{鱒§年欝摺
藪学訟集 第68巻第2号
︻翻 訳︼
閏 七 月︵一︶
大浪潜沙を綯う︒拒馬海には大浪は生じないが︑海の承はたえまな
くその金色の海底をあらいつづけている︒海底はむきだしになると隆
起して沙丘ができる︒まるで老婆の貧権な騰のうえをちょろちょろと
流れる貧弱な汗のように︑水は沙丘をよけながら︑溺の灘をゆるやか
にくねくねと麟解惨くねって流れてゆく︒
もしもセメントが発明されなかったら︑たぶんそれらの金色の紗綾
は永遠に海底に罎っていただろうし︑玉石たちとともに永遠に海の灘
に鰻っていたはずだ︒ところぶ︑蒼年以上も前に︑いまでもまだ先進
的な建築樗料とされているセメント潜︑ついに発瞬されたのだ︒その
後︑人々は慾の変てつもない沙の簸嬉を遷解するようになった︒都南
のビルディングは韓増しに高くなるにつれ︑沙粒を積載運送する率爾
も次第に奥へ奥へと入ってきた︒人々はまるで年老いた母の躯体を暖
いとるかのように︑そこを鍛い尽くしてしまうと︑またよそへ移って
攣く︒現在︑飲馬総のような傑出の小さな替でもにぎやかになってき
鉄 凝原作・池澤 實芳訳
た.掘馬溝の姿が見えない譲の胸こう綴にいても︑鉄シャベルとぞこ
ろのぶつかる音や︑人々の役畜を追うかけ声が臨こえるはずだ︑まる
で砂から金を浚うように︑溝の灘で綾らは簿をつっかい棒で遜寇し︑
妙趣を浚い︑それを二輪荷馬車に載せ︑五キロ余疹離れた纏縫駅に運
び︑台ばか穆にかけてから砂をおろす︒それから経建保と遜定の清算
をすませ︑次第に膨れてゆくポケットを舷参ながら︑空になった二輪
荷馬車を海の灘へとまた急ぎとって返す.
役畜がごろごろした石のある浅瀬をよろけながら駆け騒るため︑そ
の蹄はたえずす鯵織った︒打ったばか吟の蘇鉄が.いくらもたたない
のにもう角が︑薄くすり減ってしまい︑しまいには蹄からひび赫入っ
た︒御者は役密を荷台から離し︑飲馬鯵のあの亀累石竃背互の街遊
を綾けて︑付近の町﹇毯へ連れてゆき新しい蹄鉄に替えなくてはな
らない︒ 何年闘も︑この蹄鉄打ちの商売はずっと町の鍛冶屋潜一手に嶺き受
けていた.一九玉八年になって︑ようやく飲馬総生産大隣がこの商売
に霞を海けるようになった.
⁝
王38一一
塗遷七月ま絹 地繹
それはちょうど人々が共産主義に入ったと舞々に騒ぎたてていた時
代だった︒溶鉱癖が林立し︑公共食堂ぶ盛んにな警︑新灘にはこ畝
﹇約六・六七アール﹈獲た馨の穀物生産山麟が一万斤︹︸斤は○・五キ狂グラ
左を越えた篇と掲載された獲に︑いまはもう故人になっている飲馬
総の老支部書認が︑どういう懸の吹き騒しか時宜にもあわないこんな
みみっちい礎案を行なったのだ.ある時の人民公廷歓員全体大会がお
饑きになった後で︑破は立ちあ潜って書つた︒﹁みんなまんず帰るで
ねえ.まんだちょつくらささいな話があるだでよ︒一端の馬締が二発
準だ︒今β誰かが替えれば︑瞬韓はまた誰かが替えるべ︑そうなりゃ
各生産隊の駿入に影響かあるってもんだな︒おらはちょつくら愚案し
てみたんだ解な︒おらたちは蹄鉄量を聡いたほう淋割吟に合うんでね
えべがな︒こういう金をおらたち飲馬路にたまらせで︑唐がひまにな
ったら離業でもやることもできるつつうもんだ︒艇のほうについちゃ
あ︑つま鯵その人選だな⁝⁝まんだそのことは具俸的な§魑藩たって
ねえんだが.今嚢はおらたちもひとつ跳戦者を募ってみねえが︒んだ
が︑紅籏を贈るのも︑救送もなしにして︑誰かや穆てえ者がいだら︑
さっさと手を挙げでくろ︒手挙げでくれたら︑おらは拍手してやっか
らよ﹂ 老支部書認の謡が終わるや︑すぐさま黒い影がさっと壁を斜め上に
よぎった︒﹁いっちょう.おれがやってみるべ﹂その黒い影解言った.
みんなはその顔がはっきむ見えなかったが︑そのがんがん響く腹懸
声をはっき滲聞き取った︒その声の持ち主は七鱗の縫員の孟祥鍋だっ
た︒みんなは孟樺鍋の祥を省略して︑孟鍋と縛んでいた.孟鍋ぶ立ち
あがったとたんに︑なぜか︑支部書記はすぐに購意した.孟鍋の橿父
が生きてた時に鉄を打ったこと騨あるからかもしれないし︑幼い曖か 二ら懸児で︑手のつけられない蔑暴者のまま野綾麟に育ったからかもしれないし︑綾が生れつき体がでかくて頑丈なのとがんがん響く綱閥声の持ち主だったからかもしれない︒ましてや話しはじめる繭に︑二すじの織が浮かび罎る稜のあの額は︑鉄を連想させずにはおかないのだから︒要するに︑支部書認は郎塵に隔意したのだ︒ 次の騒の未瞬に︑孟鍋は食堂にゆき露分の取滲分である餅子二鰯を受け取るとすぐに町に鐵かけていった.彼は町のあの蹄鉄屋の戸霞に立ちはだか吟ながら︑しっかと踵をおろして二三靉靆って見ていて︑
コツを覚えてしまった︒材に帰る時に︑金床を背負い・ハンマー︑や
っとこを背負ってくると︑すぐさま稜は綾のごろ蕎の小屋で︑火をお
こした.ふいごを吹いて火をおこすと︑火は屑鉄を舐めていた︒五爵
もたたないうちに.孟鍋は本業に最初の蹄鉄を作鯵饑した.稜はわざ
わざ各生産鎌形仕事に縢る集合蒔閥に合わせて︑畿来たての締鉄を手
に持ち︑生産大縁に肉かって朗報を報告しにいった︒稜は鋳鉄を瞬き
ながら︑すでに定番となっていた流行の書葉を大声で曝んだ︒人に虚
会うとこう瞬んだ.霊ハ産主義が新しい花を咲かせた.おれも衛星を ぶ一つ打ちあげた︒俸り鑛したぞ︑俸管思したぞ!﹂仕事に鐵てゆく人
々は.孟鍋が持っていた徳星を受け取ると︑さわった鯵︑最定めした
参した︒孟鍋の赤銅のような裸の背中を握りこぶしで瞬きながら罵っ
た人擦いる︒﹁くそったれめ︒おめえはえれえ野駆だ!県へ報告しに
行きてえんだぺ?﹂孟鍋は人々の最定めや小突きなど気にせず︑露分
のその鑓来たてのダーク・ブルーの宝勃を返してもらうために︑瞬び
なぶら晶麟の・万へ進んでいった.
孟鍋ぶなぜ露分から進んで締鉄打ちに名乗管をあげたのかについて︑
飲馬総には多くの見解炉あった︒ある人はこう書つた︒孟鍋は肩脱ぎ
一i37一
第68巻第2号・
集
論 学
臨 をして一馨トンテンカントンやっているのに︑普通の︸大分の労鱗力を記録するだけだし︑食堂からは半分の餅子さえも余計にもらってないのだから︑仕事そのもの摂よほどもうかるにち著いない︑と.またある人はこう覆った.披には幼い獲から躾けをする者がいなかったから︑うるさい親方のいない仕事をしたがったんだろう︑と.馬のけつを撫でるのだって︑こちらの嬉き勝手になるやわな女の魏を無でるようなわけにはいかないんだから︑﹁ならず者にの気性潜なければ︑鉄を蹄鉄に打つのはもちろんのこと︑騒鉄を馬の蹄に打ちつけることなどできないだろう︑と.しかし︑これらの推灘は陰でこそこそ撚評しているにすぎず︑面と晦かって孟鍋に尋ねる者はほとんどいなかった.たとえ尋ねたにしても︑﹁衛星を打ちあげるためだべ.イギ夢スに追いつくためだべ.︑ヤンキー野郎をぎゃふんといわせてやるためだべ⁝⁝ソビエトは大型機行船を馨り.チンを載せて空に飛びあがってったろう︑おれもこういう立場なんだ篇と︑孟鍋のほうはと管とめもないことを害うにすぎない︒だから︑人々はもはや露分から白けるような
ことをするのをやめてしまった︒
孟鍋の蹄鉄崖は︑空には蕪びあがらなかったものの︑しかし飲馬総
ではやは吟本当に穣をおろした︒
その後︑時は過ぎて︑蹄鉄屋の藤布鰯の開題も大隊から小銃へ︑小
㎜豚ゥ語り大隊へと鰐余麟新があった.孟無期はやは脇りひたす・リド︶つかと鱒罎
を擬えて鉄を打ち︑鋳鉄をつけた︒ある人が彼に︑鍛冶屋はいま誰の
ものかと聡いた︒すると孟鍋はじろっと撫躍をむいて書つた︒﹁誰の
ものかだって?鮭会主義のものだべ⁝⁝毛主席のものだべ︒﹂綾は入
ってきた鞍入を綾蒼いま渡すべき人に渡すだけであ屡︑その後.彼が
隷属している小縁から露分の食糧を受け取吟︑台艶溝のすべての縫員 と麟しく︑ 餅子やお粥を食べた︒ 時間がたって︑人々はもはや孟鍋潜蹄鉄をやる動機に関心をもたなくなり︑彼の鍵事するこの共産主義事業の︼部分を為す蹄鉄屋をもほとんど忘れてしまっていた︒今酵⁝二十量紀の八十年代一までず
っと︑この躊鉄屋の療育鰯が再び変化した後︑孟鍋はハハハハと大笑
いして︑長年穂医してきた本峯のことをとうとう告白した︒﹁あの頃
は︑調子のいい議だけを言っていれば擾をするはずがなかったべ︒上
級が演義をし︑鞍告をすれば︑下級ぷ生産競争に応戦した辱︑縫の職
燥㎜へ磁贋産馨標達︒販敏競争をし・よ・り︾︸跳戦㎝状を送った移したもんさ︑みん
ながみんな燧人的な考えをもっていた︒おれが侮を獲っていたかって?
一嚢中︑スト⁝ブを囲んでまるで焼き島のようにしていた︒気ままな
のを獲っていたんだべや︒会議にも難ず︑敵を負かすために死騰を演
じることもせず︑ダムも改修せず︑民工にもならず︑幹部にお縄を覆
蔵もせずさ︒あんたは見援けなかったのかい?間数けなこった.﹂
孟鍋の心を誰も知らなかったわけではない︒披の心を熟蕃していた
者とは︑破によって懐重に選ばれたただ一人の助手兼炊事係︑つま蓼
彼の実の叔父﹇父の実豊の孟凡獲である︒人々は孟凡を省略して︑後
のことを老鷹と辱んでいた.彼は孟鍋の露叔葱番蔭の叔名である︒
孟鍋よ滲も二歳年下だった︒蹄鉄屋を唐瞬きした時に︑孟鑛捻二十歳︑
老驥は十八歳だった︒二十三年後の今馨︑盈鍋は囲十三で︑老瞬は醗
十一になっていた︒孟鍋と老麟は︑一つの金床でハンマーを振り織し︑
⁝つの鍋で杓子を振るい︑オンドルに敷いた⁝枚のアンペラの上で寝
るなど︑平素から愚がぴつた陰金っていて︑どんなことでも以心転心
で︑ここ数年は珍しいほどの睦まじさを保っていた.海人かの青年た
ち麟老露に︑鍛冶屋の鞍入は︑叔父と甥でいまどんなふうに醍分して
三
一董36一一一
罫閏七角〔i)
池澤
いるのかを饑いたところ︑老懸の痩せて長い白い顔はたちどころに笑
顔を見せて︐謬った︒﹁心醒しすぎると︑白髪が生えちまうぞ.家へ
帰って︑父ちゃんに饑いたらわかるべ﹂この返事は︑彼ら叔父甥の器
係のよさに鰐する老露のひけらかしであむ︑お簸介音たちへの講繭で
あると︑人々は舞隣した︒たしかに︑この釘敏きやっとこ驚令とふい
ご吹き助手の醒分の原欝を︑知っている者はいなかった.三韓七の箆
率と言う者も︑囲穀六の艶率だと奮う者もいたが︑確証をつかんでは
いなかった︒
二十三年がすぎて︑小屋の外のめまぐるしい変化は予灘がつかなか
った︒飲馬総の街道や家屋はたえず改築されていた.だが盈鍋の蹄鉄
屋は毅然として︑ごろ石の二部屋の小鬟のままだった︒戸籍綴の部星
は︑かまど一つにオンドル⁝つ︑奥の部屋は︑ストーブ一つ︑ふいご
が一つ︒水がめ︑穀粉をいれるかめ﹇面簸輔︑オンドルのアンペラ︑鍋︑
醜︑ハンマー︑やっとこ︑金床︑スコップを︑孟鍋はもちろん持って
いる︒その飽については︑いい趨減である︒いい糠減とはつま瞬奉物
ではないのである︒たとえば︑錆びた鉄板を燥瓦で支えてテ⁝ブル代
わ滲にしているし︑テーブルの磨りのいくつかの木の燐箏株解腰掛け
の代絹品といった具合である.さらに葎醸は︑まったく薦鐡などと辱
べる代勃ではない︒そ轟はオンドルのアンペラの上に丸められていた
綿の露ま誓だった︒その綿の羅ま鞍はまるで出津波に押し流されてむ
きだしにされた木の根や枯草のようでもあ参︑また平地から隆起した
多くの丘綾のようでもあった︒寝る時に︑叔父と甥二人は︑この丘陵
地帯にそれぞれが各難の身鉢を納められる醗拓難を押し広げれば︑そ
れでいいのだ.
二
羅
春︑都南の人々がまだ厚いセーターを着るか薄いセーターを着るか
迷っている時に︑孟鍋は早くも雛脱ぎになっていた︒歓︑綾はボタン
とボタンの耳が不完全な綿入れ上着を褻接駿につけて着るのだが︑二
枚の大襟﹇離右あわせのおく豊を重ねて縄で縛って︑来年の奏先までそ
のようにしている︒
老懸の風柔は孟鍋とは違う︒夏︑彼はいつでも霞の荒い綿葎の麟ボ
タン式の白い雛蒼二枚で︑承タンはしっか彗かけている︒冬なら︑裏
っ黒な黒蒋の綿入れで︑長い徳カバーをはめている.間近で綾の職場
を見なければ﹁きっと破を生産小隊の会計課か︑あるいは肉体労鱒を
しない倉庫の管理人かと思っただろう.綾がいったいどんな方法で︑
この部屋であんなに綺麗な風采を保っているのか︑誰も見当がつかな
かった. 孟鍋と老獲は毎舞舞の患繭に遅きて火をおこす︒まだ太購が海原を
窯らしていないのに︑稜らはもう飯魏を手にしている.飯醜を下に置
くと︑店は藤売をはじめる︒夜攻来ると︑綾らはまたいつしょにあの
﹁丘陵地帯﹂に倒れこむ︒
まことに.人は︑類の前では過ぎゆく年月を覚えていないものだ︒
もしも予慧外な患来事に患会わなければ︑叔父甥二人はきっと白髪
になるまで紳睦まじかったろう︒ところが︐不幸な鐵来事が起こった.
六年麟のこと︑ある荷車引きの古くからの友人がある著い嬢を連れて
きた︒ その馨︑老懸は町へ出かけていた.孟鍋は一人で躊にいた︒老人は
手に持った鞭を戸のかまちに立てかけると︑孟鍋の背中に晦かって︑
一i3§一
第§8巻第2号 集
学 講
轟 ﹁そろそろ休むべえ繍と震った︒
孟鍋はハンマーを攫いて振参返ると︑最初に馨に入ったのが老人の
背後のうら若い嬢だった.綾女はカナキンの古いシャツを着ていた.
手にはぺちゃんこの小さな懸墨敷をさげていた︒綾女は老人の後ろに
立ち︑穴のあくほど建の馨を見つめていた︒老人は猿女の競をぐいと
一ひ
ツぱ管︑縛女を家の率へ入あ晒︑一蓋つた︒﹁海の晦こ・りの者だ.運が
惑うてのう.わしがこれを︑あんたらの勝に連れてきたんだが︒あん
たらなら養えるごどを︑わしは知つとるでの︒一人の生命を救うのは
七重の塔を建てる功徳にも勝るだ.あ参やあ.違ったかのう︒人助け
は楽しみっつうぺ.﹂
古い友人が議している時︑﹁あんたら恥という霞葉をひどく曖昧に
護ったので︑﹁あんたら﹂なのか.それとも﹁あんた輪なのかよく聞
き取れなかった.たぶん鍍にとったら︑﹁あんた鳳か﹁あんたら﹂か
は大して重要なことではなかったようだ.かりにその時︑店にいたの
が老懸だとしても︑披はきっと隅じことをしゃべっただろう︒しかし︑
いま部渥にすわっているのは孟鍋だった︒孟鍋は衰分の考えにそって︑
﹁あんたら繍を﹁あんた﹂に藩賂位した︒このことは金の配分とは違
う︑醗叔鱒帰ってくる離に︑やは警まずそれをはっき参させておいた
ほうが良い︑と後は思った︒
その年︑孟鍋は三十八︑彼女は数え十九だった︒
孟鍋から食事をご騒走してもらって老人が荷車に乗って繊発すると︑
約束逓鯵綾女は篠に留まった.
馨暮れがたに帰ってきた老懸が︑まだ瞬か箏の下に誰がすわってい
るのかわからないうちに︑孟鍋は綾を奥の部渥に響んだ︒綾は霞を老
囲の耳元に近づけて︑震った.︑﹁あれは︑あの年寄りがおれに遷れて きてくれたんだ︒おれらで養ってやるべ︒なあ?﹂ 孟鍋もその時に﹁おれ﹂という言葉をひどく曖昧に書つた︒しかし︑老懸はやはり実に麗確に破の考えを了解した︒霰は声繕灘の部屋へさ
っと顔を向けてみたが︑急に寒気をもよおしてきたので︑すぐに顔を
発に戻した.しかし︑夕飯の時には︑さすがに老露は︑孟鍋が猿女に
お粥をよそってやった撃︑餅子を取ってやるようにそれとなくほのめ
かした. その後︑叔父甥はこの女をめぐって侮の争いも起こさなかった︒し
かしながら︑彼らの閣係には克服しがたい無今ゆさ嬢現われていた.馨
中はいつものように︑韓によって火をおこし︑飯を敏き︑鉄を打ち︑
蹄鉄をつけた.彼らは︑ハンマーの一蕎ち一拝ちの夢ズミカルな打撃
音によ彗︑生落上のアクシデントを忘れさせることができた︒夜にな
ると︑えも害われぬ緊張が後らを包んだ.老鰻は飯醜を置くと︑急い
でオンドルから露分のシャツを見つけ︑﹁あんたらも寝たらよかんべ﹂
とぎごちなく害うと︑家の外の暗やみの中へ出ていった︒盈鑛は簸醜
を麗くと︑欝にかけていたぬめぬめしたタオルを瞬きおろし︑それで
手を擦りながら︑懸叔の背中に癖かって︑﹁まだ早いべ﹂と書つた︒
こういう曖昧なひきとめは︑老懸をいっそうやりきれない気持ちにさ
せた︒その後︑やがて披はもう綾らにあいさつもせずに︑シャツを見
つけると︑それを手にして黙って鐵ていくようになった︒
よそ者が村に来たので︑当然ひとしきり村あげて活気づいた.︑飲馬
鯵の者が孟鍋の家にいる若い女を重観したのは︑実に至擬当然のこと
だった.この女の広い額は人重みはずれた高い鼻梁に連な琴︑澄みき
った§が鼻梁の爾綴にはめこまれていた︑彼女は背丈は中背だった︒
もし胸を張ったなら︑その騰はきっと丈夫で美しかったろう︒しかし︑
五
玉34
F閏七薄 i!
地澤
彼女は騰を張ることを知らなかった︒歩く時にはいつでも上半身か麟
に繧いていたので︑はたから見ると︑背が低くかつ弱々しく見えた︒
村中の男も女も︑動乱の軟態の中で推量した鯵噂した鬱していた︒
おそらく後女は一年もせずに孟鍋と懸れるだろうという考もいた︒彼
女が患てゆくことはあるまい︑孟鍋は幸運か約束されたし︑孟鍋の家
も立諏になるだろうという者もいた︒二人をめぐって賭けをする鞠嬉
きも鐵るほどだった︒だが︑破らの張った賭け金は︑誰も手にした者
はいなかった︒一年︑二年︑三年−⁝と︑年はすぎていった潜︑彼女
は権変わらず飲馬総に往んでいたし︑孟鍋のごろた署の小屋は根変わ
らずごろた属のままだったからである︒オンドルにはやは辱あの膜様
のはっきりしない窯褐色のアンペラがあ参︑壁に沿ったそれらの﹁丘
陵幅は根変わらず丘陵になっていたし︑孟鍋はやはむ騒脱ぎだった︒
惟一変ったのは綾女轟身だった︒ここに来た時のあのお古のカナキン
のズ潔ンと上養は︑いまはつぎ潜当てられていた.つぎは一年ごとに
培えていき︑夏はさまざまな形や色のつぎで身体を包み︑冬はつぎの
当てられたその身体の外に︑欝の荒い綿奮の綿入れで包んだ︒人々は
後女の糠末な服装を見て︑後女のことをますます漣馨し︑磁の的にし
た︒まるで飲馬絡の緑の渓谷に伝わるいくつかの不思議で︑不可解な
勅語を語るかのように︑破女のことを樺しあった︒
かつては孟鍋の蹄鉄屋にはめったに人が遊びに来るようなことはな
かった.しかし︑いま︑孟鍋の小屋へ足を踏み入れる者がだんだん多
くなってきた︒綾らは猫の額ほどの場翫を選んで立ち︑孟鍋叔父甥が
矩の前で︑いろいろな動きによ管各種の廃樗を馬の蹄鉄に作務あげて
ゆく様を眺めながら︑塵捧を経んでいるかのような若い女を盗み見た︒
ある者たちは彼女の脹のほころびに注意を集めていた.彼らはそれら のほころびから連想される興奮を享受していた︒
三
↓ノ、
彼女の名前は︑七月といった.孟鍋の霞から伝えられてわかったの
だ︒しかし︑誰も綾女の名前を縛んだことはなかった︒なぜなら後女
は会議にもでないし︑人の家へ遊びに行くこともなかったし︑さらに
は侮かを惜陰に人薦に鐵ることもなかったので︑彼女の名前はいまで
は破女にとって退去の歴史にすぎなくなっていた︒炊事の時に︑稜女
はうつむいてかまどの串に薪をくべながらお湯を沸かし︑それから農
村の鍛冶屋の食事の要求に従って︑お薦になみなみいっぱいにしたト
ウモ實コシや粟を人数分だけ鍋に入れ︑錨の中の黄色い﹁マグマ﹂を
任意にたぎらせることを知っているだけだ.この時︑彼女は膝を麟げ︑
雨手を頬にあてがいな摂ら︑かまどの中の炎をぼんや移と見つめてい
た︒時には織女は奥の部屋の麟方にはねる火花に見いった.火花が金
味からはねて︑壁や地面や人の身体にふ警かかる篠を見た.それらの
火花が露叔の襲いシャツさえ通してしまうのに︑なぜ盈鍋の胸を焼き
焦がさないのかと.彼女は不思議に思った.彼女は嚢分の存在を忘れ
てしまったかのように︑じっと見いっていた︒孟鍋嚇奥の躯崖から彼
女に鍋を焦がすなと瞬んだので︑後女はようやくシャベルをひっつか
み火を押さえ潰し︑立ちあぶって︑蓋簾﹇纏いコー登ヤン殻などを纒んで
舞った欝影の道具.多くかめ︑鉢︑鍋などの蓋や︑食べ輪を羅くコースターとして
緩いゑで鍋に蓋をして︑そして露方に散らばっていた飯確を集め揃え
で\食事の準備をした.
玉33一
第鑓巻筆2畢
集
講
学
姦 その時︑孟鍋と老瞳も手を休め︑戸縫灘の鶴屋にやってきた.七月は櫻倒に往って︑まず出盛瞬に盛った醜を老騰に渡した︒それから霞盛りの醜を孟鍋に渡した.彼女嚢身の分は最後になった.しかし︑彼女の醜は披らのものよりかな蓼量が少なかった︒お粥を盛吟終えると︑彼女は腰を屈めて素焼きの壷の中から天綴の漬勃を取移饑し︑それを三甥れに切ると︑三人の食事が各露ばらばらにはじまる. これか鍛冶職人の軽食と夕食である︒ 昼食は轡外である︑鍛冶屋は︑力仕事をしなくてはならないし︑孟鍋の生活水準はこ託までずっと村一番だったのである︒七舞溺来てからは︑どうも孟鍋は︑村の人とは瞬らかに違うのだと騨つた︑蔭分の経済的基盤の優位を誇示しようとしているふうに見えた︒束になった油条﹇湯げパ乙や︑ボウルいっぱいの豆腐を︑孟鍋はしょっちゅう購から買ってきた︒披はこれらの勅を手の平に載せながら︑いつの蒔代のものかもどんなメ冒デイかもわからない流行激を陰惨ながら︑わざといくつかの露地を遠穰参して家へ帰ってくる︒
葱の千鬱鬱 生姜の千燐辱
それから牛肉の千切吟
ゴマ濾をさっと饒に︼振りす参やあ
どんなものでもうまい陳⁝⁝
どんなものでもうまい陳⁝
行商人も叢鍋を大窮な顧客と見なしていた︒魚介類売戦やゴマ濾売
り︑犬やロバの肉を売り歩く者は︑丈の懸い禦に沿ってたえず辱ぱわ
った︒破らは︑孟鍋が握っている火挟みを下に置き駆け鐙してきて見 にきてくれるのを腰って恥た︒孟鍋は大殿で逓づいてくると︑威厳をみせて彼らの§の繭に立つ.懐から高額紙幣をひつぱ吟罎しては︑役らに小銭のつ警銭をもらいつつ︑念を入れて品物の重さを確かめる︒盈鍋が手を休める暇がない時には︑彼は窓越しに通参に大声で瞬ぶ︒
﹁くそったれ︑まだ呼ばわってやがるな︒懐の紙繋も︑あんたらに持
っていかれちまうべなあ⁝㎏行商人は辱ばわるのをやめる︒綾らはそ
れ解孟鍋の買勃宣言だと知っていたからだ︒その時︑丈の低い霧から
飛び戯してくるのは︑大方は七焉だった︒七月が商売人の前に立てば︑
自分から選ぶ必要はなく︑綾らがとくにそれらの上等の肉や生きのい
い魚を二賠の量にして彼女のボウルの中に入れてくれた︒
食事の時に︑いつも孟鍋は老露ぶぼんや参しているすきに︑大きな
羅ま穆のロバ肉や︐大きな露まりの豆腐を︑癖の色も変えずさ鯵気な
く箸で七擁の醜の中に入れてやる.そういう時︑感激と恐れとが瞬時
に七肩の心の中から沸き趨こった︒破女は綾の勃惜しみしないその気
前のよすぎる鐸つきと︑こちらへ紳びてくるあの震えている彼の手が
恐がった︒
鞍女の恐れはそれだけではなかった.この小屋に来たばかりの時︑
綾女は披のあの鰯肉隆々とした騰や︑額のあのいつも追いかけあって
いる二鰯の綴や︑ぶんがん響くわれ鐘のような綱開声さえも恐がった
のだ.夜︑彼女と綾があの黒褐色のアンペラに寝る時︑綾女はいつも
震えながらオンドルの購へ進げる︒孟鍋は仲良くなろうとして猿女の
ほうへ近づいてゆくが︑彼女はやはり﹁丘陵﹂を飛び越えて内こうへ
遜げようとする.蓋鍋のあの韓のある︑焼き焦がしそうなごつい請手
がついに綾女にぴつたむくっついた時︑彼女はすばやく身体を丸く纏
めた︑その時︑孟鍋は手をひっこめて︑遠くのほうで乱れた患をして
七
一i32
「縫老恥鎖
縫痒
いる後女の呼畷を騰きながら︑言った.﹁人の農はくそったれの底無
しの穴のようなものだ.懐に余裕がなかったらば︑誰潜女なんか置い
てやるべえか︒﹂
たぶんこれは稜が媛女に蝿する警告の露葉であ警︑彼の稜女に録す
る慰めの震葉なのだろう.警告であれ︑慰めであれ︑どちらにしても︑
鍛冶職人のオンドルに寝ていれば︑それが鍛冶職人の女なのだと︑破
女は気づいた︒彼女は遠くのほうで一人考えた︒まさにこの縫のため
に︑彼女は裸でこの恐締の暗やみに縮こまっているのではあるまいか︑
と︒彼女は手で顔を覆い︑長い長いため愚を一つついた︒
﹁おまえの断で二面の紅﹂﹇﹈片盤の騒ぎがあって︑故郷を離れ
た者も珍しくねえってことを︑おれは知ってるぞ︒それでも繊のこっ
ち灘はまだましだったがのう︒﹂しばらくして︑孟鍋は真っ暗な天井
を見ながら誓った︒
なんと稜もコ麟の紅繍のことを知っていたのだ︒と︑七月は思った︒
二藤の紅﹂は︑数年前の各級の赤色致権の建立を思い鐵させる.
しかし孟鍋が癒しているのはそういうことではなく︑懸の意瞭解含ま
れている.それは出の胸こう灘の票のある播導者の獲麟的な考え方に
もとづくものだった︒政絵構勢の発展に合わせるために︑夏︑綾は農
民に辺り︸面に植えていた伝統俘勃の小麦やトウモ冒コシを輝撃取ら
せると︑そこに今度は赤い色一色の俘勅⁝ーコウジャンー⁝を栽培さ
せた︒そのため︑この察では果たして﹁一面の紅㎏で有名になった︒
県委員会は上級から鋸の旗を購った.その獲麟的な考えを饑した振導
者も︑その功績によ参さらに広い灘積で二面の紅㎏を実行するため
に︑地区へ栄転となった.
孟鍋が二面の紅繍を護題にしたので.七層はいよいよこの人に話 八しをしなければならないと思った.妓女は破に記そうと思った︒それらの癒い作勃は叡穫された後︑食糧として縫員には配分されずに︑脱穀場から直接よその土地の酒造工場へ送られてし叢った.︑年老いて病気がちな母と二人家厳の七鐸の家は︑一年分でわずかに囲十斥﹇一斤は五醤グラムの赤い色の生命をつなぐ食糧の醍分を受けただけだった︒しかし︑生命をつなぐ食糧もこれっぼっちでは人の生命をつなぎとめておくことはできなかった︒母はこの赤色の絵素を食べすぎて腸結核にかかり︑死んでしまった.七月は涙が渇れるまで泣いた︒あの御者多多彼女の遠縁の鶴父多多は︑いろいろ考えた末に孟鍋のごろ石の小屋を思いだしたのである︒ ﹁人があまねく天下を暴って歩くのも︑露分の舞を潤すためにすぎない繍と︑縮父も露っていたではないか︒その時︑彼女は荷車の上に乗っていて︑返事をしなかったが︑溢意深く伯父の書葉を吟味していた︒露分の農を潤すためにとは︑なんと単純な遅罷ではないか. 七層の呼畷はようやく平均になってきた.彼女は根変わらず彼を恐れたが︑結縁は鍛冶屋が彼女を慰めてくれているのだからとも考えた︒孟鍋は彼女のその丸く縮んだ身鉢蒼徐々に広がってゆくように感じた.それで稜はまた稜女のほうへ手をのばした︒ 彼女はもう霰を避けなかった⁝⁝
囲
車水馬縫軍馬の往来の盛んな墜という書葉で︑
を形容するなら︑それはすこし言い遍ぎだろう︐ 逝去の飲馬鯵の河原飲馬蜷が実蝶に喜び
一捻茎
第68巻第2・髭参
集講
学
藏 に沸き返るほどのにぎわいをみせているのは︑ここ数年菜のことである.緑なす渓谷に捲かれた海原に︑二頭馬車が彩箏を添え︑多くの︼頭馬車が彩箏を添えた.飲馬鯵の還参には互いに見知った顔が往棄していたし︑見知らぬ顔も覆われていた.福舞駅で荷物をおろすのを待つ馬車は︑いつでも長蛇の爽をつくってお琴︑御者は鑛ただしくキセルを暖いながら︑離方で看貫にかけている清濁を探っていた.荷車に乗って︑荷勃の積みおろしを專絹の仕事にしている嬬人たちは︑そんなことには縫心癖ない.鞍女たちは畷を盗んでは駅の外に駆けてゆき︑道端で来摩の怪しい︑纏段の淡ま蓼のない衣料や績の靴下やナイPンのスカーフを買ってきては︑無害でポケットに押しこみ︑また飲馬麟の遜鞍を遷る時に︑ようやくわざとそれらを高く掲げて︑駅に舞ったことのない嬉人たちの羨ましそうな眼差しを向けさせる︒ ㎜人で積荷の積みおろしをする御者もいる.彼らはほとんどがよその土地から来た看たちだ︒生産騒ぶ役蓋や荷車を鞍らに安く売った後で稜らは︑待ちきれない思いでどこかに富に遜じる道がないかと︑あ
ちこち酬いて囲った︒
﹁推薦溺へ行きな︒㎜立方メートルの砂が二叉八角で︑一馨一立方
メートル積むとして︑一襲二繕で玉充六角だぞ幅大胆な看たちは本気
になった︒彼らは普ゴールドラッシュを夢見て国外に患た人々と瞬じ
ように︑露分の役畜を荷車につけ︑荷勃と携帯罵食料を持ち︑どうや
っても通れない田道を迂興して︑本当に飲馬総にやってきた︒嚢中︑
覆らは当地の人たちの隊粥に混ざって砂をふるいにかけ︑荷車に積ん
だ吟おろした参した︒夜は村の鐵入緯の脱穀罵の空地で︑火を燃やし︑
お弼を搾った撃︑欝酵を焼いたりした︒
よその土地から棄たこの運送業者たちの来訪は︑孟鍋の鍛冶屋を一 段と繁盛させた︒孟鍋はまるでわざと⁝段とにぎやかさを求めるかのように︑戸βの灘の土霧の畢分に石灰を塗ってから︑人を頼んで︑
﹁鋳掌﹂﹇鰺鉄打ち﹈や﹁修桶﹂﹇桶の修理︸という文字を大きく書いても
らった.孟鍋は︑水難が高くなればそれにともなって船も高くなるよ
うに︑おれたちもそれに痩乗しなくてはならないし︑この露文字はお
れたちのこの二間の小量の風水を代表してくれるだろうと考えた︒
実燦︑鋳鉄蕎ちのほうは本勃だが︑桶の修遜については︑孟鑛は﹈
二織ほど猛事を引き受けてみたことはあるが︑それらのお客が修理不
備の水漏れする水桶をさげて戻って来た時には︑彼は嘘とも本当とも
つかレないしよ・り掌なこしζを雪目つた. ﹁材料軽爆んかねあんぺや一・馨には鉄︸敬が
うんとこさあるだが︑みんな飛行機になつちまったべや︒﹂その後︑
孟鍋に桶の修遅を頼みに来る者は次第に減っていき︑壁の﹁修桶篇の
文字は単なる﹁釘掌﹂の添え勃にすぎなくなった︒
御者たちは︑塀の外で荷華を停め︑役畜を荷車から解き.蹄鉄屋に
陶かって瞬ぶ.﹁縫長.時麗あるべ損なあ?㎏
﹁ある︑ある!隔孟鍋は家の申から急いで返事をする︒つづいて︑
甥︑叔父二人が前後になって逢えに鐵てくる.
炉の麟では︑従来よ蓼孟鍋がやっとこを握箏︑老懸がふいごを吹き
ハンマーを振り翻してきた︒蹄鉄を打つ時にも︑健来よ警老鱗がシャ
ベルでとんとんと鴎をならして︑蓋鍋が蹄鉄を打ってきた.孟鍋叔父
甥は戸霞まで鐵逓えると︑見知らぬ客の顔に肉かって時躾の挨拶もし
ないで︑すぐに仕事をはじめる︒老露は手をのばして︑ひとしき静ま
ず投壷の腹を撫でてやり︑役畜を落ち蒼かせる︒それから︑尻から下
のほうへ撫でていき︑すばやく後の鐘をつかみあげる︒その時︑すで
に孟鍋はちょうどいい高さの腰掛けを足で鐵って役蔭の蹄の下に移動
九
一玉講一
r閣七丹1/麟 漣澤
させ︑さらにシャベルを老露に渡してやる︒老露は鵠の下でシャベル
を挟み︑とんとんと二三屡蹄をシャベルで平らにならすと︑すばやく
脇に離れる︒つづいて︑孟鍋が圧軸戯﹇最後から二番蔭の酷し勃.メインの
芝暴.最後の鐵し輪を長軸碁という﹈を演じる俳優よろしく︑さっと躍
鯵鐵て︑役畜の蹄鉄を持ちあげて︑馬蹄を蹄に平らにすえ︑そして縫
に銜えていた囲本の釘を瀬々に取鯵鐵し︑斜めに締鉄に打ちつけた︒
金鎚で瞬きはじめると︑鋳の頭をたたきながら︑左手に握っていた腿
角い鉄をたたく.その持ちつけているその金槌の音は実にいい音摂す
る︒孟鍋の心持ち幸いい時には︑さまざまな婆ズムで育ちつ酵た鞍す
る︒その夢ズムは飲馬路の上空を越えて︑海原に伝わり︑海原にいる
人々や役畜に大きな興奮をもたらした︒
喜繊という名の青年は︑露分の黒いラバを見て︑役畜に蹄鉄をつけ
てやらなくてはならないと考えた︒彼は蕎牽に乗って孟鍋の蹄鉄崖の
禦の外までやってきて︑車を停め︑役蜜を車から燐管離すと︑縫長と
は響ばずに︑丁寧に﹁幾方﹂と瞬んだ.
喜虚もよそ者である︒今年の春に飲馬路に来たばか滲だった.
喜毒は今年二十五歳で︑正燈の高校卒業生だった︒はじめ霞然科学
系大学の受験を志望していた摂︑その後︑生活体験をするために女流
律家解綬の家に窪むようになむ︑綾は綾女から文学上の多くのことが
らに絞れることになった︒そのため後は考えを改め︑文科系の大学に
鞍替えした︒稜は施麟庵︑魯迅︑孫摯︑李准を読んだことがあるし︑
外醗のバルザック︑モーパッサンなら知っていた.稜は﹁ジャガイモ
濠繍と﹁詩花淀派﹂とがどういうものかを知っていたし︑しかも露分
の見解を発表していた.後の考えによれば︑そもそも荷花淀派はまだ
形成されていないし︑今後とも形成される可籠牲はないのではないか 一〇ということだった︑最逝では︑綾はクプジ!Zの本を買いたいと悪っている︒残念ながら祭の本麗の店員は︑その本を纏樹造躰麗係の本だと考えたためか︑そういう本は非躰業区壕のここでは入荷しないよ︑と鍍に告げた. 綾は文学に薄してこのように強い興瞭を持っていたが︑二年続けて文科系大学の受験に失敗した︒二懇の受験とも鋳点かの差で︑ついに破は文科系の大学生になることはできなかった.その後︑彼は生産大隊で緩書室を翻設して︑欝分の頭の中の空白を埋めた静︑文髭を社員に広めたいと考えた.大鎌は緩の誕瞬に瞬意した.そして本当に予算がお鯵て本を買うことができた︒ところが本は買ったが︑それを置く揚勝がなかった︑騒書室は長い講麟設できずにのびのびになっていた︒そこで綾は︑破が所属している共青露の纏織を利聡してみることに思いいた吟︑懸の支部書記を訪ね露分の考えを議そうとした︒ 喜鑛は墾ンゴ耀で支部書記を探し当てた.支部書配は三十数歳のひねた昔年で︑その時ちょうど沫の高い握ったて小屋の中にすわ穆夢ンゴを見張っていた︒喜出はあらかじめ練っていた遜参に︑青年の連想から綾の農萌の苦憾までを語った︒綾は震った︒﹁繊躰擾孔の時︑おれたちは半欝半疑で筆をと警撹覇文を書いたもんだった.撹覇はしてみたが︑あれはでたらめだった︒それでも︑あれは︑おれたちの文化生活だった︒会議やら文献の朗護学習やら文章俸りやら︑みんなでい
っしょになってやったし︑まあ︑おれたち若者の楽しみだったと震え
ると思う.ところ潜︑いまは︑買った本はあそこに縛って置いてある
が︑あれでは鼠に食われるままだ︒人聞のほうは︑お互いに顔を合わ
すこともできない始末だからなあ︒﹂
支翻書記は︑喜識の報告を聞くと.段の前の妻ンゴ蝦に肉かって手
・一 奄Q9一
第68巻第2号
集
譲
学
嚢 で丸を掻いてから︑書つた.︑﹁なあ︒ここの夢ンゴはどれくれえ獲れるべなあ?無毒出は支部書認の捲した手の先を眺めた︒瞬じ色の小さな馨光が︑すでに樹の枝にたわわに実っていた︒ ﹁さて︑どのくらいかなあ輪虫暑由は叢った︒ 二万二千斥宍ト乙は︑おれたち八人潜請け負ったんだ.霞をそらさずにじっと見ていれば︑守移饗れねえことなんかねえべ︒あんたはなんで窺躰投義なんかを思い思したんだね?おれたちにやあ︑孔老二麟いったい韓を食って食いつないでたのかなんてわかるわけもねえぺ︒﹂ 鞍は本のことは議題にしなかったし︑喜出の語る遷懇にも触れなか
った︐喜由はもう少し披と話しあいたかった︒ところが綾は︑やおら
足元の養ころを拾って遠くへ投げつけ︑瞬んだ︒﹁このx××くそぶ
き︑讐ってるものを放せ⁝繍それから︑掘ったて小屋を下管︑駆け饑
しながら尻鬼鑓しの小さな姿を追いかけていってしまった.
喜出は︑その様子を見て︑いま支離書記と議し合うのは時宜に合わ
ないのだと思った.綾は家に漢鯵︑一馨申部屋の甲に闘じこも鯵ぼん
やりしていた.講親は彼の心醍事を推し量って︑仲人に頼んで破のた
めに縁談を持ちこんでもらった.仲人は言った︒権方も中学校を鐵て
いる摂︑妻溝のことを気に入っているから︑彩礼羅綾の金韓竺はあっ
てもなくてもかまわない︑と.﹁小定﹂﹇小定義のこと.織姫の紛束に男倒
から女翻に︑女鹿から髣髴に贈る働贔冒の時にはハンカチを交換するだけ
で︑﹁大定繍﹇大定礼のこと.結婚式藻前に男女の家が取箸交わす舞納贔﹈の時
には男灘の聾きなように麺遜してほしいという.麗時謙はいらないし︑
カラ⁝テレどもいらない︑⁝大分のダクロンの布を買ってく為るだけ
でも男灘の誠意だとみなすとのこと. 喜由は雨霧に怒参をぶつけたいと患ったが︑その瑳鎌を見つけ鐵せなかった.数韓悶々としていたが︑あの女流作家に手紙を書いた︒ 綾はこう書いた︒﹁いま私は︑遅想とはどんなことなのかがわからなくなってしまいました︒前進の途上で︑私はまったく課がわからなくなってしまいました.私は私たちの父の重代のように︑数千年麟に綾照していた生産締具を硬篤し︑効率を考えずに頑張るようなことはしたくないのです︒しかし翼実は︑それがすでに織遷できない﹁遅懇﹂となっていることを︑私に教えています︒最透私は︑私たちに安く払い下げてもらったばか導の役畜と荷車を綾って︑五十キ騨離れた場断へいって運送業一砂運びi・を本当にや鯵たいと恩っています.砂運び︑金儲け︑マイ本旨ム︑結婚︑政府の縛びかけに感じての産児講瞳︑これらは最も現実的な遅想と考えるべきなのでしょうか︒もしも暗闘がお有給でしたらお手紙でお教えくださいませんでしょうか︒﹂ 最後に綾は︑鞍麟結媛櫨手を紹介されたことと︑クプ夢ーンの本を送ってもらえないかという希望を書いた︒ その女流窪家はすぐに返事を書いた︒鞍女の手紙にはこう記されていた︒﹁あなたの著しみを︑私はよくわか吟ます︒私の考えでは︑あなたが露分のものになった蕎箪を籍して砂を運ぶのは︑飼の不都合もないと思います.もしもあなた麟それを理想の新たな始まりと考えることも︑悪くないことです︒私たちの蟹が富裕になるためには︑あなたのように能力のある︑頭を働かせることのできる青年たちがいなけ為ば実理できないことを︑知らなくてはな吟ません.平均主義には活銘はあ静ません︒さらに害えぱ︑あなたのように役畜と荷車を持っている農民はとても少ないのです︒この薦︑私はあなたたちの材を離れてから︑次にまた︑ある深由区絨に行きましたが︑その村にはわずか
二
一一 P28一
部幾七月 碧 櫨澤
に三つの養黛しかあ箏ませんでした︒炊事の時だけ︑人々は升や箕で︑
趨工していない穀勅を運び︑穀勃を霞に載せて砕くのです︒老人と子
供も霞の周吟を暴鯵ます︑綾らに力漕なくなると︑停まってしまいま
す︒箒で砕いた穀劾を掃いて家へ持ち帰参鍋に入れます︒こういう村
とくらべてみると︑あなたたちの所は︑すでに良くなってはいる麟も
っと良くな参たいという問題なのです.﹂
﹁先嚢︑私は醸本に行ってきましたが︑舞本の農村青年の仕事ぶ陰
には敬服しました︒破らは段本をよ鯵よくしょうとするために︑農購
期にはよそへ働きに毯るし︑誰もがカを織しまず︑汗を漉しています.
その後︑綾らは欝分たちが稼いできた金でオートバイや冷蔵庫やテー
プレコーダーなどいろいろなものを買ってきます・稜らは豊かにな蓼︑
農村全体も豊かにな蓼ました.その後︑彼らは腰をおろして文学や警
衛を鑑賞しました.舞本の娃会麟度は私たちとは異な静ますが︑霞本
の青年の仕事への意欲は︑私たちも学ぶべきだと思います︒あの農柊
青年たちに連想がないとは震えないのではないでしょうか︒﹂
﹁あなたに本をお送修することは︑私の考えでは︑砂を運ぶことと
クプ婆!ンの本を談むこととをくらべてみれば︑いまはやは吟砂運び
のほうが重要です︒あなたが豊かになってから讀んでも遅くはないと
思います︒ある文学家たちは文学の効果を過大に考えていますが︑実
藤のところ文学は簿といっても衣食の問題を解決することはできませ
ん.たとえ人々がどんなに重宝がってもです..繍
﹁破らがあなたに縁談をもちかけたことについてですが︑当然これ
はあなた露身ぶ決めるべきことです︒彩礼の有無についても︑やは蓼
その時の鋳溌に感じて決めるべきです︒私は農村の多くの簸たちの気
持ちを遷解していますが︑後女たちが彩礼をほしがらない場合なら︑ 一二あなたはもう少し積極的になるべきではないでしょうか︒このような娘たちの露尊心は︑正当に評緬されるべきだと思います︒繍 ﹁私の運解にも眼雰があ参ますから︑あなたにとって︑この手紙は単なる参考意見にすぎません.もしも不翻合な点があれば︑またあなたと議し合えたら幸いに存じます︒幅 たぶん文学は本甕にそんなに大きな赫果斜ないのだろうが︑作家の手紙は世暑由にとって決定的な効果を浸ぼした.彼は本当に父母兄弟に嬲れを告げ︑自分のものになった黒いラバに荷車をつけ︑数えきれない禽々を逢隣し︑鉄馬鯵にやってきた.途中︑稜は長年のばしていた長髪をバッサ辞饗酵落とし︑自分で舞った木綿のシャツに養替えた・彼はこれまでの綾の学歴を人々にさとられたくなかったのである︒ 婁出は海原に鱗を露定し︑特大の鉄シャベルで︑石ころの混じった砂をすくいあげ︑電光石火のごとく簾に投げこんだ.葵ころは籠のこちら灘から転麟穆落ち︑互いにぶっか蓼あいながら遠くへ転勝ってい
った.その柔らかく︑湿った砂種は簾の下へ落ち︑見る闘に小海解で
きた︒姦曲はやは滲このシャベルで︑それらの金色の麺をすくって車
に積んだ︒
もっぱら積み降ろし作業を専醒にやっている当地の簸たちは︑遠く
からこのよそ者を観察しては︑稜の年令やら学歴やらについて︑互い
に葺打ちしあつていた︒稜の家には︑鐵稼ぎにきている綾のことを気
遣ってくれる人がいるだろうか?彼のことを気遣っているその人の器
量はどうなのだろうか?そんなことにはおかまいなしに︑彼に近づこ
うとして︑わざと話題を見つけて後に話しかけようとする大胆な嬢も
いた︒しかし︑嘉灘はひたすら執勧な︑露走った露を大きく聴けな撰
ら︑あごの筋肉を忙しく薮縮させつつ︑鉄シャベルを高々と振吟あげ
一i27一
第68巻第2号
集
論 学
簸 るだけだった.蠧毒は荷車に積みおわると︑役畜を遠いながら海原を鐵てゆく︒その時になって嬢たちは︑嚢分たちの荷車の底がまだ見えているのにようやく気がつくのだった︒簿者は鰐らでタバコを鰻いながら不満気に言った.︑﹁擘く積みこめや︒あんたらの仕事ぶ瞬では︑韓解暮れたって二元八魚も稼げねえべ︑﹂簸たちはそこではじめて嚢分の任務を思い鐵し︑籐の端をさっと紳ばし︑ビニール製のサンダルの中に入った砂鎧を戯してから︑決ま蓼悪そうに鉄シャベルの売を海原に突き鵜した. おそらく風雨の購冶や︑暁光のぼかし紅よるものだろうか︑それとも喜海があの積み降ろしの嬢たちに極度に冷淡だっただめだろうか︑次第に︑誰も被に誌しかけなくなったし︑誰も被に学歴蕃あるとは思わなくなった︒夜だけは︑これらの御者たちは村の虚入舞の鋭殺場の仕切吟のな恥大きなオンドルの上に機になった蒔に︑書出に最透の新騰に載っていることを縫く者がいた︒なぜなら鞍らは.いつも喜霧が人々ぶ町から持ってきた包み紙の吉新鷺を︑あっちこっちと講っ繰静
返した参して讀んでいるのに注馨していたからである.さらに覆らは︑
一藻中押し黙っているその青年が毎舞人よりも⁝瞬多く積み降ろしを
しているのにも漣馨していた.さらに緩の食事が誰よ穆も簡素だった
ことも.しかし︑稜も孟鍋の鍛冶屋に淫馨していることには︑誰も気
勝つかなかった︒
竃
婁出はすでに鍛冶渥の﹈見とは言えなくなっていた︒ 長い閥ずっと破は︑その小屋には二人の鍛冶麗と︸つの鍛冶屋の頬しかなψと思っていた.ところが最近︑喜由は人々の語の中からそれだけでないことを選解した︒ 毎瞳︑人々はいつも一つのテーマについて議し合っていた︒そのテーマとは︑︸人の女に臠することだった︒よそに患て妻と遠く離れて暮らすこの男たちにとって︑︸欝単調な肉体労働をした後で︑暗やみの中を横になって女のことを話題にするのは︑道連にかなった至極当然なことのように患われた.こういう語がなければ︑被らの暮らしには彩管炉ないようにも︑また翌韓の仕事も精が鐵ないようにも思われた︒披らは暗やみではいかなるタブーもなく議したし︑さもあ吟なんという自分たちの連想によ滲虚携を簾えた警︑生き生きとした脚色を行なった離した.なかでも斤半という名離の老漢一度欝を羅けば︑その誌は⁝屡真実味淋増した.生臭かったむ蒔にまたあつさ惨したこれらの書葉が.多くの人鷺の身鉢越しに嘉出の耳に鷺こえてきた︒それらの議の内容によって︑綾は嬉奇心をそそられた警︑不愉快になった撃︑あるいは顔を毒らめた聾した︒名前も知らないその女性は§に見えない侮蔑を受けていると︑彼はいつも思った︒稜女を思えば︑そのたびごとに心中彼ははけ韓のない辛さを感じた. 綾女とは誰か?やがて次第に︑綾ははっき参聞き取った︒なんとあの石ころの小屋と麗係があったのだ︑披らは何ら憚るところなく勝手放題を議すばかりでなく︑稜女に多くのあだ名をつけていた︒たとえば︑﹁苑売管嬢瞬とか︑﹁ブロマイド﹂とか︑あるいは﹁臼葱ちゃん﹂⁝⁝等などである︒ある者などは︑窓越しに彼女のヌードを見たことがあるなどと法螺を吹いた︒斤半という者は言った︒﹁そんこと珍しくもないぜ︑この盤賜知らず野駆︒あの窓には紙が貼ってなかったん
一三
一i26一
r鰻・七月」(蝕 地澤
じゃなかったのかい篇稜は︑あっけらかんと笑った.
蓋開緯は饑いていられなかった︒籔の心巌はドキドキと高鳴った.ま
るで自分がこっぴどく侮辱されたかのように.
まだ暗いうちに毒繊はオンドルから起きあが吟︑後議をながえに繋
ぎ︑こつそ参荷車を駆って脱穀場を農た︒彼はその蚕ころの小屋を通
揺りかかった時︑・なぜかわからか小い艸か︑錘豊思識の・りちに低い塀の中へ複
線を投げた.この低い塀からあの紙のない窓へは手をのばせば届くく
らいのほんのわずかな錘離しかなかった︒彼は︑真偽もよくわからな
いあれらの譲を思い饑し︑顔を赤らめた︒そこでしばし後議に鞭を当
てると︑蕎牽は上下に解たびしと懸れだした︒彼はまたその低い霧へ
振り向きちらっと複線をやった︒朝馨を受けた﹁釘掌﹂﹁修桶﹂とい
う文字が︑まるで逓酵遍ぎる彼の隷子をじろじろと醗む海人の怪しい
顔のように見えた︑
夜が瞬けて起きてみると︑渓谷はまだ静けさの中に沈んでいた︒遠
くの︑聳え立つ織の峰々の麟参をたくさんの白雲の塊がめぐり流れて
いる︒後は誰の詩かは簸らないが︑ある詩を思い歯した︒﹁ああ︑由
は雲を恋い︑雲は繊を恋う⁝・こ
役畜は捧をちぢめながら験しい坂を滑鯵おりていった.麺馬溝はさ
さやき敷いながら最辮の客を鐡運えた︒婁霧は海原で簸を縷定し︑遠
くの雲と繊の変幻する様を観察しながら.心の中にこれまで感じたこ
とのなかった憂いを感じた︒購光が由覆にあふれ︑多くの荷車が海原
に入ってきて︑破はようやく露分の仕事を思い戯した.
事由は醜暴に砂原にシャベルを突き麟していると︑石に当たった︒
石の醸馨をもう一度癒っていくと︑なんと大きな石だった︒稜はそこ
を選けて︑またシャベルを突き立てたが︑また罹り進むことのでき ﹈瞬ない障害物の蕎にぶつかってしまった︒太醗はすでに三竿の高さにまで昇ってしまったのに︑緩の車の荷台はやっと満鉢になったばか蓼だった︒不臨なら︑鞍はとっくに荷車を福嚢駅に養睦ている漿である︒嚢虫はラバを追いはじめたが︑なんとそのラバは歩きだしたとたん︑大きな鬼石を踏んでしまい︑よろけながら海原の中でもがいていた︑蹄鉄が会わなくなっているのだ︑とすればだめになるまえにあらかじめ蹄鉄を付け替えておかなくてはならない︑急に喜出はそう考えた︒ 喜出は荷車を孟鍋の門の麟につけた︒ちょうど替人が輕食をとっている時だった︒霰はぐずぐずとためらいながら役畜に﹁どう2と瞬んだ.驚いたことに︑役畜は人聞の心麟わかったかのように︑すばやく立ちどまった︒役嘉がまったく躊躇せずに建をとめたので︑喜出もやむなく鞭を置いた︒綾が﹁綴方恥と瞬んだちょうどその時︑老露が醜を手に持ち︑家の中から遵えに鐵てきた︒ ﹁灘鉄を替えたいんかい?に老懸はお粥を啜りながら︑漬暢を一霞噛んだ後︑頭を繧げて以前から見慣れていたそのラバを見た︒ ﹁歩いているうちに具合が悪くなつちまって︑さっき海原でよろっとよろけて︑あぶなく倒れるところだった幅と︑喜出は本当のことを議したのだぶ︑心はおどおどしていた. その時︑孟鍋も鐵てきた︒綾は轟手で大きな黒い醜を抱えながら.琢のように興で魏の縁を押しあげていた.喜山と綾の役畜をじろ瞬と見やった︒﹁お粥を食いおわるまで待ってくれや﹂と綾は言った. ﹁ゆつく瞬食べてください㎏後妻の簾鉄を晃ながら議す喜由の語気は︑やけに遠慮したものだった︒ 孟鍋は︑まるで懸の音のようなフーフーいう音をたてながらお粥
一■一奄Q5一・
第68巻第2勢
集
譲 学
漸 を食べおわると︑振り向いて小屋の中に癖かって︑呼ぶ構手の名前を省塾して瞬んだ︑﹁魏を持ってけ!篇勃青しないその石ころの小屋の戸霞に︑実に奇跡が起こった.果たして家の中から人が墨てきたのだ. 喜由は顔が赤くなった.綾は近づく人にちらっと幾線を投げた︒これまで感じたことのないような無念な気持ちが︑一気に綾を包みこんだ︒駿は﹁花売瞬嬢﹂や﹁ブβマイド嚥といった霞葉を思い饑した.いま︑綾女はかすかな麟繧姿勢で緩い禦の前へ歩いてきて︑塀の上に穫み重ねて置かれた孟鍋と老驥の簸醜を手に持つと︑誰の顔も見ずにすぐに家の中へ戻っていった︒ 破女の歩きかたは速かった︒纏人の擁線の追跡から遜れるのが習鰻になっていたのだ︒しかし︑毒浅は無意識のうちにまた猿女をちらっと見た︒霰女のあの豊かではない背中の断の三角形のつぎが落ちかか
っているのに︑籔は気づいた︒彼女は翠建で去って行く時︑その奮憐
れが蓼ズミカルにひらひらと揺れていた︒喜出は休みなくシャツをま
く蓼あげて汗を拭いた︒
孟鍋と老麟は︑また裏海の役畜に新しい蹄鉄を替えてやった︒あの
女はもう鐵てこなかった.叔父甥二人の難業は手闘取った︒老臨はハ
ンマーを取鯵にいった撃︑釘を取りにいった箏した.しかし綾らは二
人とももう彼女を辱びつけなかった.
嘉慶は金を払った解.孟鍋は気にもとめなかった︒彼は事由をじろ
りと見ただけだった︒喜出は孟鍋の観線を避け︑役畜に鞭を当てた.
エ
ノ、
脱穀場でのあれらの磁誌は︑実は量輪作雛にすぎなかったのだ.僅
論の後には行動ぶある・それほどたたないうちに︑それらの購誰に最
も熱心だった者たちは︑夜になるやすぐに姿を潰した︒深夜になって.
時には夜瞬けになってから︑彼らは疲れた是を弱きず吟︑空咳をしなが
ら脱穀場に戻ってきた.ある春は灘の臭いをぷんぷんさせ︑いつもよ
撃強蒸なタバコの臭いを体中からにおわせていた︒大多数の人聞はが
っく吟落胆していて︑元気なのはごく⁝部の人間だけだ︑と喜晦は患
った.元気な者は購に隠れて静かに押し黙善.軽やかに.リズ︑・︑カル
に︑膝を揺蓼動かしている︒
﹁くそ︑いい気になるなよ.瞬韓見てやがれ一﹂誰かが暗やみで不
満を爆発させた︒それは︑瞬らかにあの髭気な者に晦けられたものだ
った. 膝を揺験動かしていたその元気な者の膝の動きがとまったかと思う
と︑すぐに霞から露葉がついて患た︒﹁箆にけんかでも売る気かい.
箆は耳かきでゴマを熬ったりするほどけつの穴はちいさかねえぜ・蕊
があるならよ︑孟鍋とわた験あって︑花売撃娘の潔ッケからお札をよ︑
探瞬嘉ててよ︑駁撃だしてきてみたらよかんべえ⁝﹂
喜戯は恐ろしくなった︒綾はこの書葉が侮を意喋しているのか知ら
なかった︒綾はオンドルの上でしきりに寝返撃をうった.︑
次の馨の夜︑外から戻ってきたそれらの人たちがまた花売参嬢と鞍
女が持っているお札のことを議題にしたのを︑喜晦ははっき鞍聡き取
った.︑なんとあそこでは︑あの神穂的な石ころの小髭の中で︑人々は
毎隆危験な取瞬をやっていたのだ.
一五
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F馨七舞 董)
地澤
このような危験と娯楽が事々に混ざ彗あった遊戯は.当御はこの鋭
穀場で行なわれていた︒量と夜︑人々は耽の下から︑すでに離麟が不
鰭瞬になった年季秘のトランプやカルタを駿滲出して︑掛け声もかけ
ず︑瞳曝もせずに︑決められた鰭け金を靴の下や︑オンドルのアンペ
ラの縁に押しこみ︑それから誤魔化しなしに︑その賭け金を一勝負ご
との勝秘者に渡す・ここでの︑この種のゲームの多くは楽しみのため
であ静︑その驚け金も可哀権なほど小額だった.
透ごろ︑この激漢な集羅に急に変化が趨こった︒つま警︑霊鑑の石
ころ小屋溺どうやら強烈な鰻撰力を持った磁場になっていて・綾らを
馨きつけているらしかったのだ.その磁場のカの在地がどこにあるの
か︑孟鍋が譲染みたマージャンパイを持っているためか︑それとも
﹁ブロマイド﹂﹁鬱葱ち庫ん﹂がいるためかなどと︑誰も深く考えて
みようとする者はいなかった.要するに︑脱穀霧の嶽にならない賭場
が醗鎖とな蓉︑蹄鉄屋の賭場ぷ隆盛になったのだ︒夜︑人々は煮鍋の
家の戸縫を入って行く︒窓紙のないあの窓縷子越しに立った鯵坐った
りする人の影の撲れ轟き蕃外から見える︒マージャンパイは︑テーブ
ル代鱗の鉄一数に持ちつけりれ︑ ・あの癒漏脚れのいい︑ 麟激的・なパイのぶ
つかる音が夜通しつづいていた︒
ある嚢︑斥半は海原で荷車に砂を積みおえると︑喜識に透づいてき
た.披は両手をシャツのポケットに入れてもそもそ探っていた.白い
歯潜黒い髭の聞からちらちら見え隠れした.後は顔全部の綴を動貧し
てくちゃくちゃにして.笑いながら善繊に言った.﹁おらああんたが
真悪舞な敏だと見てただよ.おらたちのような無法者ではねえべ︒こ
こへ来て韓ヵ月になるぺかのう?﹂
﹁羅寿丹だよ﹂と喜出は言った. 一六 ﹁さぞかし冷てえオンドルに︸人寝してるんでねえ潜.まったくよう︐奥方様を三醒の否二十鋒も姦しくほったらがしにはできねえものをのう.鳳 婁寅は荷車に砂を積みつづけた. ﹁あんたに瞳はこかねえ. ⁝鐸行ってみたぐねえが?どうだね︒画嚢えし.見徳えあんぞ︒誰かのためにためこんでいるだべなあ?おらが責任持って教えてやらあ.三簿もしねえうちに必ず満貫﹇満点.量愚得点﹈で勝たせてやるぺえ︒﹂ 喜由はちょっとためらい︑鉄シャベルの動きをとめた︒しかし︑彼は黒髭の笑い顔を見なかったし︑結局彼に薄して侮を書つたのかをはっき瞬臨き取れなかった.後は︑ある人の貧弱な背中斜艮の離にちらついたような気解しただけだった︒ その後︑婦半はまた彼に︑近ごろ運に見離されていて︑懐具合潜悪いので.少々金を貸してくれないかと護った︒喜出は気麟よくはなかった.金は家に送らなくてはならないんだと斤事に伝えた. 婁出は⁝鐸中気持ち摂落ち善かなかった.綾は荷車のなぷえにすわ吟︑斤半の言った﹁満婁﹂とはどんな意練なのかをしき蓼に考えた︒そして﹁ブロマイド島のことも.そういう場合︑稜女はどんな存在なのだろうか.なぜ人々はいつも猿女のポケットのことを再三議題にするのだろうか. 夜︑人々は裟た三々蓋々外へ鐵て幽き一ほじめた.壷篇磯は暗やみの中で斤半を響びとめ︑破に誉つた︒ ﹁いくらほしいんだい?﹂ ﹁ほう︒行きたくなったのけえ?おらの欝金なんかちいせえことだ
が︑大事なのはあんたに見醗を広めてもらいてえってことだ.とりあ
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