北海道教育大学大学院高度教職実践専攻 教職大学院10年の歩み : 創立10周年記念誌
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(2) 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻. 教職大学院10年の歩み. 創設10周年記念誌 平成31年3月 写真:北方教育資料館(函館校旧校舎) 創設10周年の平成29年、函館キャンパス開設。 北海道教育大学教職大学院は4キャンパス体制を確立。.
(3) より良き「地域・学校」づくりに貢献する 教員養成を目指して. 北海道教育大学教職大学院 創設10周年記念誌編集委員会 写真:旭川上川地区(日本一長い直線道路) 教育の未来をまっすぐに拓く。 教育の確かで豊かな息吹を道内各地へと届ける。.
(4) 北海道教育大学教職大学院 創設10周年記念式典等当日の記録 日 時 平成29年(2017年)10月8日(日) 会 場 北海道教育大学札幌駅前サテライト、旭川校、釧路校、函館校 ※役職・所属はすべて当時のものです。. 第1部 教育実践交流会 10:00~12:10 テーマ:現在の私と教職大学院の学び. 二宮 司 氏. 山川美千代 氏. 関本祐介 氏. 実践発表 二宮 司 氏(芽室町立芽室中学校主幹教諭). 札:H26.3月修了. 山川美千代 氏(旭川市立旭川第二小学校長). 旭:H22.3月修了. 関本 裕介 氏(釧路市立鳥取西小学校教諭). 釧:H29.3月修了. 池田 虹香 氏(函館市立東小学校教諭). 札:H28.3月修了. 池田虹香 氏. 講 評 伊藤 伸一 氏(北海道教育庁義務教育課教職員研修グループ主幹) 講評:伊藤伸一 氏. 第2部 創設10周年記念式典 13:10~13:50. 蛇穴治夫 学長. 挨 拶 北. 海. 井門正美 教職大学院長. 道. 教. 育. 大. 学. 村上明寛 氏. 長 蛇穴 治夫. 式 辞 北 海 道 教 育 大 学 教 職 大 学 院 長 井門 正美 祝 辞 北 海 道 教 育 庁 学 校 教 育 監 村上 明寛 様 札幌市教育委員会児童生徒担当部長 和田 悦明 様 総合司会 追分 充 院長補佐. 和田悦明 氏.
(5) 第3部 記念講演 14:00~15:00 演題: 「教職大学院のこれから」. 独立行政法人国立高等専門学校機構監事、前兵庫教育大学長、前日本教職大学院協会会長 「国立教育養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議」主査 加治佐 哲也 氏. 第4部 記念シンポジウム 15:15~17:00 テーマ:教職大学院の役割と今後の方向性. 添田雅之 氏. 前田直樹 氏. 藤森宏明 准教授. シンポジスト 「教員の力量向上と教職大学院」 添田 雅之 氏(北海道教育庁総務政策局教職員課長) 「これからの教職大学院に求められること」 前田 直樹 氏(函館市立東小学校長)札:H25.3月修了 「アンケート調査結果から見た北海道教育大学教職大学院の成果と課題」 藤森 宏明(北海道教育大学教職大学院准教授〈旭川〉) 「北海道教育大学が構想している今後の大学院教育の方向性」 佐川 正人(北海道教育大学理事) コーディネーター 姫野 完治(北海道教育大学教職大学院准教授〈札幌〉). 佐川正人 理事. コーディネーター 姫野完治 准教授. 第5部 記念祝賀会 18:00~20:00 札幌・旭川・釧路・函館の各会場. 釧路. 函館. 札幌. 旭川.
(6) 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻. 「教職大学院10年の歩み」創設10周年記念 目 次 北海道教育大学教職大学院創設10周年記念式典等当日の記録 ― 平成29年(2017年)10月8日(日) ― □ グラビア写真 . 219. 第1部 教育実践交流会 第2部 記念式典 第3部 記念講演 第4部 記念シンポジウム 第5部 記念祝賀会 □ 挨拶・式辞・祝辞 . 222. 歴代教職大学院長の言葉 . 227. 修了生の言葉 . 231. 在籍院生の言葉 . 236. 教職大学院修了生のアンケートより . 240. 教職大学院の沿革史、修了生数、歴代専任教員等 . 246. 後書き . 250. ※執筆者一覧は巻末に掲載 ※平 成29年10月8日の「記念講演」と「記念シンポジウム」の内容は本教職大学院『研究紀要 第8号』 (2018年3月発行)に掲載. 平成30年(2018年)5月12日(土)合同合宿ゼミ(小樽市おこばち山荘).
(7) 記念式典(2017.10.8)記録より. ご 挨 拶. . 北海道教育大学長 蛇 穴 治 夫. 本日は、北海道教育大学教職大学院創設10周年記念式典に、多くの皆様にご出席いただきまして、 誠にありがとうございます。 本日、第1部の教育実践交流会における、実践発表及びその講評をお引き受けいただきました先生 方、第4部の記念シンポジウムのシンポジストをお引き受けいただきました方々、そして、非常に多 忙な中、第3部の記念講演を快くお引き受けいただきました加治佐先生。さらには、 大変お忙しい中、 ご出席いただきました北海道教育委員会並びに、札幌市、旭川市、釧路市各教育委員会の関係者の皆 様方、改めまして心より感謝を申し上げます。 さて、本学の教職大学院が、今年度創設10周年を迎えました。このような節目にあたって全国を見 渡してみますと、ようやく全都道府県に教職大学院が設置されることとなりました。 10年前の本学教職大学院設置計画作成段階の頃を振り返ってみますと、教員養成に関わる専門職大 学院というものに対して、様々な議論がありました。突き詰めて考えてみますと、いずれの議論も学 校教員として、子供たちの学力と心身の成長を促すための実践的な指導力を高めるために、どのよう な教育がいいのかという議論だったと思っています。特定の領域をとことん掘り下げて学ぶ中で、必 然的にそのような力が身についていく。あるいは、大学院生自らが、必要と感じる基礎ができること を通して、主体的に学んで身につけていくという立場。だとすれば、それは既存の修士課程ですでに 十分できているはずだという立場を意味します。そうではなく、教育現場を預かる身として必要にな る領域を最初から、広く学ばせて課題を俯瞰する力を獲得させながら、同時に自らが解決しなくては ならないと感じた特定の課題に取り組むというやり方。そちらの方がいいのではないかという立場。 こちらは実務経験の豊富な実務家教員と力を合わせて教育するということを含めた専門職大学院制度 を活用する。すなわち、教職大学院を創設するということを意味するわけです。 現在はその両方の課程、すなわち修士課程と専門職大学院課程が併存して、それぞれの特徴を生か した教育を行っています。 しかしながら、教職大学院制度がスタートして10年が経ち、国は、教員養成の高度化を進める大学 院教育については、原則的に教職大学院制度に移行すると言っています。 さらに教員養成に関わるのみならず、現職教員に対する研修機能の強化充実とこれまで以上に学校 教育の課題解決への貢献に期待がかかっています。 本学も教育委員会等ステークホルダーとの話し合いを持ちながら、教職大学院の今後のあり方につ いて、検討を進めていきたいと考えております。 もとより、本学は教員養成における北海道の拠点大学として、今後も絶えまぬ努力を続けていく所 存ですので、関係者の皆様方のお力添えを今後ともよろしくお願い申し上げます。 はなはだ簡単ではございますが、 創設10周年記念にあたりまして、 私からのご挨拶とさせて頂きます。 本日は大変ありがとうございました。 222.
(8) 式 辞 ― 教職大学院10周年記念式典に当たって ― . 北海道教育大学教職大学院長 井 門 正 美. 本日、本学教職大学院の創設10周年記念式典を、ご参会いただきました関係者の皆様と共に迎えら れましたこと、大変嬉しく存じます。 私ども教職大学院教職員一同、昨年度から一丸となって本日の式典や関連記念事業、本年度実施さ れる教職大学院認証評価の準備を進めて参りました。この間、学長・役員の皆様を始め全学的なご支 援をいただいて本日に至っております。本院の沿革をまとめる過程では、設立時から今日までの教職 員の並々ならぬ努力を認識すると共に、連携先である北海道教育委員会、札幌市教育委員会、旭川市 教育委員会、釧路市教育委員会、函館市教育委員会他、各地の教育委員会、諸学校のご支援・ご協力 によって、今日に至っていることを実感致しました。ここに感謝申し上げます。 さて、私の手元には新聞があります。これは、2007(平成19)年12月3日に発刊された日本教育新 聞で「特集いよいよ来年4月から教職大学院創設」と見出しを掲げています。記事は広告も含めて3 面分ありますが、かなり大きな記事として扱われていました。トップに本院の名前もあります。もう 10年も前の新聞ですから、かなり変色しています。 当時、秋田大学で修士課程を担当していた私が、興味を持って切り抜いて保存していました。教職 大学院は2008(平成20)年度に創設され、この時に本院も他の18大学と共にスタートしました。 記事には、教職大学院設立の目的が、学校現場が直面する多様な問題に対処できる力量ある新人教 師とスクールリーダー(すなわち中核的中堅教師)の養成であること、学校の不祥事や閉鎖性、いじ め・不登校等の問題から高まった学校への社会不信を払拭するための教育改革、そして、10年後(正 に今日)の教員大量退職時代を見据えた教育政策であると記されています。 また、教職大学院設立の背景には、従来の大学教員養成では、養成すべき教師像や教員の資質能力 に関する基本的コンセンサスや教員養成カリキュラムの整合性・連続性が欠如していることなど、い くつかの問題点が指摘されており、特に、学術研究に傾倒しがちな既存の教員養成系修士課程では、 学校教育の諸問題に対応できないとの批判も記されていました。当時、修士課程の指導で、研究と実 践の統合・往還を心がけ、学校教育の課題解決に取り組んでいた私からすれば異論もありましたが、 教職大学院の必要性は理解し納得できるものでした。 本院もこうした目的を達成するために、教職員が議論を重ね組織や教育課程の構築、そして改革を 行って、今日に至っています。とりわけ、2015(平成27)年度のコース再編、つまり、教育内容から 編成した「学級経営・学校経営コース」 「生徒指導・教育相談コース」 「授業開発コース」の3つを、 教職経験により「教職基礎力高度化コース」 「教職実践力高度化コース」 「学校改善力高度化コース」 の3つへと再編したことは大きな改革でした。 また、本年度、広大な北海道の教育拡充策として新たに函館校を新設して札幌、旭川、釧路の4校 体制としたことも大事業でした。 これら4校の授業は、今年(2017)3月に更新した視点・音声追尾型双方向遠隔授業システムで実 施しています。遠隔地同士ではあっても地域的特色を活かしリアルタイムで活発な授業を展開してい 223.
(9) ます。私たちはこうした授業を「Active e-Learning」と名付けて、実践を推進しつつ効果の検証も 進めています。 今日、教職大学院は組織的な研究実践が求められています。本院では、2016(平成28)年度より 「命の教育プロジェクト」を開始し、児童生徒、学生の「心や自尊感情の育成」 「健康の維持増進」 「自殺対策」等、教育の根幹部分の研究実践にも取り組んでいます。 現在、教員養成系大学院は、先の修士課程の問題を解決するために、その主軸が修士課程から教職 大学院に移行すべく、急速に大学院改革が進められています。本学教職大学院も時代の要請と将来の 教育を展望した改革に取り組んでいます。この改革においては特に、附属学校の活用、教育委員会や 諸学校とのさらなる連携強化は必至です。本日、記念講演やシンポジウムも開催しますが、改革の具 体内容が示され、あるべき教職大学院の方向が議論されることと思います。 最後になりましたが、皆様、この冊子をご覧下さい。この表紙は裏表紙とセットです。クイズのよ うな造りですが、年度ごとに上の数値が年度の修了生数、下が修了生総数となっています。今年度の 修了者数と総数は予定数で、修了生総数は360名になります。今年度、M2の皆さんの全員修了を祈念 致します。 本日、第1部では修了生の代表による実践研究発表がありましたが、 教職大学院として修了生のフォ ローアップと共に在校生も含めた組織的な研究実践を推進する所存です。 修士課程と教職大学院が合流しますと、現在より大きな規模になります。定員の確保も重要課題で すので、今後とも関係各位の皆様のご支援ご協力を賜り、私どもは力量ある教員を育成し、北海道の 地域的特色と魅力を活かして、教育力の一層の向上に寄与したいと存じます。何卒宜しくお願い申し 上げます。 本日、ご参会いただきました皆様に改めて感謝申し上げます。 2017年10月8日 . 224.
(10) 祝 辞. . 北海道教育庁学校教育監 村 上 明 寛. 北海道教育大学教職大学院がこのたび、 創設10周年を迎えられ本日ここに多くの皆様のご参加の下、 北海道教育大学教職大学院創設10周年記念式典が開催されますこと心よりお祝いを申し上げます。ま た、日頃から皆様には教育行政の推進にご理解とご協力を賜りまして、この場をお借りして心から感 謝を申し上げます。 教職大学院についてですが、北海道教育大学の教職大学院は平成20年の4月創設されて以来、高度 専門職業人としての教員を数多く養成してこられました。特に近年では、いじめや自殺、虐待などが 多発する社会状況を鑑みて命のプロジェクトを展開され、児童生徒等が自己有用感や自尊感情、他者 存在意義を実感出来る教育環境の構築に取り組んでおられることを承知しております。北海道教育委 員会と致しましても、この間、教員研修の一環として現職教員を派遣することや管理職や指導主事等 の経験者を実務家教員として送り出すなど貴大学院と相互に連携しながら本道教育の充実・発展を支 える実践力、応用力を備えた教員の育成に努めてきたところでございます。 さて、現代本道における児童生徒の学力、体力は全国との差が縮まるなど改善の傾向も見られます ものの、さらなる授業改善や望ましい生活習慣の定着などが引き続きの課題となっております。また、 いじめの未然防止、早期発見対応の徹底など生徒指導の充実や学校課題への組織的な対応に向けた学 校経営の改善。子供たちの学びの中心である学校と子育ての基盤である家庭、社会性を育む地域との 連携がますます重要となっております。 さらに、本年3月に告知されました新学習指導要領では、よりよい学校教育を通じて社会を作ると いう目標。学校と社会が共有し社会との連携協働により未来の作り手となるために必要な資質能力を 育み、社会の開かれた教育課程の実現の為、知識の理解の質を高め、資質能力を育む、いわゆる、主 体的、対話的で深い学び、視点に基づく授業改善や小学校の外国語教育の教科化、プログラミング教 育の導入など新しい時代に対応した教育の充実が求められております。このように教育を取り巻く環 境が大きく変化する中、児童生徒や保護者、地域住民の学校教育に対する期待に応えて行くためには、 教育の直接の担い手である教員の資質能力の向上が最も重要であり、大学と教育委員会と関係者が教 員の育成ビジョンを共有しつつ、教員の学びや成長を支えていく必要があるものと考えています。 このため北海道教育委員会では、大学等と連携した教員育成協議会を設置し、教員との成長段階に 応じた資質能力の目安となる教員育成指標の作成に向けた検討を進めるなど自立的に学ぶ姿勢を持ち 生涯にわたって資質能力を高めていくことの出来る教員の育成に取り組んでいくところであります。 今後とも貴大学院と綿密な連携協力を図りながら教員の養成・採用・研修の一体的な改革に取り組ん で参りたいと考えております。 貴大学院におかれましては、今後とも地域における知の拠点として学校現場の直面する課題の解決 に向けて、学術的な視点に基づく知見の蓄積とその共有を図って頂くようご期待申し上げるところで あります。 結びになりますが、北海道教育大学教職大学院のこれまでの10年の歩みを支えてこられました、全 ての関係者の皆様に心から敬意を表しますととともに、貴大学院のさらなる発展と関係の皆様のます ますのご活躍をご期待申し上げまして、ご挨拶とさせて頂きます。 本日は、おめでとうございます。. 225.
(11) 祝 辞. . 札幌市教育委員会児童生徒担当部長 和 田 悦 明. この度は、北海道教育大学教職大学院が創設10周年を迎えられましたことに、心からお祝いを申し 上げます。貴院は平成20年4月の創設以来、変化の激しい時代を見据えて、学校現場が直面する様々 な問題に対応できる中核的中堅教員、いわゆるスクールリーダー等の養成を目的として、本市を始め 道内外の教育界における人材の育成、さらには、教育・文化の充実発展にも多大な貢献をされてこら れました。これはひとえに関係者の皆様方のご努力によるものと心から敬意を表します。 さて、近年のグローバル化や情報化、少子高齢化といった社会の急激な変化に伴い、学校教育の抱 える課題はと申しますと、複雑化・多様化しており、特に、いじめ、不登校、児童虐待、子供の貧困 などが全国的にも深刻な状況になってきております。さらには、学ぶ力や学ぶ意欲の育成、特別な配 慮を必要とする子供への対応などについても大きな課題となっております。このような現状の中、学 校では様々な課題に対応しうる高度な専門性と豊かな人間性や社会性を備えた力量ある教員がこれま でにも増して求められております。本市におきましても教員には教科や教職に関する確かな専門性に 加え、使命感や教育的愛情に溢れる豊かな人間性や社会性などの資質が重要であると捉えております。 そうした教員の資質向上を目指して、教職経験や職能等に応じた研修、これらを体系化し教員の生涯 学び続ける意欲を高めながら、効果的、継続的に取り組みを進めているところであります。 貴院におかれましては、中堅教員の資質向上に向け焦点化した教育課程のもと、学校教育活動の中 核を担う人材を育成されております。また、現職教員に対しましては、理論研究とともに、自らの使 命を再確認しつつ学校全体を俯瞰して、課題解決にあたる高度な専門的な能力や実践力を高める研究 活動を進められております。経験や年代、校種の異なる教員が集い、対話的に学び合うことが教員と しての資質や能力、そして専門性を高め合うことにもなり、さらには、教育者としての視野も広がり、 大変有意義なものと思っております。このように貴院が現職教員の資質向上に資する普段の学びの場 として、今後の本市の教育の充実発展に大きな役割を果たされるものと期待申し上げるところでござ います。 結びになりますが、関係各位の皆様、これまでのご尽力に心から敬意を表しますとともに、貴大学 院のますますのご発展とご健勝を祈念致しまして、お祝いの言葉とさせて頂きます。 本日は、誠におめでとうございます。. 226.
(12) 歴代教職大学院長の言葉. 教職大学院開設の頃 . 初代院長 扇 子 幸 一 (北海道教育大学名誉教授). 本来であれば創設時の教職大学院長は準備段階から中核的に関わっている者であるはずが、様々な 事情から間際になって筆者が任ずることとなった。そのようなことで、ここでは、開設に至る経緯等 は措いて、開設後のいくつかの動きを振り返ってみたい。 本学教職大学院は、双方向遠隔授業システムを活用して3キャンパスで講義を成立させることが最 大の特徴であった。ところが肝心のシステムの準備が十分整わない中での出発となってしまった。当 時の政治状況とも絡み、その年の開設が義務づけられる中、技術力を持たない新興業者が実績づくり を狙ったとしか思えない入札でシステム設置を落札し、機器の十分な調整もできず、頻繁に不具合が 生ずるシステムでのスタートとなった。不具合で講義の進行が妨げられる中、当該業者が不具合を克 服できず、既存のシステムを納入していた別業者の助力を得てようやく改善にいたるといった類の綱 渡りを幾度も繰り返すこととなったのである。 (筆者は既存システムを用いての他キャンパスへの講 義配信を学校臨床心理専攻で何年か経験したが、ほぼトラブルには遭っていない。 )このシステムを 用いての講義スタイルで、広大な北海道で教員配置に限度があるという隘路を克服できるという本学 の設置趣旨が注目を浴び、その点に着目した視察も相次ぐ中、冷や汗の続く毎日であった。 他方、これは本学に限らず制度そのものについてということであるが、学校現場、なかんずく教育 委員会への教職大学院の趣旨の浸透が十分とは言えず、筆者の在任中は募集定員の確保には至らな かった。開設2年目には文科省に状況報告に参ずることすら要したほどである。当然に定員確保は至 上命題であり、趣旨の浸透を通じて受験者の確保に努めることになるのだが、教育水準と直結する入 学判定とは背反関係にあり、ここでも冷や汗、綱渡りが毎年のことであった。 教職大学院の高邁な設置趣旨とはかけ離れた、こうした次元の制約が続く中、その後なんとか入学 定員を確保できる状況になったことは、筆者からすると奇跡とすら思われる。札幌からの講義配信が 旭川では音が出ない、教員の講義を踏まえて、肝心の双方向のディスカッションという段になって映 像や音声の切り替えがうまくいかないといったトラブルが続き、院生の受講評価がどのように伝わる のか、翌年の募集への悪影響を覚悟したのが正直なところである。 状況的には最悪の出発が、少なくとも最悪の結果に至らなかったことを、改めて振り返ってみると、 教員、院生の熱意といったことしか思い当たらない。毀誉褒貶半ばする中を受験してくれた現職教員 の方々は、当然に現状改善への強い思いを有していた人ばかりであった。その思いが、教員採用試験 への踊り場程度の感覚で受験した者もいないわけではないストレートマスターの意欲の涵養につな がったような場面も、少なからず目にする事があった。そんな院生の思いに教員も熱心に応えていた と思う。システム不備による講義進行の妨げはあっても、そのマイナスを超える熱意を持って講義に 臨む教員が多かったからこそ、悪評価が喧伝されることにならなかったのであろう。とりわけ実務家 教員の方々は、教職大学院から現場を変える意気込みで取り組まれる人たちばかりであり、筆者はそ れが本学教職大学院の学びの中核になったと考えており、院生の思いに応えることになったのだと考 えている。また、現場での実践を中核とする教職大学院にあって、多忙な業務の中、附属学校、協力 校が実習を熱心に支えてくれたことも教職大学院で学ぶ価値を院生に実感させてくれたものと考える。 おぼつかない足取りでの出発だったからこそ、院生、教員、協力校がお互い作り上げるという共通 意識をもって支えてきた教職大学院であったのだと改めて思う。 227.
(13) 北海道教育大学教職大学院創設10周年に寄せて . 第2代院長 福 井 雅 英 (滋賀県立大学教授). 教職大学院創設10周年おめでとうございます。 私は創設にあわせて本州から着任し、なお模索の中にあった教職大学院づくりのスタートに参加しました。5年 間の札幌・あいの里生活を経験して、北海道大好き人間になった者としては、 「創設10周年」という響きに深い感慨 を抱きます。 この機会にいくつかのエピソードを紹介しながら、当時考えていたことを振り返ってみたいと思います。 北海道という地域にねざす教育大学として 広大な北海道に点在するキャンパス。それぞれの地域の特色ある教育実践や地域のニーズに応える学校づくりを 学び合い、それを背景にした課題を交流して研究を深め、力量ある教師を育てることが教育大学としての地域貢献 の核心だろうと思います。 創設当初、札幌、旭川、釧路の3キャンパスを結ぶ双方向テレビ授業が「ウリ」のように言われ、システムの視 察も何度か受けました。しかし実際は、システムの運用も試行錯誤の連続であり、画面の解像度も十分でなく、人 物の存在は確認できても表情は読めないなどと言い合う状況でした。 「授業は子どもと教師が共同で作り上げるドラ マ」であるなら、 「出会ったこともない者同士では授業にならない」と、困難をおして合宿交流会を始めたのでした。 先に書いたことと重なりますが、立地条件の困難を利点に転換できると言いながら挑戦したことの一つだったと思 います。 研究的実践―実践的研究の相互浸透…実践と理論の「往還」をこえて 教育分野の専門職大学院として、「実践と理論の往還」がよく言われていましたが、私はそれでは足りないと思っ ていました。「往還」するというのはそれぞれが違う地点に立っているということです。理論研究と実践研究の違い はもちろんあるのですが、教職大学院での研究では、研究的実践と実践的研究の相互浸透が生まれるとよいと考え ました。教職大学への赴任について、当時私淑していた稲垣忠彦先生(東大名誉教授、当時は滋賀大学教授、故人) に話したとき、「実務家教員と研究者教員の共同をつくるのがあなたの課題になるね」と言われたのです。じつは、 教育現場にいた者として、 「実務家」という呼称にも違和感がありました。他の専門職大学院は措くとして、教職大 学院で活かすべき現場の成果は、 実務でなく実践だろうと考えたのです。「研究者は現場がわかっていない」とか、 「実 務家は経験主義を超えてほしい」などと違う立ち位置で言い合っていても何も生まれないだろう。ではどうすれば よいのか…、何ができるだろうかと模索しました。子どもの事実や具体的な実践についての共同研究が鍵になると 考えました。そこで、実地研究(実習)の振り返りなどを重視し、院生と「実務家」と「研究者」が同じテーブル について交流し議論する機会を大事にしました。お互いに率直に、質問や意見を述べあうことこそ、相互理解と共 同研究のスタートだと思ったのです。 何のための、誰のための教職大学院か―院生のニーズと現場のニーズを重ねて考える 教職大学院の創設は日本の教師教育において一つの時期を画する出来事でした。しかしそれは、具体的な制度設 計含めて、現場のニーズと言うより政策主導で進みました。とはいえ、北海道教育大の教職大学院では、院生とし て入学してきた皆さんの「学びたい」という意欲は大変強いものがあり、そこからたくさんの刺激を得ました。で すから、今も強く思うのは、学校現場と院生のニーズを深くつかんで不断に改革を進めてほしいということです。 既設の教育系大学院が教職大学院に統合される流れが見えますが、児童・生徒の実情や学校の直面している課題か らも、教育の現場には多彩な先生たちがいてほしいと思います。ですから、当然、学びの履歴も多彩である方が望 ましいと考えるのです。そのために院生のニーズと現場のニーズを重ねて教育研究内容を充実させてもらいたいと 願っています。 現職教員の院生の課題意識は、当時のアンケートなどによると、 「自分の直面する実践上の問題を深く考えたい」 、 「もっと自分を向上させたい」 、 「自分の実践の意味をつかみたい」、という真摯なものでした。それは今も変わらな いだろうと思います。これに応えるためには、新しい知見や技術を教授することも大切ですが、そこにとどまって いるわけにはいきません。自らの実践を振り返り課題解決の方法を開発し、学び続けるという意欲を、一人ひとり の院生の深いところから燃焼させることが必要です。 当時、教職大学院像を語るとき、 「困ったときには教職大学院がある」と先生たちに頼りにされ、学んだ院生の皆 さんには、「教職大学院は私の教師人生のオアシスだった」と振り返ってもらえるような場所にしたいと言っていま した。北海道における新しい「ティチャーズセンター」になりたいというのが私の抱いた思いだったのです。この ような思いを振り返りつつ、北海道教育大学教職大学院の今後ますますのご発展をお祈りしております。 懐かしさのあまり、いろいろな勝手な思いで口が滑ったように思います。私はまだ教員養成の場で現役で働いて はいますが、北海道教育大退職から五年が過ぎて古稀を迎えた者の「老いの繰り言」とご寛恕くださるようお願い して擱筆します。 228.
(14) 教職大学院の創設10周年によせて . 第3代院長 大久保 和 義 (北海道教育大学名誉教授). この度、北海道教育大学教職大学院が創設されてから10年の節目を迎えられますこと、心からお祝 い申し上げます。 院長を務めていた当時、印象に残っていることとして、北海道の教員の資質向上を図る観点から北 海道教育委員会から多くの現職教員を派遣してくれたことと同時に、教育現場での課題を持ってその 解決のために自ら学ぼうとする現職教員の院生が多くいたということがあります。当時、本学と同じ 時期に設置されたいくつかの教職大学院を視察してきたのですが、他大学では現職教員の院生の多く は派遣できており、本学のように実際に勤務をしながら教職大学院にきている院生はほとんどいませ んでした。勤務の関係で時間的に厳しい中、また、当時は通常の試験で入学してくる現職教員の院生 には入学料や授業料等の免除もありませんので、金銭的にも大変厳しい中で意欲的に学んでいる院生 の皆さんには頭の下がる思いがしていました。 このような状況に対応するために、北海道教育大学教職大学院では、勤務しながら現職教員が学べ るよう午後6時から始まる夜間の授業、札幌、旭川、釧路の3キャンパスを結んでの対面ではない双 方向遠隔授業システムを活用しての授業、4セメスター制による2コマ続きの授業等、他の教職大学 院とはちょっと異なった展開をしてきました。2コマ続きの授業では、教員からの講義を聞くだけで はなく、講義内容に関する討論、院生からの実践発表、模擬授業等、時間的な余裕もあり、その講義 の内容を深める意味では効果的な方法だと考えます。 当時は「学級経営・学校経営コース」 、 「生徒指導・教育相談コース」 、 「授業開発コース」の3つの コースがあり、教員、院生はそれぞれどこかのコースに所属し、基本的には院生の指導教員は院生の 所属したコースの教員がなるという体制で運営してきました。院生はそれぞれのコースにあったテー マをもって教育、研究に取り組んでいました。私は授業開発コースに所属していましたが、各コース に所属する教員数が限られているために授業開発コースでは、各教科を専門にする教員がそろってい るわけではありません。私の専門は算数・数学教育ですが、授業開発コースに所属する院生で、「理 科」や「英語」を専門とする院生の指導教員にもなりました。理科や英語教科に関しての知識や指導 のあり方等についての理論や方法についての理解が十分でなく、時には教育学研究科の先生方にもお 力添えをいただきながら院生の指導を行ってきたのも、今となっては懐かしい思い出です。 平成24年8月に出された中央教育審議会答申「教職生活の全体を通じた教員の資質能力向上の総合 的な向上方策について」では、今後の教員養成は、教職大学院が中心となって担っていくことが提案 されました。また、本年3月には中央教育審議会から「教員の資質向上特別部会 基本制度ワーキン ググループのまとめ」が出され、そこでは教員養成の修士化をはじめ、教員養成の中心を教職大学院 が担うこと等、教員養成の在り方に関する方向性が示されています。教員養成における教職大学院の 役割がさらに大きくなりますが、北海道教育大学教職大学院がますます発展されますことを期待して います。. 229.
(15) 荒海に漕ぎ出す. . 第4代院長 森 省 造. 制度創設初年度に設置される北海道教育大学教職大学院の教授就任の打診があったのは、札幌市教 育委員会教育センター所長として3年目に入って数か月が経った頃であった。この間、私は教育セン ターが実施する研修講座の改善・充実を課題として、教員経験年数に応じた研修や教員に求められる 職能に応じた研修の体系的整備、また、今でいうところの「アクティブラーニング」への研修形態の 転換などを実現してきたところであり、教員の資質・能力・意欲を伸長する研修の在り方の実践的研 究にセンターを挙げて取り組んでいた。 数日の時間を頂き、研修講座の改善・充実の取り組みも一つの山は越し、母校からの設立準備に余 裕のない時期になっての話でもあり、立場は違え教員の資質向上に関わりのある仕事ということもあ り、といったことなども考えてお受けする旨のご返答をさせていただいたのであった。表題に掲げた 「荒海に漕ぎ出す」は、私がそのときに当時の学長に伝えた受けるに当たっての心境を表した言葉で ある。 職務がら、教職大学院の創設についてはその理念や制度設計、実現に向けての動向は注視していた が、 「机上の空論」はいい過ぎとしても、理念先行といわざるを得ないというのが私の率直な感想で あった。理念を実現するために必要な現実的な条件が、教員養成大学・学部や対象となる教員の置か れている学校に整っているとは思えず、教職大学院が進もうとしているのはまさに「荒海」であると 思っていた。しかし、一方でこれは致し方のないことであろうとも考えていた。教職大学院は、新教 育大学設置、既存教育大学の修士課程整備と進んだ30年に及ばんとする教員養成系修士課程を、「本 来期待された機能を十分に果たしていない」と断じた上で創設が提言されていたからである。新しい 理念を具体像として実現化するには、すべての条件が整うのを待っていては恐らく永遠にそのときは 来ない。ある程度のところで理念先行で走り出し、その成果を以て状況を、人の考えを変えていくと いう道を辿らざるを得ない。教職大学院にとって「荒海」はある種宿命であった。 その教職大学院が荒海に漕ぎ出してから10年が経った。世にいう、 「十年一昔」と。本教職大学院 においても大小様々な改革、再編は着実に行われてきている。施設・設備の充実も図られてきた。修 了生も増え活躍もある。そこに目を向ければ「十年一昔」とも二昔ともみることができる。 しかし、また、世にいう、 「十年一日」と。教職大学院10年の営みは荒海をどれほど鎮めることが できたろうか。昨年度の教職大学院協会研究大会のパネルディスカッション「10年目を迎えた成果と 課題」において、帝京大学の向山行雄氏が当初教職大学院に抱いていた四つの懸念は今も変わらず続 いているという趣旨の発言をしている。詳述する紙数がないが、同感である。他にも、教職大学院の 教育を担うに相応しい特に研究者教員の育成・確保や教育委員会との連携の在り方など、当初から根 幹に関わる課題は依然として残っている。特に後者の課題については、それに対して定見のない者た ちの軽率がかつて教育委員会にいた私の教職大学院長就任を招いたのは皮肉なことであった。こうし たことに目を向ければ教職大学院についての懸念や課題は十年一日といわざるを得ない状況ともいえ る。なかなかの難問揃いであるが故である。 この十年の評価は見方によって様々だろうが、教職大学院は次の10年に向けてさらに歩み続けてい かなければならない。 「十年一日」とは、長い間、一つの仕事を怠りなく勤続するというのが元々の 意味のようである。教職大学院の次の10年の営みがこの意味で「十年一日」であることを祈念して筆 を擱きたい。 230.
(16) 修了生の言葉 大好きな子どもたちから教わったこと. 私にとっての学びの原点. 諏訪 栞(埼玉県川口市立安行小学校 教諭) . 釧路キャンパス2016年度修了生. 小学生からの夢であった教員になってから2 年目。新天地、埼玉県で毎日子どもたちと元気 に過ごしている。その中で、ある男子児童と出 会った。その児童は初任時、3年生の子どもで あった。最初に出会った時から私を「先生」と 呼ぶこともなく、 「ねえ」としか話かけてくれ なかったり、連日問題を起こしたりする児童で、 日々対応にあたっていた。時には、反発や無視 をされることもあり、教員という仕事の難しさ を学ばせてくれた児童であった。しかし、いく ら反発をされても、いくら問題を起こしても彼 と真剣に向き合うことを心の中で決め、1年間 過ごした。3月の何気ない休み時間の時のこと である。女子児童達が「来年も諏訪先生がいい な」とかわいらしい笑顔で会話をしている。そ の時に、その男子児童がぼそっと「俺も・・・ ずっと先生がいい」と言っていたのである。彼 がどのような心理でそのように言ったのか、深 いところまでは分からない。しかし、その聞こ えてきた一言が教員としてのやりがいなのだと 初めて教員のやりがいを感じた瞬間だった。現 在、クラス替えをした4年生を持ち上がりで担 任をしている。もちろん、その男子児童も担任 をしている。昨年度とはまるで別人かのように、 ずっと私にべったりでたくさん話をしてくれ る。大好きなお父さんの話、大好きなサーフィ ンの話など。しかも、 「諏訪先生」 と呼びながら。 教員という仕事はすべてが楽しいものではな い。むしろまだ2年目だからこそ、難しいと感 じることも多い。しかし、子どもたちから教え てもらったこと、 「こちらが真剣に向き合えば、 必ず子どもたちはそれにこたえてくれる」 。ど んなに反発をされても、どんなに無視をされて も、これから先出会う子どもたちと「真剣に向 き合う」 。これを私のモットーとして埼玉県の 子どもたちのため、 教員として成長していきたい。. 倉部 禎大(旭川市立大有小学校 教諭) . 旭川キャンパス2016年度修了生. 教職大学院は私にとって学びの原点となる場 所でした。4年間の大学生活を終え、ストレー トマスターとして2年間を旭川校で過ごし、充 実した学びを積み重ねました。 まず、学びの土台としてあるのは、現職教員 の存在です。学部の実習でしか現場を知らない 私に、修了後のイメージを示してくれたのは現 職教員の皆様でした。授業の構築の仕方や子供 との向き合い方、学校課題に真摯に向き合う姿 勢など、日々の講義や談話を通して成長するこ とができました。また、2年間、ひたむきに自 己課題と向き合うことができたことも、とても 貴重な時間でした。算数科を窓口として自己課 題を設定し、解決に向けて実習をし、MOBで 省察することができました。院生同士異なる自 己課題を持ち、互いに助言や協同して学ぶ中で 高め合えたことも良い思い出となっています。 このような学びを得ることができたのはキャン パスの教授の方々のおかげです。夜遅くまで、 院生の課題について共に考え、解決への道筋を 示してくれたり、院生室を温かい職員室のよう に語り合える場にしてくれたりするなど、信頼 できる教授の方々に出会えたことが今の自分に つながっています。 現在、旭川市立大有小学校に勤めて3年目に なります。職場の先輩教員の姿から日々学びを 深めているところです。教職大学院での学びが 今に生きていると感じることは、自分を省察す るということと先輩教員から学ぶことの2点だ と考えます。前者については、教職大学院で得 た教員のイメージが軸となり、そこに立ち返り ながら日々反省と改善に努めています。後者に ついては、教職大学院での高め合う日々があっ たからこそ、先輩の姿を見て学び吸収する姿勢 を大切にできていると考えます。どんな子供や 学校でも自分自身を高め、教育を追求していく 心構えができたということが今の自分に生きて いる学びです。 最後に、 御指導頂いた教授の方々、 学び高め合っ た院生の皆様、 本当にありがとうございました。 231.
(17) 私 の 宝 物. 教職大学院での学びと思い出. 工藤 久美(札幌市立手稲中学校 教諭) . 札幌キャンパス2015年度修了生. 「修了後も励まし合い、高め合える仲間がで きた。」2年間の学びを通し、私が得た最大の 宝物です。 私達、北海道教育大学教職大学院札幌校7期 生は、大学院修了後も年に1度、自主的な学習 会を開催しています。 現在取り組んでいること、 悩んでいること等を持ち寄り、議論します。そ の内容は、教科指導から学級経営・学校経営、 生徒指導、部活動指導など多岐にわたります。 持ち寄った課題が全て解決するわけではありま せんが、2年間一緒に学んだ仲間と共有するこ とで、「明日からまた頑張ろう!」というエネ ルギーをもらうことができます。今年でこの学 習会も3回目を迎えることができました。教職 大学院でお世話になった先生方、先輩、後輩、 何より7期生の仲間のお陰です。この場をお借 りして、深く御礼申し上げます。 こうして修了後も共に学べる仲間を得ること ができたのは、教職大学院在学時に貴重な経験 させて頂いたからこそだと思います。現職院生 と学部院生が垣根を越えて議論し学びあえる講 義、教育現場の厳しさと教職のやりがいを体感 することのできる実習、自己の課題に向き合い 作成したMOBなど、北海道教育大学教職大学 院らしい学びの機会に恵まれ、充実した2年間 を送ることができました。時に、課題にぶつか り行き詰まることや、答えの見つからない問題 に頭を悩ませる日々もありました。そうした悩 み、苦戦した日々も今の自分を支えてくれてい ます。 また、実践交流会やゼミナール等、修了後も 学ぶ機会をいただき、大変感謝しております。 こうした催しが修了生の「学び続ける姿勢」を 支えてくださっているのだと強く感じています。 今日の教育現場には様々な課題があります。 これから幾度となく困難にぶつかると思います が、在学中に教えていただいた「学び続ける姿 勢」を持ち、共に学んだ仲間達と支え合いなが ら、一歩一歩前に進んでいきたいです。 結びになりますが、北海道教育大学教職大学 院の11年間の歩みを支えてこられました全ての 関係者の皆様に心から感謝申し上げますと共 に、今後ますますの発展を御祈念申し上げます。 232. 星 裕(北海道教育大学釧路校 准教授) . 釧路キャンパス2015年度修了生. この度は、北海道教育大学教職大学院が創設 10周年を迎えられたことを心よりお祝い申し上 げます。 私は、平成26年4月から平成28年3月までの 2年間を現職教員大学院生として在籍し、釧路 校にてたくさんのことを学ばせていただきました。 思い返せば、特に印象に残っていることが2 つあります。まず、何より双方向遠隔授業シス テムを用いた授業です。入学してすぐの4月に 釧路校のB108教職大学院講義室で授業を行っ たときに双方向遠隔授業システムを通して札幌 校と旭川校の様子が映った時のことは、強く印 象に残っています。離れながらにして先生の話 を聞き、院生同士の交流も行うという授業の先 進性に聞いてはいたものの実際に受けてみると 強く驚いたものでした。他にも、カメラ操作で 画面が大きく動きすぎてしまって思う通りにな らずにみんなでもどかしい気持ちになったり、 マイクを通さないと声が届かなかったことから 「釧路校、聞こえますか」という質問に院生み んなで両手で○を作ってジェスチャーで応えた りと心が和むエピソードも懐かしく思います。 また、同期の院生との交流もたくさんの学び になりました。ストレートマスターと現職教員 等が混じったグループでテーマについて話すこ とで、他校や他の管内での知らなかった実践を 知り、私自身の実践に向けて良い刺激となりま した。それ以外にも年末に演習室の掃除を同期 の 院 生 で 行 っ た り、 「MOBゼ ミ 」 と 称 し て MOB作成に向けて院生同士で交流したりと楽 しい時間を持つことができました。先生方や同 期の院生に恵まれ、学びの中に楽しい時間があ る充実した2年間を過ごすことができたことに 感謝しております。 末筆ながら、北海道教育大学教職大学院の一 層のご発展と皆様方のご活躍を祈念いたしまし て、お祝いの言葉とさせていただきます。.
(18) 教職大学院在籍時の学びや思い出、 そしてその後の自分 林崎 俊一(和寒町立和寒小学校 教頭) . 旭川キャンパス2014年度修了生. よきおもひで 尾﨑 茂樹(札幌市立豊明高等支援学校 教頭) . 札幌キャンパス2013年度修了生. 北海道教育大学教職大学院創設10周年おめで. 教職大学院が、 創設11年目を迎えましたこと、 心よりお祝い申し上げます。5期生として、平 成24年4月から2年間、学校経営コースに在籍. とうございます。このような機会に、お祝いと. させていただきました。私にとっての教職大学 院は、今改めて考えますと「原点回帰の場」と 言えます。 私は当時、自称ミドルリーダーとして、 学校・ 学級の諸問題への対応に日々追われていまし. 私にとっての教職大学院は教職四半世紀にし. た。目の前の問題の一つ一つを解決していく中 で、いつの間にか問題を解決することそのもの が目的化していたように感じます。. 想い出の言葉を書く機会をいただいたことをた いへん嬉しく思っております。 て、ゆっくり自分を振り返り、見つめ直し、か つ、新しい出会いと学びを提供してくれた場で もありました。 5期生の皆さんとの多くの語らい、学び。 (キャンプ・体育祭最高でした)そして、先生 方からの多くの含蓄あるお言葉。未だに何処か. そのようなときに、当時の附属旭川小、西尾 副校長先生から、教職大学院受験をお薦めして. に掲載されているのですが「実践を伴わない理. いただきました。2年間、日中は通常どおり勤 務してから授業を受けていましたので、忙し かったのは事実です。しかし、教育に対する高. である。しかし教育においては、理論に対する. い志と実力を併せ持った現職派遣教員、新たな 発想と情熱を併せ持ったストレートマスターと. 学早々ゼミにて受けた訓示であります。この言. の学びは、自分の教育者としてのスタンスを一 つ一つ再確認・再構成していくことにつながり ました。「チルドレン・ファースト-子供の笑 顔」こそ、教育の原点です。 前半の講義から後半の協議。双方向システム による札幌校、釧路校との学び(当時) 。ホワ イトボードや付箋を使った話合いの視覚化。理. 論は無意味であり、理論を伴わない実践は無力 評価は立ち位置や視点により大幅に変容する。」 この言葉は、私の恩師である森省造先生から入 葉がずっと自分自身を良い意味で悩ませ、かつ 自分の現在を形成しています。 現在、院生のときとは立ち位置も視点も大幅 に変わりましたが、教職大学院で学んだ知見と 訓示を活かし、職場風土の改革に携わっている ところです。改革にあたっては、もちろん風当 たりの強いときもありますが、毎日の学校長と. 論と実践の往還。ミドルリーダーの役割。リー ダーシップとマネジメント…。内容が実践的か. の打ち合わせでは、 楽しくて、 笑いの絶えなかっ. つ先進的であり、当時を思い起こしながら試行 錯誤している現在です。 結びになりますが、ともに学んだ皆様、御指. 校長である森省造先生の写真が私を見守って下. 導いただいた先生方、とりわけ笠井先生と藤森 先生には大変お世話になりました。院生室には ほぼ不在。自分の席とロッカーの記憶さえない 私ですが、修了生と出会うと、たとえ学んだ時 期にズレがあっても嬉しく思いますし、当時の ことを楽しく語り合うことができます。この、 本学教職大学院の同窓の輪がより広がっていく ことをご祈念申し上げます。またお目にかかれ ることを楽しみに、精進して参ります。. たあの頃のゼミの風景のように、現任校歴代学 さっています。 修了後も我々修了生の心の支えである貴院の 益々の発展と、先生方のご健康、そして北海道 の教育を支えられている修了生の更なる飛躍を 祈念いたします。 最後に、このおめでたい中ではありますが、 この度の胆振東部地震により被災された皆様な らびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し 上げます。また、皆様の安全と被災地の一日も 早い復興を心よりお祈り申し上げます。 233.
(19) 学ぶ姿勢を学ぶ場として. 対話を通して 教職大学院で得た、 かけがえのないもの. 溝渕 英里(教育大学附属釧路小学校 教諭) . 釧路キャンパス2011年度修了生. 教職大学院では、学びに向かう姿勢や心構え を教わった2年間であったように思います。私 はストレートマスターとして附属学校に勤務す るなかで、現場の先生方が仕事に向かう姿勢、 仕事に傾ける情熱、仕事に対するプライドを垣 間見る機会を多くいただきました。意識の高い 先生方と共に過ごす時間には常に緊張感があ り、自分の目指す教師としての姿がそこにあり ました。 教職大学院の素晴らしい点は、 「学ぶ環境が 整えられている」ことだと思います。現場で実 践を体感し、大学の講義で理論を学び、それら の往還によって、日々の学びがより深い理解へ と繋がります。受験生に例えるなら、 「問題」 を出題してくれる場があり、解決に向けて相談 に乗りサポートしてくれる指導教官がいて、答 えに繋がる示唆を多面的に示してくれる現場の 先生方がいて、共に悩み共に笑い共に語り合う 仲間がいて、最終的に自分で答えを選択するこ とができる。といったところでしょうか。学ぶ 側から見て、こんなに恵まれた環境があるで しょうか。教職大学院とは、 「自分が求めた分 だけ吸収することができる」場です。常に問題 意識をもって2年間を過ごすことで、実際に教 員として現場に出た時、地に足をつけて動くこ とができるのだと思います。 また、他のキャンパスの先生方と学びを共に することができるのも教職大学院だからこそで はないかと思います。広い北海道において、そ れぞれの地域の特色や学校の実践を知ることは 簡単ではありません。 ところが教職大学院では、 双方向遠隔授業システムを用いて広く実践を交 流し合える場がありました。その交流を通して 他キャンパスに友達ができ、より一層実り多い 学びの場となりました。 教職大学院で学ぶ姿勢を学び、 「もっと学び たい」 「もっと知りたい」という気持ちでこれ まで過ごしてくることができました。今後も、 現状に満足することなく理論を学んで実践を積 み重ね、日々目の前の子供たちの最善を追究し ていきたいと思います。. 234. 小玉 利佳(旭川市立永山小学校 教諭) . 旭川キャンパス2010年度修了生. 若さとひたむきさを頼りに10年が経ち、教育 実践について捉え直し、理論を整理したいとい う課題が浮かんできた頃、教職大学院が創設さ れ、私は1期生として入学した。改修後の真新 しい棟で全てが新しい匂いに包まれたなか、こ れから始まる新しい歴史の幕が開いたことへの 期待と緊張、わくわくした気持ちをもっていた ことが思い出される。 勤務しながらの大学院生活は、体力的には楽 ではなかったが、恵まれた環境がそこにはあっ た。年齢層も幅広くバラエティに富んだ同期生 の中で、自分の考えを率直に話し、還ってくる 言葉に気付きや勇気を得た。研究者の講義から は、新たな発見や知識の獲得に、学ぶ喜びを感 じた。壁に当たったときには、深い見識や経験 を備えた教授陣に相談し、解決の糸口を見つけ ることができた。対話を通し、日々行ってきた 実践を、 理論を通して捉えなおすことができた。 講義の中で「人は成功体験から学ぶ」という 言葉が印象に残っている。成功体験が人の学び を支えるとすれば、私の役割は子ども達に成功 体験を味わわせられるよう心掛けながら、子ど もたちの思いを肯定的に受け止めながら対話を 重ね、子どもの気付きを促すことであろうと考 え、 その後の授業や生徒指導に向き合ってきた。 修了してから、2度の出産を経て現場に復帰 し4年目となった。 子育てをしながらの仕事は、 喜ばしいことも数え切れないほどあるが、不測 の事態に見舞われ自分のペースで物事を進める 事ができずに歯がゆい思いをする事も多々あ る。それでなくとも教育的課題に問いを重ね、 答えが簡単には出ないことも多い。それでも、 希望をもちながら今いられるのは、教職大学院 で出会った方々と生徒指導のカンファレンス、 人生のカンファレンスができているおかげであ る。子どもたちの成長を第一に考える、自らが 学び続ける、そういう仲間と出会えた事が私に とって教職大学院での最大の財産である。その 財産が生かせるよう、しなやかに歩みを進めて いきたい。.
(20) 1期生としての思い出 石若 拓哉(北海道札幌厚別高等学校 教頭) . 札幌キャンパス2010年度修了生. 初めてのMOB執筆にも苦労しましたが、修 了後は学びの検証として担任を持たせてもら い、その後、教頭昇任試験も受験しました。 教員生活の終盤に、もう一度ポジティブに教. 私は、札幌稲雲高校での勤務が10年を経過し. 育に向き合うきっかけを与えてくださった教職. た年に、教育大に新設された教職大学院に入学. 大学院への深い感謝とともに、益々のご発展と. しました。それまで数回担任を持ちましたが、. 皆様のご活躍を祈念いたします。. 多様化する生徒に自分が教員生活で身につけて きたスキルが通用しなくなってきたことを実感 し、自信を少しなくした時期でした。 はじめの頃は、専用の研究棟が完成しておら ず、毎回違う教室で講義を受け、遠隔授業のシ ステムも不安定で、音声や映像が途切れてたび たび授業が中断するなどのトラブルもありまし た。私が文句を言うので、当時の教官の皆様は 大変だったと思いますし、年齢の近い現職教員 には、かなり気を遣って講義をされていたよう. 院生代表で学長から学位記を受け取る私 (この写真は家宝). にも思います(生意気な院生で、申しわけあり ませんでした!) 。 札幌校の1期生では現職の高校教員は私だけ でしたが、勤務を終えてから(時には猛吹雪の 中)通う毎回の講義や演習が楽しく、小・中学 校や特別支援学校の先生方の実践やストレート マスターの皆さんの発想が新鮮で、本当に驚き の連続でした。今も当時の資料や振り返りシー トが役立っております(メモノートには「この メンバーで小・中・高一貫の学校をつくった ら、かなりおもしろいことができそうだ・・・」 と書いてありました) 。また、奨学金の給付に も助けられました。ありがとうございます。 初期の講義の中で、私が発言した高校教育の 現状に対し、指導教官から「・・・それは、高校 の予備校化ですね」と言われ、 「・・・それなら大 学の入試を改革したらどうですか?教育大が先 陣を切って!」と反論したのが、苦い思い出と 大きな後悔となって残っております。 (重ねて、 申し訳ありません!) あれから10年経って、 やっ と高大接続改革が実現し、知識や暗記偏重の大 学入試が改善されることになりましたので、そ の時のやりとりも無駄ではなかったのかなと、. コラム ● 院生の講義の感想から 教職大学院での講義後、 特に現職の先生方から「わ かっているようでわかっていなかった語句の意味が 分かってすっきりした」とか「語句の意味をわかっ ていなかったことがわかった」といった声を聞くこ とが時々あります。 このような「わかっているようでわかっていな かった語句」の代表が「絶対評価」と「目標に準拠 した評価」です。学習指導要領における評価、つま り「目標に準拠した評価」は、 「相対評価」からの 移行期には「目標に準拠した評価(いわゆる絶対評 価) 」と表現されていましたが、現在では「目標に 準拠した評価」に統一されています。これは、当然 のことながら「目標に準拠した評価」と「絶対評価」 が異なるからなのですが、「目標に準拠した評価」 という表現が長くて言いにくいこともあり、現在で も「絶対評価」という語句を使ってしまうことが多 いようです。 「絶対評価」は「評価の物差しを個々の教師が独 自に決める」 といった意味を歴史的に含んでいます。 現在の教育課程における評価はもちろんそのような ものではなく、例えば、各教科や領域の学習指導要 領解説のねらいに即したものや、国立教育政策研究 所で示しているものがベースとなっています。 こういった語句の整理は細かければそれでよいと いうものでもないのですが、「知っているつもりの 自分に気付く」ことも院生のみなさんにとっては刺 激になっているようです。 森 健一郎(釧路担当). 自己満足しております。 235.
(21) 在籍院生の言葉 学び直しでリフレッシュ . 古市 聖佳(札幌校・M2・現職教員). 教職大学院での学び . 井戸川彰吾(札幌校・M1・ストレート). 「教職大学院に行っている。」と言うと、た. 私は学部を卒業してすぐ教壇に立つことに対. いていの人に驚かれます。その年で?何のため. して不安を感じていました。もっと教職につい. に?今から専修免許を取って何か良いことがあ るの? そんなときは「学ぶのって楽しいよ。 」と答 えることにしています。実際、年齢も校種もバ ラバラな『同期生』たちとの学びは、いつも新 しい気づきがありました。現場を経験したから こそ理解できることと知らないからこそ見える ものがあり、それらを交流することでお互いが 学んでいるのです。それがとても楽しいのだけ. て学んでから教員になる方が、自分のため、そ して未来の教え子のためになると思い、教職大 学院に入学しました。 教職大学院では小学校社会科を中心に学びを 進めています。以前は教材開発のみに目が向い ていたのですが、講義や俯瞰実習を通して、全 ての教科・活動に繋がる、子どもとの関わりが 大切だということに気付けたのが大きな学びで. ど、うまく伝えられないから、簡単に「新しい. す。今までの子どもとの関わり方は自分中心. 発見があるよ。」と付け加えて。. だったことを反省するとともに、僅かですが確. 教職大学院の魅力はもう1つあります。O先. 実に成長していると実感しています。. 生がおっしゃるところの『3K(勘と経験と根. その他にも院生や先生方との出会いが大きな. 性) 』で現場を長いこと突っ走ってきた私は、 自分の実践を筋道立てて説明するのが苦手でし た。また、古い知識を頼りに指導することに疑 問と限界を感じ、生徒たちや若手教員との感覚 のズレに悩んでもいました。 そこで出会ったのが、教職大学院の『理論と 実践の往還』です。講義の多くが現場のニーズ に応える実践的なもので、かつ最新の理論も学. 学びとなりました。ストレートマスターの皆は 同じく教員を志す者同士刺激し合える良き仲間 です。院生の先生方は講義内の討論や院生室で の何気ない会話などから様々な場面で様々なこ とを教えてくださります。教育方法から教員の 世界の裏事情まで、ストレートマスターの私に とっては未知の教育・教員の世界を身近に感じ. べます。自分のやってきたことに理論的な裏打. ることができる素敵な学びとなっています。そ. ちをしたり、そうか、あれはこういう意味だっ. して教職大学院の先生方からは本当に様々なこ. たのだと今更ながら納得したり。新しい知識を. とを学ばせていただいております。また、先生. 得たときには、実践に応用するアイディアがぽ. 方との距離が近いのが、この教職大学院の魅力. んっと浮かんだりもします。 いわば「学び直し」をしているのですが、そ れも楽しくて、学び直しの機会というよりも長 めのリフレッシュ休暇をもらったようです。か ちかちに固まった頭をほぐして再構築するとい う意味では、「リフレッシュ」ってぴったりの 言葉だと思うのですよね。 もっと多くの現職教員が自分の実践を振り返 り、新たな目標と元気を得る場所。これからの 教職大学院はそんな場所になってほしいと思っ ています。 236. の一つだと思います。先生とランチに行くとは 入学以前は想像もしていませんでした。 教職大学院は様々なことを学べる素敵な場で す。学部時代の不勉強を今になって後悔してい ますが、2年後の4月から自信を持って教壇に 立てるように残りの院生生活を真剣に過ごした いと思います。.
(22) 教職大学院での有意義な学びの中で . 平川 隆人(旭川校・M2・ストレート). 高等学校での学びを深めるために . 小池 圭太(旭川校・M1・現職教員). 私が教職大学院での学びと出会ったきっかけ. 私は数年前から教職大学院に興味があり、学. は、教職大学院のOBである先輩教師から大学. 校現場で積み上げてきた実践を理論として学び. 院紹介の話をいただいたことでした。教職を目. 直したいと考えていました。しかし、高等学校. 指していた私にとって、1・2年次における実. の教員として教職大学院で学ぶことに意味があ. 地研究実習や、現職の先生方と共に学ぶことの. るのか正直不安もありました。なぜなら、大学. できる講義、ゼミ活動などは貴重な経験になる. 院生には小・中学校の先生方が多く、高等学校. と思い、教職大学院での学びをスタートさせま. の教員は少ないからです。. した。. 今年の4月から大学院生としての生活がス. 教職大学院では、同じ教職を目指す仲間や現. タートし、結果として私が想像していた以上に. 職の先生方との討論を中心とした活動を通し. 有意義なものとなりました。教職大学院で、私. て、実践力を磨いています。通常の講義では、. は小学校や中学校でどのような教育実践がされ. グループで討議・発表をすることで積極的に学. ているのか深く知ることができました。また、. ぶことができます。ゼミ活動や自身の研究に向. そのつながりを知ることで、より高等学校で実. けては、大学院教授の先生方のご指導や、現職. 践しなくてはならない教育についても考える. の先生方から現場の生の意見をいただくこと. きっかけになりました。 「人格の完成」という. で、日々の学びを充実させています。その中で、. 教育の目的を考えると、校種の違いを超えて共. 自身に足りない部分の知識やスキルが課題とし. 通することも多く、その本質について考える機. て明確になるので、学部時代の学びからは得ら. 会になっています。私は生徒達に「学校生活は. れなかった、自身の見識の広がりと深まりを実. 小学校入学から始まる12年間である。だから高. 感しています。. 校3年間は12年間のまとめである」と常に話し. 学びの中で日々強く感じているのが、学校教. てきました。多くの先生や仲間、地域の方と学. 育に対する教師としての見方・考え方を学べた. んだ12年間であり、最後の仕上げとなる高校3. という点です。例えば、授業づくりと学級経営、. 年間です。つまり、高等学校は最後のバトンが. 生徒指導との関係性などは、その見方・考え方. 渡される学校です。高等学校で何を学び、どの. を学べたと実感していることの一つです。私自. ような可能性があるのか探究していきたいと考. 身の勉強不足もあるとは思いますが、学部時代. えています。仕事と大学院の両立は正直大変な. での知識に加えて、学校教育を教師の目線から. ことも多いですが、この2年間の学びをより深. どのように見ればよいのかということの、視点. めて、教員としての実践に役立てたいと思いま. を培うことがここではできると感じています。. す。また、大学院生となってからの勤務に関し. 今後は、この2年間の学びをここで終わらせ. ても大きな変化がありました。簡単に言えば、. るのではなく、教職大学院で培った見方・考え. 日々の授業や生徒指導がとても充実するように. 方を自身の実践に生かせるよう、努めていきた. なってきました。ただの実践だけでなく、教職. いと思います。. 大学院で学んでいる理論というバックボーンが そうしていると感じます。 まだ先は長いですが、 卒業までにより深く多くのことを学びたいと思 います。. 237.
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