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準都市計画区域に関する法制度上の問題点

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準都市計画区域に関する法制度上の問題点

―― 九州北部3県の構造改革特区提案と準都市計画区域の指定実態を素材として ――

福島大学共生システム理工学類  

川 﨑 興 太 

1.研究の背景と目的

 我が国では,都市農村空間の全域を総合的・一元的 に計画・規制する土地利用計画・規制制度は存在せず,

国土利用計画法に基づく土地利用基本計画において,

都道府県の区域が都市地域,農業地域,森林地域,自 然公園地域,自然保全地域の5つの地域に区分され,

この

地域区分に対応した

つの個別法に基づいて,

それぞれ計画・規制が行われるように体系化されてい る。このうち,都市地域とは,都市計画法に基づく都 市計画区域に相当する地域である。

 都市計画制度の適用範囲を定める都市計画法上の根 幹的な制度である都市計画区域は,都道府県が一体の 都市として総合的に整備し,開発し,及び保全する必 要がある区域などに指定するものとされており,平成

22年3月31日現在,国土面積の約1/4に相当する約

10万㎢に指定されている

。都市計画区域内では,都

市計画区域マスタープランに即しつつ,土地利用,都 市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画が一体 的かつ総合的に定められることにより,都市の健全な 発展と秩序ある整備が図られることが法律上予定され ている。

 しかし,近年では,こうした法的な枠組みにもかか わらず,モータリゼーションの進展などに伴って,都 市計画区域外においても都市的土地利用が拡散しつつ あることから,都市計画区域外における土地利用の整 序を図る制度として,平成12年

月19日に準都市計画 区域が創設され,平成13年

月18日に施行されること になった(表1)。準都市計画区域の指定権者は,地 方分権改革の流れの中で市町村とされたが,郊外店舗 などは立地の自由度が高く,影響が市町村の区域を越

えて及ぶのに対して,雇用や税収の面での効果をめ ぐって市町村間の利害が競合する中にあっては,その 立地制限に意欲的な市町村が存在したとしても自らの 権限で実効的な規制を行うには空間スケールの面で限 界があったこと,また,農用地区域や保安林などは含 めるべきではなく,農地や森林などは含めないことが 望ましいものとされたことなどから,次に述べる制度 改正が行われるまでの約5年半において,市町村が指 定した準都市計画区域は

区域(

市町村)にとどまっ た

 このため,大規模集客施設の立地制限を通じた集約 型都市構造の実現を主眼とする平成18年

月31日の都 市計画法の改正によって,準都市計画区域は,都道府 県が広域的な観点から土地利用の整序又は環境の保全 が必要な区域において,農地を含めて広く指定できる ように変更された。この都道府県指定の準都市計画区 域は,平成18年11月30日に施行されてから平成23年3 月31日までの

ヵ月の間に44区域(

道県)に指 定されているが,その73%にあたる32区域は福岡県と 佐賀県において指定されている。

 このように,福岡県と佐賀県では,準都市計画区域 が積極的に活用されている状況にあるが,その指定に 至るまでの道筋は決して一直線であったわけではな く,それは長崎県を含めた九州北部

県が平成19年

月29日に構造改革特区第11次提案として「準都市計画 区域における建築基準法集団規定の適用除外」を共同 で要望していることからも推察される。この構造改 革特区提案については,平成19年10月

日に「対応不 可」との結論が下されているが,ここには,準都市計 画区域を都市計画区域外に広く指定しようとすれば,

九州北部

県に限らず,全国のどこであってもほぼ必 然的にぶつかる本質的な問題点,ひいては我が国の都

論 文

(2)

市計画法制度の根本的な問題点が潜んでいるものと考 えられる。

 本研究は,こうした認識のもとに,九州北部

県の 構造改革特区提案とこれに対する国土交通省の回答を

整理した後に,九州北部

県における準都市計画区域 等の指定状況を明らかにした上で,準都市計画区域に 関する法制度上の問題点について考察することを目的 とするものである。なお,準都市計画区域に関する既

表1 準都市計画区域制度の概要と変遷

準都市計画区域

都市計画区域 都市計画区域及び 準都市計画区域外

平成12年 平成18年

指定権者 市 町 村 都 道 府 県 都道府県,国土交通大臣《注1》

指定基準

●市町村は,都市計画区域外の 区域のうち,そのまま土地利 用を整序することなく放置す れば,将来における都市とし ての整備,開発及び保全に支 障が生じるおそれがあると認 められる一定の区域を,準都 市計画区域として指定するこ とができる

●都道府県は,都市計画区域外の 区域のうち,そのまま土地利用 を整序し,又は環境を保全する ための措置を講ずることなく放 置すれば,将来における一体の 都市としての整備,開発及び保 全に支障が生じるおそれがある と認められる一定の区域を,準 都市計画区域として指定するこ とができる

●都道府県は,市又は人口,就業者数 その他の事項が政令で定める要件に 該当する町村の中心の市街地を含 み,かつ,自然的及び社会的条件並 びに人口,土地利用,交通量等に関 する現況及び推移を勘案して,一体 の都市として総合的に整備し,開発 し,及び保全する必要がある区域を 都市計画区域として指定するものと

●都道府県は,上記によるもののほか,する 大都市圏整備法による都市開発区域 等を都市計画区域として指定するも

のとする

都市計画運用指針

《注2》

●含めるべきではない土地の区 域:①農業振興地域の整備に 関する法律に基づく農用地区 域,②森林法に基づく保安林 等,③自然公園法に基づく国 立公園及び国定公園の特別地 域,④自然環境保全法に基づ く原生自然環境地域及び自然 環境保全地域の特別地区 

●含めないことが望ましい土地 の区域:①農地及び採草放牧 地,②森林,③工場立地法に よる土地利用に係る規制が行 われている土地の区域 

※含めるべきではない土地の区域 から,「①農業振興地域の整備 に関する法律に基づく農用地区 域」を削除

※含めないことが望ましい土地の 区域から,「①農地及び採草放 牧地」を削除

「農業振興地域の整備に関する 法律等による規制と相まって,

大規模集客施設等の立地を抑制 する観点から,農用地区域内等 に存する農地と準都市計画区域 を重複して指定することは差し 支えない」との旨の指針を追加

●市町村の行政区域にとらわれず,土 地利用の状況及び見通し,地形等の 自然的条件,通勤,通学等の日常生 活圏,主要な交通施設の設置の状況,

社会的,経済的な区域の一体性等か ら総合的に判断し,現在及び将来の 都市活動に必要な土地や施設が相当 程度その中で充足できる範囲を,実 質上一体の都市として整備,開発及 び保全する必要のある区域として指 定するべきである

        

決定可能な 都市計画

●土地利用に関する計画(用途 地域,特別用途地区,特定用 途制限地域,高度地区(建築 物の高さの最高限度),美観 地区,風致地区,伝統的建造 物群保存地区)

「緑地保全地域」を追加

「美観地区」は平成16年の景観 法の公布に伴って「景観地区」

に変更

●土地利用に関する計画

●都市施設の整備に関する計画

●市街地開発事業に関する計画

●特に必要があると きは,都市施設の 整備に関する計画

開発許可

●3,000㎡以上の開発行為に適用される(技術基準)《注3》 ●市街化区域では1,000㎡以上(都の 区域等では500㎡以上)の開発行為 に適用される(技術基準)《注3》

●市街化調整区域では原則として全て の開発行為に適用される(技術基準 と立地基準)

●非線引き都市計画区域では3,000㎡

以上の開発行為に適用される(技術 基準)《注3》

●10,000㎡以上の開 発行為に適用され る(技術基準)

建築確認 ●適用される ●一部適用される

集団規定 ●適用される ●適用されない。た

だし,建築基準法 第68条の9第1項 の条例,準景観地 区による規制が可 能《注4》

用途白地地域の形 態規制等

●容積率制限,建ぺい率制限,道路斜線制限,隣地斜線制限,日影規制(地方公共団体が条例で区域を指定 した場合)

●大規模集客施設は原則的に立地不可(都市計画で開発整備促進区を定め る地区計画を定めた場合には立地可能)

都市計画税 ●課税できない ●原則として市街化区域内の土地・家

屋に課税 ●課税できない

注1:2以上の都府県の区域にわたる都市計画区域については,国土交通大臣が指定権者である。ただし,実例はない。

:平成12年の準都市計画区域は『都市計画運用指針』(平成12年12月),平成18年の準都市計画区域及び都市計画区域は『第版 都市計画運用指針』

(平成18年11月)による。なお,平成20年12月には『第6版 都市計画運用指針』が公表されているが,平成23年7月におけるその改正に至るまで,

準都市計画区域及び都市計画区域にかかわる内容は第5版と変わらない。

注3:都道府県,指定都市,中核市,特例市又は事務処理市町村は,条例で(平成12年当時は規則で)300㎡以上まで引き下げることができる。

:建築基準法第68条の項の条例による制限項目は,接道義務,容積率制限,建ぺい率制限,絶対高さ制限(建築物の最高限度),道路斜線制 限,隣地斜線制限,日影規制であり,準景観地区による制限項目は,絶対高さ制限(建築物と工作物の最高限度と最低限度),壁面の位置の制限,

最低敷地規模制限,建築物と工作物の形態意匠の制限,壁面後退区域における工作物設置制限である。

(3)

往研究としては,制度創設過程や指定状況を整理した 田中(2009)1)のほかには,個別の事例を紹介した谷 口(2009)2)や小川(2009)3)が存在するのみである。

2.九州北部3県の構造改革特区提案と国 土交通省の回答

⑴ 九州北部3県の構造改革特区提案の背景

 九州北部3県の構造改革特区提案は,大規模集客 施設の立地制限を目的として準都市計画区域を指定 するにあたっての「準都市計画区域における建築基 準法集団規定の適用除外」を要望したものである。

 この提案の背景には,九州地方知事会において,

平成17年10月24日から「中心市街地再生に係る九州・

山口各県の広域的連携」という政策連合に関する検 討が行われており,平成18年に都市計画法および建 築基準法が改正されてからは,その具体的な施策と して準都市計画区域の活用が位置づけられていたと いう事情が存在する。

⑵ 構造改革特区提案とこれに対する回答の内容  九州北部3県の構造改革特区提案とこれに対する 国土交通省の回答を要約すれば,およそ以下の通り である(表

)。

 九州北部3県の構造改革特区提案は,大規模集客 施設の立地規制が及ばない都市計画区域外につい て,準都市計画区域を指定することにより,その適 正立地を図りたいと考えているが,準都市計画区域 を指定した場合,戸建て住宅等の小規模な建築物を 含め,集団規定が一律に適用されるため,多くの既 存不適格建築物が発生するなど,本来の区域指定の 目的以外に大きな影響を与えることから,これを広 く指定することが困難なので,将来,市街地となる ことが想定されない区域では,都市計画区域と同様 の市街地水準を確保する必要がないことから,県が 都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域では,

用途規制以外の集団規定を適用しないことを認めて もらいたいというものである。

 これに対する国土交通省の回答は,準都市計画区 域とは,将来における一体の都市としての整備,開 発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められ る区域を都道府県が指定した場合に,必要な都市計 画を定め土地利用の規制を行うものであるから,都 市計画区域で最低限確保されるべき市街地の水準に ついては,準都市計画区域においても同様に確保す ることが必要であり,将来一体の都市となる見込み

があればこそ,都市となった場合(即ち都市計画区 域となった場合)にも建築物の相隣環境に問題が生 じないように,また,その時点になって初めて集団 規定を適用することにより既存不適格建築物を出現 させないためには,準都市計画区域を指定した時点 から,最低限確保されるべき市街地の水準を予め担 保しておく必要があるので,準都市計画区域内にお いて集団規定の一部を適用しないとすることはでき ないというものである。

 こうした九州北部

県の提案と国土交通省の回答 は,構造改革特区本部による検討要請も交えて,

回にわたって行われたが,最終的には平成19年10月

日に「対応不可」との結論が下されることになった。

3.九州北部3県における準都市計画区域 等の指定状況

 構造改革特区提案に関する結論が下されてから,福 岡県では27区域,佐賀県では

区域に準都市計画区域 が指定されている(表

)。ただし,佐賀県の小城は,

平成22年10月1日に都市計画区域の統合・拡大に伴っ て廃止されているので,平成23年

月31日現在の佐賀 県における準都市計画区域は

区域となっている。

 これらは全て,平成18年の都市計画法および建築基 準法の改正によって,準都市計画区域内の用途白地地 域でも大規模集客施設の立地が制限されるようになっ たことを受けて指定されたものであるが,以下では,

各県における準都市計画区域の指定の経緯と現状,準 都市計画区域内における地域地区と白地形態規制の指 定状況を明らかにする。

⑴ 準都市計画区域の指定の経緯と現状

① 福 岡 県

 福岡県は,構造改革特区提案を行った平成19年

月に,準都市計画区域の指定基準としての位置 づけを持つ『大規模集客施設の立地ビジョン』を 策定し,その実現に向けて準都市計画区域の指定 を検討していた。平成19年10月に構造改革特区提 案に関する結論が確定することになったが,それ でも福岡県は,用途白地地域での大規模集客施設 の立地制限にかかわる建築基準法の施行日である 平成19年11月30日に,『都市計画運用指針』にお いて「含めるべきではない」とされている保安林 などのほか,離島などを除く都市計画区域外の全 域に準都市計画区域を指定すべく手続きを進めて いた。
(4)

表2 九州北部3県の構造改革特区提案と国土交通省の回答

平成19年7月12日(注) 平成19年7月30日 平成19年10月2日 要望事項

求める措置の具体 的内容

具体的事業の 実施内容・提案理由

再検討要請(特区

本部) 提案主体からの意見 再々検討

要請(特区本部) 提案主体からの再意見

計画区域 準都市 において,

県が都市計画審議 会の意見を聴いて 指定する区 域 で,

用途規制以外の集 団規定を適用しな い(建築基準法第 3章(第48条より 第49条の 2までを除く)を 適用しないもの)

 福岡県,佐賀県及び長崎県で は,中心市街地活性化に向けて改 正された都市計画法を活用し,大 規模集客施設の立地規制が及ば ない都市計画区域外について準 都市計画区域を指定することによ り,大規模集客施設の適正立地を 図りたいと考えている。

 しかし,準都市計画区域を指 定した場合,大規模集客施設等 の用途規制だけではなく,戸建て 住宅等の小規模な建築物も含め,

接道,形態規制等の集団規定が 適用されるため,多くの既存不適 格建築物が発生する等,本来の 区域指定の目的以外の大きな影響 を与えることから,準都市計画区 域を広く指定することは困難とな り,大規模集客施設の適正立地を 実現することができない。

 このため,県が都市計画審議 会の意見を聴いて指定する区域 で,用途規制以外の集団規定を 適用しないものである。(建築基 準法第3章(第48条より第49条の 2までを除く)を適用しないもの)

 都市計画区域や 準都市計画区域に 定めなくても,都 市計画区域外にお いて特定用途制限 地域を定めること が出来ないか検討 されたい。

 併せて右提案主 体の意見につき検 されたい。討し回答

 都市計画区域で最低限確保され るべき市街地水準については,準 都市計画区域においても同様に確 保することが必要とのことである が,そのような市街地水準を確保す る必要があるのは,改正前の準都 市計画区域ではないか。改正前の 準都市計画区域制度は,相当数の 建築物の建築等によって市街地環 境上の問題等が発生する蓋然性の 高い区域に限定されていたが,改 正後は市街地になることが想定さ れている区域周辺の保全すべきエ リア等広く指定できることとされ た。都市計画区域とは異なる基準 で指定する準都市計画区域におい て,将来,市街地となることが想 定されない区域に,一律に都市計 画区域と同様の市街地水準を確保 する必要はないのではないか。

 開発の可能性があり,環境を保 全するための措置が必要である が,市街地となることが想定され ない区域は,準都市計画区域の対 象となる。このような区域で市街 地の水準を担保する必要はない。

都市計画区域を想定して担保す るとのことであるが,準都市計画 区域は土地利用の整序,又は,環 境の保全いずれかでも可能であ り,例えば,環境の保全だけでも 可能である。このような区域では,

市街地の水準を担保し土地利用 の整序をする必要はない。整備,

開発,保全を全て実施する必要と なったときに,はじめて都市計画 区域とし,市街地の水準を担保す ればよい。なお,推進室が検討要 請している特定用途制限地域は 指定できないか。

平成19年7月20日 平成19年8月6 平成19年10月9日

措置

分類 各府省庁からの提案に対する回答 「 措 置 の 分類」の見直し

各府省庁からの 再検討要請に対する回答

「 措 置 の 分類」の再見直し

各府省庁からの 再々検討要請に対する回答

 準都市計画区域は,都市計画区域外に拡 大している都市的土地利用に対応し,土地利 用の無秩序な混在や良好な環境の喪失を防ぐ ため,将来における一体の都市としての整備,

開発及び保全に支障が生じる恐れがあると認 められる区域を都道府県が指定した場合に,

用途地域,特別用途地区,特定用途制限地域 等必要な都市計画を定め土地利用の規制を行 うものである。

 このため,一体の都市として総合的に整備 し,開発し,及び保全する必要がある都市計 画区域で最低限確保されるべき市街地の水準 については,土地利用を整序し,又は環境を 保全するための措置を講ずることなく放置す れば,将来における一体の都市としての整備,

開発及び保全に支障が生じるおそれがあると 認められる準都市計画区域においても同様に 確保することが必要となる。よって,準都市 計画区域内において行われる建築行為につい て,接道義務,用途規制,形態規制等のいわ ゆる集団規定を適用しないとすることは適当 ではない。

(再検討要請への回答)

 特定用途制限地域は,都市計画 区域又は準都市計画区域内におい て,一体の都市としての整備,開 発及び保全の観点から,すなわち 目標とする将来像の実現のために,

用途地域が定められていない土地 の区域(市街化調整区域を除く。)

において,地域の特性に応じた合 理的な土地利用が行われるよう,

制限すべき特定の建築物等の用途 の概要を定める地域である。

 特定の建築物等の用途制限等,

一体の都市としての整備,開発及 び保全が必要であれば,都市計画 区域もしくは準都市計画区域内に 位置づけるべき。

(提案主体からの意見への回答)

 準都市計画区域は,改正の前後 とも,そのまま放置すれば,将来 における一体の都市としての整備,

開発及び保全に支障が生じるおそ れがある一定の区域を指定するも のであり,開発の可能性がないと 考えられる区域は準都市計画区域 の対象となりえない。

 また,準都市計画区域が将来一 体の都市となった場合(すなわち 都市計画区域となった場合)を想定 すると,最低限確保されるべき市 街地の水準の担保が必要である。

 よって,準都市計画区域におい ても,都市計画区域で最低限確保 されるべき市街地の水準である集 団規定の一部を適用しないことは できない。

 提案主体の言う「市街地となる ことが想定されない区域」が何を 示すのか不明であるが,前回の回 答のとおり,準都市計画区域は,

そのまま放置すれば,将来におけ る一体の都市としての整備,開発 及び保全に支障が生じるおそれ がある一定の区域を指定するもの であり,開発の可能性がないと考 えられる区域は準都市計画区域の 対象となりえない。

 また,「整備,開発,保全を全 て実施する必要となったときに,

はじめて都市計画区域とし,市街 地の水準を担保すればよい」との ことであるが,将来一体の都市と なる見込みがあればこそ,都市と なった場合(すなわち都市計画区 域となった場合)にも建築物の相 隣環境に問題が生じないように,

また,その時点になって初めて集 団規定を適用することにより既存 不適格建築物を出現させないた めには,準都市計画区域を指定し た時点から,最低限確保されるべ き市街地の水準を予め担保してお く必要がある。

 なお,都市計画は,一体の都 市として総合的に整備し,開発 し,及び保全する観点から定めら れるものであり,こうした必要の ない都市計画区域外において,特 定用途制限地域のような用途規 制のみを行う合理的理由は見出せ  ない。

注: 九州北部3県による構造改革特区の提案日は平成19年6月29日であるが,構造改革特別区域推進本部による国土交通省への検討要請の実施日は平成 19年7月12日である。

資料: 構造改革特別区域推進本部のホームページに掲載されている「構造改革特区の提案募集について・第11次提案募集関係」(管理コード:1220130,

提案事項管理番号:1150010)

(5)

表3 九州北部3県の準都市計画区域の指定実績

都道府県 市町村 行政区域 面積(ha)

都市計画区域 面 積(ha)

準   都   市   計   画   区   域 指 定状 況

名称 面 積

(ha) 指定・予定 年月日

背   景   と   目   的 発 意

主体 合 併と の 分類 関係

(注) 詳   細   内   容

九州北部

福岡県

久留米市 22,984 16,127

指定済

久留米 5,433 H20.3.31 大規模

「都市機能が拡散する都市づくり」から「都市機能を集積する都市づくり」への転換を図るため,「街なか居住の推進」,

「街なか集客力の向上」,「大規模集客施設の適正立地」からなる「街なか再生」を進めているが,「大規模集客施設の適 正立地」を進めるにあたっての基本的な考え方を明らかにした『大規模集客施設の立地ビジョン』 (平成19年6月)に おいて,集約型都市構造を目指すこととしており,その実現に向けた取り組みの一環として指定

飯 塚 市 21,413 11,935 飯 塚 3,484 H20.3.31 大規模

八 女 市 48,253 6,079

八 女 119 H20.3.31 大規模

黒 木 126 H20.3.31 大規模

立 花 36 H20.3.31 大規模

豊 前 市 11,117 2,927 豊 前 1,011 H20.3.31 大規模

筑紫野市 8,778 4,398 筑紫野 375 H20.3.31 大規模

太宰府市 2,958 2,253 太宰府 378 H20.3.31 大規模

古 賀 市 4,211 2,220 古 賀 1,471 H20.3.31 大規模

福 津 市 5,270 3,475 福 津 1,602 H20.3.31 大規模

うきは市 11,755 0 うきは 4,569 H20.3.31 大規模

宮 若 市 13,999 5,249 宮 若 5,276 H20.3.31 大規模

嘉 麻 市 13,518 3,903 嘉 麻 2,645 H20.3.31 大規模

朝 倉 市 24,673 12,300 朝 倉 2,949 H20.3.31 大規模

みやま市 10,512 5,631 みやま 4,674 H20.3.31 大規模

那珂川町 7,499 1,902 那珂川 113 H20.3.31 大規模

篠 栗 町 3,890 1,138 篠 栗 17 H20.3.31 大規模

大 木 町 1,843 0 大 木 1,843 H20.3.31 大規模

香 春 町 4,456 0 香 春 1,568 H20.3.31 大規模

大 任 町 1,424 0 大 任 998 H20.3.31 大規模

福 智 町 4,204 0 福 智 2,921 H20.3.31 大規模

苅 田 町 4,661 3,288 苅 田 417 H20.3.31 大規模

みやこ町 15,128 1,934 みやこ 6,659 H20.3.31 大規模

上 毛 町 6,240 0 上 毛 2,305 H20.3.31 大規模

築 上 町 11,935 1,872 築 上 2,554 H20.3.31 大規模

糸 田 町 804 0 糸 田 741 H20.3.31 H22.3.31

(変更) 大規模

宗 像 市 11,966 7,682 宗 像 2,676 H22.3.31 大規模

佐賀県

武 雄 市 19,544 6,529 武 雄 453 H21.7.1 大規模 平成18年3月における旧武雄市(一部都計区域),旧北方町(都計区域外),旧山内町(都計区域外)の合併を背景に,

将来的な都計区域の拡大(非線引き)を見据えつつ,大規模集客施設の立地制限を主たる目的として幹線道路沿道等に

指定

神 埼 市 12,501 3,931 神 埼 2,477 H21.7.1 大規模 平成18年3月における旧神埼町(都計区域),旧千代田町(都計区域外),旧脊振村(都計区域外)の合併を背景に,将 来的な都計区域の拡大(非線引き)を見据えつつ,大規模集客施設の立地制限を主たる目的として旧千代田町の全域に

指定

みやき町 5,189 1,666 みやき 2,505 H21.7.1 大規模 平成17年3月における旧北茂安町(都計区域),旧三根町(都計区域外),旧中原町(都計区域外)の合併を背景に,将

来的な都計区域の拡大(非線引き)を見据えつつ,大規模集客施設の立地制限を主たる目的として旧三根町の全域及び

旧中原町の一部に指定

江 北 町 2,448 0 江 北 73 H21.7.1 大規模 沿道型の商業施設や住宅等の開発が進展しつつあることを背景に,大規模集客施設の立地制限を主たる目的として幹線道路沿道等に指定

小 城 市 9,585 5,865

(当初)9,585

(変更)

廃止済

小 城 3,629 H21.7.1 H22.10.1

(廃止) 大規模

平成17年3月における旧小城町(都計区域),旧牛津町(都計区域),旧三日月町(都計区域外),旧芦刈町(都計区域外)

の合併を背景に,将来的な都計区域の拡大(非線引き)を見据えつつ,大規模集客施設の立地制限を主たる目的として 旧芦刈町の全域及び旧三日月町の一部に指定。平成22年10月に都市計画区域マスタープランが決定され,小城市全域が 小城都計区域(非線引き)として指定されたことに伴って廃止

長崎県 検 討 中 指 定

検 討 検討中 検討中 検討中 大規模 福岡県と佐賀県と共同で集団規定の適用除外を構造改革特区として提案した当時(平成19年6月)は,大規模集客施設 の適正立地を目的として広い範囲に指定することを検討していたが,対応不可になったため,接道義務規定等による既

存不適格建築物の問題を考慮しながら指定を検討中

考・九州北部県以外の道県

北海道

七 飯 町 21,661 3,230

指定済

七 飯 819 H19.9.21 インター 隣接都市における北海道新幹線の新駅の整備や北海道縦貫自動車道の整備に伴って,今後,開発圧力がさらに高まるこ とが予想されることから,無秩序な開発や用途の混在を防止し,良好な自然環境及び生活環境を保全することを目的と

して指定

倶知安町 26,124 1,142 倶知安 2,298 H20.2.8 観光 外国資本によるスキー観光のためのコンドミニアム等の建設及び土地取引が活発化しており,今後,開発圧力がさらに

高まることが予想されることから,無秩序な開発や用途の混在を防止し,豊かな自然景観及び生活環境を保全すること

を目的として指定

ニセコ町 19,713 0 ニセコ 1,206 H21.3.6 観光 外国資本によるスキー観光のためのコンドミニアム等の建設及び土地取引が活発化しており,今後,開発圧力がさらに

高まることが予想されることから,無秩序な開発や用途の混在を防止し,豊かな自然景観及び生活環境を保全すること

を目的として指定

洞爺湖町 18,054 1,254 洞爺湖 1,955 H21.7.31 観光 別荘等の建設及び土地取引が活発化しており,北海道洞爺湖サミットを契機とした知名度の高まりもあって,今後,開

発圧力がさらに高まることが予想されることから,無秩序な開発や用途の混在を防止し,生活環境を保全することを目

的として指定

北 見 市 142,756 16,434 端 野 816 H23.3.29 その他 旧端野町は北見市の市街地に隣接していることから開発圧力が高い地域であり,合併を契機として,今後,開発圧力が さらに高まることが予想されることから,無秩序な開発や用途の混在を防止し,生活環境を保全することを目的として

指定

茨城県 常陸太田市 37,201 5,800 常陸太田 303 H21.1.5 その他 都市基盤が未整備のまま住宅開発が行われており,今後も宅地開発の進展が予想されることから,土地利用の整序を目的として指定 長野県 飯 田 市 65,876 8,100 飯 田 60 H22.2.25 その他 大平宿は江戸時代から約200年間続いた宿場町で,昭和45年の集団移住によって歴史の幕を閉じたが,近年,周辺にお

いて別荘の建設が行われているとともに,工場建設が計画されたことなどを背景に,歴史的な街並みを保全し,水源地

としての自然環境を保全することを目的として指定

福井県 永平寺町 9,434 1,861 永平寺 1,682 H19.11.30 インター 中部縦貫自動車道の整備に伴って,インターチェンジ周辺での開発圧力の高まりが予想されることから,永平寺町らしい環境を保全することを目的として指定

静岡県 牧之原市 11,168 7,985 牧之原 3,108 H21.2.27 インター 平成21年6月の富士山静岡空港の開港等に伴う散発的な土地利用による環境悪化を防止するため,平成17年7月に榛原 町(現牧之原市)によって指定された榛原町準都計区域を拡大し,保安林と県立自然公園(特別地域)を除く牧之原市

の都計区域外の全域に指定

愛知県 新 城 市 49,900 11,794 新城長篠 252 H22.12.24 インター 平成26年度に開設が予定されている(仮称)新東名高速道路新城インターチェンジの周辺において,今後,開発圧力が さらに高まることが予想されることから,無秩序な開発や用途の混在を防止し,生活環境や自然環境を保全することを

目的として指定

大分県 大 分 市 50,128 37,254 本神崎 95 H22.3.31 大規模 平成20年代中頃に供用開始予定のバイパス等の整備に伴って,沿道における大規模集客施設等の立地が予想されること から,都市機能の無秩序な拡散を防止し,コンパクトで暮らしやすい都市構造を実現することを目的として指定 中 津 市 49,115 5,626 三 光 1,459 H22.3.31 大規模 東九州自動車道等の整備に伴って大規模集客施設等が立地する可能性が高いことから,都市機能の無秩序な拡散を防止し,コンパクトで暮らしやすい都市構造を実現することを目的として指定

静岡県 掛 川 市 26,563 21,164

指定検討中

掛 川 604 新東名高速道 路の開通まで

に指定を予定 インター 平成24年度に供用開始予定の新東名高速自動車道の森・掛川インターチェンジ周辺において,今後,開発圧力が高まる ことが予想されることから,用途の混在や環境の悪化を防止することを目的として指定する予定 岐阜県 瑞 穂 市 2,818 1,965 検討中 853 検討中 その他 隣接する本巣市の一部に都計区域が指定されたことに伴って,瑞穂市の都計区域外の区域が都計区域に囲まれるようになったことを背景に,規制格差の是正を図ることを目的として指定を検討中

広島県 広 島 市 90,525 39,929 広島湯来 460 H23.5予定 その他 平成17年4月における政令指定都市・広島市との合併に伴って線引きの実施が必要になったが,全域が調整区域となり,

合意形成が困難であることなどから,湯来都計区域(非線引き,全域用途白地地域,3,069ha)の廃止とあわせて,土 地利用の整序を図ることなどを目的として,その一部の幹線道路沿いの平地部等に指定する予定

国+県+

熊本県 検 討 中 検討中 検討中 検討中 大規模 開発圧力が高い幹線道路沿道等において,大規模集客施設等の無秩序な開発を抑制し,土地利用の整序を図ることを目的として,都計区域の拡大や準都計区域の指定を検討中 宮崎県 検 討 中 検討中 検討中 検討中 大規模 高速道路の整備に伴って,インターチェンジ周辺での開発圧力の高まりが予想されることなどから,大規模集客施設の立地制限を主たる目的として,全県的な観点から指定を検討中 注: 「大規模」とは「都道府県単位での大規模集客施設の立地制限」,「インター」とは「インターチェンジ等の周辺における土地利用の整序や環境の保全」,「観光」とは「観光・リゾート地

での乱開発の防止と自然環境・景観の保全」を指す。

資料: 筆者が平成22年12月20日から全都道府県の準都市計画区域の担当部局に配布したアンケート調査(回収率100%)

(6)

するものとして,最終的には平成20年

月31日に 準都市計画区域を26区域(26市町)に指定するに 至った(図

。その後,平成22年

日に おける旧八女市・黒木町・立花町の市町合併に伴っ て26区域(24市町)となり,さらに平成22年

31日に糸田の変更を行うとともに

,新たに宗像

を指定したことによって27区域(25市町)となっ ている。

 福岡県における準都市計画区域は,県土面積の

11%

に相当する56,960ha に指定されており,現 在の全国における指定面積の74%,指定区域数の

63%を占めている

② 佐 賀 県

 佐賀県は,平成17年

月に策定した『佐賀県の 都市計画に関する基本方針』および平成19年3月 に策定した『人口減少・超高齢社会に対応した佐  しかし,市町村への説明会やヒアリングの際に

は,山間部の既存集落における接道義務規定等の 集団規定の適用を懸念する意見や周知期間の必要 性を訴える意見が少なからず出された。また,都 市計画審議会では,これらの市町村の意見を踏ま えて,区域の再検討を行う必要があること,一定 の周知期間をとる必要があること,山間部の集落 等においては集団規定の特例許可の活用などに よって既存建築物の建て替えに配慮する必要があ ることが指摘された。

 そこで,福岡県は,区域の見直しについては,

まとまった平地のない山間部の地域や森林などを 含めるかどうかに関して市町村の判断を尊重する ものとし,指定時期については,当初の予定を延 期するものとし,既存建築物に対する集団規定の 適用の問題については,特例許可等によって対応

注: この図は,福岡県のホームページからダウンロードした図面(平成23年8月末日時点のもの)に加筆して作成した ものである。

図1 福岡県における準都市計画区域の指定状況

(7)

賀県に適した都市のあり方(基本方針)』に基づき,

大規模集客施設の立地が予想される平地部の幹線 道路沿道を中心として,準都市計画区域の指定を 検討していた。また,平成19年

月からは,構造 改革特区提案に対する国土交通省の回答などに鑑 み,指定検討区域内における全ての既存建築物を 対象として,接道状況等に関する調査を開始した。

 佐賀県は,この調査の結果をもとに集団規定の 適用による影響を評価した上で,平成21年7月1 日に,市町村の合意が得られた

区域(

市町),

9,137ha に準都市計画区域を指定した(図 2

)。

その後,小城の廃止に伴って4区域(4市町)と なり,現在の指定面積は県土面積の

2%

に相当す る5,508haとなっている。

 佐賀県の準都市計画区域は,市町村合併を背景 として,都市計画区域への移行を見据えつつ,大 規模集客施設の立地制限を行うための暫定措置と して指定されたという特徴を有している。小城は,

その移行が実現された最初の事例であり,現在で は,武雄,神崎,みやきについて,平成23〜24年 度における移行に向けた手続が進められている。

なお,江北は,佐賀県内において,唯一,都市計 画区域への移行が予定されていない準都市計画区 域であるが,これは都市計画区域の指定要件を満

たすことが困難であることによる。

③ 長 崎 県

 長崎県は,平成19年

月に策定した『長崎県に ぎわいの都市づくり基本方針』に基づき,大規模 集客施設の立地制限を目的として,その立地の可 能性がある区域について,全県的に準都市計画区 域を指定することを検討していた

 しかし,構造改革特区提案が「対応不可」となっ たため,その後,長崎県は,接道義務規定等によ る既存不適格建築物の問題を考慮しつつ準都市計 画区域の指定に向けた検討を続けている。ただし,

複数の区域案を作成しているものの,具体的に市 町村と協議しているわけではなく,指定の見通し は立っていない。

⑵ 地域地区と白地形態規制の指定状況

 福岡県と佐賀県の準都市計画区域において地域地 区が定められているのは,福岡県の朝倉と宗像のみ である(表4)。

 朝倉では,温泉観光地の26ha を対象として商業 地域が定められている。これは,周辺の用途白地地 域における容積率(200%)や建ぺい率(60%)よ りも緩い容積率(400%)や建ぺい率(80%)を定 めることによって,既存不適格建築物の発生を回避 することが意図されたものであるが,特別用途地区

:この図は,佐賀県のホームページからダウンロードした図面に加筆して作成したものである。

図2 佐賀県における準都市計画区域の指定状況

(8)

(観光地区)をあわせて定めることにより,大規模 集客施設の立地制限が行われている。他方,宗像で は,計画的に開発された

ヵ所の住宅団地において,

戸建て住宅を中心としたゆとりと潤いのある住環境 を維持・保全するため,第二種低層住居専用地域が 定められている。

表4 九州北部3県の準都市計画区域における地域地区の決定状況と用途白地地域での建築形態規制の指定 状況

都道府県 市町村

準   都   市   計   画   区   域 状況等指定 名 称 面 積

(ha) 指定・予定 年月日

地  域  地  区 用途白地地域での建築形態規制

(注1)種 類 面 積

(ha) 決定・予定

年月日 施行・予定 年月日 面 積

(ha) 容積率 制限 建ぺい

率制限 道路斜

線制限 隣地斜線制限 日影

規制 指定・予定 年月日

九州北部

福岡県 久留米市

指定済

久 留 米 5,433 H20.3.31 ― ― ― ― 5,433 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 飯 塚 市 飯 塚 3,484 H20.3.31 ― ― ― ― 3,484 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 八 女 市

八 女 119 H20.3.31 ― ― ― ― 119 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 黒 木 126 H20.3.31 ― ― ― ― 126 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 立 花 36 H20.3.31 ― ― ― ― 36 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 豊 前 市 豊 前 1,011 H20.3.31 ― ― ― ― 1,011 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 筑紫野市 筑 紫 野 375 H20.3.31 ― ― ― ― 375 200% 60% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 太宰府市 太 宰 府 378 H20.3.31 ― ― ― ― 378 200% 60% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 古 賀 市 古 賀 1,471 H20.3.31 ― ― ― ― 1,471 200% 60% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 福 津 市 福 津 1,602 H20.3.31 ― ― ― ― 1,602 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 うきは市 う き は 4,569 H20.3.31 ― ― ― ― 4,569 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 宮 若 市 宮 若 5,276 H20.3.31 ― ― ― ― 5,276 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 嘉 麻 市 嘉 麻 2,645 H20.3.31 ― ― ― ― 2,645 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 朝 倉 市 朝 倉 2,949 H20.3.31 用途,特別 26 H22.9.1 H22.9.1 2,923 200% 60% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 みやま市 み や ま 4,674 H20.3.31 ― ― ― ― 4,674 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 那珂川町 那 珂 川 113 H20.3.31 ― ― ― ― 113 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 篠 栗 町 篠 栗 17 H20.3.31 ― ― ― ― 17 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 大 木 町 大 木 1,843 H20.3.31 ― ― ― ― 1,843 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 香 春 町 香 春 1,568 H20.3.31 ― ― ― ― 1,568 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 大 任 町 大 任 998 H20.3.31 ― ― ― ― 998 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 福 智 町 福 智 2,921 H20.3.31 ― ― ― ― 2,921 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 苅 田 町 苅 田 417 H20.3.31 ― ― ― ― 417 200% 60% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 みやこ町 み や こ 6,659 H20.3.31 ― ― ― ― 6,659 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 上 毛 町 上 毛 2,305 H20.3.31 ― ― ― ― 2,305 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 築 上 町 築 上 2,554 H20.3.31 ― ― ― ― 2,554 200% 60% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 糸 田 町 糸 田 741 H20.3.31

H22.3.31(変更) ― ― ― ― 741 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H20.3.31 宗 像 市 宗 像 2,676 H22.3.31 用途 42 H22.4.30 H22.4.30 2,634 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H22.3.31

佐賀県

武 雄 市 武 雄 453 H21.7.1 ― ― ― ― 453 200% 60% ∠1.5 20m+∠1.25 ― H21.7.1 神 埼 市 神 埼 2,477 H21.7.1 ― ― ― ― 2,477 200% 70% ∠1.5 20m+∠1.25 ― H21.7.1 みやき町 み や き 2,505 H21.7.1 ― ― ― ― 2,505 200% 60% ∠1.5 20m+∠1.25 ― H21.7.1 江 北 町 江 北 73 H21.7.1 ― ― ― ― 73 200% 70% ∠1.5 20m+∠1.25 ― H21.7.1 小 城 市 廃止済 小 城 3,629 H21.7.1

H22.10.1(廃止) ― ― ― ― 3,629 100% 60% ∠1.5 20m+∠1.25 ― H21.7.1 H22.10.1(廃止)

200% 70% ∠1.5 20m+∠1.25 ―

長崎県 検 討 中 指定

検討中 検 討 中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中

参考・九州北部県以外の道県

北海道 七 飯 町

指定済

七 飯 819 H19.9.21 特定 535 H20.7.1 H20.7.1 819 200% 60% ∠1.25 20m+∠1.25

― H19.9.21

∠1.5 31m+∠2.5 倶知安町 倶 知 安 2,298 H20.2.8 景観,特定 2,298 H20.3.7,

H21.3.25 H20.3.7,

H21.7.1 2,298

100% 30% ∠1.5 20m+∠1.25

― H20.2.8 200% 40% ∠1.5 20m+∠1.25

300% 40% ∠1.5 20m+∠1.25

ニセコ町 ニ セ コ 1,206 H21.3.6 特定,景観 1,206 H21.7.1 H21.7.1 1,206 200% 50% ∠1.25 20m+∠1.25 ― H21.3.6 洞爺湖町 洞 爺 湖 1,955 H21.7.31 特定 検討中 検討中 検討中 1,955 200% 60% ∠1.25 20m+∠1.25 ― H21.7.31 北 見 市 端 野 816 H23.3.29 特定 281 H23.3.29 H23.3.29 816 200% 60% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H23.3.29 茨城県 常陸太田市 常陸太田 303 H21.1.5 ― ― ― ― 303 200% 60% ∠1.5 20m+∠1.25 ― H21.1.5 長野県 飯 田 市 飯 田 60 H22.2.25 ― ― ― ― 60 50% 30% ∠1.25 20m+∠1.25 ― H22.2.25 福井県 永平寺町 永 平 寺 1,682 H19.11.30 特定 検討中 検討中 検討中 1,682 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H19.11.30 静岡県 牧之原市 牧 之 原 3,108 H21.2.27 ― ― ― ― 3,108 200% 60% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H21.2.27 愛知県 新 城 市 新城長篠 252 H22.12.24 特定 252 H22.12.24 H22.12.24 252 200% 60% ∠1.5 20m+∠1.25 (注2) H22.12.24 大分県 大 分 市 本 神 崎 95 H22.3.31 特定 検討中 検討中 検討中 95 200% 60% ∠1.5 20m+∠1.25 ― H22.3.31 中 津 市 三 光 1,459 H22.3.31 特定 検討中 検討中 検討中 1,459 200% 70% ∠1.5 31m+∠2.5 ― H22.3.31 静岡県 掛 川 市

検討中指定

掛 川 604 (注3) ― ― ― ― 604 200% 60% ∠1.5 31m+∠2.5 ― (注3)

岐阜県 瑞 穂 市 検 討 中 853 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 広島県 広 島 市 広島湯来 460 H23.5予定 用途 73 H23.5予定 H23.5予定 387 200% 70% ∠1.25 20m+∠1.25 ― H23.5予定 熊本県 検 討 中 検 討 中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 宮崎県 検 討 中 検 討 中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 検討中 注1:「用途」とは「用途地域」,「特別」とは「特別用途地区」,「特定」とは「特定用途制限地域」,「景観」とは「景観地区」を指す。

注2:建築基準法別表第四 四-ロ-(二)の制限が定められている。

注3:新東名高速道路の開通までに指定することが予定されている。

資料:筆者が平成22年12月20日から全都道府県の準都市計画区域の担当部局に配布したアンケート調査(回収率100%)

(9)

 また,用途白地地域における建築形態規制につい ては,福岡県でも佐賀県でも,基本的に周辺の都市 計画区域内の用途白地地域と同様の数値が定められ ており,容積率は既に廃止された小城の一部を除い て200%,建ぺい率は60%または70%,道路斜線制 限は

∠1.5,隣地斜線制限は福岡県では31m +∠2.5,

佐賀県では20m

+∠1.25となっている。

4.準都市計画区域に関する法制度上の問 題点

 第2章で整理した九州北部3県の構造改革特区提案 とこれに対する国土交通省の回答,第

章で明らかに した九州北部

県における準都市計画区域等の指定状 況を踏まえ,以下では準都市計画区域に関する法制度 上の問題点を

つ指摘する。

⑴ 都市計画区域外における原初的な都市的土地利用 規制の不在

 九州北部

県の構造改革特区提案は,古くから我 が国の土地利用計画・規制制度に潜在的に存在し続 けてきた根本的な問題点を改めて浮き彫りにした一 種の 事件 であったと言ってよい。即ち,我が国 における都市的土地利用規制の中心をなす建築基準 法の集団規定は,基本的に都市計画区域の内側に 限って適用されることになっているが,九州北部

県の構造改革特区提案は,実はその外側には「最低 の基準」に満たない建築物が無視できないほどに 建っており,準都市計画区域とは,将来を見越して 先手を打つための事前予防的な制度であるにもかか わらず,既にその指定さえ困難な状態に立ち至って いるという事実,これを天下白日のもとに晒した事 件であったのである。

 もともと都市的な公共投資の範囲を定める性格を 持つ制度として誕生した都市計画区域は,やがて集 団規定の適用範囲と一致した自己完結的な空間計画 の単位に変容するとともに,その外側については,

建築物が集合して建たないのだから集団規定を適用 する必要がない地域として整理され,主として農林 行政が独自の目的のもとに計画・規制を行う区域と されてきたという歴史的な経緯を持っている。こ うした個別的な行政目的ごとに国土利用の計画・規 制を行うという分担関係は,国土利用計画法に基づ く5地域区分制度の創設によって最終的に確定する ことになり,今日に至るまで,都市計画区域の外側 では農業振興地域の整備に関する法律や森林法など

に基づく土地利用計画・規制が行われてきているが,

これらは農業や林業の振興などを目的とするもので あって,反射的な効果を及ぼすことはあっても,都 市生活や都市活動に関する土地利用のあり方を直視 するものではない。

 都市計画法は,こうした個別目的ごとの縦割り主 義的な法体系の中で,いわば「区域なきところに規 制なし」を制度設計の出発点とするものなので,都 市計画区域の外側には必ず都市的土地利用規制のな い領域を抱えることになる。準都市計画区域は,

地域区分の垣根を越えて指定できる例外的な制度と して創設されたものではあるのだが,建築物の立地 が広域化する中にあって,その規制のない領域に指 定されるものなので,立法者の意図にかかわらず,

どうしても後追い的な対応に迫られざるを得ないと いう構造的な限界性が存在する。つまり,都市計画 区域の指定範囲が限定されており,都市計画区域の 外側に原初的な都市的土地利用規制が存在しないこ と,これが準都市計画区域に関する第一の法制度上 の問題点である。

 九州北部3県は,実際に都市計画区域外の隅々に 至るまで準都市計画区域を指定しようとして,この 問題にぶつかったのであるが,九州北部

県の都市 計画区域外は決して我が国の例外的な存在というわ けではないから,この問題がクリアされない限り,

福岡県や佐賀県のように都道府県が相当の腕力を振 るわなければ,どこでも準都市計画区域を広く指定 することは難しいと言えるだろう。

⑵ 市街地外において緩くなる都市的土地利用規制の 論理構成

 九州北部

県は,都市計画を定めて土地利用規制 を行うための 土俵 にすぎない準都市計画区域に ついて,その「区域の指定」に広域自治体としての 計画意思を投影させ,用途白地地域であっても自動 的に規制されることになった大規模集客施設という たった一つの用途を規制するために,これを一種の ゾーニング制度として自足的に活用することを意図 しているので,準都市計画区域の何たるかから説き 起こす国土交通省との議論はかみ合わない。

 このかみ合わなさの根源はどこにあるのかと探っ ていくと,第一点目の問題点と関連し合う準都市計 画区域に潜むもう一つの法制度上の問題点が浮かび 上がってくる。即ち,準都市計画区域は,法律上,

都市的土地利用の発生が予定されていなかった都市 計画区域外において,相当数の建築や開発が行われ

(10)

る蓋然性などをもとに,しかも事業を伴わずに指定 されるものなので,制度の本質からして市街地像や 都市像を描出しにくく,土地利用計画を打ち立てに くい地域を内部に抱え込むことになるが,その指定 に伴って施行される土地利用規制は,建築基準法の 集団規定に委ねられており,集団規定は市街地外に おいて規制が緩くなるという論理で組み立てられて いる。このため,行政にとっても住民にとっても,

準都市計画区域において都市計画を定めようという 意思が発現しにくく,まさに福岡県と佐賀県がそう であるように,特定用途制限地域すら定められてい ない用途白地地域ばかりが目立つことになり,用途 白地地域での建築形態規制値も緩くなるという法制 度上の問題点が存在するのである。

 集団規定とは,都市計画において,建築物が集団 的に建つ市街地の将来像に基づいて定められたそれ ぞれの用途地域の目的を実現するために,「最低の 基準であるがゆえに無補償」との法的原理に立脚し つつ,文字通り,最も低い位置から近隣レベルでの マイナスの影響を排除する建築規制制度である5)。 この集団規定によると,都市計画において用途地域 が定められていない用途白地地域とは,計画的に市 街地を形成する目的を有しておらず,保護されるべ き環境水準が存在しない地域であると整理され,そ こには規制の根拠がほとんど見当たらないというこ とになる。準都市計画区域という 土俵 をつくっ たときに,土地利用規制の初期状態として立ち現わ れるのは,この用途白地地域における集団規定であ り,それはこうした論理に基づいて緩いものではあ るのだが,それまで集団規定とは無縁であったため,

その適用自体が規制の強化を意味することになると ころ,そこに都市計画を定めるということは,いわば ダブルの規制の強化を意味することになってしまう ので,必然的に都市計画を定めるところは稀となる。

 このような中で,朝倉市と宗像市が都市計画を定 めているのは決して偶然ではないのであって,特に,

用途白地地域における建築形態規制の指定に伴う温 泉観光地での既存不適格建築物の発生を回避するた めに,容積率400%と建ぺい率80%の商業地域を定 めた朝倉市の事例においては,用途白地地域での容 積率は200%,建ぺい率は60%という環境下でのこ とではあるものの,原初的に都市的土地利用規制が 存在し,かつ,その規制の程度が厳しいことこそ,

都市計画が力強く発動し得る前提条件であることが 示唆されているように思われる⑽。そもそも集団規

定とは,本質的には建築物の集団性に着目して相隣 調整を行うことを目的とするものだから,都市計画 区域内などに限って適用されなければならないとい うことはないだろうし,あるいは,都市計画の実現

参照

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