境の 汚染の防止に関する法律」及び「大気汚染防止法の一部を改正する法律」が公布され、水 銀排出施設として廃棄物焼却施設が対象となり、現在は国において施設の規模及び排出基 準の検討を行っていることから、動向に注視する必要があります。

2-9 まとめ

既存施設の北部環境事業所と石名坂環境事業所では、排ガスの排出基準について国の法 基準等と同様又はこれより厳しい基準値を維持管理計画に掲げています。

新 2 号炉における維持管理計画の排出基準は、既存施設を参考に設定しました。なお、

排出基準を順守するため、より安全な運転管理目標値を安定性、経済性を考慮したうえ、

工事発注段階で再度、検討します。

項目 排出基準

カドミウム及びその化合物 0.5mg/m3N

塩素 1ppm

塩化水素 700mg/m3N

ふっ素、ふっ化水素及びふっ化珪素 2.5mg/m3N

鉛及びその化合物 10mg/m3N

アンモニア 50ppm

シアン化合物 10ppm

硫化水素 10ppm

※神奈川県生活環境の保全等に関する条例 施行規則 別表第6(第30条5項)

排水については、既存施設と同様に公共下水道へ放流するにあたり、藤沢市下水道条例 に定める、下水排除基準が適用されます。

項目 北部環境事業所1号炉 石名坂環境事業所 北部環境事業所新2号炉 法基準等

硫黄酸化物※1 25ppm 35ppm 25ppm K値=11.5※2

窒素酸化物※1 50ppm 100ppm 50ppm 250ppm

ばいじん※1 0.01g/m3N 0.01g/m3N 0.01g/m3N 0.04g/m3N

塩化水素※1 25ppm 50ppm 25ppm 430ppm

ダイオキシン類※1 0.1ng-TEQ/m3N 1ng-TEQ/m3N(注1) 0.1ng-TEQ/m3N 0.1ng-TEQ/m3N

一酸化炭素濃度※1

30ppm(4時間平均)

100ppm(1時間平均)

100ppmを超えるピークを 極力発生させない

100ppm(1時間平均)

30ppm(4時間平均)

100ppm(1時間平均)

100ppmを超えるピークを 極力発生させない

30ppm(4時間平均)

100ppm(1時間平均)

100ppmを超えるピークを 極力発生させない

カドミウム及びその化

合物 0.5mg/m3N 0.5mg/m3N 0.5mg/m3N 0.5mg/m3N

塩素 1ppm 1ppm 1ppm 1ppm

ふっ素、ふっ化水素及

びふっ化珪素 2.5mg/m3N 2.5mg/m3N 2.5mg/m3N 2.5mg/m3N

鉛及びその化合物 10mg/m3N 10mg/m3N 10mg/m3N 10mg/m3N

アンモニア 50ppm 50ppm 50ppm 50ppm

シアン化合物 10ppm 10ppm 10ppm 10ppm

二硫化硫黄 5ppm 5ppm 5ppm 5ppm

硫化水素 10ppm 10ppm 10ppm 10ppm

水銀 無し 無し 国の動向を踏まえ検討 現在は無し

※1 O2=12%換算値。

※2 藤沢市はK値=11.5に該当し、これに基づき北部環境事業所1号炉の排ガス量等の施設条件より濃度換算した     参考値は2,000ppmとなります。

(注1) 石名坂環境事業所については、廃棄物処理法改正以前に設置された既設焼却施設であるため、ダイオキシン類     の規制基準は1ng-TEQ/m3Nが適用されます。また、法で維持管理計画の提出が義務付けられた以前の焼却施設で あるため、処理施設届出の設計値を記載しています。

維持管理計画

神奈川県生活環境の保全等に関する条例による規制基準

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