査では、埋立対象区域の利用目的に公共性があるか否か、その高さが判 断の一要素にとどまる、という。しかし、国土利用上適正かつ合理的と の要件は、必要性の要件とともに、単に利用目的の公共性の程度を審査 すれば足りるのでないことはいうまでもない。例えその利用目的に公共 性があろうが、審査事項にあるとおり、「埋立の動機となった土地利用 が埋立てによらなければ充足されないか。」「埋立をしようとする場所 が、埋立地の用途に照らして適切な場所といえるか。」「埋立により地 域社会にとって生活環境等の保全の観点からみて現に重大な意味をもっ ている干潟、浅海、海浜等が失われることにならない。」「周辺の土地 利用の現況から見て不釣り合いな土地利用となっていないか。」等、他 の対立利益との比較衡量を行わなければならないのである。したがって、 公共性がある用途といえどもその公共性の程度の考慮をするのみならず、 それと比較される利益との衡量が必要であることから、単に防衛・外交 上の用途だからというにとどまらず、さらなる検討が必要であることは いうまでもない。かかる観点から、上記の海兵隊の意義に対する政府と 被告のやりとりの中で、その必要性、合理性が問われたのであり、防衛 上の公共性があるとしても、その程度の際を考慮するのは当然である。 なお、原告は防衛上の公共性を過度に強調するきらいがあるが、こ
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