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2002 経済原論Ⅱ 2002.5.28
バブル経済と 年代長期不況
11. 90
1.バブル経済とは何か おおまかな流れ (1)
年 月の (先進五カ国蔵相・中央銀行総裁会議)
1985 9 G 5
「プラザ合意」=協調利下げ
↓
( 年 → 年 月 )
超金融緩和政策=公定歩合の引き下げ 85 5% 87 2 2.5%
ドル安の安定的誘導を企図した金融市場介入
(国際為替市場では円買ドル売で円高ドル安が急激に進行)
↓
政府・日銀による円売ドル買=円資金の大量放出
↓
「カネ余り」
↓
土地や株式などの「資産市場」へ流入 実 体 経 済と乖離した「資産価格」の過度の上昇
ファンダメンタルズ
プラザ合意の背景 (2)
○レーガノミクス
・70年代 アメリカ経済の長期不況と国際競争力の低下
・80年代初頭 レーガン大統領「強いアメリカ」を掲げて登場
①所得税減税→労働者の勤労意欲の刺激と貯蓄率の上昇を企図
②企業減税→企業の投資意欲の刺激と国内産業の活性化を企図
③歳出削減→「小さな政府 (ケインズ政策の放棄)により財政の均衡化を企図」
④マネーサプライの抑制(金融引き締め=高金利)→高率インフレの収束を企図
・成果:GNP実質成長率の若干の回復とインフレの若干の抑制
・ところが
*減税政策→
・実際に行ったのは高所得者減税と大企業減税 歳入削減→
・巨額の財政赤字→赤字国債の支払い増の一方で拡大し続ける軍事費が財政を圧迫
*高金利政策→
・企業の投資意欲の停滞→生産設備過剰による景気後退と失業率の上昇
・途上国債務の負担増→債務不履行危機→国際金融危機
○「双子の赤字」…財政赤字から貿易赤字への波及
・財政赤字→赤字国債の発行
→金融市場からの資金調達
→民間との競合=金利上昇
→クラウディング・アウトをさけるため海外からの資金調達に依存
→諸外国よりも高い金利を維持する必要(相対的高金利)
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・他方、海外資金のアメリカへの流入
→諸外国通貨の売りとドルの買い=ドル高
→アメリカ産業の輸出競争力の低下と安価な海外製品の流入
※その相当部分が逆輸入
→貿易赤字の拡大
※関連して
ドル高→米国農業の国際競争力の低下
→戦後最大の農業不況の一因に
→他方、欧州諸国は農産物輸出を拡大
→米欧農産物貿易摩擦=ダンピング輸出競争
→財政負担の協調回避
→ガットUR交渉
○国際協調による危機回避
・貿易赤字拡大は困るが、海外資金は必要、しかし高金利でも困る
⇒①日欧との貿易摩擦、とくに日本に対する内需拡大要求
②「プラザ合意 (」 85年9月)と「ルーブル合意 (」 87年2月)
(←市場は敏感に反応)
・日米欧の国際協調介入による秩序あるドル安誘導
・金利引き下げとアメリカの相対的高金利状態の維持
「カネあまり」について (3)
○「カネあまり」とは何か
・信用創造=既定の支払準備率や自己資本比率の範囲内で手元の資金をはるかに上回る与信活動 が行える
・ところが貸付可能資本に対する需要が伸び悩み、貸付可能資本が過剰になっている状態
→無理な貸し付け
→バブル下で自己資本が増大し、さらに信用を拡大
・バブル崩壊後の不況→担保割れで不良債権、株価低迷・収益低迷で自己資本の減少
→自己資本比率を維持するために貸し渋り→本来必要としている企業へカネが回らない状態
○「カネあまり」の背景
①高度成長期を通じて蓄積された巨額の利潤→低成長への移行にともない遊休化
②大幅な貿易黒字にともなう資金余剰経済の定着化
③発展途上国の工業化資金→累積債務問題の顕在化にともない投下先を失う
④政府・日銀による円売りドル買いにともない円が市場へ大量流入
⑤株高→エクイティ・ファイナンス(新株発行等)による資金調達(大企業の銀行離れ)
○「カネあまり」が一般商品市場に流入しなかった理由(cf.第一次石油ショック後)
①商品の供給圧力が強かったこと
②急激な円高と原油価格低下によって価格吊上げ要因がなかったこと
③低金利によって資産価格上昇の一般的条件が形成されていたこと
④経済の国際化にともなう都市部を中心としたオフィスビル需要の増大があったこと
○国内の「資産市場」に流入するまでのタイムラグ
①政策誘導によって当初はアメリカの国債等証券投資に向かったが 「双子の赤字」が一向に、 減らず、ドル安進行にセーブがかからないため為替相場の不安定化にともなうリスクが増大
②生保等の一部金融機関の資金を除き、多くは対米投資から国内の土地・株への投資にシフト
○「資産市場」での投機熱を加速した政策的要因
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①金融の自由化
②NTT株の放出(1987〜)
③民活政策による都市再開発・リゾート開発
○株式相互持合(法人資本主義)→市場売買は株式全体の3割に集中
○若干の指標
・85年〜89年までの5年間
伸び率 に対して、株式の時価総額 、地価総額 の伸び
GNP 24.9% 370% 210%
・90 年末、製造業向け貸出の割合 15%に対して、不動産業・建設業・金融保険業向けの貸出の 割合は28%
理論的諸問題 (4)
○資産価格
・一般に資産が価格をもつのは、その資産を保有ないし利用することによって何らかの収益が得 られるから。
資産価格=予想収益/市場利子率 (収益還元価格=理論価格)
・ところが、現実の価格は理論価格から乖離する傾向
資産価格=(予想収益+値上がり期待額)/(市場利子率+リスクプレミアム)
○キャピタル・ゲイン
・地価高騰→保有企業の含み益膨張→株価上昇
・担保価値増加→金融機関による融資過熱化→土地・株への投資→さらなる上昇
・売買益を目当てとした土地・株への投機的な投資→さらなる上昇 銀行の果たした役割
(5)
・ 土地神話」の喧伝と不動産担保融資により土地高を助長「
・系列ノンバンクを経由した乱脈融資(大口融資規制の回避)
・不動産融資の「総量規制」と住専問題
・中小企業金融への参入により専門金融機関の不祥事を助長
・特定金銭信託(ファンド・トラスト、営業特金) ※証券スキャンダル
・自らもエクィティ・ファイナンスにより資金調達→株式市場の過熱化を助長 バブルの崩壊
(6)
○直接的契機=1990年初頭のトリプル安(円安、株安、債券安)
○背景=①89年5月2.5%〜90年8月6%の公定歩合引き上げ
②90年3月の大蔵省による不動産関連融資の総量規制実施
○資産価格の暴落(逆資産効果・キャピタルロス)
不良債権化→手元流動性の減退→短期株式の放出→さらなる株価低迷
→金融システムの機能不全(貸出行動の制約→調達行動の制約)
○生産力の「過剰」化
→余剰労働力の顕在化→賃金抑制とリストラ→消費需要の減退
○政策による不況の「後押し」
・異常低金利の長期化(1995年9月から0.5%)
・赤字国債への依存体質(財政の硬直化)
・公共事業への依存体質(波及効果なし)
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日米構造協議 兆円の公共投資基本計画の発表
90 430
村山内閣の時に公共投資基本計画が 兆円から 兆円に膨れ上がる
94 430 630
・金融機関への公的資金導入(1996住専処理、1998預金保険機構→波及効果なし)
・金融ビッグバン(1996年経済審議会WG報告〜メガバンク化→貸し渋りを助長)
・消費税増税と医療保険制度改悪(1997年〜、さらに介護保険も)
・規制緩和による中小企業の淘汰
・雇用不安(雇用「流動化 )を促進する産業再生法の成立」