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山体重力変形の地表形態と内部構造Surface morphology and internal structures of deep-seated gravitational slope deformation

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Academic year: 2021

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A30

山体重力変形の地表形態と内部構造

Surface morphology and internal structures of deep-seated gravitational slope deformation

〇千木良雅弘・針山岳大 〇M. CHIGIRA, T. HARIYAMA Mountain slopes are gravitationally deformed to form characteristic surface morphology and internal structures with various types. Typical deformation types are as follows: Arcuate downslope-facing scarps are made by downslope sliding sometimes with buckle folds at the foots. Parallel linear depressions or uphill-facing scarps are made on one side of a ridge by flexural toppling. Flexural toppling commonly accompanies settling down of a ridge top, where is subjected to extension because of the toppling downslope. Parallel linear depressions running on both sides of a ridge suggest settling down of a ridge. Irregularly shaped, discontinuous depressions and bulges suggest preliminary stage of gravitational slope deformation.

山体斜面は、重力下に長期的に置かれると、次第 に変形してゆき、最終的に崩壊に至ることがある。 この変形は山体重力変形や岩盤クリープ、また、 Sackung, sagging, deep-seated gravitational deformation などと呼ばれている。斜面の変形形態 と内部構造とは表裏一体のものであるが、従来そ の対応は十分に解明されているとは言い難い。ここ では、さまざまな実例をもとに、特徴的な地表形態 と内部構造との関係を整理する。 眉型の谷向き崖 この地形は、斜面に平行に近いすべり面が形成さ れていること、つまり、谷方向へのすべりを示す。 斜面下部で地層が座屈している場合がある。崖の スケールが相対的に小さい場合は、まだ変形の初 期段階を示し、崩壊に至る危険性もある。たとえ ば、2011 年台風 12 号による深層崩壊に先立って、 多くの場合、眉型の谷向き崖が形成されていた。 線状凹地および山向き崖 これらの地形は、急傾斜する面構造の曲げトップ リングによる。岩盤に破砕帯などの弱部がある場 合には、そこにせん断が集中して線状凹地や山向 き崖ができる。線状凹地が密集して皺状の形態に なることもある。斜面内部で面構造に沿うずれが 均一に発生する場合には、凸型断面の斜面ができ る。変形斜面の上部は展張領域になるため、相対 的に規模の大きな谷向き崖と陥没が起こる。この タイプの山体重力変形は大規模かつ急激な崩壊に は変化しにくいが、谷向き崖が眉型になり、斜面 下部にまで連続するようになった場合には、斜面 に平行するような不連続面が形成されたことを示 し、崩壊の危険性が高い。 山稜の両側に平行する線状凹地 山稜の両側に平行し、ほぼ規模の等しい線状凹地 とそれに付随する山向き崖がある場合、山頂の陥 没が示唆される。山頂の陥没は、山体の側方への 拡大を伴う。一般には急激な崩壊には至らないが、 側方拡大の縁の部分で崩壊発生が推定される。 不規則形態で連続性の悪い凹部や凸部 山体重力変形の初期的段階を示す。このような形 態の斜面の内部構造は従来よくわかっていなかっ たが、高品質ボーリング調査によって、斜面内部 に散在する微小なすべりと破砕領域形成し、それ らがまだ斜面を横断して連結していない場合に形 成されることが明らかになってきた。斜面を横断 する破砕部が形成されると、地表には眉型の谷向 き崖が現れ、全体的な地すべりあるいは深層崩壊 に至る。 山体重力変形は、千年から万年オーダーにわたる 現象で、それは山地河川の下刻速度と対応する速 度で進行するものと考えられる。実際、最近の高 精度孔内傾斜計によれば、年間 1 ㎜~1 ㎝程度の 緩慢な動きがしばしば計測される。これは、山岳 地で得られている下刻速度に対応する程度の速さ である。

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