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○池田亜紀子,勝部直人○,長谷川篤司 昭和大学歯学部

Research of effect of clinical education system based on POS

—No 5 The effect of case report by training dentist—

○Ikeda○Akiko,○Katsube○Naoto,○Hasegawa○Tokuji○

Showa○University○School○of○Dentistry

【緒 言】

第 1 〜 4 報で報告しているように,当院総合診療歯科では研修 歯科医に担当させるほぼ全ての患者に対して,問題志向型診療 システム(以下POSとする)を基盤とする診療を行わせ,研修 の集大成としてその成果を症例報告にて発表させている.

今日の超高齢化社会において,全身疾患も含めた包括的診療が 必要とされる場合が多く見られ,POSの活用は多様な問題点が 整理でき有効と考えられる.そこで今回,研修歯科医にとって 自身の症例報告の製作過程や発表が,POSへの理解を深める きっかけとなり,今後の臨床に役立つか等をアンケートにて調 査し,当科の研修システムを検証したので報告する.

【材料および方法】

2011 年度に当科にて 1 年間または 6 ヶ月間の研修を行った研修 歯科医 22 名に対し,症例報告の製作・発表後,アンケート調 査を行った.アンケートは,①医療面接が充分にできていたか

②診査・診断・問題点の把握が確実にできていたか③カンファ レンスの有効性④POSへの理解が深まったか⑤今後の臨床や 治療計画の立案に役立つと思うか,などについて調査し,症例 報告の製作過程や発表が臨床研修に及ぼす効果について検証し た.

【結果および考察】

研修歯科医の約 40%が,症例報告の作成・発表により初診 時の医療面接について,特にPsycological○problemとSocial○

problemの把握が不十分であったことに気づけたと回答した.

しかしその「気づき」を通して,全ての研修歯科医が患者の QOLに配慮した治療計画立案やメインテナンスなど自身の今 後の臨床に役立つと思う,と回答している.これは当科の研修 システムの一環である症例報告の作成を通して,よりPOSへ の理解が深まり全人的な包括的診療に対応できる歯科医師の育 成に役立つものと考察した.

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P-131 研修歯科医自身が掲げた目標に対する自己評価

○鬼塚千絵,木尾哲朗,喜多直子,永松 浩,喜多慎太郎,寺下正道 九州歯科大学総合診療学分野○

The self-evaluation for the self-aims of the vocational trainee dentists

○Onizuka○Chie,○Konoo○Tetsuro,○Kita○Naoko,○Nagamatsu○Hiroshi,○Kita○Shintaro,○Terashita○Masamichi

Department○of○Clinical○Communication○and○Practice,○Division○of○Comprehensive○Dentistry,○Kyushu○Dental○College

【目 的】

研修歯科医が思い描く将来像は様々であり,それぞれ目標は異 なっている.我々は,第 30 回日本歯科医学教育学会学術大会

(東京)において研修歯科医の自己目標に関する報告を行った.

今回,その目標に対する到達度の自己評価について興味ある知 見が得られたので報告する.

【方 法】

平成 23 年度の本学附属病院総合診療科所属の研修歯科医を対 象に,研修初期の 4 月に,「一年後,私に期待する全てのこと」

をテーマとして, 8 つの自己目標とそれぞれの自己目標を達成 するために必要な 8 つの方略についての記述式アンケート調査 を行った.自己目標の範囲については歯科医師臨床研修に限定 せず,自己実現の全てとした.研修修了時の 3 月に,到達度に ついて 100 点満点で評価させた.得られたアンケート用紙よ り,各研修医の 8 つの目標に対する自己評価点を分析した.さ らに,カテゴリー分類を行い,評価点数について分析を行っ

た.

【結 果】

研修歯科医の 8 つの目標に対する自己評価の平均点は, 55.4 点であった.歯科に関するカテゴリーは 4 つ「治療手技の上達」

「診療室での対人関係の構築」「歯科医師としての自己実現」「知 識の向上」,歯科以外のカテゴリーは 5 つ「健康の維持」「人間 性の向上」「人間関係の構築」「家庭経済の安定」「進路の決定」で あるが,その中で,最も自己評価点の高いカテゴリーは「進路 の決定」(76.7 点)で,最も低いカテゴリーは「家庭経済の安定」

(33.0 点)であった.

【考 察】

今回の結果から,自己目標の達成度を低く評価している研修歯 科医が存在していることがわかった.研修の途中で方略につい てアドバイスする必要があることが示唆された.また,到達す るのに難しいカテゴリーがあることが明らかになった.

-P-132 歯科医師臨床研修終了時における歯のシェードテイキングに関するアンケート

○伊吹禎一,寳田 貫,角 義久,王丸寛美,増田啓太郎,津田緩子,浅田徹之介,樋口勝規 九州大学病院口腔総合診療科

A questionnaire survey for trainee dentists concerning the shade-taking at the end of the postgraduate clinical training

○Ibuki○Teiichi,○Takarada○Tohru,○Sumi○Yoshihisa,○Ohmaru○Tomomi,○Masuda○Keitaro,○Tsuda○Hiroko,○Asada○Tetsunosuke,○○

Higuchi○Yoshinori

Division○of○General○Oral○Care,○Kyushu○University○Hospital

【目 的】

歯のシェードテイキングは歯科診療において,日常的に行われ る非常に重要な行為であり,歯科医師臨床研修で習熟すべき知 識・技術の一つである.しかし,研修歯科医がシェードテイキ ングに苦慮する場合が多いため,当科では臨床研修中にシェー ドテイキングの教育・訓練を検討中である.そこで,当院研修 歯科医の研修終期におけるシェードテイキングの実情の把握を 目的に,アンケート調査を実施した.

【方 法】

平成 23 年度当院卒直後研修歯科医師 61 名(男性 34 名,女性 27 名)を対象に,臨床研修の終了時である平成 24 年 3 月に当科作 成のアンケートを実施した.

【結 果】

研修歯科医のうち,シェードテイキングの講義や実習に関する 記憶がある者は半数以下であった(講義 44%,実習 23%).一 方,臨床研修中にシェードテイキングを行った者は 87%だっ

た.内容はレジン充填,前装冠/ジャケット冠,有床義歯が 86%を占めた.研修中にシェードテイキングを行った者のう ち, 70%が様々な理由でシェードテイキングを難しいと考え ていた.色彩やシェードガイドに関する基本的知識を問う設問 の正解率は,ほとんどが 50%を下回った.

【考 察】

歯のシェードテイキングは,アンケートの結果からも日常歯科 診療において頻度の高い治療行為の一つであることが明らかで あるにも関わらず,研修歯科医の学生時代の学習・訓練を行っ た記憶が乏しいことが分かった.研修終了の時期においても,

色彩やシェードガイドに関する基本的な知識は低く,理論的な 裏付けがなく自己流でシェードテイキングを行っている傾向が うかがえた.シェードテイキングの訓練を企画するにあたり,

基本的な知識を充実させるように,講義や小テストが必要であ ると考えられる.

S‟‣‒ ~‒ S‟‪‒

学生セッション討論‒ ‣‥‬••~‣…‬••‒

学生セッション 学生セッション ‒ ‒

S-1 ~ S-8

学生セッション討論 13:00~14:00

学生セッション

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S-1 東京医科歯科大学歯学部歯学科生の質変化に対する検討

 

○永野大樹

東京医科歯科大学歯学部歯学科

Examination of the quality of the dental student at Tokyo Medical and Dental University

 

○Nagano Daiki

Tokyo Medical and Dental University

【目 的】

歯科医師過剰問題に関係して,関連省庁は入学定員削減および 国家試験の難化による歯科医師数削減により,歯科医師の質管 理を行っている.その結果,歯学部の人気低下が生じ,優秀な 入学者の選別が難しくなったことで,入学学生の質低下が一般 に指摘されている.本報告では,東京医科歯科大学で本当に学 生の質低下が生じているかを確かめ,質担保された歯科医師を 生み出す方法を検討する.

【対象と方法】

東京医科歯科大学歯学部教員を対象に質問票調査を行い,主観 的な視点での学生の質変化,「学生のやる気」,「コミュニケー ション能力」等の変化を分析した.客観的指標として,大学が 毎年発表している入学試験前期試験得点の経時的変化(2006 年

~2011 年)を分析,同時に,最低修業年限での卒業学生の国家 試験合格率を比較し,学生の学力変化の分析を行った.

【結 果】

教員対象の質問票調査(32 人対象)の結果から,「学力が低下し

た」という意見が約半数(16 人)あり,その他の項目(やる気,

礼儀等)も,「どちらかといえば低下している」という回答が,

多く認められた.一方,前期入学試験得点の経年的変化から は,過去 6 年間の得点変化は小さくあり,過去 7 年間の最低修 業年限での国試合格率からは,この 6 ~7 年で学力が顕著に低 下したとは言えるものではなかった.

【まとめ】

入学試験得点等から歯学科生の学力が顕著に変化したとは言え ないが,質問票調査結果からは,やる気,礼儀等の学力以外の 面での変化を教員が感じていると言える.問題とされる学生の 質低下については,学力の変化と気質的な変化を区別して分析 する必要性が感じられた.国民から信頼される歯科医師を生み 出すには,知識等の学力のみならず,患者治療を行う歯科医師 としての資質を,いかに育むかを重要視したカリキュラムを組 む必要があると思われた.

S-2 CT 画像を利用した歯の解剖学実習を受講して

 

○西原宏軌1),網干博文2),山崎洋介3),磯川桂太郎3),新井嘉則4),前野正夫5),越川憲明6)

1)日本大学歯学部第 3 学年,2)日本大学歯学部法医学教室,3)日本大学歯学部解剖学教室第 2 講座,,3)日本大学歯学部,5)日本大学歯

学部衛生学教室,6)日本大学歯学部薬理学教室

Application of CT images for learning tooth morphology

 

○Nishihara Kouki 1), Aboshi Hirofumi 2), Yamazaki Yousuke 3), Isokawa Keitarou 3), Arai Yoshinori 4), Maeno Masao 5),   Koshikawa Noriaki 6)

1)Nihon  University  School  of  Dentistry, 2)Department  of  Legal  Medicine,  Nihon  University  School  of  Dentistry. 3)Department  of  Anatomy, Nihon University School of Dentistry, 4)Nihon University School of Dentistry, 5)Department of Oral Health Sciences, Nihon  University School of Dentistry, 6)Department of Pharmacology, Nihon University School of Dentistry

【背景と目的】

日本大学歯学部では第 2 学年前期に歯の解剖学実習「歯のかた ち」を受講する.この実習では,展開図を描きながら歯の形態 および特徴を学習する.その一環として,コンピュータ画面上 で CT 画像を操作しながら歯の立体構造を理解する実習がであ る.目的は日頃,教科書で学ぶ歯の外形,内部構造および断面 形態などの 2 次元情報を, 3 次元的に把握してより理解を深め ることにあるという.以下,本実習を受講した成果や感想につ いて報告する.

【結果と考察】

CT 画像の閲覧には,本実習用に開発された CT 画像解析ソフ トウェア HexaViewer を使用した.このソフトは歯の XYZ 軸 の 3 断層面と各方向からみたボリュームレンダリング像の計 6 面を同時に閲覧出来る特徴がある.実習では,歯髄腔,根管形 態および象牙質・エナメル質の厚み等の内部構造も含めて,簡

単な操作で任意の方向から観察することが可能であった.歯の 構造を非破壊的かつ 3 次元的に可視化できる技術を体験でき た.同時に,歯の外形をひととおり学んだ後,内部の立体構造 を含めた CT 断層像を実習で利用したことで,歯に対する理解 が一層深まったと感じた.さらに,歯の形態的な特徴を画面に 表示する操作法を学んだことにより,将来,歯科臨床で必要と なるであろう CT 画像診断の知識を経験・体得出来たことも有 意義だった.一方で,断層像から内・外部構造をイメージする のに少々時間を要し,また膨大なデータ量によりスムーズに画 面が変化し難いなどの状況が発生するということも存在した.

歯科医療・画像技術の高度化に伴い,歯や歯周組織の解剖学的 知識が更に重要になっている昨今,このような CT 画像を活用 した体験型実習は有益ではないだろうか.今後の臨床実習にお いても,このソフトを利用してさらに知識を深めたいと考えて いる.

4)