• 検索結果がありません。

コロナ禍におけるバーチャル巡検の授業実践事例

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2025

シェア "コロナ禍におけるバーチャル巡検の授業実践事例"

Copied!
13
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Ⅰ.はじめに

地理学において,野外における巡検は,地域 の性格を解明する意義を伝えるうえで,すぐれ た授業法の一つである。なぜなら,現実の地域 の様相は時とともに変化しているため,実際の 地域を自らの目で確かめることで,事実として 現れている地域特性を精確にとらえられるから である。しかし,2020年以降の新型コロナウイ ルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって,

野外で巡検を行うことがきわめて困難になって いる。2020年度の開始当初,本学のあらゆる授 業がオンラインで開講されることとなり,従来 想定していなかった授業方法の変更が急遽求め られたこともあって,学習の効果に関する多く の課題が明らかになった。一方,教育や授業形 態の新たな可能性が見出される機会ともなって いる。ただし,机上で実施される座学の講義で は,オンライン授業による学習効果の検証が多 くみられるものの,野外の巡検における同様の 取り組みはほとんどみられない。

従来の紙の調査票による社会調査では,コロ ナ禍における代替手段として,ウェブ調査の提 案とその可能性が検討されている1 )。一方,対 面接触を伴うフィールドワークに代わる調査手

法に関して,池田ほか(2020)は,コロナ禍に おける海外のオンライン・インタビュー調査の 可能性を検討している。 オンライン・ インタ ビュー調査は時間設定が難しく, 1 時間程度で おおよそ 3 項目の設定が妥当であるとしてい る。また,話者の母国語で回答してもらう,画 面共有にてスライドを表示しながら回答を促 す,自然で快適なコミュニケーションを心がけ る,沈黙や言い間違えを恐れず,相手に伝えよ うとする場面を設ける,複雑な内容は言い換え によって理解に誤りがないか確認するなど,質 問の意図を精確に伝え,相手が回答しやすいよ うな配慮や工夫が必要であることが指摘されて いる。

巡検についてもオンライン・インタビュー調 査と同様にして,参加者が実際に現地に足を運 ぶという従来の方法から,案内者が巡検する様 子をライブで配信したり,事前に巡検した様子 をオンデマンドで配信するといったバーチャル 巡検へと代替できる可能性がある。近年,急速 に進んだ情報通信環境の整備は, 非対面式の バーチャル巡検であっても,実地の巡検と同様 の教育効果をもたらす可能性を有している。数 少ないバーチャル巡検の実践事例として,早川 ほか(2015)は,オンラインで公開される地図 をベースとして,インターネット上で仮想的に

《論 文》

コロナ禍におけるバーチャル巡検の授業実践事例

中 村   努

Practical examples of lesson on virtual excursion in the society coexisting with COVID-19 TSUTOMU NAKAMURA (Associate Professor, Faculty of Economics)

キーワード

新型コロナウイルス感染症(COVID-19),バーチャル巡検(Virtual excursion),授業実践(Lesson practice),動態地誌(Dynamic topography)

(2)

て,今後の地理教育における巡検について展望 する。授業実践の内容は,2020年秋学期に本学 の新松戸キャンパスに在籍する 2 年生17人を対 象にしたゼミナール(基礎演習)において,実 施したバーチャル巡検の取り組みによってい る。なお,対象学生には研究の趣旨を説明し,

本人から研究協力の同意を得たうえで,レポー トやアンケートを実施した。

Ⅱ.当初の巡検の内容とバーチャル巡検に おける変更点

本学では,毎年度通年のゼミナールが必履修 科目に指定されている。筆者が担当した 2 年生 を対象とするゼミナールにおける当初の授業内 容は,①データ分析とプレゼンテーションの訓 練,②新松戸周辺における地域調査の方法,の 2 点であった。 前者では,Excelや地図作成ソ フトのMANDARAを利用しながら,統計デー タの収集とグラフや地図への加工の方法を修得 することを目的としていた。後者では,大学の 近隣に立地する子ども食堂の運営者へのヒアリ ングや運営の支援,里山の保全に努める里山の 訪問と里山所有者へのヒアリングを予定してい た。しかし,2020年度春学期以降の大学のオン ライン授業化によって,両者とも実施すること が困難になった。前者では,自宅に自分のパソ コンを所有していないか,通信容量が良好では ないといった通信環境の整わない履修者が一部 で確認され,履修者全員の学習環境を担保でき ないという問題が生じた。後者では,子ども食 堂そのものが休止したり,訪問による当事者へ の対面でのヒアリングが不可能となった。そこ で,当初予定していた授業内容を全面的に見直 すことになった。

①に関しては,春学期にスマートフォンでも 閲覧可能なGISで作成された地図から,LINE と同様の機能を有するLINEWORKSのチャ ッ ト機能を用いて読図方法を指導する授業内容に 切り替えた。②に関しては,秋学期に自宅に居 ながらにして,実地の巡検と同様の効果を得る 巡検を体験できるコンテンツを,ストーリー性

をもたせたストリートマップとして作成し,こ れを実体験と結びつけるワークフローを提案,

検証した。その結果,巡検コンテンツの主体と なる専門家による案内が, 地図上に時系列を もって配置され,多数の人がアクセスできるス トーリーマップの有用性が示された。 しかし,

巡検が実施された時期は,COVID-19が拡大す る以前であるため,コロナ禍の大学教育におい て同様の取り組みを実施するには制約が多い。

現状では,学生は原則としてそれぞれ自宅のパ ソコンやスマートフォンで受講しており,別日 に各自が実地において巡検コンテンツにアクセ スするのみであり,実地の巡検を実施すること は想定されていない。そもそも,学生の居住地 は県外自宅生を含めて広域にわたることから,

公共交通機関を利用した自宅と巡検場所との往 復による長距離移動には,少なからぬ感染リス クが付きまとう。また,案内者が不在となる状 況において,個々に巡検を実施してもらう方法 を採用したとしても,地理学巡検に不慣れな者 が,ストーリーマップを活用して期待される学 習効果を実体験で得られる保証はない。こうし た従来の巡検を体験することが困難な状況にお いて,バーチャル巡検の学習効果を検証するこ とは,地理学巡検の本質的な楽しさを追求す る,すなわち事実として現れている地域の特性 を精確にとらえ, 地域への共感的理解を促す,

新しい巡検の方法論を提示することにつながる と考えられる。そこで,本稿はコロナ禍におけ るバーチャル巡検の授業実践を通して,地域の 性格を解明するためのバーチャル巡検の有効性 および課題を検討するとともに,今後の地理教 育における巡検のあり方について考察すること を目的とする。

以下,Ⅱでは,当初予定していた巡検の内容 と,バーチャル巡検における変更点を提示す る。Ⅲでは,授業実践事例の内容を具体的に紹 介する。Ⅳでは,授業中の学生の反応や授業後 のレポートからバーチャル巡検の有効性と課題 について考察する。 最後に, コロナ禍におい

(3)

定した。 第一に, 新旧地形図を読み取ること で, 土地利用の不均一なパターンを歴史・ 政 治・経済・文化といった人間の営みと自然環境 との関係からダイナミックに捉えること,第二 に,当時の時代背景や歴史的経緯から,土地利 用の変遷の要因を多様なスケールにおいて描き 出すこと,第三に,レポート課題の作成を通じ て,問題の解決策を提示したり,地域の将来像 について提案したりできることである。次章で は,バーチャル巡検の具体的な授業実践事例と して, 4 回にわたって実施した講義の概要を紹 介する。授業の実践にあたって,ウェブ上の資 料や新旧地形図比較サイトの「今昔マップon the web」,Googleストリートビューに加え,筆 者があらかじめ個人的に調査先で撮影した写真 画像や動画を適宜使用した。

Ⅲ.授業実践の展開

松戸市や柏市,鴨川市周辺における地域調査 の方法を修得することを目的として, 4 回の講 義を設定した。すなわち,①新旧地形図から地 域の変遷を読み取る, ②松戸の歴史と河川舟 運・鮮魚街道,③柏の歴史と小金牧・開墾,④ 鴨川の歴史と嶺岡牧・製乳業および新松戸の里 山保全,の 4 回である。以下,各節において,

それぞれの講義の内容を概観する。各回の講義 内容と身につけたい資質および能力との関係に ついて,①は地域の不均一なパターンを構造的 に捉える作業,②~④はそうしたパターンの背 景や要因を土地利用の変遷から読み解く作業,

④は問題の解決策を提示したり,地域の将来像 について提案したりできること,におおむね対 応する(表 1 )。

1  新旧地形図から地域の変遷を読み取る 第 1 回では,新旧地形図の比較を通じて,土 地利用の変遷とその要因について理解すること を目的とした。 柏市教育委員会編集委員会

(2018) による中学校社会科副読本を参考に,

新旧地形図の読み取りに際して,以下の 6 つの ことを目的として, 当初よりも広域にわたる,

松戸市や柏市,鴨川市周辺のバーチャル巡検を 企画し,Zoom上で実施した。 本稿で取り上げ る授業実践の内容は②に該当する。バーチャル 巡検によって身につけたい資質および能力を考 えるにあたって, 動態地誌の概念を導入した。

動態地誌とは,地域を描くにあたって,自然環 境や歴史・政治・経済・文化などの地域を構成 する要素を並列するのではなく,その地域の個 性や特色をよりよく示す要素を取り上げ,それ を軸に他の事象と関連付けながら地域を描くこ とと一般に理解されている(熊谷,2019: ⅱ)。

「動態」 という語源は, ドイツの地理学者・

シュペートマンが1928年にドイツ西部・ルール 地方を対象に工業を中核として『動態地誌 』

(“Dynamische Länderkunde”) と題する地誌 書を上梓したことに由来する地誌的考察の方法 であり,地域変化の考察を意味するものではな い(中條ほか,2014)。 本稿の事例でいえば,

対象とする地域では同じ千葉県でありながら,

都市近郊農業, 内陸型工業団地や郊外住宅団 地,酪農と伝統料理,里山といった現在の地域 の個性や特色に多様性がみられる。こうした現 在の特徴的な土地利用や景観を軸として,過去 から現在に至る人間の営みと自然環境との関係 から土地利用の変遷を読み解くことで,多様な 地域的特性が表れる理由がよりよく理解されよ う。さらに,熊谷(2019)は動態地誌の革新を 目指すために,①その方法として,フィールド ワークに根差して,人々と場所のダイナミズム を描くこと,②その視点として,地域や場所を 閉じられたものとしてではなく,ローカル,ナ ショナル,グローバルといった異なるスケール を含む,重層的な相互作用の過程として描き出 すこと,③その目的として,描かれた地誌が,

対象となる地域を切り取り分析するだけでな く,対象地域への共感的理解を喚起し,それを 通じて自らと他者としての地域との関係を問い 直すことを目指すものであることの 3 つの要素 を加えている。以上を踏まえて,履修者に身に つけてほしい資質・能力として以下の 3 点を設

(4)

ランダムに振り分けた 3 人一組のブレークアウ トセッションを 5 分間設定して,各自の読図内 容を共有させた。ブレークアウトセッションの 終了後,それぞれのセッションの代表者に共有 内容を全体に発表させた。続いて,④~⑥の各 項目についても同様の方法で振り分けたブレー クアウトセッションにおいて,10分間で読み取 れる内容を共有させた。 その後, それぞれの セッションの代表者に共有内容を全体に発表さ せた。

ポイントを提示した。すなわち,①変わらない もの, ②新しくできたもの, ③減った土地利 用,④地名の変化,⑤交通網の変化,⑥その他 気づいたこと,の 6 点である。使用した資料は 今昔マップの1903(明治36)年測図の 2 万分の 1 地形図と1998年修正の 2 万 5 千分の 1 地形図 である(図 1 )。 まず,10分間の読図時間を設 けて,松戸駅周辺の新旧地形図における①~③ の各項目について読み取らせた。その後,構成 的グループエンカウンター2 )の手法によって,

表 1  地域調査の方法の授業構成

主な学習内容 主な学習方法 身につけたい資質・能力

第 1 回 ・地域の変遷を読み取る 地形図の読図

(構成的グループエンカウンター) 地域の不均一なパターンを構造的 に捉える

第 2 回 ・松戸の歴史と河川舟運・鮮魚街道 バーチャル巡検 パターンの背景や要因を読み解く 第 3 回 ・柏の歴史と小金牧・開墾 地形図の読図

バーチャル巡検 パターンの背景や要因を読み解く 第 4 回 ・鴨川の歴史と嶺岡牧・製乳業

・新松戸の里山保全 構成的グループエンカウンター バーチャル巡検

レポート作成

パターンの背景や要因を読み解く 問題の解決策を提示したり, 地域 の将来像について提案したりする 筆者作成。

資料:「今昔マップon the web」。

図 1  松戸駅周辺の新旧地形図

(5)

せる。③では,「○○新田」という地名が多い ことから,近世に開発された比較的新しい土地 であるものの,水害リスクから川沿いは不動産 開発から逃れていることを理解させる。 ④で は,かつて逓信省航空局中央乗員養成所があっ た場所や,松戸で発見された梨の名前に由来し ていることに気付かせる。

2 松戸の歴史と河川舟運・鮮魚街道

続いて,第 2 回では,松戸の歴史をきっかけ に,江戸時代の河川舟運や陸運が重視されてい たことを,バーチャル巡検を通じて理解するこ とを目的とした。まず,江戸時代の松戸の役割 を知るため,現在の松戸駅前の中心商業地とか つての集落の中心部が離れていることを読み取 らせた。その背景を,水戸街道沿いの宿場町と して,また河川舟運における物流の中継拠点と して発展した経緯から説明した。続いて,納屋 川岸跡をGoogleストリートビューで確認した。

また,かつて銚子で捕れた鮮魚を利根川と江戸 川を利用した河川舟運によって運ばれたことを 一通りの読図の終了後,松戸周辺の新旧地形

図の比較によって明らかになった土地利用の変 遷について,泉(2019)を参考に以下の 4 つの 発問を提示した。

① なぜ松戸には「北松戸」,「稔台」,「松飛 台」といった工業団地が多いのか。

② なぜ「小金原」,「常盤平」などの大規模団 地が多く存在するのか。

③ なぜ常磐線より西側に水田が広がってい る/いたのか。

④ なぜ「松飛台」や「二十世紀が丘」といっ た地名がつけられたのか。

以上は,自分で答えを考えるよう促し,次回

(第 2 回)までのレポート課題とした。そして,

第 2 回の講義の冒頭で,各発問に対する解説を 行った。①では,工場での業種などから,大消 費地である首都圏とアクセスがよい立地である ことを考えさせる。②では,鉄道による良好な アクセスや相対的に小さい家賃負担であるとい う,首都圏に通勤する被雇用者のベッドタウン としての立地条件に恵まれていることを考えさ

資料:「今昔マップon the web」。

図 2  取手駅周辺の新旧地形図

(6)

遷を読み取らせた。かつての松戸競馬場から陸 軍工兵学校に移り変わっていること,第二次世 界大戦中の地図にはそれ以前には記載されてい た「工兵校」 の文字自体が消えていることか ら,戦時改描の可能性を指摘した。

続いて,今昔マップの 2 万 5 千分の 1 新旧地 形図(1928年測図と1999年修正)を用いて,現 在の柏市の豊四季台の土地利用の変遷を読み取 らせた(図 3 )。 かつての柏競馬場から日本光 学柏工場,豊四季台団地に移り変わっているこ とを確認した。東京近郊という地の利を生かし たその時々の土地利用の変遷を, 三浦(2019)

や柏市教育委員会編集委員会(2018)をもとに 解説した。柏競馬場は,牧士も務めた吉田家が 仕掛けた娯楽施設であったが,その背景には江 戸時代における幕府直轄の牧の展開が指摘され る。そこで,対象地域における牧を示した地図 から,小金牧の範囲を確認しながら,軍馬養成 のための牧が広がっていたことや,人家と隔て るための野馬土手も現存していることを解説し た。養成した軍馬を選別する,野馬捕りの仕掛 けを紹介するとともに,以前に撮影した現存す る野馬土手の写真と自転車で野馬土手沿いを撮 影した動画で確認した(写真 2 , 写真 3 )。 ま た, 日光街道東往還と水戸街道の交差点付近,

水戸街道が牧を横切る地点では,新木戸がある ことを今昔マップで確認するとともに,現在で もバス停の停留所として残されていることを 地図で解説した。さらに,より時間距離を短縮

するために利用された陸路として,鮮魚街道を 説明した。この道中に残されている藤ヶ谷の常 夜燈について,Googleストリートビュ ーで確 認した。さらに,地図上で鮮魚街道がかつての ルートから変更されていることを,海上自衛隊 下総航空基地の立地との関係から理解させた。

加えて,利根川の東遷とその目的について,関 宿城博物館において撮影したパネル資料から解 説した。最後に,現在の江戸川と利根川が,お およそ県境に沿っているものの,ところどころ 県境が河川に沿わずに湾曲している箇所がみら れることを指摘した。そのうえで,今昔マップ の 5 万分の 1 新旧地形図(1903(明治36)年測 図と2005年要部修正)から,河川改修があった こと,および河川改修後に地元住民のために小 堀の渡しが運航されてきたことを確認した(図 2 )。小堀の渡しは現在,観光用に運航が継続 されており,筆者が乗船した時の様子を動画で 紹介した(写真 1 )。

第 2 回の講義を踏まえて,松戸の歴史的変遷 に関するバーチャル巡検についての感想を200 字程度で記述させた。

3 柏の歴史と小金牧・開墾

第 3 回では, 第 2 回と同様の手法で, 柏の バーチャル巡検を実施した。まず,松戸駅の東 側に立地する,現在の聖徳大学の土地利用の変

写真 1  小堀の渡しの運航風景

(2020年11月 8 日筆者撮影)

写真 2  現存する野馬土手 1

(2020年 7 月 5 日筆者撮影)

(7)

Googleストリートビューで確認した。最後に,

明治初期には牧の開墾が行われ,開墾された順 番に13の村がつくられたこととその背景につい て,以前に撮影した豊四季開拓百年記念碑の写 真を見ながら解説した(写真 4 )。

第 3 回の講義を踏まえて,柏の歴史的変遷に 関するバーチャル巡検についての感想を200字 程度で記述させた。

資料:「今昔マップon the web」。

図 3  柏駅周辺の新旧地形図

写真 3  現存する野馬土手 2

(2020年 3 月12日筆者撮影) 写真 4  豊四季開拓百年記念碑

(2019年 6 月16日筆者撮影)

(8)

および日暮ほか(2014)をもとに,石積みによ る野馬土手を含め, 江戸時代に幕府直轄牧と なった経緯と,輸送技術の欠如から江戸で搾乳 して白牛酪を製造するための白牛の輸送経路を 解説した(写真 6 )。こうした歴史的経緯から,

明治時代には牧を管理していた野付村の名主層 が設立した嶺岡畜産株式会社,続いて千葉県種 畜場嶺岡分場が乳牛の改良を中心に酪農の発展 に寄与したことを解説した。明治・大正期に中 小の練乳製造業が多数創業し,のちの明治乳業 や森永乳業の源流となったこと,昭和期には東 葛飾を中心に都市近郊酪農が増加し,千葉県が 全国 3 位の牛乳生産量を示すほどの発展を遂げ たことを紹介した。現在では嶺岡地域の乳牛飼 養頭数および農家数は減少の一途をたどってい る。しかし,チッコカタメターノは当該地域の 伝統料理として,鴨川市民の約半数によって認 識されており,これを使ったレシピが発案され ていることを紹介した。 以上の講義を踏まえ て,授業中に学習支援システムを用いて鴨川の 歴史的変遷に関するバーチャル巡検について,

200字程度の感想を記述させた。

5 新松戸の里山保全

第 4 回の後半では, 里山の保全が図られて きた「関さんの森」 の事例から, 土地の変遷 を繰り返した地域の課題を解決する方策や,地

資料:千葉県酪農のさとの展示資料 写真 6  嶺岡牧の範囲 4 鴨川の歴史と嶺岡牧・製乳業

第 4 回の前半では,第 2 ~ 3 回と同様の手法 で,鴨川のバーチャル巡検を実施した。まず,

鴨川の伝統料理であるチッ コカタメター ノ

(乳っこ固めたの)3 ) の写真を示すとともに,

「チッコカタメターノは鴨川の伝統料理である」

という一文を紹介し,とても知りたいと思う問 い(解決したい問い, あるいは気になる問 い)4 )を考えさせた(写真 5 )。次に,構成的グ ループエンカウンターの手法によって, 3 ~ 4 人一組のブレークアウトセッションを自動でつ くり,グループごとに一つに絞った問いの内容 をチャットで共有させた。その結果,「どうい う食べ物か」,「どのように作られているのか」,

「原材料は何か」という問いにまとめられた。

続いて,今昔マップ(1903(明治36)年測図 の 5 万分の 1 地形図と地理院地図) を用いて,

日本酪農発祥の地である嶺岡牧と現在の土地利 用を確認した。また,千葉県酪農のさとの展示 資料や,日暮ほか(2013),日暮・千葉(2013)

資料:プロジェクト鴨川味の方舟(2016)

写真 5  チッコカタメターノ料理

(9)

勢で臨んでいたのか,リアルタイムで個別に確 認することが困難であったことである。上記の 課題については,授業中に求めた発言や,後日 提出を求めたレポートの内容から,ある程度検 証することが可能である。そこで,次章では,

レポートの内容からバーチャル巡検の有効性や 課題について考察する。

Ⅳ.バーチャル巡検の有効性と課題 本章では,授業中の学生の反応や授業後のレ ポートからバーチャル巡検の有効性と課題につ いて考察する。松戸のバーチャル巡検実施後の レポートにおいて,バーチャル巡検の有効性に ついて言及した感想は以下の通りであった。

・バーチャル巡検より実際に訪れて,実際に見 聞きした方が得られるものが多いとは思いま すが,実際に訪れるとなると費用や時間など がバーチャル巡検より圧倒的に高くつきま す。ましてや,それが遠方となればさらに高 域の将来像について考える機会を与えた(関,

2020)。 今昔マップの1903(明治36) 年測図 2 万分の 1 地形図と地理院地図を用いて,この付 近の直線道路(松戸都市計画道路 3 ・ 3 ・ 7 号 横須賀紙敷線)が関さんの森にかかる箇所にお いて湾曲していることのみを確認した(図 4 )。

そのうえで,レポート課題として,関さんの森 の脇を通る道路が湾曲している理由を調べて,

今後の地域づくりについての考えを200字程度 で記述させた。

以上, 4 回の講義を通じて,学生からの反応 や理解度を確かめながら,慎重に授業を展開す る必要があったものの,あらかじめ用意したス トーリーに沿った内容をおおむね伝えることが できた。ただし,以下の点が授業中の課題とし て指摘される。今昔マップで新旧地形図を見比 べる作業を各自に行わせたが,作業後は共有し た画面による一方的な解説に終始した。 また,

プライバシー への配慮から学生側の映像を ミュートにしていた。そのため,講義内容が精 確に伝わっているか,自発的に学ぼうとする姿

資料:「今昔マップon the web」。

図 4  新松戸駅周辺の旧地形図と地理院地図

(10)

ました。

・昔の地図と見比べながら昔,何が,なぜあっ たのかを調べたりするのは楽しかったので他 の地域も知ってみたいと思ったし, 今回は 知っている地域が多かったので,次その道を 通ったとき思い出しながら通ると面白いだろ うと思った。

・昔は山みたいに森林が広がっていたが,徐々 に平地にされているが, 未だに野馬土手が 残っている場所にあるということで, 柏に 行ったときにみれたらいいなぁと思いまし た。

・柏に限らず,日常的によく見ていて違和感を 抱かない場所にも同じように過去の痕跡があ るのかなと思います。そのような痕跡を見つ けて調べることで,その場所に昔なにがあっ たかなどの歴史がわかり,もしかしたら現在 でもその歴史などを活かせるかもしれないの で,これからは普段行く場所などももう少し 注意して見たいです。

鴨川のバーチャル巡検実施後のレポートにお いて,バーチャル巡検の有効性について言及し た感想は以下の通りであった。

・あの広告も七味と醤油がかかっていて豆腐み たいなやつなのかなと想像できて,少し硬め でざらざらしてそうというのが写真でわかっ た。きっと食べたら不思議な味がするに違い ない。食べてみたいものだ。

・今度鴨川に行く際にはチッコカタメターノを 探して食べてみたいと思う。

・写真を見ただけでは味は分からないので今で は少ないとは思うがもし見つけたら少しだけ 食べてみたい気もする。

・今回の講義で伝統料理が地域の歴史的側面を 表していることを知ったので,自分の地域の 伝統料理である「しもつかれ」についても少 し調べてみたいと思います。

・生まれてからずっと千葉県に住んでいました が,チッコカタメターノのという料理は一度 くつきます。それを考えるとバーチャル巡検

はとても効率的だと思いました。それにもし バーチャル巡検で個人的に気になる場所や興 味のある場所を知れれば,後日個人で訪れる 事も可能なので,とても楽しい授業でした。

・バーチャル巡検により,松戸の土地利用が昔 に比べ大きく変わっていることを知ることが できました。土地利用の変化を知ることで技 術の進化や人の生活の進化を感じることがで きました。実際に場所に訪れることに比べれ ば劣りますが,雰囲気を多少味わうことがで きるので良かったです。

・昔は向こう岸に渡るために利根川にて船が使 われており,しかもその時の運航航路が現在 では主に観光目的で使われていると聞いて,

その歴史的な部分とあとは単純に船に興味を 持ちました。特にその運航航路を使った時の 船に乗った感覚を知りたく,「昔船を使って 向こう岸に渡るのはこのような感じだったの か」 と実感してみたいです。 1 周400円と安 く,また自分自身あまり船に乗ったことがな いので, 時間や機会があるときにその船に 乗ってみたいです。

・県境が昔の利根川を基準にしているからなの かはわからないけど,県境の道路の我孫子利 根線で事故が起きた時両県の警察が来ていた のを見たことがある。繋がりがあるのか気に なった。

柏のバーチャル巡検実施後のレポートにおい て,バーチャル巡検の有効性について言及した 感想は以下の通りであった。

・高校時代は柏に通っていたので,地名や土地 の位置などもイメージしやすく面白いと感じ た。地図上で見るだけでなく実際に現地に 行って学びとリンクさせる,という事への興 味が大きくなった。

・普段は柏駅周辺や地元に帰る以外に外出はし ないので,基本的に 6 号しか通らず気づかな かったで,探検してみるのもいいかなと思い

(11)

を進めていくべき」という意見でもっとも多い 7 人から確認できた。 第二に,「都市化と森林 保全を両立させるため,地域の人の声と向き合 いながら共存の仕方を模索すべき」という意見 で 3 人から確認できた。 第三に,「事故を防ぐ 意味からなるべく早く道路整備する必要があ る」 という意見で 1 人から確認できた。 第四 に,「自然との共存は人類にとって永遠の課題 であり,森も人も傷つかない方法は思いつかな い」という意見で 1 人から確認できた。以上の レポートの内容から,問題の解決策を提示した り,地域の将来像について提案したりする応用 的, 実践的アプローチからの意見が確認でき た。

これらを整理すると,以下の 3 点がバーチャ ル巡検の有効性として指摘できる。第一に,

バーチャル巡検は実地の巡検を完全には代替で きないにせよ,案内者のいない実地の巡検を補 完する機能を果たしうることである。 第二に,

バーチャル巡検はそれぞれの身近な地域におい て,歴史的な背景から景観や土地利用の変遷を 解釈するために有効な視点を提供しうることで ある。第三に,バーチャル巡検は,事実として 現れている地域的特性を多面的,多角的に捉え るとともに,今後の地域あり方についての示唆 を得る機会を提供しうることである。

Ⅴ.おわりに

本稿では,コロナ禍におけるバーチャル巡検 の授業実践を通して,地域の性格を解明するた めのバーチャル巡検の有効性および課題を検討 した。バーチャル巡検は,実地の巡検における 五感を用いた実体験を伴わないものの,実地の 巡検への意欲を高めたり,従来の生活体験から 得られた景観を再解釈したりする効果を有して いた。また,地域の開発をめぐる複雑な問題に 対する解決策を提示したり,今後の地域の将来 像について提案したりするといった, 応用的,

実践的アプローチからの意見を引き出す効果も 確認できた。このことから,バーチャル巡検は も聞いたことも見たこともありませんでし

た。少し美味しそうなので一度は食べてみた いなと思いました。

・チッコカタメターノについては全く知らな かったので,鴨川では半数に知られているか もしれませんが千葉ではほとんどの人が知ら ないと思うのでおいしい乳製品として広めて いけば酪農の需要をより高められるのではと 思いました。

以上の感想から,バーチャル巡検の時間と費 用を節約できるという効果に対する好意的な評 価や,バーチャル巡検で紹介した場所を訪問し たい,伝統料理を食べたいという意欲を掻き立 てられた様子がうかがえる。ただし,バーチャ ル巡検は実地の巡検に比べて劣るというコメン トも散見された。バーチャル巡検がいかなる点 において実地の巡検に劣るのか,あるいは得ら れるものが少ないのか,その記述内容のみから は確認できない。しかし,他の感想において,

実際に見てみたい,食べてみたいという五感を 使った実体験を希望する意見がみられたことを 踏まえれば,バーチャル巡検が実地の巡検に劣 る点として,写真や動画では実感できない本物 を自らの目や舌で確かめられない点にあると推 測できる。そうであるならば,バーチャル巡検 は実地の巡検に取って代わるものではなく,あ くまで実地の巡検を補完する機能に限定される かもしれない。他方で,バーチャル巡検の内容 を,これまでの自らの生活圏内の実体験と結び つけた考察がみられた。これは人間の営みと自 然環境との関係から,かつて目にした景観を解 釈しなおした事例とみなせよう。さらに,歴史 的な景観や伝統料理をまちづくりや経済振興な どに生かすといった,地域の将来像について提 案するより応用的,実践的アプローチからの意 見が確認できた。

最後に,新松戸の里山保全に関して,今後の 地域づくりについての考えが記述されているも のを分類すると,以下の 4 つに整理できる。第 一に,「自然や歴史的建造物を守りながら開発

(12)

成するメカニズムを効果的に示すために,収集 したさまざまなコンテンツを論理的に組み立て て動態地誌として提供することを目的としてい た。この目的を実現するためには,実地の巡検 以上に,案内者自身の地理学的視点に基づく地 域理解と授業構成力が必要になるものと考えら れる。リアルタイム配信による授業では,実地 の巡検中にみられる,授業に一見無関係と思え る雑談や何気ない疑問の発話が排除される傾向 にある。そのため,複数の場所に関係する多様 なコンテンツを適切に組み合わせて提示するた めの,より効果的で効率的な授業方法が要求さ れることとなる。本稿では,構成的グループエ ンカウンターや不思議のタネの提示を試みた が,できる限り履修者を飽きさせずに自発的な 学びの姿勢を保つコンテンツの開発と授業展開 に向けたいっそうの工夫が求められよう。動態 地誌の概念を取り入れた授業開発のためには,

日常生活においてコンテンツになりうる情報が ないかつねに注意を向ける普段の心構えと不断 の努力が不可欠である。

2022年から高等学校では地理総合が必修化さ れ,選択科目では地理探究が開始される。とり わけ,地理総合が導入されることによる地理教 育の改革として, ①ICT 社会において, 多様 なデジタルデータを駆使した思考のできる人間 を育成する地理教育とすること,②ESD(持 続可能な開発のための教育)を通してSDGs

(持続可能な開発目標) の達成を目指す人間の 育成を図ること, ③自然環境と防災について,

地域を基盤として自助,共助,公助の観点から 総合的に考え行動できる人間を育成することが できることの 3 点が指摘されている(日本学術 会議地域研究委員会・地球惑星科学委員会合同 地理教育分科会,2020)。 これらを実現するた めの地理の授業実践の手段としても,バーチャ ル巡検を有効に活用しうると考えられる。コロ ナ禍における高校地理のよりよい授業実践のた めの準備の効率化のためにも,地理教育におけ るバーチャル巡検の体系化に向けて,引き続き 授業実践を積み重ねていきたい。

事実として現れている地域の特性を精確にとら え,共感的に理解することの地理学巡検の本質 をある程度実現する手段として活用しうること が示唆された。

筆者が本稿で対象としたバーチャル巡検を実 施したのは今回が初めてであった。案内者とし て感じたバーチャル巡検の有効性は,物理的な アクセスが困難な複数の場所を案内すること で,時空間のスケールを拡大できるため,長期 にわたる広域なネットワークに関連する事象を 対象にできることである。たとえば,河川舟運 や鮮魚街道といった生産地と消費地を結び付け る物資輸送ネットワークを,事象間の結びつき とその経年的変化とともに解説することで,そ れぞれの場所で閉じたローカルな地誌ではな く,ナショナル,グローバルといった異なるス ケールを含む,重層的な相互作用の過程として 描き出すことが可能となる。いわゆる動態地誌 として,地域の要素間の関係を効率的,効果的 に習得する手段としてバーチャル巡検を活用で きる可能性がある。ただし,期待する効果を得 るには案内者による周到な準備が必要となる。

第一に,できる限り案内者による事前の実地の 巡検によって,案内者の実体験に基づいた授業 構成にすることである。講義の内容には,一度 も訪れていない場所の案内を含んでいたもの の,実際に訪問しなければ,紹介する場所の周 辺地域の景観も含めた地域イメージはとらえに くく,実地の巡検と同様の現場を実際に訪問し たときの雰囲気や見聞きした情報を伝えにく い。第二に,ウェブコンテンツの活用を含めた 資料収集である。自主的な巡検を済ませた場所 においては,現地での写真や動画資料の提供が 有用であった。他方,事前の巡検が困難な場所 においても, 今昔マップに加えて,Googleス トリートビューや写真による視覚的にわかりや すい資料の提供は,場所のイメージをつかむの に効果的であった。第三に,これら収集した資 料をどのような順番と方法で提示していくかに ついてシミュレーションしておくことである。

本稿で取り上げたバーチャル巡検は,地域を構

(13)

鹿嶋真弓・ 石黒康夫編(2018):『問いを創る授業 』 図 書文化社.

柏市教育委員会編集委員会(2018):『郷土かしわ ― 地 理・ 歴史・ 公民編平成30年度版 ―』 柏市教育委員 会編集委員会.

熊谷圭知(2019):『パプアニュ ーギニアの「場所」 の 物語─動態地誌とフィ ールドワーク─ 』 九州大学 出版会.

國分康孝監修(1999):『エンカウンターで学級が変わ る 高等学校編』図書文化.

関 啓子(2020);『「関さんの森」の奇跡―市民が育む 里山が地球を救う―』新評論.

中條曉仁・岩本知之・早馬忠広(2014):中学校社会科 における動態地誌的学習の特質と課題 ―「日本の 諸地域 」 を中心として ―. 静岡大学教育学部研究 報告 教科教育学篇,45,71-81.

日本学術会議地域研究委員会・地球惑星科学委員会合 同地理教育分科会(2020):『提言「地理総合」 で 変わる新しい地理教育の充実に向けて ― 持続可能 な社会づくりに貢献する地理的資質能力の育成―』

URL: http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/

kohyo-24-t295-1.pdf(最終閲覧日:2020年11月28日).

早川裕弌・長谷川直子・佐藤李菜(2015):巡検に関 するストーリー性をもった地理情報コンテンツの 整備と効果 ― 地理の一般普及の視点から ―.2015 年度日本地理学会秋季学術大会発表要旨集. URL:

https://doi.org/10.14866/ajg.2015a.0_100093(最終 閲覧日:2020年11月13日).

日暮晃一・千葉いずみ(2013):『徳川吉宗再興の江戸 幕府直轄牧  嶺岡牧』千葉県酪農のさと・嶺岡牧 研究所.

日暮晃一・牛村展子・小笠原永隆・千葉いずみ(2013)

「日本酪農之発祥地」における製乳事業創業期の 酪農・製乳実態に関するフードシステム考古学的 アプロー チ.乳の社会文化学術研究研究報告書,

1-30.

日暮晃一・牛村展子・千葉いずみ(2014):『日本近代 酪農・ 乳食文化の源流  嶺岡牧』千葉県酪農のさ と・嶺岡牧研究所.

プロジェクト鴨川味の方舟(2016):『大山の食べ物  チッコカタメターノ料理 』特定非営利活動法人大 山千枚田保存会.

三浦 展(2019):『娯楽する郊外』柏書房.

付記

本稿の執筆にあたって, 科学研究費補助金

(基盤研究(C)「在宅医療空白地域における支 援モデルの構築に関する地理学的研究」研究課 題番号18K01141, 研究代表者: 中村  努) を 使用した。

1 ) たとえば,2020年 6 月発行の社会学評論の第71巻 第 1 号には,「特集 インターネット時代の社会調査 法 ― ウェブ調査をはじめとするデータ収集法の革 新と課題―」が組まれている。

2 ) グループを通してエンカウンターを行うことから グループエンカウンターという。 これには構成的 なものと非構成的なものがある。 構成的であると は,対象,グループ,エクササイズ,時間をセッティ ングするという意味である。 これをリーダーが行 う。 たとえば「 4 人一組になって他者紹介をしま す。 時間は各自 1 分程度でやりますので, 全体で 5 分とります」といった具合である。非構成グルー プの場合はエクササイズがないし, ファシリテー ターはリーダーから比べると能動的ではない(國 分,2003)。

3 ) チッコカタメターノは, 牛乳を熱し酢を入れるな どして固めたもので, チッコカタメターノ料理56 点を掲載したレシピ本も発行されている(プロジェ クト鴨川味の方舟,2016)。

4 ) この手法は鹿嶋・ 石黒編(2018) による「不思議 のタネの提示」を参考にした。教師が事前につくっ た不思議のタネを提示することで, 知的欲求や知 的好奇心を掻き立て, おもしろい, 不思議, どう して, 知りたい, といった学習意欲を高めること を狙いとしている。

文献

池田真利子・モーグナー クリスティアン・レレンスマ ン ルイーゼ(2020):コロナ時代の研究とフィール ドワークの再考.地理,65(10),51-55.

泉 貴久(2019):新旧地形図から学校周辺地域の変遷 を探る ― 生活圏における課題の発見をねらいとし た授業 ―. 千葉県高等学校教育研究会地理部会編

『新しい地理の授業―高校「地理」新時代に向けた 提案』二宮書店,180-187.

参照

関連したドキュメント

1)企業は、生産者として安全で良質の製品を安定して、消費者に提供する社

築いた人である。したがって、地理教育の発

あれほどまでに手柄を立てることを切望してい

過ちや失敗は誰にでも起こり得ることである。そのときに、ともするとそのことで自分自身が責め

12

冒頭で述べたように,県民一人一人の地震に対 する意識が下がっています。さらに,県民意識調

2.1.6.3

 GoogleEarthによるデータの可視化  CARTOによるデータの可視化