1 / 5 2.研究の詳細
プロジェクト 名
発的・自治的活動を中心とする若年教員の学級経営支援
プロジェクト 期間
平成31年度〜令和2年度
申請代表者
(所属等)
脇田 哲郎
(教職実践ユニット)
共同研究者
(所属等)
金子 辰美・芋生修一
(教職実践ユニット)
1 学級担任の学級会指導の問題点の調査(福岡県内の小学校教員)
<学級会全体について>
1 学級会をするために必要な手続き(プロセス)が分からない。
・指導要領解説特活編p.45の一連の流れを参考にしたいが,具体的な指導方法が分からない。
2 学級の実態に合った議題にするためにどのような工夫を行えばいいのか。
・集団づくりや組織づくり役割決め、人間関係の向上にかかる課題解決などの議題をどのように話し合わせて いけばよいか分からない。
・望ましい議題の条件(緑本を参考に)
・議題はどのように段階的に学級会までに進めていけばよいか 3 議題の集め方が分からない。
4 第1回の学級会はどのようにすればよいか分からない。
<計画委員会について>
5 計画委員会は,具体的にどのような仕事を行うのか、輪番制で行う仕組みが分からない。
6 時間をかけずに、児童に任せられるようにするための計画委員会への指導方法が分からない。
<学級会をしよう>
7 学級会を始めるまでに必要な全体への指導をどうすれば良いのか。
8 学級会をするための準備物はなにか。
9 学級会の流れをどうすればいいのか。
10 座席の配置が分からない。
11 合意形成の仕方がわからない。
12 学級会での決め方をどのようにすればよいか 13 板書の工夫
14 学級会の中での教師の指導 15 終末の教師の話の内容 16 学級活動グッズ
<事後の活動をしよう>
17 実践に向けて大切なこと 18 実践後の振り返りのさせ方
<その他>
19 学級活動コーナー
20 時間を確保するための工夫 21 子供に任せるための工夫 22 発言しない子供への支援方法 23 各教科や道徳、総合等との関連
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2 若年層教員が学級会の指導ができるようになるまでの調査 (A 教諭の場合)
学級活動で、学級会をすることを聞いたが,学級会のやり方が分からないことに気づいた。学級会を行う一 連の流れを先輩に聞くが、あまり想像がつかない。先輩のクラスの学級会を、自分の学級の子ども達を連れ て、見に行く。そこで,学級会がどういうものか知る。学級会見学を踏まえて、学級会のやり方をもう一度先 輩に聞く。最初の議題は、集会がいいと聞いたので、その議題で第1回目の学級会をしてみる。第 1 回目の学 級会の計画委員は私がした。(自分も理解していなかったので、まずは自分で理解するため。)第 1 回目学級会 の後、疑問に思ったこと(話し合いが進まない。(折り合えない。)・学級会の途中、教師がどれだけ話し合い に介入していいか分からない。・具体的にどこをほめればいいか分からない。・学級会が 45 分以内におさまら ない。・次の学級会では、何の議題で話し合えばいいか分からない。)第 1 回目の学級会を踏まえて、先輩に聞 きに行く。学級会をする前に、教えておかなければいけないことを知り、子ども達に説明する。(学級会オリ エンテーション)分からないなりに、学級会を続けてみる。学級会で話し合っていく上で、「決まっているこ と」を示していた方がいいことを教えてもらい、学級会に取り入れる。自分なりに、学級会を続けている。
このように,若年層教員に,自分が学級会の指導ができるようになるまでの回顧調査を行なった。その結 果,現在,学級会に意欲的に取り組んでいる若年層教員には,学級会の指導方法を指導してくれる先輩の存在 があることが分かった。ただ,A 教諭のように校内や近隣の学校の先輩から OJT の機会が得られない教員に は, OJT に代わるものの必要性が見えてきた。
3 児童用指導資料の作成
児童に対して学級会のオリエンテーションを行う「指導資料(みんなでできるもん)」を作成した。
(別添資料参照)
この資料は,教師が学級会を子供たちの自発的・自治的な活動にするために,学級の子供たちに指導する
時に活用することを目的に作成したパワーポイント60枚の資料である。本資料は,県内の教員5名の協力 で作成したものである。
本資料の構成は以下に示す通りである。
⑴ 確かめよう
①計画委員会が学級会までにすることを5日間の計画で示している。
②計画委員会以外の子供たちがすることを学級会前→学級会→活動への準備→振り返りで示している。
⑵ 計画委員の役割
①計画委員の子供たちに計画委員会の役割を説明 ⑶ 1日目の仕事
①計画委員会が1日目に行う仕事内容を示している。(全員,ノート記録,黒板記録がすること。) ②議題を決めよう。(議題の決め方)
③議題の決め方 ④議題の扱い方の例 ⑤議題例
⑥提案理由をつくろう ⑦活動の全体計画をつくろう ⑧活動の全体計画の例① ⑨活動の全体計画の例②
3 / 5 ⑩学級会ノートの例
⑷ 2日目の仕事
・司会,副司会の学級への提案の仕方について
⑸ 3日目の仕事
①全員ですること(意見の集約)黒板記録がすること(学級会の掲示作り)
②考えの集約
③グッズ一覧(時計マーク,短冊,賛成・反対マーク,話し合いの段階)
④グッズ(時計マーク)
⑤グッズ(短冊)
⑥グッズ(賛成・反対マーク)
⑦グッズ(話合いの段階)
⑹ 4日目の仕事
①話し合いの流れの確認,学級会の活動計画の作成 ②学級会の活動計画をつくろう
③学級会の活動計画の例
⑺ 5日目の仕事
①全員で学級会のリハーサルをする。
⑻ 当日・学級会後の仕事
①話合いの進め方の例(出し合う→分かり合う・まとめる)
②話合いの進め方(動画)
③「出し合う」:話合いの柱に対してみんなが考えた意見を出し合う時間 ④「分かり合う・まとめる」:質問したり賛成,反対意見を言ったりする時間 ⑤「分かり合う・まとめる」(動画)
⑥目指せ!名人芸:学級会の司会,副司会名人,黒板・ノート記録名人 ⑦目指せ!司会・副司会名人
⑧これぞ名人芸!〜黒板・ノート記録〜
⑨心・頭・物の準備
⑩心の準備:しっかり聞く・心配なこと,不安なことを言う・質問する・アイデアを出す ⑪頭の準備:事前の意見に対する賛成,反対(初級)・質問(中級),アイデアを出す(名人)
⑫物の準備:絵を見せながら説明・実物を見せながら説明・実際にやって見せながら説明 ⑬こんなこともOK!:時間の要求・確認・わかりやすく伝えたい・司会者への協力 ⑭話し合いたい時間が欲しい時
⑮話の確認がしたい時
⑯考えを分かりやすく伝えたい時:実物を見せる・やって見せる ⑰司会が困っている時
⑱キラリの言葉:わからないのだけど・聞き逃したので・Aさんが言いたいのは…・今の意見を聞いて ⑲キラリの言葉:友達の発言を大切にする言葉
⑳キラリの言葉:自分の考えを伝える言葉 ⑼ 活動の準備:活動計画の作成
①盛り上げアイデア:みんなでできること
4 / 5 ②盛り上げアイデア:盛り上げアイテム
③盛り上げアイデア:飾り付け ④盛り上げアイデア:雰囲気づくり ⑤盛り上げアイデア:紙吹雪
⑥盛り上げアイデア:学級のマークの活用 ⑦盛り上げアイデア:マスコットづくり ⑧盛り上げアイデア:教室の飾り付け ⑨盛り上げアイデア:学級集会のグッズ
⑽ 振り返り(ポイント):目的・課題・友達のよさ・学んだこと・生活へ ②振り返りの例:古り帰りカードの紹介
本資料は,パワーポイントによる説明になっているが,計画委員として学級会を進めていく立場の子供た ちと学級会に参加する立場の子供たちが,それぞれ自分たちがどのように学級会に参加すればいいのか,自 分で学べる動画コンテンツとして作成していくことができる。
4 教師用指導コンテンツの製作
教師の学級会の実践的指導能力を育成するデジタルコンテンツの作成に向け,教師が自分で学級会の指導 力診断をするチェックシートを作成した。(図1参照)
図1 学級会セルフチェックシート
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図1のチェックシートは,デジタルコンテンツを活用して学級会の実践的指導力の向上を目指す教員が,
事前に自分の学級会の指導力を自己診断するときに活用することを目的としている。
本コンテンツを活用する教員については,初任者研修対象教員,採用後2〜3年の若年層教員や講師を対 象に考えている。
現在,学級会の前,学級会の中,学級会後の各場面でどのような指導を行うのかを動画作成をするための 企画書を作成している(図2参照)。今後,本企画書に基づいて動画を撮影し,動画作成ソフトで編集しコン テンツを完成させたいと考えている。
図2 コンテンツ作成企画書