○竹延委員 産業動物と家庭動物の区分というのは、私はやはり必要なことだと思ってい ます。例えば、私ども酪農もやっているのですけれども、子供たちから、 「牛は牛乳を出し てくれて、それをのめるからいいね、でも豚はお肉にするとき殺しちゃわなければいけな いから良くない」という印象を投げかけられたとき、なかなか答えづらいところがありま す。それこそ、今現実に、お肉も魚も、スーパーでパックにスライスされて入っているも のしか知らないような子供が増えているなかで、お肉にするという過程、さらには、お肉 にできない経済的な価値を失った豚を処分するという グッドデス の対応をきちんと説 明して理解を得ていくためには、病気をしても家族同様に最期まで看取って悲しみを共有 するような情緒教育の役割も担う家庭動物とは、分けて対応を考えるべきだと考えます。 アメリカの『ケアハンドブック』の「はじめに」のなかで書いてあるのは、 「本ハンドブ ックの目的は、養豚業者に安全、人道的で効率的な養豚のために推奨される豚の飼育方法 に関する最新情報を提供する」かいてあります。ここには、「安全」、 「人道的」、そしても う1つ「効率的」というキーワードが入っています。豚が、経済動物であるという前提で アニマルウェルフェアを考えていかないと危険なことになるという示唆だと受け止めます が、そうした観点から、産業動物と家庭動物は、何らかの形で分けて整理していく必要が あると思います。
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