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スライド10

 (スライド1)妊娠・出産・子育てでやめてしま う女性医師の場合,離職の原因としては,まず,体 力的な限界や精神的な負担です。2つ目が,当直で きないことなど,周囲に対する気後れや気遣い。3 つ目が,男性医師に比べて,やはり育児や家庭のこ とでどうしても勉強時間がない。また,子どもをお いて学会に行けないので,そうしたことで遅れてい くことの引け目。4つ目が,家庭環境。これは例え ば,だんなさまが出張になったり留学などで一緒に ついて行かざるをえないとか,子どもが病気でどう しても仕事ができない,というようなことになると 思います。

 次に,妊娠・出産・子育てをしていないけれどや めてしまう女性の場合です。

 離職の原因としては,ひとつには女性であるとい う甘えです。医師という仕事が社会貢献をしなくて はいけない大事な仕事であることを認識せずに女医 になってしまい,大変だからということでやめてい く医師も多いように思います。また,医師を一生の 仕事と考えて努力したり成長する気持ちが欠如して いる者もいると言われています。

 私が調べた文献に,若い20代の女性医師(獣医,

歯科医,医師)へのアンケート調査が載っていまし た。そのなかで,「結婚相手に仕事をやめるように 言われたらやめますか」という質問に,なんと2人

に1人が「やめる」と答えています。また「出産後 に一時的に仕事をやめますか」には,4人に1人が

「やめる」と答えています。こうした意識が離職の 根底にあるのも現実なのかもしれません。

 では,こうした女性医師を私たちの病院で少しで も支援していくことができるかどうか,先ほどの4 点について考えてみます。

■妊娠・出産・育児時の支援

(スライド1

●子育て支援

 (スライド1)まず子育ての支援ですが,先ほども お話がありました24時間保育や病児保育については,

病院としても努力しています。

 また,育児休業期間中の正規職員の保障や,育児 期間中は勤務時間が自由選択できる制度などは,努 力されている病院がたくさんあるようです。

 しかし,ここで少し問題があります。例えば私ど もの病院は民間病院ですから,やはり利潤も追求し なければいけない,人件費も削減しなくてはいけな い。そういう状況のなかで,休業中にも正職員のま まという保障ができるのだろうかということ。また,

育児期間中の勤務時間の自由選択は,言葉で言うの は簡単ですが,例えば具合が悪くなった患者さんに

「今,先生がいませんから」と言うわけにはやはり いかない。そういうことを考えると,はたして民間 病院でこうした支援が実際にできるのかということ になります。

 ただ,保育所の完備などは,看護師さんたちの確 保にもつながるので,これは病院としてはどんどん やっていかなければいけません。私どもの病院もこ れにお金がかかっていますが,保育所を完備してい

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スライド11

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スライド12

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スライド13

かないと病床開床にもつながりませんので,これは やっていかなければいけない。

●学童保育

 もう1つ,学童保育です。実は私はまったく気づ かなかったのですが,昨日,看護部長である副院長 から「ぜひ言ってほしいことがある」と言われまし た。それは何かというと,子どもが保育園児である ときは問題ないのですが,小学校1年,2年,3年 というような子どもを持つ看護師さんたちが非常に 困っているようです。

 子どもが小学校に上がると同時に仕事をやめてし まう方が非常に多いようなので,今後こういった学 童保育をいったいどうしていけばよいか,それが大 きな問題になってくるようです。

●勤務制度面の改善

 勤務制度の改善としては,当直を免除する,ある いは勤務時間を短縮したり,勤務時間をフレックス タイムにする。それから病棟勤務の免除。病棟勤務 はやはり厳しいですし,患者さんの家族が夜来て,

医師に話を聞きたいというようなことが往々にあり ます。そうしたことに対応できるかという問題を考 えれば,病棟勤務を免除して外来のみにするという 方法もあります。

 また,複数名の医師で1人の常勤医とみなす,つ まり,例えば2人の女性医師で1人として扱うとい う方法もあると思います。

●実行できることか

 (スライド1)以上のように,支援へのいろいろな 提案はあるのですが,はたして実際に,こうした支 援を私どものような市中病院でできるのかといいま すと,現実問題として少し疑問に思います。先ほど

申しましたような病院の経営面,人件費削減などと のかねあいもあると思います。

●当直免除などの支援策を同僚医師はどう考えるか  もう1つ,同僚の医師がこうした支援策を受け入 れられるのかということも問題です。そこで,この 問題についてアンケートを取ってみました。

 (スライド1)「子育て中の女性医師が当直免除と なった場合,どう考えるか」という質問をしたとこ ろ,半数くらいは「負担が増えるが仕方ない」とい うことで受け入れました。しかし「当直しない分,

他の業務で補ってほしい」とか,「退職すべき」とい う厳しい意見もありました。また「子育て中の男性 医師も当直免除にすべきだ」──女性と同じにしな さい――という意見,「当直料を上げ,給料の格差を つけるならいい」,あるいは「待遇格差を付けるべ き」などのコメントも書かれていました。

 (スライド1)次に「妊娠中や子育て中の女性医師 の勤務時間が短縮された場合,どう考えるか」とい う質問には,ほぼ半数が「負担が増えるが仕方ない」

でした。「当直しない分,他の業務で補ってほしい」,

「退職すべき」という厳しい意見もあります。コメ

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スライド14

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スライド15

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スライド16

ントとしては,「妊娠中は仕方ないが,それ以外では 女性だけを特別扱いすべきではない」――子育て中 などの場合は勘弁してほしい――。「男性医師にも 同じ環境を与えてほしい」,あるいは「その分の医師 を補充してほしい」,「待遇格差をつけるべき」とい うものがありました。

 (スライド1)「妊娠中や子育て中の女性医師が外 来勤務のみとなり病棟勤務が免除された場合,どう 考えるか」への回答は,「何とも思わない」と「仕方 ない」を合わせるとほぼ半数にのぼりました。しか し,「給料を減らすべきである」が28%,「退職また は非常勤にすべき」という厳しい意見も5%ありま した。

 (スライド1)まとめますと,以上のような支援策 について,ある程度は仕方ないということで半分く らいの人は受け入れてくれる。しかし,その分の仕 事をするのであれば,あるいは給料や待遇の差をつ けるべきであるという意見,また,女性だけではな く,奥さんが妊娠中または子どもがいる男性にも,

同じような待遇をすべきだという意見があることが わかりました。

■進路決定時に医師を続けるための方策を考

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