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第4準備書面(国の釈明への反論) 過去の発言等/沖縄県

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(1)

平成27年(行ケ)第3号

地方自治法第245条の8第3項の規定に基づく埋立承認処分取消処分取消命令 請求事件

原 告 国土交通大臣 石 井 啓 一 被 告 沖縄県知事 翁 長 雄 志

第4準備書面

平成27年12月1日

福岡高等裁判所那覇支部民事部ⅡC係 御 中

被告訴訟代理人

弁護士 竹 下 勇 夫

弁護士 加 藤 裕

弁護士 亀 山 聡

弁護士 久 保 以 明

弁護士 秀 浦 由紀子

(2)

被告指定代理人

(3)

目次

第1 釈明事項1について ... 5

第2 釈明事項2について ... 5

1 はじめに ... 5

2 沖縄防衛局の利益は、本訴訟において原告(国)が主張しうる内容ではな いこと ... 5

3 御庁提示の見解①について ... 8

4 御庁提示の見解②について ... 9

5 御庁の見解に即した検討 ... 16

6 平成27年11月30日付け「被告に対する釈明」第6項について ... 20

第3 釈明事項3について ... 21

1 「仮に、法4条1項1号要件の審査においては国防上、外交上の必要性が 知事の審査対象とならないとした場合」という仮定の前提となる議論-国防・ 外交の要素にかかわる知事の審査権限-について ... 21

2 行政処分の自庁取消制限にあたっての公益と代執行要件としての公益の審 査対象 ... 29

第4 釈明事項4について ... 32

1 本件訴訟における審理対象について ... 32

2 代執行訴訟における審査密度 ... 34

第5 釈明事項5について ... 34

1 沖縄県における過重な基地負担や基地負担についての格差の固定化につい て ... 34

(4)

第6 釈明事項6について ... 40

1 防衛・外交上の事項を審査対象外とする根拠規定の不存在 ... 40

2 法47条1項 ... 40

3 地方自治法1条の2 ... 42

4 法51条1項、42条1項、国土交通省設置法4条57号 ... 43

第7 釈明事項7について ... 45

第8 釈明事項8について ... 45

1 前沖縄県知事による本件承認処分について ... 45

(5)

平成27年11月18日付け原告への釈明事項について以下のとおり被告の見解を示 すとともに、併せて原告第1準備書面に対する反論を行う。

第1 釈明事項1について

原告準備書面1「釈明事項1について」のとおり本件埋立承認取消の対象 とするものではないが、ご指摘の変更承認は本件埋立承認を前提として「中 仕切護岸」「工事用仮設道路の新設」を行ったものであるから、本件埋立承 認取消によって当然に効力を喪失すべきものと考える。

第2 釈明事項2について

1 はじめに

職権取消しの制限にかかる判例法理が本件には妥当しないことは、被告第 1準備書面第7.3において主張した通りである。すなわち、本件は公益の 観点から法定受託事務の執行の適正を図る機関訴訟であること、また、処分

の相手方が一般私人ではなく行政の適法性確保を担う国であることから、上 記の判例法理は適用しえない。以下では、釈明事項2及びこれについての原 告の釈明に関する被告の主張を述べる。

2 沖縄防衛局の利益は、本訴訟において原告(国)が主張しうる内容ではな

いこと

行政行為の職権取消の可否について検討する前提として、念のため、以下 、法定受託事務の性質及び代執行訴訟の制度から、沖縄防衛局の利益は、本 訴訟において原告(国)が主張しうる内容ではないことを確認する。

(6)

の規定に違反」し、「かつ、それを放置することにより著しく公益を害する ことが明らかである」ときに、その法律を所管する各大臣が、訴えをもって 当該事項を行うべきことを命ずる旨の裁判を請求することができる制度であ

る(地自法245条の8)。代執行訴訟は、法文からも明らかな通り、法定受

託事務を前提とした制度である。平成11年の地方分権一括法の成立により、

国の側の指揮監督権によって特徴づけられていた従来の機関委任事務のシス テムが解体され、法定受託事務は、各大臣が都道府県知事に対し、管理若し くは執行を全面的に委託する事務、地方自治体の事務として位置づけられた 。国と地方自治体が対等であることを前提とした法定受託事務の性質から、 各大臣は、原則として全面的に事務を委託した都道府県知事の判断を尊重す

べきものとされ、国が関与出来る場合は極めて限られる。代執行訴訟の提起 が許されるのは、当該法律を所管する大臣として、都道府県知事が、当該法 律の趣旨目的に照らして看過しがたいような事務の管理若しくは執行を行っ ている場合に限られるものである。このような観点から、「かつ、その状態 を放置することにより著しく公益を害することが明らかな場合」として、代 執行訴訟においては、極めて重い要件が定められているものである。

(7)

合的な管理・利用の際の重要な法的コントロールの手法として、埋立の免許 (承認)権限を与えているものである。すなわち、公水法は、埋立の対象と なる地域の海域、沿岸域の総合的な管理・利用に関する利益の保護を目的と しているといえる。したがって、本件訴訟において、原告が主張しうる利益

というのは、上記公水法が趣旨・目的としているところの埋立の対象となる 地域の海域、沿岸域の総合的な管理・利用に関する利益に限られるはずであ る。

一方、原告は、「本件取消処分は、取消権を行使できる場合には当たらな いこと」として、沖縄防衛局や工事関係者等の第三者が蒙る不利益等、本件 承認取消処分の相手方の不利益について縷々主張する。しかしながら、前述

のとおり、法定受託事務の性質を前提とした代執行訴訟という制度からすれ ば、公水法を所管する大臣たる原告が、代執行訴訟において、処分の相手方 が蒙る不利益を主張すること自体失当といえる。そもそも、沖縄防衛局や工 事関係者等という限定された範囲の関係者の利益であれば、各事業者におい てその主観的利益侵害を根拠として取消訴訟を提起すべきであり、代執行訴 訟において検討すべき対象ではない。また、公水法を所管する原告が、その

様な処分の相手方の利益等を援用した主張をすることは、代執行訴訟制度が 予定しないところである。

(8)

3 御庁提示の見解①について

仮に、本訴訟において、職権取消の可否について検討する場合、御庁が① として提示されるとおり、行政行為に瑕疵があれば原則として処分をした行

政庁が自ら職権によりこれを取消すことができると解するべきである。 行政行為は、その成立の手続及び内容、形式などのすべての点において法 律の定めに合致し、公益に適合していなければならないものであり、法治主 義の観点から、違法・不当な行政行為は取り消されて適法状態の回復がなさ れるべきである。したがって、行政行為に違法・不当な瑕疵がある場合には 、正当な権限を有する行政庁は、法規違反又は公益違反を是正するために、

職権によりこれを取り消す責務を負っている。

学説及び裁判例においても,上記の点については一致した見解である。す

なわち、御庁が示す東京高裁平成16年9月7日(判例時報1905号68頁)(以

下「平成16年判決」という。)は、「一般に行政処分は適法かつ妥当なもの

でなければならないから,いったんされた行政処分も,後にそれが違法又は 不当なものであることが明らかになった場合には,法律による行政の原理又

は法治主義の要請に基づき,行政行為の適法性や合目的性を回復するため, 法律上の特別の根拠なくして,処分をした行政庁が自ら職権によりこれを取 り消すことができるというべきである」としている。また、塩野宏教授は、 「行政行為の取消しは、概念上,行政行為に瑕疵があることを前提としてい る。そして、それが違法の瑕疵であれば,当然、法律による行政の原理違反 の状態が存在しているし、また公益違反の状態が生じているとすると、行政

(9)

の回復あるいは合目的性の回復にある。」とされる(塩野宏「行政法Ⅰ[第

六版]170頁」)。

被告第1準備書面(204頁)でも述べた通り、公水法は、都道府県知事の

権限によって当該地方公共団体の公益を保護するという仕組みを採用してい

る。したがって、都道府県知事は、違法な権限行使によって当該地方公共団 体の公益が侵害されている場合には、公水法に基づきこれを是正すべき責務 を負っているところ、第2準備書面ないし第3準備書面において詳述する通 り、前沖縄県知事の承認処分によって、沖縄県の公益が侵害されていること が明らかとなったことから、現沖縄県知事は、公水法の趣旨・目的に照らし 、本件承認取消処分を行ったものである。

原告は、「行政処分に瑕疵があっても原則としてこれを取り消すことは許 されず、自庁取消権は発生しないものと解される。」と主張する理由を「国 民の信頼を保護する要請」に求める。しかしながら、そもそもこの「国民の 信頼」は、行政が公益目的のために法治主義に基づき適法な行為をなすであ ろうという期待に基づくものである。そうであれば、処分の相手方が法治主 義や行政の適法性確保を志向すべき国の機関である本件の場合は、より一層

、原則として処分をした行政庁が自ら職権によりこれを取消すことができる と解するべきである。

4 御庁提示の見解②について

⑴ 利益考量の対象について

御庁が示す平成16年判決は、「行政処分の取消しにより処分の相手方が

(10)

益とを比較考量し」とし、利益考量の対象は、「行政処分の取消しにより 処分の相手方が受ける不利益」と「処分に基づいて生じた効果を維持する ことの公益上の不利益」とする。一方、釈明事項2②においては、利益考 量の対象が、「行政行為の相手方等の信頼保護」と「瑕疵ある行政行為を

放置することによる行政上の不利益(瑕疵の重大性)」とされているとこ

ろ、後者については、平成16年判決の判示に対応するとしても、前者の「

行政行為の相手方等の信頼保護」という対象は、平成16年判決の判示から

導かれるものではない。比較考慮という判断手法の性質からして、「比較

」すべき二つの対象は、平成16年判決の判示の通り、「行政処分の取消し

により処分の相手方が受ける不利益」と「処分に基づいて生じた効果を維

持することの公益上の不利益」と解するのが相当である。 ⑵ 考慮要素について

ア 釈明事項2②に列挙された考慮要素

釈明事項2②においては、比較考量をするにあたっての考慮要素として 、「取消権行使の結果として相手方が蒙る不利益の具体的状況(不利益緩 和措置の有無や取消による公益侵害の存否を含む。)」「第三者にまで影

響が及ぶのか」「当初の行政行為に瑕疵を生じさせた原因が何か(相手方 の責めに帰されるものか)」「当初の行政行為の根拠法令や諸規定」があ げられる。

イ 平成16年判決が掲げる考慮要素

一方、平成16年判決は、考慮要素として、「取り消されるべき行政処分

(11)

政処分を基礎として形成された新たな法律関係の安定の要請」をあげるも

のであり、釈明事項2②が示す考慮要素は、平成16年判決の判示から導か

れるものではない。

とくに、「取消権行使の結果として相手方が蒙る不利益の具体的状況(

不利益緩和措置の有無や取消による公益侵害の存否を含む。)」という点 において、処分の相手方が蒙る不利益の具体的状況の中に「公益侵害の存 否」は含まれえないと解する。

ウ 「取消しによる公益侵害の存否」が職権取消の制限における考慮要素に 含まれえないと解する根拠

(ア)受益的処分の取消しにおける「相手方の利益」

平成 16 年判決は、法治主義の要請からいったんなされた行政処分に

違法・不当の瑕疵が有れば取消が得るとしながらも、特定の相手方に対 して利益を賦与するという処分(受益的処分)の性質に鑑みれば、その 剥奪に対する配慮が必要であると述べる。

では何故、受益的処分の取消において相手方への配慮が必要となるの だろうか。それは、一旦与えた処分によって取得した利益、すなわち、

処分の相手方の既得の利益が剥奪されるという意味において、行政処分 の取消は相手方の法的地位に直接変動を生じさせるとともに、その権利 若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそ れがあるからに他ならない。これは侵害的行政行為であればその取消、 撤回が自由になしうると一般的に解されていることとも整合する。

(12)

得の利益を得た者への配慮が必要であるという限りにおいてであり、そ こで保護されるべき「利益」とは、受益的処分の剥奪により失われ得る 個別的法益であって、「国防、外交上の必要性」という一般的・国家的 公益ではない。

なぜならば、「国防、外交上の必要性」という一般的・抽象的な国家 的公益は、等しく主権者たる日本国の国民全員に帰属すべき利益であっ て、「処分の相手方」に帰属する利益ではあり得ないからである。 (イ)授権法の仕組みから導かれる特別の事情も存在しないこと

違法不当な行政行為を取消すことが出来る根拠は、それが「法律によ る行政の原理又は法治主義の要請に基づき,行政行為の適法性や合目的

性を回復する」ことになるから、つまり、公益に適合するからである。 それ故、法律による行政の原理又は法治主義の要請に基づき取消しを行 ったにもかかわらず、更にそれによって侵害される公益を観念して、改 めて「公益侵害」を問題とすることは通常考え難い。

この点、「処分の対象ではない、利害の反する賃貸借の両当事者を拘 束する法律状態が形成せられる」様な特殊な場合において、その授権法

(13)

もないことは明らかである。

(ウ)処分の相手方は国であり個人、国民ではないこと

また、平成16年判決の見解を採用するとした場合、その枠組みは、取

消権が行使されることによって生じる具体的な不利益や影響を考慮する

対象は、特定の相手方(権利利益の主体たる個人、国民)であることを 前提としているものであるから、ここに「公益」という要素はおよそ入 り込む余地がないものと解する。しいて言うとするならば、事情判決の 法理のような意味合いでの「公益」ということが考えられるかもしれな い。しかしながら、事情判決は、判決までの間に既成事実が積み重ねら れすでに工事が完成してしまっている場合等に認められるものである。

本件について言えば、未だ埋立工事が完了しているといった事情にはな いどころか、未だ海面の埋立という本体工事への着工すらなされていな い時点であることから、かかる公益に反するものではないことは明らか である。

(エ)小括

代執行訴訟において、「公益侵害」を検討するとすれば、まさに、「

法令違反」があることを前提として「放置することにより著しく公益を 害することが明らかであるとき」との代執行訴訟の要件において検討す べき事項であり、法律による行政の原理又は法治主義に基づき取消を行 ったことにより侵害される公益など観念し得ない。なお、当該事項につ いての具体的な検討は後述第3において述べる。

(14)

御庁が比較考量の一方の対象として示す「信頼保護」が、平成16年判決 から導かれないとしても、いわゆる行政上の法の一般原則としての「信頼 保護の原則」を指摘するものとして、この点を判断の考慮要素とすべき見 解として検討することが考えられる。そのように考えれば、釈明事項2②

において、比較考量の判断に当たっての考慮要素として示される「当初の 行政行為に瑕疵を生じさせた原因が何か(相手方の責めに帰されるものか )」「当初の行政行為の根拠法令や諸規定」といった事項は、「信頼保護 の原則」適用の要件として一般的にあげられる事項から導かれるものと解 される。

⑷ 本件は信頼保護原則の適用の前提を欠くこと

もっとも、「信頼保護の原則」は、行政活動に対する国民の信頼を一定の 要件のもとで保護しようとする原則である(芝池義一「行政法総論講義[第

4版補訂版]」59頁)。東京地裁昭和40年5月26日においても、「誠実、善

良な市民」の信頼利益の保護とされている。本件の場合、処分の相手方であ る沖縄防衛局は、国の一機関であるから、「国民」あるいは「市民」ではあ りえず、信頼保護原則の適用の前提を欠く。いくら沖縄防衛局が自らを「私

人」と主張しようとも、国の一機関であることに変わりはなく、「国民」「 市民」足りえないことは明らかである。

⑸ 信頼保護原則の適用の対象について

仮に、本件において、信頼保護原則の適用があるとしても、信頼保護の原 則の適用は、法律による行政の原理との調整を必要とするものである(塩野

(15)

、法治主義や行政の適法性確保を志向すべき国の一機関である本件の場合に は、原則として、法律による行政の原理が優先されるべきである。

また、信頼を保護されるべき主体は、あくまで行政行為の相手方に限られ る。本件について言えば、沖縄防衛局であり、政府や米軍等はその対象とな

らない。

⑹ 法律による行政の原理と信頼保護の調整について

また、塩野宏教授によれば、「法律による行政の原理と信頼保護の調整は 、個別具体の法律の仕組みや利益状況との関係に左右されるところがあるの で、より具体化された場面での検討が必要」とされる(塩野宏「行政法Ⅰ[

第六版]93頁」)。この点、公有水面埋立法(以下「公水法」という。)上

、公有水面の埋立てをしようとする者は、都道府県知事の免許(国の場合は 承認)を受けなければならない(公有水面埋立法2条1項・42条1項)。 免許(承認)の基準は法定され(同法4条)、出願事項の縦覧や地元市町村 長の意見を徴すべきものとされる(同法3条)。そして、埋め立ての免許を 受けた者(以下「埋立権者」という。)は、工事が竣功した際、都道府県知 事に竣功認可の申請(国の場合は竣功の通知)をしなければならない(同法

22条1項、42条2項)とされている。このように、公水法は、行政の責任者

(16)

以上、個別法たる公水法の仕組み及び本件処分の相手方が国の一機関で ある沖縄防衛局であるという個別事情に鑑みれば、法律による行政の原理 と信頼保護の調整という場面において、本件では、法律による行政の原理 が優先すべきと解する。

5 御庁の見解に即した検討

⑴ はじめに

上記に述べた通り、被告としては、仮に本訴訟において、行政行為の職

権取消の可否について検討する場合、比較考量の対象は、平成16年判決の

判示の通り、「行政処分の取消しにより処分の相手方が受ける不利益」と 「処分に基づいて生じた効果を維持することの公益上の不利益」とするの が相当と考えるが、念のため、御庁提示の要素について検討すると、以下 のとおりであり、本件においては、職権取消しの行使をすべきものという べきである。

⑵ 取消権行使の結果として相手方が被る不利益の具体的状況について

原告は、「本件承認処分の取消しによって生じる不利益が極めて大きい こと」として、①「普天間飛行場の早期移設が実現できないことによって 、同飛行場の周辺住民等の生命・身体に対する危険除去の速やかな実現が できなくなる不利益」、②「我が国が受ける日米間の外交上、防衛上、政 治上、経済上等の有形無形の膨大な不利益」、③「国際社会からの信頼低 下などの我が国が受ける不利益」、④「沖縄県の負担軽減を進められなく

(17)

の・・・経済効果が得られなくなり、宜野湾市、ひいては沖縄県の経済発 展が阻害される不利益」、⑥「埋め立て事業のために、平成18年度から平 成26年度末までに当初契約金額で約900億円もの契約を締結し、そのうち 約473億円を既に支払っており、これが無駄になるほか、・・・契約済額

の一部(金額未確定)も無駄になるおそれがある経済的な不利益」、⑦「 被告は上記各不利益に対する緩和措置を何ら講じていないので、これらの 不利益は減少することなく依然として国及び国民に有形無形の膨大な負担 を課す」といった事情をあげる。

しかしながら、上記不利益のうち、⑥以外は、仮に国の不利益としてあ げられるものであるとしても、本件処分の相手方である沖縄防衛局が被る

不利益たりえないことは明らかであるから、①ないし⑤、⑦の利益につい て、第三者への影響の箇所で論ずるのであればまだしも、「相手方が被る 不利益」とする原告の主張は失当である(なお、①ないし⑤、⑦のような 事情が「公益」として考慮されるとしても、かかる不利益の主張が正当で ないことは、1号要件や代執行要件の検討において述べているとおりであ る。)。

(18)

成にあたって、少なくとも総額3500億円の支出が見込まれるとされている 。かかる膨大な金額に比べれば、473億円の支出の割合は小さい。むしろ 、3500億円もの膨大な支出がなされるより以前の現段階で、473億の支出 に抑えられた利益の方が大きい。

なお、原告があげる⑦の事情については、不利益緩和措置の有無として 検討しうるものであるが、現沖縄県知事は、上記の通り、辺野古新基地が 違法に建設されたとすれば、総額3500億円の税金が支出される恐れがあっ たところを、法的な瑕疵の有無を検討し、速やかに本件承認取消に至った ものであるから、違法な行政行為に基づく税金の無駄遣いを早期に食い止 めたという観点からすれば、本件職権取消は、むしろ国民の利益に資する

ものと言える。一方、沖縄防衛局及び国交大臣は、一体となって、審査請 求制度を濫用し、本承認取消しの効力を停止させ工事を強行している。こ れにより、無駄な経費の支出を増大させているといえ、経済的な不利益を 増大させているのは、現沖縄県知事ではなくむしろ国である。

⑶ 第三者への影響について

ここでいう影響を与える第三者というのは、基本的には、本件埋立承認処

分に基づき、権利義務関係が生じた者について検討されるべきものである。 この点、沖縄防衛局が請負契約を締結した相手方である民間業者は影響を受 ける第三者として考えられる。しかしながら、かかる民間業者は、沖縄防衛 局との間の請負契約に基づき、金銭的な解決を得られるものであるから、彼 らが受ける影響は大きいものではない。

(19)

第三者として想定されるが、これらの者は、本件承認処分に基づき権利義務 関係が生じた者とは言えず、抽象的に影響を受ける可能性のある第三者にす ぎない。かかる第三者への影響は、一般公益に吸収されるものとして、「法 令違反」を「放置することにより著しく公益を害することが明らかであると

き」との代執行訴訟の要件における「公益」の中で検討されるべきものであ る。

⑷ 当初の行政行為に瑕疵を生じさせた原因が何かについて

環境影響評価手続きにおいて、平成24年3月27日に提出された知事意見に おいては、環境保全を図ることは不可能とされ、多数の疑問が呈されていた 。平成25年11月29日に提出された環境生活部長意見においても、多数の問題

点が指摘されていた。その後も、審査担当者から、沖縄防衛局に対し、3次 質問4次質問をして、問題点について説明が求められていた。このように、 沖縄防衛局においては、環境保全措置の不備等につき何度も修正の機会が与 えられていたにもかかわらず、修正の努力を尽くさなかったという点を指摘 しておく。

なお、第2準備書面第7で詳述する通り、本件承認処分に至る事実経過と して、以下を指摘しておく。

本件承認処分直前には、沖縄県の基地負担軽減策や沖縄振興予算について 、政府と前沖縄県知事との交渉が重ねられた。かかる交渉において、政府は

、次年度予算での沖縄振興費3408億円の確保や本島への鉄道導入、OIS

Tの規模の拡充、北部振興事業の継続等の沖縄振興策を確約する等した。こ

(20)

、やっていただいたことも、きちんと胸の中に受け止めて、これらを基礎に 、これから先の普天間飛行場の代替施設建設も、建設に係る埋め立ての承認 ・不承認、我々も2日以内に最終的に決めたいと思っています。」と発言し 、平成25年12月27日、本件承認処分の判断に至った。

⑸ 当初の行政行為の根拠法令の趣旨や諸規定ついて

3⑹において述べた通り、公有水面埋立法は、都道府県知事の権限によっ て当該地方公共団体の公益を保護するという仕組みを採用しているものであ り、違法な権限行使によって当該地方公共団体の公益が侵害されている場合 には、これを是正すべき責務を負っているものである。

⑹ 本件埋立承認を放置することによる不利益が甚大であることは第2準備書

面ないし第3準備書面においてで詳述する通りである。 ⑺ 比較考量

以上の通り、処分の相手方である沖縄防衛局が被る不利益が金銭的なもの であるのに対し、本件埋立承認を放置することによって被る不利益は、新た な基地の固定化による辺野古周辺住民の生命や身体に対する危険や世界的に その価値が高く評価されている、辺野古地域の豊かな自然環境の甚大な破壊 という不可逆的な不利益である。前者と後者を比較した場合、後者が勝るこ

とは明らかであることから、本件承認処分の取消権の行使は適法である。

6 平成27年11月30日付け「被告に対する釈明」第6項について

平成27年11月30日付け「被告に対する釈明」第6において、「被告第1準

備書面第1章第6の5(206頁以下)は同第1章第6の4⑶(206頁)の主張

の具体的内容と理解してよいのか」とあるところ、おそらくご指摘の箇所は

(21)

07頁)かと思われる。

「被告第1準備書面第1章第7の5(207頁以下)は同第1章第7の4⑶

(207頁)の主張の具体的内容と理解してよいのか」ということであれば、

ご指摘の通りである。

被告第1準備書面第1章第7の4⑶(207頁)及び同第1章第7の5(207

頁以下)は、仮に、最高裁昭和43年判決の適用があった場合の検討を行った

ものであり、「本件処分を放置することが公共の福祉の要請に照らし著しく 不当である」か否かという要件についても念のため検討している。もっとも 、4⑵において述べた通り、被告としては、事情判決の法理のような意味合 いでの「公共の福祉」であれば、職権取消の制限の法理の箇所において検討

の余地はありうるものの、原告が主張するような普天間基地周辺住民や国な どの抽象的に影響を受ける可能性のある第三者の不利益は、「公共の福祉」 とは区別されるべきであると解する。かかる第三者への影響は、一般公益に 吸収されるものとして、まさに、「法令違反」があることを前提として「放 置することにより著しく公益を害することが明らかであるとき」との代執行 訴訟の要件における「公益」の中で検討されるべきものである。

第3 釈明事項3について

1 「仮に、法4条1項1号要件の審査においては国防上、外交上の必要性が

知事の審査対象とならないとした場合」という仮定の前提となる議論-国防

・外交の要素にかかわる知事の審査権限-について

(22)

ア 被告は異なる見解を有すること

裁判所は、釈明事項3として、「仮に、法4条1項1号要件の審査に おいては国防上、外交上の必要性が知事の審査対象とならないとした場 合」の裁判所の審査対象を問うものであるが、被告は、まずその前提た

る知事の審査対象につき、原告と異なる見解を主張するものである。 イ 審査対象を画する基準として防衛・外交の必要性を述べるのみではそ

の外縁が曖昧であり、かつ個別立法に基づく審査権限をそこなうこと すなわち、防衛・外交に関わる政策決定そのものが国の専権であると しても、それがいかなる範囲の行為を指すものかについては実は判然と しないといわねばならない。その具体的な表出としての国の行為は、戦

争行為や外交上の交渉、条約の締結のようなものから、個別の備品調達 行為などに至るまで無限の段階の政策決定や事実行為等を包含するもの である。

従って、国と地方自治体という行政主体間での権限配分についての争 いとなった場合においては、当該権限配分の争いの原因となった個別の 法律の趣旨・目的等に照らし、国と地方自治体の権限配分を適正に判断

していくことが求められるのである。

(23)

ア罹患地区への強制移動や、対馬丸遭難に象徴される本州への疎開計画 等)、地方自治体の任務とされている。

本件においては、法4条1項1号による免許承認要件たる「国土利用 上適正且合理的」かは、原告も述べているとおり、「項水面埋立申請で

埋立の対象とされた区域について、当該区域の実情に詳しい都道府県知 事の判断に委ねるのが合理的と考えられたことによ」り、その際には、 当然埋立後の用途も審査の対象となるものである。そして、その際には、 その用途に照らし、当該埋立対象地域及びその周辺の土地利用の観点か ら審査がなされるのであることから、当該埋立対象地域に当該用途のた めの土地利用が適正合理的かという範囲においては、免許権者である知

事に審査権限があるというほかない。

例えば、仮に住宅地区に隣接する地先に、ここが「唯一」として国が 実弾演習場を建設するために公有水面埋立をしようとした事例を考えて みよう。まさに公有水埋立ハンドブックが「国土利用上適正且合理的な ること」に該当しない事例として記述している「良好な住宅地の前面の 工業用地造成目的の埋立」(同書41頁)と同様ではなかろうか。かか

る国土の合理的適正な利用については、知事に権限が委ねられているの である。

ウ 本件における被告による審査の範囲

(24)

をどう受けるかということとは別問題である。例えば、特定の土地に米 軍施設を保有するという政治的判断があったとしても、その地権者によ る土地の提供行為なくして保有しえないのであって、それでもなおかつ 公益のために必要であれば強制的な使用を可能とする米軍用地特措法に

よる手続を経なければならないのである。これに対して、公有水面埋立 による米軍施設の提供についても、その国土利用上の必要性や適正性の 判断権者である都道府県知事の承認なくしては保有しえないのであり、 その際判断権者である都道府県知事が承認をしない場合において、権限 あるものの判断に反して公益上の理由で国が公有水面埋立の権限を取得 する法的手段は何ら用意されていないに過ぎない。

本件承認取消処分において、被告が審査したのは、上記のような国の 防衛・外交上の政策決定に関わるような事項そのものではなく、限局さ れた本件埋立対象地域に新たな米海兵隊飛行場建設を目的として公有水 面を埋め立てることが果たして当該地域の利用の観点から「国土利用上 適正且合理的」といえるかという事項に限られている。

被告は、本件埋立事業の必要性、適正性合理性の根拠として、海兵隊

(25)

は、別途述べるとおり、前県政時代に防衛省が発行した「在日米軍・海 兵隊の意義及び役割」(乙D1)における普天間飛行場の辺野古移設に ついての説明に合理的で説得的な説明さえなかった(乙D2~5)ので あり、海兵隊の抑止力、沖縄の地政学的重要性、海兵隊の一体的運用に

ついて合理的な疑問を投げかけているのであるから、事業者においてそ の合理的な疑いを抱かない程度にまで立証すべきであり、国に高度な政 治的な判断が必要な安保政策といえども、その限りにおいて当然知事に も審査は可能である。

この点、地方自治という観点からも上記の見解が妥当である。公有水 面埋立に関する事務は、法定受託事務として被告に託されたものである

ところ、法定受託事務は、1999 年の地方自治法改正により、国の包括 的な指揮監督権(許認可権、訓令権、監視権、取消停止権等)に基づく 関与を可能としていた機関委任事務制度を廃止し、国家と地方との対等 性を前提としてこれを地方の事務と整理したものである。

そして、この様にして、法がその判断を受託事務として都道府県知事 に託した以上は、受託事務の執行に際して、いわば国防や外交に関わる

問題に関連する判断を行う局面は当然に予想されるところであるが、偶 々その様な事態が生じたからといって、受託事務の適法性を判断するに 際して必要な限りにおいては、判断権者たる知事の判断権が減縮すると する法律上の根拠は何ら存在しないのである。

(26)

・外交等が問題になる限りにおいては、当該判断が国と地方公共団体と の役割分担に何ら反するものではなく、むしろ、特措法等の特別な法的 根拠もなく知事の判断権を限定することは法定受託事務の趣旨に反する と言わざるを得ない。

⑵ 審査の範囲に関する原告の主張が、根拠なく審査範囲を限局した不当 なものであること

ところで原告は、防衛・外交に関する事項について知事の審査権限は 及ばないとしつつ、返す刀で、被告が法の想定しない範囲の審査をした とか、国土利用上適正かつ合理的かどうかにあたって利用目的の公共性 の有無、高さが一要素となるにとどまると主張する(原告第1準備書面

第2の3⑴イ 11頁)。

ここで原告は、被告が、あたかも「申請のあった埋立地以外に、他の 都道府県等に埋立ての適地があるか否かを審査」しているかのような主 張をする(原告第一準備書面11頁)。しかし、取消理由をみて明らか なとおり、被告は、本件埋立対象地が適地か否かを審査判断しているの であって、他の都道府県における適地の有無の審査や、ましてそもそも

埋立後の用途にかかる米海兵隊飛行場の国内の新設の要否や場所、それ を公有水面埋立によって確保する必要性など審査の対象としてないこと は明らかである。原告の主張は、被告の審査権限の範囲内で行っている 審査を、事実に反する主張をしてあたかも権限踰越であるかのようにミ スリードするものであり、誠に遺憾である。

(27)

査では、埋立対象区域の利用目的に公共性があるか否か、その高さが判 断の一要素にとどまる、という。しかし、国土利用上適正かつ合理的と の要件は、必要性の要件とともに、単に利用目的の公共性の程度を審査 すれば足りるのでないことはいうまでもない。例えその利用目的に公共

性があろうが、審査事項にあるとおり、「埋立の動機となった土地利用 が埋立てによらなければ充足されないか。」「埋立をしようとする場所 が、埋立地の用途に照らして適切な場所といえるか。」「埋立により地 域社会にとって生活環境等の保全の観点からみて現に重大な意味をもっ ている干潟、浅海、海浜等が失われることにならない。」「周辺の土地 利用の現況から見て不釣り合いな土地利用となっていないか。」等、他

の対立利益との比較衡量を行わなければならないのである。したがって、 公共性がある用途といえどもその公共性の程度の考慮をするのみならず、 それと比較される利益との衡量が必要であることから、単に防衛・外交 上の用途だからというにとどまらず、さらなる検討が必要であることは いうまでもない。かかる観点から、上記の海兵隊の意義に対する政府と 被告のやりとりの中で、その必要性、合理性が問われたのであり、防衛

上の公共性があるとしても、その程度の際を考慮するのは当然である。 なお、原告は防衛上の公共性を過度に強調するきらいがあるが、こ

(28)

ゆ え 公 共 サ ー ビ ス を よ り 提 供 し う る 性 格 の も の で は な い こ と も 指 摘 されているところである。

⑶ 原告の主張の矛盾

さらにいえば、原告は、前知事の審査こそが正当として、その内容審

査では「普天間飛行場の危険性除去や移設先の確保の必要性は審査され ているが、本件埋立事業の国防上、外交上の必要性については審査され ておらず」その趣旨にかなうとするが、これは自己矛盾といえよう。原 告の主張によれば、原告が主張する普天間飛行場の危険性除去という理 由さえ、防衛・外交の要素であるから審査対象とならないということに なるはずではなかろうか。すなわち、普天間飛行場の危険性の除去は、

日米地位協定によって提供されている軍事基地である普天間飛行場の存 廃にかかる事実であり、これが防衛・外交にかかる事項でないというこ とはおよそ不可能だからである。

結局、原告がこのような矛盾した論理を主張せざるを得ないのは、防 衛・外交とさえ言えば、自らに都合の悪い事実を裁判所の審査からはず せると考えたのみである。裁判所の審査対象を厳密に判断するのであれ

ば、単にある判断要素を大きな政治分野でカテゴライズすることによっ てはまったく不十分である。行政における権限分配の実質について、当 該行政行為の根拠法規の趣旨・目的に照らして区別をすることが求めら れるのである。

(29)

配慮したかなどの免許(承認)要件に照らし、これに必要な範囲は何か ということで定まるのである。

ちなみに、最高裁も職務執行命令訴訟における判決において、不十分 であるが米軍用提供の必要性について防衛・外交の観点における事実を

斟酌している。

2 行政処分の自庁取消制限にあたっての公益と代執行要件としての公益の審

査対象

⑴ 被告の立場-両者における審査対象は同一ではないこと

防衛・外交の要素も行政処分の自庁取消制限にあたっての「公益侵害」 や、代執行の要件としての「著しく公益を害する」の要件判断にあたって、 防衛・外交の要素も裁判所の審査対象となることについては、原告はいず れも認めている。

しかしながら、この点、裁判所が指摘する2点の「公益」は、それぞれ

区別して考えねばならない。

すなわち、既に釈明事項2において述べたとおり、職権取消の制限に関

して、仮に本件に東京高裁平成16年9月7日判決の射程が及ぶとしても、

(30)

れる、処分の制限を導く特別の要請も存在しない。

それ故、自庁取消制限にあたって考慮すべき「公益侵害」は存在しない 。

⑵ 代執行訴訟の要件である法令違反を放置することにより著しく公益を害 することが明らかであるとの判断において国防、外交上の必要性が裁判所 の審査対象になるか

ア 法定受託事務の位置づけ

1995 年の衆参両院の地方分権決議に始まった地方分権改革は、1999 年の地方自治法改正で一定の成果をあげた。すなわち、国の包括的な指 揮監督権(許認可権、訓令権、監視権、取消停止権等)に基づく関与を 可能としていた機関委任事務制度を廃止し、国の関与の法定主義(245 条の 2)および国の関与の必要最小限度原則等の関与の基本原則(245

条の 3)を定め、一般法としての地方自治法として関与の基本類型を限 定的に列挙し(245 条)、個別法としての地方自治法としては、この関 与の基本類型から選択し、直接地方自治法に基づいて行うことができる 関与を列挙することで(245 条の 4 から 245 条の 8 まで)、地方自治法 上の関与法制が確立した。

この様に現在の地方自治法は一般的・包括的な国家の優越性を前提と

(31)

イ 代執行手続きの位置づけ

他方、代執行手続きの側面から検討するに、もとより、国家の知事に 対する関与は地方自治に対する重大な侵害行為となり得るものであり、 この点は既に代理署名拒否事件判決において「都道府県知事本来の地位

の自主独立性を害し、ひいては地方自治の本旨にもとる結果となるおそ れがある。」と指摘されているとおりである。また、上記判決において 最高裁は、職務執行命令訴訟を「適正な執行の確保の要請と普通地方公 共団体の長の本来の地位の自主独立性との調和を図った」制度と理解し ている。

以上の考慮は基本的には代執行手続きにも当てはまるが、前記地方自

治法の改正の経緯に鑑みれば、現行法下においては都道府県知事の判断 に対するより一層の配慮が必要である。

ウ 法 245条の8第1項にいう「公益」

以上のとおり、本件承認取消は公有水面埋立法によって被告に託され た事務であり、また、代執行手続きを受託事務の適正な執行の確保の要 請と普通地方公共団体の長の本来の地位の自主独立性との調和と理解す

るならば、地方自治法 245 条の8第1項にいう「公益」については、受

託事務の枠組み、すなわち、授権法たる公有水面埋立法の適正な執行に よりうべかりし利益と解釈されねばならない。

(32)

の埋立に関する事務が知事に託された趣旨に鑑みて、当該公益の判断に ついては、当該普通地方公共団体の地域性や特殊性、歴史、住民意思、 地域からみての当該事務の意義等が十分に検討されなければならない。 そうで あれ ば、 辺野 古新基 地の 建設 合意 はこれ まで 幾度 とな く変遷

してきた政府間合意にとどまるものであること、抑止力に関して合理的 説明が存在しないこと、普天間の危険性除去が論理的に「辺野古が唯一 」であることに帰着しないこと、駐沖縄総領事が普天間問題を「小さな 問題」と評していることや、他方においては沖縄県が甘受してきたこれ までの歴史、基地問題に対する住民の意思、国が沖縄県に基地負担を押

し付けるという視点のもと 19 年間もの長きに渡り普天間の危険性を除

去と言う義務を懈怠してきたこと、辺野古新基地によって将来にわたっ て土地を奪われ失われる多大な経済的損失、他の地方公共団体との公平 性等、更には、公有水面埋立承認取消処分により、沖縄県が有する貴重 な環境資源も完全に保全されること等をも踏まえなければ、承認取消が 「公益」に反するか、そして、仮に反するとしてその程度が「著しく害 することが明らか」か否かについて判断などしようも無いのである。

しかしながら、上記の様な考慮要素について何らの評価も説明もされ ておらず、これを放置することが「公益を著しく害することが明らか」 であるとは到底いうことが出来ない。

第4 釈明事項4について

(33)

と認めて取消したことについて、原告がこれを争い、本件埋立承認取消処分 の取消(撤回)を被告に代わって執行しようとするものである。

これに対して、御庁の提示する高木光教授の論文は、『裁判所が行政庁の 処分権限の行使をどのように統制すべきか』(同5頁)という性格の異なる

国家機関の間での裁量統制手法を示したものである。したがって、行政庁が 自らの先行する処分を取り消す場合の当該行政庁による審査の基準がいかに あるべきか、という問題とは全く異なっている。また、裁判所が後行の行政 処分を審査する際の統制基準の問題としてとらえても、法定受託事務におけ る行政庁間での代執行の要件としてどのような統制をするか、という問題も また異なりうるものである。

なお、この点、原告は第1準備書面において2号要件に関して仮に行為規 範的統制の考え方を前提としても前知事の判断に看過しがたい過誤・欠落が ないとする。前記のとおり、当てはめるべき対象を違えている点をともかく としても、評価法にのっとっているから行為規範に反しないなど主張してい

る。しかしながら、評価法第33条3項は、「評価書の記載事項及び第二十四

条の書面(代理人注:免許権者の意見)に基づいて、当該法律の規定による

環境の保全に関する審査を行うものとする」(なお、沖縄県環境影響評価条

例31条も同旨。)と、評価書のみならず知事意見に基づいて判断することを

(34)

2 代執行訴訟における審査密度

また、上記の意味とは別途、代執行訴訟においては、地方自治の観点から より一層の配慮を要する。

すなわち、重大な地方自治法は一般的・包括的な国家の優越性を前提とし た機関委任事務を廃し、国家と地方が対等な関係であることを前提に、地方 公共団体の事務として法定受託事務を定めているものである。国と地方公共 団体の関係は、上命下服関係ではなく、対等・独立の関係である。地自法第

245の3第1項は、国の関与について、最小限度の原則を定め、地方公共団

体の自主性と自律性に配慮しなければならないと定めている。それにもかか

わらず、国が、取消訴訟の対象となる地方公共団体の行政行為について、取 り消しうべき瑕疵があるにとどまり、権限のある者によって取り消されてい ないにもかからず、違法であるとして代執行ができるのであれば、対等な関

係とは到底言い得ず、地自法第245条の8が、地方公共団体の事務である法

定受託事務について、国が当該地方公共団体と同じ立場で取り消しうべき瑕 疵があるにとどまる場合にも、違法であるとして代執行できるとすることを

予定するところとは、到底、解することができないこと等から重大かつ明白

な瑕疵がある場合に限られるというべきであることは既に準備書面1、44頁

以下及び285頁以下に述べたとおりである。

第5 釈明事項5について

1 沖縄県における過重な基地負担や基地負担についての格差の固定化につい

(35)

御庁が、被告が取消理由に記載した「沖縄県における過重な基地負担や 基地負担についての格差の固定化」の指摘に対する主張をしないのかと釈 明したことに対する原告第一準備書面での応答は、被告にはその判断権が ないと主張するのみである。このことは、原告が、本件承認取消処分の違

法性の主張立証を放棄したものというほかない。

なお、原告が付け足しのように主張している新基地により米軍施設・区 域の面積が減少するとか、普天間飛行場の機能の一部のみが移転するなど により沖縄県全体からみた負担が軽減するとの主張が理由のないものであ

ることは、被告第一準備書面116~198頁で示した基地の過重負担の指摘で

明らかにしたところである。

これら米軍基地面積が減少するとか、普天間飛行場の一部機能が県外に 移転したから負担軽減だというのは、これまでの政府の主張であるが、そ のこと自体「軽減」とは到底いえないものである。すなわち、在日米軍専 用施設の負担割合ということでいえば、仮に普天間飛行場が辺野古に移設 され、かつ嘉手納以南の返還合意施設の返還が実現したとしても、日本全

体の中での沖縄の負担割合は、73.8%からわずか0.7%しか減らない。また

、一部の機能を県外移転というが、既に配備されているオスプレイ24機が

さらに増強されるおそれがあるのみならず、埋立計画においても、これま

で普天間飛行場にはなかった271.8mもある岸壁による軍港機能が付与さ

(36)

とおり、新たな基地建設によって沖縄における負担が「軽減」されるとい うことは到底いえない。

⑵ 職務執行命令訴訟最高裁判決の記述

原告がくり返し、職務執行命令訴訟最高裁判決を引いて「米軍施設及び

区域をどこに設置するかということについては…内閣ないし日米両政府に

おいて決定すべきことであ」るというので(原告第一準備書面16~17頁)

、念のため、改めて同判決の射程について触れておく。

まず、職務執行命令訴訟において「国の政策的、技術的な裁量に委ねら れている」とされた事項は、駐留軍用地特措法によっていかなる土地を米 軍基地として使用認定するかにつき内閣総理大臣に権限が付与されていた

ものであり、他方で、本件承認取消処分は公有水面埋立法に基づき公有水 面埋立の適否につき都道府県知事にその判断権限があるものであり、判断 権者も判断の対象も異なるのであるから、上記判決が本件に妥当すること

にはならない。このことは、すでに被告第一準備書面108~110頁(「2

埋立承認取消における『国土利用上適正且合理的』の判断と審理の対象」 の項中)で指摘したとおりである。

(37)

波通信施設(旧ボーローポイント射爆場)、嘉手納弾薬庫地区、楚辺通信 所、トリイ通信施設、キャンプ・シールズ、嘉手納飛行場、那覇港湾施設 の合計7施設に及ぶ。当時大田知事は、これらの個別施設についてその必 要性や適正配置を問題にしたのではなく、長年にわたる沖縄県内における

米軍基地の過重負担を拒否したものであった。このため、最高裁判決は、 「駐留軍用地特措法の沖縄県における適用の可否」という一般性のある論 点に検討を加えた結果、原告が引用する部分に続き、次のように判示した のである。

「 右に述べたところからすると、沖縄県における駐留軍基地の実情 及びそれによって生じているとされる種々の問題を考慮しても、同県

内の土地を駐留軍の用に供することがすべて不適切で不合理であるこ とが明白であって、被上告人の適法な裁量判断の下に同県内の土地に 駐留軍用地特措法を適用することがすべて許されないとまでいうこと はできないから、同法の同県内での適用が憲法前文、九条、一三条、 一四条、二九条三項、九二条に違反するというに帰する論旨は採用す ることができない。」(下線は引用者)

すなわち、沖縄県内にもう米軍基地はいらない、という思いが法的に採 用されなかったというに過ぎない。

(38)

2 埋立の必要性の審査基準の審査について

⑴ 原告が回答していないこと

御庁が、埋立の必要性の審査基準(「周辺の土地利用の現況から見て不

釣り合いな土地利用となっていないか」、「埋立の規模及び位置が適切か 」)への該当することには論理的飛躍があるとの被告の取消理由につき原 告として主張をしないのかと釈明したことに対する原告第一準備書面での 応答は、ここでも、被告にはその判断権がないと主張するのみである。よ って、原告が、この点についても本件承認取消処分の違法性の主張立証を 放棄したものというほかない。

なお、「普天間飛行場移設の必要性」から直ちに本件埋立対象地の埋立 の必要性が生じるものではないことは、原告も、「当然の論理的帰結とし て導き出されるものではない。」と認めるところである(原告第一準備書

面18頁)。原告は、にもかかわらず、「埋立の必要性」に至る論理過程は

、すべて国の専権事項であり、「判断過程に論理的な必然性がなければな らないとする被告の前提自体、意味がないというほかない。」と言い放つ

(同頁)。

この論理は、結局、御庁が示した審査事項をはじめとした「埋立の必要 性」や適正且つ合理的の要件につき、原告が示した所要の用途と規模、位 置にかかる埋立について免許権者でさえ一切判断しえないというものであ る。

かかる主張が、法定受託事務として自治体の事務とされた知事の免許承

(39)

米軍基地の新設とはいえ、法の承認要件を審査する範囲においては、その 必要性、適正性、合理性について事業者において充足していることを説明 する責任があると考えるものであり、かかる範囲での審査は法の要件を適 正に審査するために不可欠である一方で、いわゆる国の防衛・外交政策決

定そのものの当否を直接審査するものではなく、都道府県知事の所管する 権限内にてなすべきものと考える。

⑵ 審査の範囲を根拠なく限定する原告主張

原告は、御庁が指摘した審査基準の審査につき、「対象となる海浜等と 地域社会の関わりや周辺の土地利用の現況といった国土利用上の観点から みて適正かつ合理的といえるか否かを審査すれば足りる」という(原告第

一準備書面19頁)。

しかし、法令上、このように審査する対象となる地域の範囲を限局する 根拠はどこにも存しない。そもそも「国土利用上適正且合理的なること」 との要件の記載の仕方からして、広汎な地域における影響の考慮を求めて いることは明らかであり、しかも公有水面埋立という自然の現状を根本的 に改変する事業であることから様々な広範囲の影響を考慮しなければなら

ないことは当然である(法47条の規定は、より広汎な影響が生じうる場合

(40)

第6 釈明事項6について

1 防衛・外交上の事項を審査対象外とする根拠規定の不存在

法4条1項1号審査にあたり防衛・外交にかかる事項として包括的に審査 対象外とする具体的な法令上の根拠は存せず、原告の指摘する各法令もその 根拠たりえない。

前記のとおり、防衛・外交に関する事項の政策決定が一般論として国にそ の権限が委ねられているとしても、それに基づく個別の行政行為については、

その行為毎に根拠法令の趣旨目的等に照らして権限配分を判断しなければな らないのであり、地方自治体にあっても、その権限の範囲内においては、防 衛・外交という観点からではなく当該権限の行使に必要な考慮事項をふまえ た判断がなされなければならないのは当然である。抽象的一般的に防衛・外 交に関する事項は地方自治体の役割分担を超えて権限を踰越するものである かどうか、そのような法令上の根拠があるかどうかではなく、法4条1項1

号の「国土利用上適正且合理的」の審査にあたって、具体的に被告が当該要 件の判断の根拠とした事項につき、当該要件の判断として知事が判断しうる 事柄かどうかこそが検討されるべきである。

念のため、以下に、原告が指摘する条文について指摘する。

2 法47条1項

御庁の釈明文書では、原告が、法4条1項1号要件の審査にあたって、法

47条の規定(及び公有水面埋立法施行令32条2号及び3号)を根拠に「国

(41)

関しては十分な事情を把握している一方で、それ以外の地域については必ず しも十分な知見を有していない都道府県が、県外の地域における埋立の適否 を考慮して埋立承認の判断をすることを予定しているとは解されない。」と

の主張(訴状73頁)を補強したものである。ここで原告が主張しているのは

、防衛・外交事項が問題ではなく、「当該都道府県の区域を越える広域的な 影響等があると考えられる埋立」についてである。しかるに、被告は、他で も指摘しているとおり、本件承認取消処分にあたって、広域的な他の都道府 県の区域にわたる埋立の適地の審査をしているものではなく、当該埋立申請 対象区域の埋立自体に必要性があるか、適正かつ合理的といえるかを審査し ているにとどまっているのだから、原告の主張は、その前提が誤っている。

もともと、法47条及び上記の同施行令は、「一定の埋立が国の立場から見

て極めて重要であり、その免許について主務大臣の関与を加えることで、よ り一層の適正化を図ろうとするもの」であって(公有水面埋立実務ハンドブ

ック137頁)、都道府県知事の免許に加えて主務大臣の認可を要するとする

ものである。したがって、これら規定が都道府県知事の審査権限を一定の事 項について除外するものではないことはいうまでもない。ましてや、防衛・

外交上の事項に関わる埋立行為について特段審査事項から除外されているの ではない。

また、同条は、国が公有水面埋立承認申請を行うときの準用規定たる法4 2条3項では、準用されてなく、本件の審査に関わるものではない。

よって、法47条を根拠として、防衛・外交に関する事項に関わる審査が知

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3 地方自治法1条の2

原告は、釈明に応じて、知事の審査権限を制約する根拠として地方自治法 1条の2を挙げている。

しかし、同条は、そもそも平成11年の地方分権一括法により新設された条

文であって、国と地方自治体を対等な立場に位置づけ、「地方公共団体の自 主性及び自立性が十分発揮されるようにしなければならない。」としたもの である(同条2項)。そして、国と地方自治体の役割分担についても、「国 が本来果たすべき役割を重点的に担」う(同項)としつつも、ここでは截然 と両者の役割分担を区分することをなさず、むしろ、「住民に身近な行政は

できる限り地方公共団体にゆだねる」(同項)として、地方公共団体の役割 の拡大と充実を図り、また、「『国が本来果たすべき役割』に係る事務であ っても、国民の利便性又は事務処理の効率性の観点から、あるいは地方公共 団体の総合行政の成果が得られるよう、地方公共団体にゆだねてよい、又は ゆだねるべきといえるものがあり、そのようなものも『住民に身近な行政』 としてできる限り地方公共団体にゆだねるべきであるということである。」

とされたのである(松本英昭著「新版地方自治法」15頁)。公有水面埋立に

関する都道府県知事の免許承認権限は、まさにこの趣旨にもとづき地方自治 体の役割とされたものであり、公有水面埋立の用途に照らして当該地域の国 土利用の適正合理性等について総合行政の成果の観点から行使されるべきも のである。したがって、地方自治法の当該規定を都道府県知事の権限の範囲 を制約する根拠とすることは本末転倒である(同旨の主張は、被告第一準備

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よって、都道府県知事による埋立要件の審査については、地方自治体の総 合行政の観点から、その要件にかかる範囲においてその権限行使は制約され うるものではない。そして、その要件審査をした結果、要件を充足していな いと判断されたとしても、それは防衛・外交にかかわる政策決定のような国

が役割を分担する事項の当否について知事が介入したというものではなく、 結果的に国の政策が実現できなかったというにとどまる。

このようなことは、国と地方自治体が独立の行政主体であることから、当 然に生じることといわねばならない。例えば、国が防衛・外交に関わる何ら かの政策決定をして特定の地方自治体にて行政行為を行おうとしたときに、 自治事務に基づき制定された条例に適合しないために、国はそれをなしえな

い、ということは十分ありうることである。このとおり、国と地方自治体の 役割分担が存するとしても、現実の行政行為のなかでは相互の権限がかさな りあって衝突し、それによって国の行政目的が実現しないことは、当然あり うるのである。

4 法51条1項、42条1項、国土交通省設置法4条57号

原告は、これらの規定から、知事の埋立承認権限が法定受託事務であり、 その所管する国土交通省の所掌事務に国防や外交は含まれていないのである から、その審査権限を都道府県知事に付与したと解する余地もない、という 。

しかし、度々被告が主張しているとおり、本件承認取消処分については、 防衛・外交の政策決定に関わる事項の当否そのものを審査対象としたもので

(44)

観点から審査をなしたものであり、かかる審査が、これらの法定受託事務で あることを示す条項を根拠に否定される理由はない(法定受託事務だからと いって審査の対象が制約されるのではないことについては、被告第一準備書

面110~111頁でも論じている)。

なお、原告は、審査が制約されるという観点から、原告第1準備書面にお いて、「本件の埋立対象区域が米軍施設及び区域として用いられることに関 して沖縄県知事が審査し得るのは、あくまで埋立て対象区域の利用目的に公

共性があるか否か等(訴状65ページないし67ページ)であ」ると審査範囲を

限定する(同準備書面11ページ)。ここで引用される訴状の公共性にかかる

当該部分では、「公共性の高さ」として、「a 日米関係の信頼関係を維持

することなどの外交上の公益が大きいこと」「b 沖縄県の負担を軽減する 公益が大きいこと」「c 安全保障の見地から抑止力の維持を図る公益が大 きいこと」が触れられている。しかし、この主張は、一方ではこの項目に限 ってではあれ、防衛・外交に関する公共性の高さについて知事が判断しうる と主張しているものであり(この点、例えば、被告は、cに関して、海兵隊 の抑止力の存在や沖縄での立地の必要性などについて原告から適切な説明が

(45)

れるといわねばならない。

第7 釈明事項7について

原告第1準備書面「7 釈明事項7について」に特段付け加えることはな い。

第8 釈明事項8について

1 前沖縄県知事による本件承認処分について

⑴ 公水法に基づく意見聴取手続きについて

公水法に基づく意見聴取手続きについては、原告が、原告準備書面第2 .8において主張する通りである。

⑵ 沖縄県環境影響評価条例に基づく環境影響評価審査会からの意見聴取

環境影響評価手続きにおいて、沖縄県環境影響評価条例(以下「条例」 という。)では、方法書、準備書、評価書に対し、知事が意見を述べる際 、沖縄県環境影響評価審査会(以下「審査会」という。)の意見を聞くこ とができるとの規定がある(条例第10条第2項、同第19条第2項、同第22 条第2項)。また、条例では、法対象事業に係る方法書、準備書に対して 知事が意見を述べる際に、審査会の意見を聞くことができるとする規定(

条例第10条第2項、同第19条第2項)を準用している(条例第49条第2項 )。なお、法対象事業の評価書に対しては免許等権者(土木建築部・農林 水産部を所管する知事)が意見を述べることになっているため、条例の準 用はない。

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