かように,法人税基本通達 2−3−7 は,法人税法 施行令119条1項4号が定める「通常要する価額に 比して有利な金額」の意義について,具体的な解 釈を示し又は認定の基準を明らかにしているが, いずれも政令において定めることが可能な内容で あると解する.すると,租税行政庁が,法律上又 は事実上の根拠及び合理性があるという認識の下 で,法令から直ちに導出することはおよそ不可能 である 10 %という数値基準を定めて画一的に運 用するのであれば(しかも,後述するように,か かる基準が裁判所において精査されることもな く,受容されていることに留意),10 %という数 値基準を絶対的なものとするか,これとは別に包 括的な判断基準を用意しておくかなど規定のヴァ リエーションの議論はあるとしても,10%という 数値基準自体は法的効力を有する政令で定めてお くべきではないかという疑問が生じる.かような 疑問が当を得ているとすると,同通達は,法人税 法施行令 119 条 1 項 4 号の規定内容が不十分であ ることの証左であると見ることもできよう.この 点は,租税行政庁内部における政令・通達等の規 定事項の配分に対する考え方が問題とされるべき であるのかもしれないが 41) ,授権法律の委任の趣
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