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ホークス私設応援団「あぶさん会」の社会学的 研究

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Academic year: 2025

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卒業論文

ホ ー ク ス 私 設 応 援 団 「 あ ぶ さ ん 会 」 の 社 会 学 的 研究

―「リリーフ」機能の発見―

平成 18 年入学

社会学・地域福祉社会学専攻

平成 22 年 1 月提出

(2)

要 約

本論文は、「あぶさん会」という、福岡ソフトバンクホークスでは唯一の内野で活動する 私設応援団に着目し、「ホークスファン」について分析したものである。手法はインタビュ ーや参与観察を中心とした質的調査による。

まず、序章ではなぜ今回このテーマを設定したのか、筆者の経験に基づき研究の動機を 述べる。

第1章では、まずは「あぶさん会」という集団にふれる前に、そもそも「集団」といっ た、人と人との集まりの定義や、「スポーツファン」という概念を、先行研究を用いて確認 する。そのうえで、ファンの中でも特異な存在である、今回焦点を当てる「あぶさん会」

が属する「応援団」というものについて、歴史や定義を確認する。また、これまでスポー ツ社会学の領域において「応援団」がどのように研究されてきたのかを先行研究によりま とめる。

そののちに、まず「ホークス」の歴史についてふれ、「ホークスファン」の定義をし、言 葉の意味の共有を図る。

第2章では、本論文の目玉である「あぶさん会」についての、フィールドワークのデザ イン、記録について述べる。そこで、まずは「あぶさん会」についての概要、調査記録、

そこから得られた印象などを記述する。

第3章では、いよいよ「あぶさん会」の詳しい分析に入る。ここでは、明らかになった 機能2つを中心に見ていく。1つめは、「リリーフ機能」である。これは、応援団の中でも 特殊な集団である「あぶさん会」のみがもちうる「内野と外野をつなぐ」という性質を指 す。2つめは、「ゆるぎないアイデンティティの獲得・再獲得機能」である。ここでは、若 い世代と比較的年齢が上の世代が「あぶさん会」に所属することで得られる、それぞれの ファンとしてのアイデンティティについて述べる。

「リリーフ機能」について述べるために、まずは外野と内野との応援スタンスの違いに ふれる。また、「応援」そのものの、そもそもの目的についてもここで言及しておく。その のちに、「リリーフ機能」について論じ、そのルーツは第2章で明らかになっていた「あぶ さん会」の特徴である「受容」のスピリットが関係していることを述べる。

続いて、「ゆるぎないアイデンティティの獲得・再獲得機能」に移る。ここでは、「あぶ さん会」の若い世代のメンバーが、これから「ゆるぎないアイデンティティの獲得」を果

(3)

たすことについて述べる。また、かつて球団の身売りというアイデンティティ・クライシ スを経験した元「南海」ファンと元「西鉄」ファンも含まれている「あぶさん会」のメン バーが、会に所属することによって「ゆるぎないアイデンティティの再獲得」を果たして いることを示唆する。

そして、その「アイデンティティ」をどのようにして得るのか、「オーソライズ」という 視点から論じる。これについては、筆者の個人的なオーソライズの例を引き合いに出した うえで、「応援団」に所属するファン、「オフィシャルファンクラブ」に所属するファンの、

それぞれのオーソライズの性質を定義づける。また、そののちに先に示した筆者のオーソ ライズの例がどういった性質をもつのかを論じ、「マージナル・ファン」という語句にその イメージを集約させる旨を示す。

第4章では、これまでの視点とは別の次元で、「球場に足を運ぶファン」である「観客」

に対して、共同体という観点から分析を加える。この際、実体ある共同体に属する「応援 団」以外の観客を「想像の共同体」と定義し、「あぶさん会」をはじめとする一般的な応援 団がもつと思われる機能について分析を行う。

そして、まとめとしてこれまで示してきた自分なりの分析から得られた発見をもう一度 簡潔に示す。

おわりに、自分が行ってきた研究がどのような意味をもったか、反省点等も含めて記し、

今後の展望についてもふれつつ締めくくる。

(4)

目次

序 章 ― ― は じ め に ... 1

第 1 章 ホ ー ク ス フ ァ ン と 応 援 団 ... 4

第 1 節 ス ポ ー ツ フ ァ ン の 先 行 研 究 ... 4

1.1 ス ポ ー ツ フ ァ ン の 定 義 ... 4

第 2 節 応 援 団 ... 6

2.1 応 援 団 の 存 在... 6

2.2 応 援 団 の 歴 史 ... 7

2.3 応 援 団 の 機 能 「 鎮 め の 文 化 装 置 」 ... 8

2.4 応 援 団 の 規 則 に つ い て ... 10

2.5 「 応 援 団 」 の 定 義 ... 12

第 3 節 「 ホ ー ク ス 」 と は ... 13

3.1 「 ホ ー ク ス 」 の 歴 史 ... 13

3.2 「 ホ ー ク ス フ ァ ン 」 の 定 義 ... 17

第 2 章 フ ィ ー ル ド ワ ー ク ― 内 野 私 設 応 援 団 ・ あ ぶ さ ん 会―... 19

第 1 節 調 査 の 概 要 ... 19

1.1 調 査 の 目 的 ... 19

1.2 調 査 の 対 象 ... 19

1.3 あ ぶ さ ん 会 を 選 ん だ 理 由 ... 19

1.4 調 査 方 法 ... 20

(5)

第 2 節 「 あ ぶ さ ん 会 」 と は ... 21

2.1 歴 史 ・ 経 緯 ... 21

2.2 構 造 ... 22

2.3 活 動 ... 22

2.4 特 徴 ... 24

2.5 「 あ ぶ さ ん 会 」 納 会 ... 24

第 3 節 あ ぶ さ ん 会 の ス ピ リ ッ ト ― ― フ ィ ー ル ド ノ ー ト よ り... 26

3.1 受 容 の ス ピ リ ッ ト... 26

3.2 変 化 へ の 適 応 ――西 鉄 と 南 海 と... 26

第 3 章 分 析 ― あ ぶ さ ん 会 の 機 能 ‐ ... 29

第 1 節 ≪ 機 能 ① ≫ 「 リ リ ー フ 機 能 」 の 発 見 ... 29

1.1 外 野 と 内 野 ... 29

1.2 応 援 の 自 己 目 的 化 ... 29

1.3 リ リ ー フ 機 能――内 野 と 外 野 を ≪ つ な ぐ ≫ 役 割... 32

第 2 節 ≪ 機 能 ② ≫「 ゆ る ぎ な い ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 獲 得・再 獲 得 機 能 」の 発 見... 33

2.1 ゆ る ぎ な い ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 獲 得 ... 33

2.2 ゆ る ぎ な い ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 再 獲 得 ... 34

第 3 節 オ ー ソ ラ イ ズ と マ ー ジ ナ ル ・ フ ァ ン ... 36

3.1 「 オ ー ソ ラ イ ズ 」 の 創 出 に よ る ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 確 立 ... 36

3.2 マ ー ジ ナ ル ・ フ ァ ン の 発 見 ... 40

第 4 章 「 想 像 の 共 同 体 」 と 応 援 団 の 果 た す 機 能... 42

(6)

第 1 節 想 像 の 共 同 体 ... 42

第 2 節 応 援 団 の 機 能 ... 43

1.1 「 代 表 」 機 能 に よ る 安 心 感 の 提 供 と 危 険 性 ― ― ロ ッ テ の 例 よ り ... 43

1.2 リ リ ー フ 機 能 と 会 の イ メ ー ジ に よ る 緩 和 ... 46

1.3 そ の 他 の 機 能 ① 定 着 機 能 ... 47

1.4 そ の 他 の 機 能 ② 気 づ き の 機 能 ... 50

ま と め ... 51

お わ り に ― ― 「 ホ ー ク ス フ ァ ン 」 の こ れ か ら ... 53

資 料 編 ... 55

参 考 文 献 ... 59

謝 辞 ... 60

凡 例

1. 本 文 中 の 表 記 に お い て 、引 用 文 な ど は 本 文 マ マ 記 載 し た 。そ の た め 、引 用 文 中 は

漢 数 字 を 用 い て い る 箇 所 が あ る 。

2. フ ィ ー ル ド ノ ー ト か ら の 引 用 は 、 お も に 短 い 発 言 を 扱 っ て い る た め 、 字 頭 を 1

文 字 分 下 げ 、 ダ ッ シ ュ2 文 字 分 を 用 い て 見 や す い よ う に 表 し た 。

3. 脚 注 に 挙 げ た 出 典 が ウ ェ ブ サ イ ト の 場 合 、URL 横 の 日 付 は ア ク セ ス し た 日 時 を 示 す 。

参照

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