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図6 「語り聞かせ」群と「読み聞かせ」群の子どもが おはなしするのにがかった手応(秒)の変化
この結果から、 2要因の分散分析を行った。
「聞く1という要因において主効果があり、 「語り闘かせ」群と
「読み聞かせ」群との闘には有意差があった(F一一 14Z769, df篇 1/10)。すなわち、 「語り聞かせ」群と「読み聞かせ」群との闇を 比べると、 「語り聞かせ」群の方がおはなしをするのに長い時間を
かけていた。
「回数」という要因において、初回(1回目)と終回(2回目)
との間に有意差がなかった。すなわち、初回と終回におはなしをす るのにがかった時闘に差がなかった。
また、 「聞く」という要因と「回数」という要因の間には交互作 用はみられなかった。
すなわち、子どもがおはなしをするのに要した時間という指標で みると、 「語り聞かせ」群は「読み聞かせ」群に比べて、よく聞い ていた。つまり、長い時聞をかけておはなしをするだけの内容のこ
とばを、 「語り聞かせ」のおはなしを聞くなかで理解していたとい
うことになる。そして、語句数と考え合わせると「語り聞かせ」群 は、おはなしを集中して聞いているので、物語のイメージが次々と 漂かんできておはなしをするために、語句数が多く、おはなしをす
るのに時間もかかったということができる。
4.言い換えたことばについて
昔ばなしをおはなしするときには、語り手のことばだけで語るの が本来の姿だという考え方と、もう 一一一一方で、昔ばなしの世葬はむか しむかしのことで現在の生活と比べると随分とかけ離れてしまって いるために、子どもには理解できないことが多いことから、昔ばな
し絵本を作って理解を助けるという考え方がある。
そこで、子どもがおはなししたことばから、子どもが言い換えた ことばを拾った。
その結果が表8一く9と表8一②である。
表8一(D「語り聞かせ」群の子どもが言い換えてはなしたことば
一いる途申、灘しているうSe、
0桃がつんぶらっんぶらとながれてきた→桃があったんや
○旨かったそうですOおいしかった
○晩方→夜 夕方 晩
○戻ってきた→帰ってきた
〇二入で→一緒に
0切ろうとすると→包丁で切ろうとすると
○ほぎやあほぎやあ→こぎやあこぎやあ
○一つ教えれば→一回教えれば、一度教えれば
○じゃくっと割れて→じゃきっと割れて ぽかんと割れて
ぱかっと
○粥を食べさせたり→なすび(と言ってから)ちごとったかな
○お魚食べらしたり、なすび食べらしたり
○お婆さんが作った黍団子食べて大きくなって
〇二杯たべると二杯だけ⇒二つ食べたら二つくらい
○一杯たべたら一杯大きくなって
○両方の手をついて⇒手をおひざにして
○しかたなくて「したら行ってこい」→しょうがないから行っ てもええ
○涙をぼろぽとたらして・〉涙を出して
○ぼろぼ→・ぼろぼろぽろぽろ、ぽとぽ と,
○日本一の黍団子を一一杯こしらえてO作ってくれて
○黍団子→餅
○山,奥→山の向こうの奥の方
○したら家来になれ→あげますから、鬼が島へついて行くんや で
○家来→仲間
iOしたら→じゃあ、そなら iOそれで向こうに舟があってな
…○急いで→早いこと
○ばかにして→ふざけて
○助けてやる→許してやる
○鬼の大将が…一桃太郎にわびたそうです。心太郎は「一…命ば かりは助けてやる」⇒鬼の大将が謝ると桃太郎はやさしくな
って
○えんやらえんやら曳かせて.→手伝わせて 持たせて
0何千入力→いっぱい
表8一②「読み聞かせ」群の子どもが言い換えてはなしたことば
○小さな普通の桃
io桃太郎の桃・拾ってな
○晩方になって⇒夜になって
○戻って⇒帰って
○貰えんかな⇔おくれ
○切ろうとすると→割ろうと思うたら
1
ぱっちん割れたんや i じゃぶっと割れてねiO魚をたべさせたりお粥を食べさせたり…そしてお味噌汁かな
○一杯食べると、一一t杯だけ、二杯食べると二杯だけ、三杯食べ ると、三杯だけ⇒一杯分食べると一杯分大きくなって、二杯 分食べたら大きくなって、三杯分大きくなって
○退治しに→やっつけに
○餅ついて、何か桃太郎作りよったで桃太郎黍団子作りよった
○「どうして…一勝てるわけがない」→あかん
○鉢巻き、袴、→着物、ぞうり、靴、服
○わけてやろう→あげる
○山奥⇒山みたいな葉っぱのない山 0食べ食べ→食べながら
○海を越え=〉舟乗って
○奥では→後ろでは
○門Oドアを開けるの、ドアを叩くと
○鬼の大将⇒鬼の先生、大つきな鬼、鬼の隊長
○戦ったことを一…パンチしたりした
○涙をぽろぽろとこぼして→涙をぼろぼろやってな 0命だけは→心だけは
○鬼が負けたことを一一→死んだ
表8一ωおよび表8一(2}から、言い換えたことばの数について、
「語り聞かせ」群と「読み闘かせ」群とを比べてみると、 「語り聞 かせ」群の方が言い換えたことばの数が多いことがわかる。このこ
とは、子どものおはなしした語句数が「読み聞かせ」群より「語り 闘かせ」群の方が多かったことからみても当然のことだといえるか
もしれない。
子どもは、おはなしを聞いて理解してくると他の人に伝えようと する。そして、子どもがおはなしをするとき、子どもはおはなしを 聞いて理解していることばを使っておはなしをするであろう。しか し、まだイメージが不十分であったり理解が十分でないときは、子 どもは自分がイメーージしたり理解したりして知っていることばを使 って、おはなしをするだろうと思う。
そこで、子どもが、『ももたろう』のおはなしを他の入にすると き、自分で間いてイメージしたり理解したりしたように自分の知っ ていることばに言い換えておはなしをするといえる。そこで、 『も
もたろう』のおはなしをしたときに言い換えたことばからは、子ど もが『ももたろうsのおはなしをどのように理解して聞いたかがわ
かるといえる。
表8の言い換えたことばのなかには、(1)『ももたろうsのおはな しの前後から、子どもが自分にわかることばに置き換えてはなして いることばと、(2)絵本の絵から連想してはなしていることばとがあ
るe
そこで、次に、(1)子どもが自分にわかることばに置き換えておは なししていることば、②絵から連想しておはなししていることば、
の2点から考えたい。
(1)子どもが自分にわかることばに置き換えておはなししている ことばについて
そこで、 『ももたろう』のおはなしの前後の流れから、子どもが 自公自身にわかることばに置き換えておはなしていることばを、表
8から拾いだして、表9にあらわした。
表9 子どもがおはなしの前後の流れから、自分にわかることば に置き換えていることば
語り聞かせ
○洗濯していると→洗濯して いる途中
洗濯しているうちに
○旨かったそうです→おいし かった
○晩方になって→夜になって 夕方
晩
○戻ってきた→帰ってきた
〇二人で→一一緒に
○一つ教えれば→一画教えれ ば
一度教えれば
〇二杯食べると二杯だけ⇒二 つ食べたら二つくらい
○しかたなく「したら行って こい」→しょうがないから 行ってもええ
○山奥→山の奥の向こうの方
○急いで→早いこと
○涙をぼろぽとたらして→涙 を出して
○助けてやる→許してやる
○えんやらえんやら曳かせて →手伝わせて
○何千人力→いっぱい
読み聞かせ
○大きい→でっかい
○晩方になって→夜になって
○戻って⇒帰って
○貰えんかな→おくれ
○退治しに→やっつけに
○「どうして……勝てるわけが ない」→あかん
○わけてやろう→あげる
以上の結果の表から、 「語り聞かせ」群と「読み聞かせ」群とを 比べると、 「語り聞かせ」群の方がより多くのことばを言い換えて いることがわかる。
このことは、図5の語句数からもわかるように「語り聞かせ」群 の子どもは、昔ばなし『ももたろう』の「語り聞かせ」を聞きなが
ら、理解できにくいことばがあるときは、物語の前後の流れからそ のことばのイメージを理解することができたから、絵本「ももたろ う』の「読み聞かせ」群に比べて昔ばなしの「語り聞かせ」群の方 が高集中度で聞くことができたのだといえる。
「語り聞かせ」群は「読み聞かせ」群と異なって、絵がないため に、ことばだけを頼りに高集中度でよく聞いている。それだけに、
耳を傾けておはなしをしっかりと受け止めていることがわかる。
昔ばなしの世葬は、現在の生活とは違うため、絵がないと理解で きないということは、本研究では当てはまらなかったといえる。絵 本がなくてもよく聞いていたのであるし、しかも、絵本のない方が
よりょく聞いていたのである。
(2)絵から連想しておはなししていることばについて
次に表8一ωおよび表8一②から、絵本の場面の絵から連想して いることばをとりだして表10にした。
表10 絵本の絵から連想しておはなししたことば
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