24章:今回の要点
(1) 糖類の表記法、表記法の相互変換
・Haworth (ハース) 投影式
・いす形立体配座
(2) 単糖類の基本的性質:
分子内ヘミアセタール化と変旋光 (3) 単糖の反応と変換法:
酸化反応、酸化的開裂、還元反応 (4) グリコシド(配糖体)の生成
24章 炭水化物:自然界に存在する多官能性化合物 p1435‒1450
目標:糖の表記法、糖特有の反応と変換法を理解する
復習:単糖の環状構造(環状ヘミアセタール)
H HO
O H
+2 3
4 1
O
OH H
フラノース
1 2 3
4
+ O
OH H
・単糖は環状ヘミアセタール構造を取りやすい
OH H
1
O
2 3 4
5
H
+O
ピラノース
2
3
OH
H
1 4
5
+
O OH H
アノマー炭素に新しい 立体中心が生成する
CHO H OH HO H
H OH H OH CH
2OH D-
グルコース1 2 3 4 5
6 OH
H OH OH H
O
OH H
2 1 3 4
CH
2OH HO 5 H
6
0.6%
D-
グルコフラノース0.02%
H O
OH
H
OH H
OH CH
2OH H
OH H
1 5
6
4
3 2
α -D-
グルコピラノースH O
OH
H
OH H
OH CH
2OH H
H OH
1 5
4
3 2
β -D-
グルコピラノースR S
99.6%
+ +
例:D-グルコース
ピラノース環(6員環)が主成分
24-2 環状単糖の表記法:Fischer 投影式
p1435 環状構造の糖の表記法には、Fischer 投影式、Haworth (ハース) 投影式、およびいす形(シクロヘキサン)立体配座の3つが用いられる 例:D-グルコピラノースの表記1) Fischer 投影式
注意:ヘミアセタール構造を表す Fischer 投影式はほとんど使われない
a
-アノマーの OH は右向き、b
-アノマーのOH は左向きC H OH HO H
H OH H OH CH 2 OH D-(+)-
グルコース1
5
環化
O H
C H OH HO H
H OH
H O
CH 2 OH
α-D-(+)-
グルコピラノースH S OH
or
C H OH HO H
H OH
H O
CH 2 OH
β-D-(+)-
グルコピラノースHO R H
(融点:
146 °C
) (融点:150 °C
) アノマーアノマー炭素 アノマー炭素
重要:24-2 Haworth 投影式
p1435(三次元構造が認識できる)
書き方のルール(D-糖):
・5員環や6員環構造を平面の環構造として表示、OH基を環の上下に書く
・エーテル炭素を右上に、アノマー炭素を右角に置く
・下の環内結合(C2-C3)は紙面手前側、酸素を含む環内結合(C5‒O)は 紙面奥側と解釈
・C5位の CH
2
OH 基を上向きに置く→αアノマーは OH基が下向き、βアノマーは OH基が上向きになる (注意:L-糖の場合、アノマー位のOH基の向きは D-糖と逆になる)
H O
OH
H
OH H
OH CH 2 OH H
OH
5 H
6
4
3
2
α-D-(+)-
グルコピラノースアノマー炭素 紙面奥側
紙面手前側 例:D-グルコピラノースの表記
2) Haworth 投影式ハース
重要:24-2 糖の表記法の変換
p1435 1) Fischer投影式をHaworth投影式へ変換する方法ポイント:
1) Fischer 投影式で右側の置換基は、Haworth 投影式では下向き 一方、Fisher 投影式で左側の置換基は、Haworth 投影式では上向き 2) Haworth 投影式では、D 系列の糖では末端 CH
2
OH 基が上向き一方、L 系列の糖では末端 CH
2
OH 基が下向きC H OH HO H
H OH H OH CH
2OH D-(+)-
グルコースO
1H
2 3 4 5 6
C H OH
OH
H OH H
OH CH
2OH H
5 6
4 3
2
H O
OH
H
H OH OH CH
2OH H
OH H
1 5
6
4 3
2
α-D-(+)-
グルコピラノースO
H
1
H O
OH
H OH H
OH CH
2OH H
H OH
1 5
6
4 3
2
β-D-(+)-
グルコピラノース手順①:C5の3つの置換基を回転 手順②:構造を曲げて90 回転
C H OH HO H
H OH HOCH
2H
OH O
1H
2 3 4 5 6
① ②
重なり形配座
③
手順③:アセタール形成 Fischer 投影式
Haworth 投影式
①C5-OHを下向きに
復習:Fisher 投影式
2) Fischer 投影式の動かし方(要注意) 7回目の講義:
1つの基を固定しておき、他の3つの基を時計回り、
または反時計回りの方向に回転しても同じ立体化学
H
Br CH 2 CH 3 CH 3
R
H
CH 2 CH 3 CH 3 Br
R
同じ立体化学 固定
反時計回り
重要:24-2 糖の表記法の変換
p1435ポイント:
1) Fischer 投影式で右側の置換基は、Haworth 投影式では下向き 一方、Fisher 投影式で左側の置換基は、Haworth 投影式では上向き 2) Haworth 投影式では、D 系列の糖では末端 CH
2
OH 基が上向き一方、L 系列の糖では末端 CH
2
OH 基が下向きC H OH HO H
H OH H OH CH
2OH D-(+)-
グルコースO
1H
2 3 4 5 6
C H OH
OH
H OH H
OH CH
2OH H
5 6
4 3
2
H O
OH
H
H OH OH CH
2OH H
OH H
1 5
6
4 3
2
α-D-(+)-
グルコピラノースO
H
1
H O
OH
H OH H
OH CH
2OH H
H OH
1 5
6
4 3
2
β-D-(+)-
グルコピラノース手順①:C5の3つの置換基を回転 手順②:構造を曲げて90 回転
C H OH HO H
H OH HOCH
2H
OH O
1H
2 3 4 5 6
① ②
重なり形配座
③
手順③:アセタール形成 Fischer 投影式
Haworth 投影式
1) Fischer投影式をHaworth投影式へ変換する方法
①C5-OHを下向きに
参考:糖の表記法の変換
p1435Fischer 投影式
手順①:六角形の右上角にO原子を置き、
左隣の炭素に CH
2
OH 基をつける・D-糖では CH
2
OH 基は上側・L-糖では CH
2
OH 基は下側O CH
2OH H
CH 2 OHを上に置く
O CH
2OH H
OH H
1
α-アノマー
O CH
2OH H
H OH
1
β-アノマー
手順②:O原子の右隣の炭素を アノマー炭素とする
・D-糖のα-アノマーは OH基を下側に書く
・D-糖のβ-アノマーは OH基を上側に書く
カルボニル炭素(C1)がアノマー炭素
(=新しい立体中心)になる
C HO H HO H H OH H OH CH
2OH
O H
D-
マンノースD-
糖1
C HO H HO H H OH H OH CH
2OH O H
1) Fischer 投影式を Haworth 投影式へ変換する方法(別法)
参考:糖の表記法の変換
p1435Haworth 投影式
手順③:時計回りに残り3つ(C2〜C4)の立体中心に置換基をつける
・Fischer 投影式で右側にある置換基を下側に書く
・Fischer 投影式で左側にある置換基を上側に書く
C HO H HO H H OH H OH CH
2OH O H
2 3 4
C2〜C4に 基を加えていく
H O
OH
OH H H
OH CH
2OH H
OH H
4 3
2
α-D-
グルコピラノースH O
OH
OH H H
OH CH
2OH H
H OH
4 3
2
β-D-
グルコピラノース1) Fischer 投影式を Haworth 投影式へ変換する方法(別法)
練習問題
次のアルドヘキソースの指定されたアノマーを Haworth 投影式に 書き直せ。
C HO H HO H
H OH HO H
CH 2 OH O H
a) α-アノマーにC HO H
H OH
H OH
H OH
CH 2 OH
O H
b) β-アノマーに24-2:糖の表記法の変換
p14352) Haworth 投影式を鎖状形の Fischer 投影式へ変換する方法
手順①:CHOを上に、CH
2
OHを下にして 炭素骨格を書くC
CH
2OH O H
Haworth 投影式
OH O
H
H
OH H
OH CH
2OH H
OH H
ここから開始 反時計回り
OH O
H
H
OH H
OH CH
2OH
H
OH H
C
OH CH
2OH O H
ピラノースのO原子から始めて 環を反時計周りに進み、
鎖を下から上に沿って考える
手順②:糖を D か L に分類する
・CH
2
OHが上側にあるので D 糖・D-糖では一番下の立体中心の OH基を右側に書く
(なお、L-糖では左側に書く)
24-2:糖の表記法の変換
p1435手順③:残りの3つの立体中心(C2〜C4)を書き加える
・上側の置換基は左側に書く
・下側の置換基は右側に書く
2) Haworth 投影式を鎖状形の Fischer 投影式へ変換する方法
OH O
H
H
H OH OH CH
2OH H
OH H
4 3
2 1
アノマー炭素がC1位の C=Oになる
C OH HO
HO
OH CH
2OH O H
2 3 4 1
C H OH HO H HO H
H OH CH 2 OH O H
Fischer 投影式D- ガラクトース
重要:24-2 いす形立体配座
p1435書き方のルール:
・エーテル酸素を右上、アノマー炭素を右角に書く (Haworth 投影式と同じ)
・通常かさ高い CH
2
OH 基はエカトリアル位を占める(正確な三次元的立体配座が認識できる、4章-3参照) 例:D-グルコピラノースの表記
3) いす形立体配座
いす形立体配座
O HO OH
HO H CH 2 OH
H H
H
HO H C
H OH HO H
H OH H OH CH 2 OH D-(+)-
グルコースO 1 H
2 3 4 5 6
β-D-(+)-
グルコピラノース1
アノマー炭素
3 2 4
5 6
エカトリアル(β)
参考:結合距離と結合角の比較
p1438a
-D
-グルコピラノース いす形のシクロヘキサン|,
4‑3 シクロヘキサン:ひずみのないシクロアルカン
B) H H
ヘノ H H
H H H じれ形
1 1 .4。
尚合角ひす 一
H ll
H H
1o
みな
H H
いす形のシクロヘキサン
H H n 皿 じれ形
平面形のシクロヘキサン いす形のシクロヘキサン /結合角は120。‑で, 12個の1 /結合角はほぼ四面体の角度に等しく八
(水素どうしが菫なっているノ (水素どうしの重なりは一つもない ノ
図4−5仮想の平面形シクロヘキサン(A)のいす形立体配座(B)への変換 いす形配座にはひずみがない
結合距離と結合角が示してある. (○分子模型
存在する理由について理解できる. もしどれかのC−C結合に沿ってこの分子を 眺めると, その結合に沿ってすべての置換基がねじれ形に配置していることがわ かる このようにして見た形をNewman投影式で書くと, 置換基の並び方がよ くわかる図ができる(IxI4‑6) シクロヘキサンはひずみがないので,直鎖アルカ ンと同程度に反応性に乏しい
一
一今 一
一一 へ↑ 今︽
・も L令 一一
画〆 〆■早
いす シクロヘキサンにも複数のより不安定な立体配座カ丁ある
シクロヘキサンはより不安定な他の立体配座をとることもできるそのうちの 一つは,炭素lと4が平面から同じ方向に移動した形の舟形(boatfOrm)である(IxI l‑7). 舟形はいす形よりも6.9kcalmol一 だけ不安定である この違いの理由 の一つは,舟形配座の舟底にあたる部分で. 8個の水素どうしが重なるためであ る もう一つの理由は舟の骨格の内側を向いている二つの水素が近接すること により.立体障害が生じるからである(2‑9節参照) この二つの水素間の距離は わずか1.83Aしかなく.これは約3kcalmol '(13kJmol ')の反発のエネルギー を生じるのに十分短い距離である. この効果は渡環ひずみ(transannularstrain) 、 つまり環の反対側から互いに向かい合う二つの基の間の立体的な込み合いによっ て生じるひずみの一例である(〃α"s、 ラテン語の「横切って」 ;α"""/"s. ラテン 語の「環」)
舟形シクロヘキサンはかなり柔軟であるC−C結合の一つが他に対してねじ れると.渡環ひずみが部分的に解消されるので, ねじれた形はやや安定になる こうしてできる新しい立体配座は.シクロヘキサンのねじれ舟形(twist‑boat)(ま たはスキュー舟形skew‑boat)配座とよばれる(lxl4‑8).舟形配座と比較して
一一
舟
いすと舟. シクロヘキサンもこ のような形に見えるだろうか.
図4‑6 C‑C結合の−つに 沿って眺めたいす形配座のシ クロヘキサンの図すべての 置換基がねじれ形に配置して いることに注意しよう.
H
H H
‑*I*
H HH H
■■
│"重…̲鬮蕊………鱈、
1438
↑訳者注;比旋光度「α」は, 実 測旗光度α〔単位「度」(deg)]をセ ル長〔単位dm(10cm))および試料 濃度〔単位gdL '(10 2gcm‑3)]
で補正した値なので, その単位は 厳密にいえば10‑' degcm2g ' である. ただし.実際には[α]を
「度」単位または無単位で表記す ることも多い.本耆では全巻を通 じて「α」を無単位で表記してあ る.上巻の5章の注および訳者注 (229ページ)を参照
単糖のアノマー:グルコースの変旋光
24−3
グルコースは室温で濃厚溶液から析出し,融点146℃の結晶を与える. X線回
折による構造解析から. この結晶はα‑D (+)一グルコピラノースアノマー(図 24‑3)のみを含んでいることが明らかになった a D‑(+) グルコピラノース
の結晶を水に溶かしてすぐに旗光度を測定すると[α]ff=+112という値が得られる1. . ところが奇妙なことに. この値は時間とともに減少し, +52.7という 一定値になる. このような比旋光度の変化の原因となる反応は, αアノマーとβ
アノマーの相互変換である図24−3 α−D (+)一グルコ ピラノースの構造およびおも な結合距離と結合角.
A ().971A、
()A
/yノ ()̲969A
溶液中においてα ピラノースはすばやく少量の鎖状アルデヒド異性体との平
衡に達し(酸または塩基触媒によって促進される反応による; 177節参照). さ
らに鎖状アルデヒドは可逆的な閉環反応を起こし, βアノマーとなる.
D‑グルコースの鎖状構造とピラノース構造の相互変換
CHO H−−OH HO−−H
H−−OH H−−OH CH,OH
().003%
アルテヒド形 H+
または HO
L
−
H+
または HO
−−
CH可OH CH,OH
HO HO
馴1 1
■■ 一
H 、1
エクアトリアル 63.6%B‑D‑(+)‑グルコピラノース
([α]85=+187)
OH
、八
、アキシアル 36.4%
q‑D‑(+)‑グルコピラノース ([q]85=+112)
β形の比旋光度(+18.7)はそのアノマーの比旋光度よりもかなり低いので, α
アノマーの溶液中での実測α値は減少していく. 同様にして,純粋なβアノマー (融点150℃, グルコースを酢酸から結晶化させることによって得られる)の溶液 の比旋光度は, +18.7から+52.7となるまで次第に増大する比旋光度が+52.7となった点では最終的な平衡に到達しており, αアノマーが364%, β 形が636%の割合で存在する.糖がそのアノマーと平衡に達するときに観測さ れる旋光度の変化は変旋光(mutarotation: /77""7,g. ラテン語の「変化する」)とよ ばれる. αアノマーとβアノマーの相互変換は糖の一般的性質であり,環状ヘミ
・C‒O結合はC‒C結合よりもやや短い(結合角も若干異なる)
・ピラノース環は「いす形シクロヘキサン」と同様の立体配座をとる
│"重…̲鬮蕊………鱈、
1438
↑訳者注;比旋光度「α」は, 実 測旗光度α〔単位「度」(deg)]をセ ル長〔単位dm(10cm))および試料 濃度〔単位gdL '(10 2gcm‑3)]
で補正した値なので, その単位は 厳密にいえば10‑' degcm2g ' である. ただし.実際には[α]を
「度」単位または無単位で表記す ることも多い.本耆では全巻を通 じて「α」を無単位で表記してあ る.上巻の5章の注および訳者注 (229ページ)を参照
単糖のアノマー:グルコースの変旋光 24−3
グルコースは室温で濃厚溶液から析出し,融点146℃の結晶を与える. X線回 折による構造解析から. この結晶はα‑D (+)一グルコピラノースアノマー(図 24‑3)のみを含んでいることが明らかになった a D‑(+) グルコピラノース の結晶を水に溶かしてすぐに旗光度を測定すると[α]ff=+112という値が得 られる1. . ところが奇妙なことに. この値は時間とともに減少し, +52.7という 一定値になる. このような比旋光度の変化の原因となる反応は, αアノマーとβ アノマーの相互変換である
図24−3 α−D (+)一グルコ ピラノースの構造およびおも な結合距離と結合角.
().971A 、 A
()A
/yノ ()̲969A
溶液中においてα ピラノースはすばやく少量の鎖状アルデヒド異性体との平 衡に達し(酸または塩基触媒によって促進される反応による; 177節参照). さ らに鎖状アルデヒドは可逆的な閉環反応を起こし, βアノマーとなる.
D‑グルコースの鎖状構造とピラノース構造の相互変換
CHO H−−OH HO−−H
H−−OH H−−OH CH,OH
().003%
アルテヒド形 H+
または HO
L
−
H+
または
−−HO
CH可OH CH,OH
HO HO
馴1 1
■■ 一
H 、1
エクアトリアル 63.6%
B‑D‑(+)‑グルコピラノース
([α]85=+187)
OH
、八、 アキシアル 36.4%
q‑D‑(+)‑グルコピラノース ([q]85=+112)
β形の比旋光度(+18.7)はそのアノマーの比旋光度よりもかなり低いので, α アノマーの溶液中での実測α値は減少していく. 同様にして,純粋なβアノマー (融点150℃, グルコースを酢酸から結晶化させることによって得られる)の溶液 の比旋光度は, +18.7から+52.7となるまで次第に増大する比旋光度が
+52.7となった点では最終的な平衡に到達しており, αアノマーが364%, β 形が636%の割合で存在する.糖がそのアノマーと平衡に達するときに観測さ れる旋光度の変化は変旋光(mutarotation: /77""7,g. ラテン語の「変化する」)とよ ばれる. αアノマーとβアノマーの相互変換は糖の一般的性質であり,環状ヘミ
│"重…̲鬮蕊………鱈、
1438
↑訳者注;比旋光度「α」は, 実 測旗光度α〔単位「度」(deg)]をセ ル長〔単位dm(10cm))および試料 濃度〔単位gdL '(10 2gcm‑3)]
で補正した値なので, その単位は 厳密にいえば10‑' degcm2g ' である. ただし.実際には[α]を
「度」単位または無単位で表記す ることも多い.本耆では全巻を通 じて「α」を無単位で表記してあ る.上巻の5章の注および訳者注 (229ページ)を参照
単糖のアノマー:グルコースの変旋光 24−3
グルコースは室温で濃厚溶液から析出し,融点146℃の結晶を与える. X線回 折による構造解析から. この結晶はα‑D (+)一グルコピラノースアノマー(図 24‑3)のみを含んでいることが明らかになった a D‑(+) グルコピラノース の結晶を水に溶かしてすぐに旗光度を測定すると[α]ff=+112という値が得 られる1. . ところが奇妙なことに. この値は時間とともに減少し, +52.7という 一定値になる. このような比旋光度の変化の原因となる反応は, αアノマーとβ アノマーの相互変換である
図24−3 α−D (+)一グルコ ピラノースの構造およびおも な結合距離と結合角.
().971A 、 A
()A
/yノ ()̲969A
溶液中においてα ピラノースはすばやく少量の鎖状アルデヒド異性体との平 衡に達し(酸または塩基触媒によって促進される反応による; 177節参照). さ らに鎖状アルデヒドは可逆的な閉環反応を起こし, βアノマーとなる.
D‑グルコースの鎖状構造とピラノース構造の相互変換
CHO H−−OH HO−−H
H−−OH H−−OH CH,OH
().003%
アルテヒド形 H+
または HO L
−
H+
または HO
−−
CH可OH CH,OH
HO HO
馴1 1
■■ 一
H 、1
エクアトリアル 63.6%
B‑D‑(+)‑グルコピラノース
([α]85=+187)
OH、八、
アキシアル 36.4%
q‑D‑(+)‑グルコピラノース ([q]85=+112)
β形の比旋光度(+18.7)はそのアノマーの比旋光度よりもかなり低いので, α アノマーの溶液中での実測α値は減少していく. 同様にして,純粋なβアノマー (融点150℃, グルコースを酢酸から結晶化させることによって得られる)の溶液 の比旋光度は, +18.7から+52.7となるまで次第に増大する比旋光度が
+52.7となった点では最終的な平衡に到達しており, αアノマーが364%, β 形が636%の割合で存在する.糖がそのアノマーと平衡に達するときに観測さ れる旋光度の変化は変旋光(mutarotation: /77""7,g. ラテン語の「変化する」)とよ ばれる. αアノマーとβアノマーの相互変換は糖の一般的性質であり,環状ヘミ
│"重…̲鬮蕊………鱈、
1438
↑訳者注;比旋光度「α」は, 実 測旗光度α〔単位「度」(deg)]をセ ル長〔単位dm(10cm))および試料 濃度〔単位gdL '(10 2gcm‑3)]
で補正した値なので, その単位は 厳密にいえば10‑' degcm2g ' である. ただし.実際には[α]を
「度」単位または無単位で表記す ることも多い.本耆では全巻を通 じて「α」を無単位で表記してあ る.上巻の5章の注および訳者注 (229ページ)を参照
単糖のアノマー:グルコースの変旋光 24−3
グルコースは室温で濃厚溶液から析出し,融点146℃の結晶を与える. X線回 折による構造解析から. この結晶はα‑D (+)一グルコピラノースアノマー(図 24‑3)のみを含んでいることが明らかになった a D‑(+) グルコピラノース の結晶を水に溶かしてすぐに旗光度を測定すると[α]ff=+112という値が得 られる1. . ところが奇妙なことに. この値は時間とともに減少し, +52.7という 一定値になる. このような比旋光度の変化の原因となる反応は, αアノマーとβ アノマーの相互変換である
図24−3 α−D (+)一グルコ ピラノースの構造およびおも な結合距離と結合角.
().971A 、 A
()A
/yノ ()̲969A
溶液中においてα ピラノースはすばやく少量の鎖状アルデヒド異性体との平 衡に達し(酸または塩基触媒によって促進される反応による; 177節参照). さ らに鎖状アルデヒドは可逆的な閉環反応を起こし, βアノマーとなる.
D‑グルコースの鎖状構造とピラノース構造の相互変換
CHO H−−OH HO−−H
H−−OH H−−OH CH,OH
().003%
アルテヒド形 H+
または HO
L
−
H+
または
−−HO
CH可OH CH,OH
HO HO
馴1 1
■■ 一
H 、1
エクアトリアル 63.6%
B‑D‑(+)‑グルコピラノース
([α]85=+187)
OH
、八、 アキシアル 36.4%
q‑D‑(+)‑グルコピラノース ([q]85=+112)
β形の比旋光度(+18.7)はそのアノマーの比旋光度よりもかなり低いので, α アノマーの溶液中での実測α値は減少していく. 同様にして,純粋なβアノマー (融点150℃, グルコースを酢酸から結晶化させることによって得られる)の溶液 の比旋光度は, +18.7から+52.7となるまで次第に増大する比旋光度が
+52.7となった点では最終的な平衡に到達しており, αアノマーが364%, β 形が636%の割合で存在する.糖がそのアノマーと平衡に達するときに観測さ れる旋光度の変化は変旋光(mutarotation: /77""7,g. ラテン語の「変化する」)とよ ばれる. αアノマーとβアノマーの相互変換は糖の一般的性質であり,環状ヘミ
重要:24-2 糖の表記法の変換
p1435ポイント: Haworth 投影式での置換基の向き(上下)は、
いす形立体配座でも変わらない
手順①:環内の酸素原子を右上にくるように Haworth 投影式を書く 手順②:一番左側の酸素原子(C4)を環の面より上にあげる
手順③:アノマー炭素(C1)を環の面より下にする
3) Haworth 投影式をいす形立体配座へ変換する方法
H O
OH
H
OH H
OH CH 2 OH H
OH H
1 5
6
4 3
2
α -D-(+)-
グルコピラノースO HO H
HO H CH 2 OH
H H
H
HO OH
2 1 3 4
5
右上側に酸素
6
Haworth 投影式 いす形立体配座
①
②
③
24-2:フラノースの立体配座
p1437例:
D-
リボースの表記5員環ヘミアセタールのフラノース環は封筒形の立体配座をとる
H CH
2OH
OH OH
H H
O
OH H
1 2 3 4 5
α-D-
リボフラノースCHO
H OH H
CH
2OH H OH
D-
リボース1 2 3 4 5
HO HOH
2C
H HO OH H CHO OH
4 3 2
1
Fischer 投影式 Haworth 投影式
H CH
2OH
OH OH
H H
OH
2 3 4 5
H
O +
H CH
2OH
OH OH
H H
O H OH
1 2 3 4 5
β-D-
リボフラノースO
OH H
H
OH CH
2OH
H
HO H
封筒形の立体配座β-D-
リボフラノース+
O H H
H
OH CH
2OH
H
HO OH α-D-
リボフラノース1 2 1
3 2 3
4 4
5 5
アノマー炭素
アキシアル(α) 重なり形の
破線ーくさび形表記
OH
糖の表記法のまとめ
各表記法とそれぞれの相互変換は、手で書いて習得する
D
-グルコースの表記CHO H OH HO H
H OH H OH CH
2OH D-
グルコース1 2 3 4 5 6
C H OH HO H
H OH
H O
CH
2OH β-D-
グルコピラノースHO R H
環化H O
OH
H
OH H
OH CH
2OH H
H OH
1 5
6
4 3
2
O HO OH
HO H CH
2OH
H H
H
HO H
2 1 3 4
5 6
いす形立体配座
Haworth
投影式Fischer
投影式CHO OH OH HO
OH
OH
15
Fischer
投影式β-D-
グルコピラノースβ-D-
グルコピラノースO OH
OH HO
OH HO
5 13 3
破線ーくさび形表記 破線ーくさび形表記
24-3 単糖のアノマー:グルコースの変旋光
p1438 重要:D-グルコースの鎖状構造とピラノース構造の相互変換・グルコースは水溶液中では大部分が環状構造で存在する
・単糖は水溶液中でアノマー同士が自由に相互変換し、
αアノマーとβアノマーの混合物を生じて平衡化する
・比旋光度も時間と共に変化し一定になる(=変旋光)
例:平衡状態の D-グルコース水溶液では [
a
]D
= +52.7CHO H OH HO H
H OH H OH CH
2OH
アルデヒド形(0.003%)
O HO OH
HO
H CH
2OH
H H
H
HO H β-D-(+)-
グルコピラノース(63.6%) O
HO H HO
H CH
2OH
H H
H
HO OH α-D-(+)-
グルコピラノース(36.4%)
[α] D = +112
比旋光度[α] D = +18.7
α β
24-4:単糖の反応
p1440また、単糖の反応は、鎖状体の反応と環状体の反応に分けられる
アルドース
ケトース
重要:単糖の反応は、単糖に含まれる官能基であるアルコール、
アルデヒド、ケトン、アセタールに関する反応の延長
CHO H OH HO H
H OH H OH CH
2OH D-
グルコースH O
OH
H
OH H
OH CH
2OH H
OH H
1
α-D-
グルコピラノース 1アルデヒド アセタール
CH
2OH
H O
HO H H OH H OH CH
2OH D-
フルクトース2
H O
OH
OH H OH H H H
OH CH
2OH
2
α-D-
フルクトピラノース(主成分) アセタールケトン
アルドースの酸化反応の形式
アルドースに含まれる官能基:
第一級アルコール、第二級アルコール、アルデヒド
アルデヒドと第一級アルコールの酸化反応が特に有用
C
CH 2 OH O H
酸化
アルドース より酸化されやすい
C
CH 2 OH O OH
酸化
アルドン酸
C
C O OH
アルダル酸
OH
O
24-4:アルドースの酸化反応
p1440 1) アルデヒドのカルボン酸への酸化(アルドン酸を生成)3つの試薬で酸化される糖は還元糖(糖が酸化剤を還元するため)、
酸化されない糖は非還元糖と呼ばれる
CHO H OH HO H
H OH H OH CH 2 OH D-
グルコースFehling
試薬Cu 2+ , OH – , H 2 O or
Cu 2+ , OH – , H 2 O
クエン酸ナトリウム
Benedict
試薬COOH H OH HO H
H OH H OH CH 2 OH D-
グルコン酸(アルドン酸の一種)
赤色沈殿
Cu 2 O +
Tollens
試薬Ag + , NH 4 OH, H 2 O
D-
グルコン酸(アルドン酸の一種)
銀鏡
D-
グルコースAg +
還元糖の試験法
参考:還元糖と非還元糖
・ヘミアセタールをもつ糖は
非環状アルデヒドと平衡にあるので、還元糖
・グリコシドはアセタールであり、非環状アルデヒドと 平衡にないので非還元糖
還元糖 還元糖
O HO OH
HO
CH 2 OH
HO H
ヘミアセタール
O
OH CH 3 O
CH 3 O
CH 2 OCH 3
CH 3 O H
ヘミアセタール
O
OCH 3 HO HO
CH 2 OH
HO H
アセタール
非還元糖
24-4:アルドースの酸化反応
p1441pHを調節した臭素水による酸化の方が高収率(合成目的で汎用)
第二級アルコールは 酸化されない
CHO HO H HO H H OH H OH CH
2OH D-
マンノースHNO
3, H
2O, Δ
COOH HO H HO H H OH H OH COOH D-
マンナル酸(アルダル酸の一種)
44%
1) アルデヒドのカルボン酸への酸化(アルドン酸の生成)
2) アルデヒドと第一級アルコールの二酸への酸化(アルダル酸の生成)
CHO HO H HO H H OH H OH CH
2OH D-
マンノースBr
2, H
2O
COOH HO H HO H H OH H OH CH
2OH D-
マンノン酸(アルドン酸の一種)
pH = 5~6 – 2HBr
高収率
Δ – H
2O
C HO H HO H
H O
H OH CH
2OH
D-
マンノノ-γ-ラクトンO
H O HO
H OH
H HO CH
2OH
O
24-5:過ヨウ素酸による酸化的開裂
p1442 重要:過ヨウ素酸による1,2-ジオール(グリコール類)の酸化的開裂過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO
4
)も酸化開裂を起こす 反応機構OH OH H
H
+ I
O O O OH
酸化状態(VII)
H 2 O
H H O
O 77%
+
過ヨウ素酸I OH O
O
酸化状態
(V)
C C OH
OH + I O O O OH
C C O
I O OH
OH O OH
環状過ヨウ素酸エステル
– H 2 O
2 C O + I OH O
O
24-5:糖の酸化的開裂
p1443 1) アルドースの酸化的分解隣接ジオール構造を多数もつ糖は、CーC結合の開裂を伴う酸化を起こす
C C CH 2 OH H OH
1 2 3
O H
D-
グリセルアルデヒドC 3 H 6 O 3
H 2 O
水和C C CH 2 OH H OH
1 2 3
H OH
HO HIO 4 C
C CH 2 OH H
1 2 3
H HO
O I O OH
OH O OH
C1–C2
開裂– HIO 3 – H 2 O
H C O HO
1
+ C O H
CH 2 OH
2 3
H 2 O
水和H
C CH 2 OH
OH HO 2
3
HIO 4 H
C C HO 2
3
O O I
OH OH O OH H
H C2–C3
開裂– HIO 3 – H 2 O H
C O HO
2
+ C O H
H
3
最終分解物:
2 HCO 2 H
(ギ酸)+ HCHO
(ホルムアルデヒド)24-5:糖の酸化的開裂
p1443 2) ケトースの酸化的分解CH 2 OH C CH 2 OH
O
1 2 3
1,3-
ジヒドロキシアセトンC 3 H 6 O 3
H 2 O
水和CH 2 OH C CH 2 OH
OH HO 2
3
HIO 4
1 C
C CH 2 OH HO 2
3 1
O O
I OH OH O OH H
H
C1–C2
開裂– HIO 3 – H 2 O
H C O H
1
+ C OH O
CH 2 OH
2 3
HIO 4 C
C H H 3
2
O O
I OH OH O OH C2–C3
開裂O
– HIO 3 – H 2 O
2 C + C O H
H
3
O O
最終分解物:
2 HCHO + CO 2
発展:24-5 糖の酸化的開裂の法則
p1444 1,2-ジオールの酸化的開裂は、糖の構造解明にも用いられてきた1)1つの CーC 結合切断に、1当量の HIO
4
が必要2)アルデヒド部および第二級アルコール部位は、等量のギ酸を与える 3)第一級アルコール部位は、ホルムアルデヒドを与える
4)ケトースのカルボニル基は CO2 を与える
・消費された HIO
4
の当量から炭素数がわかる・生成物とその比が、OH基およびカルボニル基の数と配列を決める手がかり
( 分解物は、もとの糖の部位と同じ水素数をもつ)
C H OH HO H
H OH H OH CH
2OH O
1H
2 3 4 5 6
D-
グルコースC1〜C5由来 5
HIO
45 × H C O
OH + H C O
H C6由来
CH
2OH
H O
HO H
H OH
H OH
CH
2OH
1 2 3 4 5 6
D-
フルクトースC3〜C5由来 5
HIO
43 × H C
O
OH + H C O
H C1,C6由来 2 ×
+
C2由来 CO
224-6:単糖の還元反応
p1444アルドースとケトースのカルボニル基は還元剤で還元され、アルジトール とよばれるポリアルコールを与える(参照:8章-5, p377)
1) アルドースの還元
CHO H OH HO H
H OH H OH CH
2OH
D-
グルコースD-
グルシトール(アルジトールの一種)
O HO OH
HO
H CH
2OH
H H
H
HO H
NaBH
4MeOH
CH
2OH H OH HO H
H OH H OH CH
2OH
2) ケトースの還元
CH
2O OH
HO H H OH H OH CH
2OH D-
フルクトースNaBH
4MeOH
D-
グルシトールCH
2OH H OH HO H
H OH H OH CH
2OH
+
D-
マンニトールCH
2OH HO H HO H H OH H OH CH
2OH
(アルジトールの一種)
24-7:単糖とアミンの縮合
p1445アルドースとケトースのカルボニル基はアミン誘導体と縮合反応を起こす
復習:アミン誘導体のカルボニル基への付加反応(17章-9)
R R’
O
R R’
NHR”
+ H 2 O H +
+ R”NH 2
第一級アミンC
HO H HO H
H OH H OH CH 2 OH D-
マンノースH O
H 2 N H N
Ph EtOH, Δ
– H 2 O
C HO H HO H
H OH H OH CH 2 OH
ヒドラゾン誘導体H N HN Ph
H 2 N H N
Ph EtOH, Δ
– C 6 H 5 NH 2 – NH 3 – H 2 O
C C N HO H H OH H OH CH 2 OH
オサゾン誘導体H N HN Ph
2 × NHPh
24-8:単糖の OH 基の反応
p14461) エステル化 (復習:19章-9, 20章-2)
2) アルコールのエーテル化 (復習:9章-6)
完全エステル化
O HO OH
HO
CH
2OH
HO H
5 ×
O
O O N
, O
O O
O
H O
O O
O
O O O
β-D-
グルコピラノース91%
完全メチル化
O HO OH
OH HO H
4 ×
,
70%
H
3CO S OCH
3O O
β-D-
リボピラノースO
OCH
3H
3CO
OCH CH
3 3O H NaOH
Williamsonエーテル合成
アルコールのエステル化と同様
アルコールのエーテル化と同様
重要:24-8 グリコシド(配糖体)の生成
p1447 復習:ヘミアセタールとアルコールを酸触媒で処理するとアセタールが生成する(p1028)
R R’ + R”OH
H
+R R’
OR”
R”O
ヘミアセタール アセタール
OR”
HO
+ H
2O
グリコシドの生成
・糖のアセタールをグリコシド(glycoside)または配糖体とよぶ
・グリコシドは非還元糖
命名法:糖の名称の最後の”e”を”ide”に置き換える
→グルコース(glucose)の配糖体はグルコシド(glucoside)
O HO OH
HO
CH
2OH
HO H β-D-
グルコピラノースHCl MeOH
ヘミアセタールO HO OMe
HO
CH
2OH
HO H
メチル β-D-グルコピラノシドO HO H
HO
CH
2OH
HO OMe
メチル α-D-グルコピラノシド+
グリコシド結合
αおよびβ-アノマーの混合物が生成
24-8:グリコシド生成の反応機構
p1447O
OMe
反結合性σ*軌道 αアノマー
軌道の重なりによる安定化
=アノマー効果
アノマー効果と呼ばれる安定化のため、αアノマーが優先して生成
O HO OH
HO
CH
2OH
HO H β-D-
グルコピラノースO HO OMe
HO
CH
2OH
HO H
O HO H
HO
CH
2OH
HO OMe
H
+O HO OH
HO
CH
2OH
HO H
H
– H
2O
O H HO HO
CH
2OH
HO
オキソカルベニウムイオン
R OH
アルコールが上面から接近
A
アルコールが下面から接近
– H
+B
A
β形
B – H
+α形(主生成物)
+
H H
1 3
5
24-8:グリコシド(配糖体)の加水分解
p1447グリコシドの加水分解
グリコシドは酸加水分解によって選択的にヘミアセタールに変換できる 復習:ヘミアセタールとアルコールを酸触媒で処理すると
アセタールが生成する(p1028)
R R’ + R”OH
H
+R R’
OR”
R”O
ヘミアセタール アセタール
OR”
HO
+ H
2O
αおよびβ-アノマーの混合物が生成
O HO OMe
HO
CH 2 OH
HO H
メチル β-D-グルコピラノシド アセタール
HO O HO
CH 2 OH
HO D-
グルコピラノースHCl
H 2 O
OH
立体異性体の 混合物を表す
+ MeOH Δ
24-8:環状アセタールの生成
p1449シス配置のジオールに対する 5または6員環アセタールは生成しやすい
H
+OH
C C OH
C C O C O
Me Me
Me C Me O
+ + H
2O
環状アセタール
保護基として利用 C2-OH,C3-OH:シス C3-OH,C4-OH:トランス C4-OH,C6-OH:シス
L-
ソルボース 1 3 2 5 4 6H
2C H
HO H H HO
O
CH
2OH OH
1 2 3 4 5
L-
ソルボフラノースHO
HOH
2C CH
2OH O
OH OH
OH
シスジオールのみ選択的に保護
H
+, 2 × C
O
6
H
2C
H
O H
H O
O
CH
2OH O
1 2 3 4 5
O
6
C
C
C1-OHの酸化
H
2C
H
O H
H O
O
COOH O
1 2 3 4 5
O
6
C
C
KMnO
41
HOH
2C COOH O
OH OH
OH
H
+, H
2O
脱保護 選択的酸化 に対応5員環
6員環