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5.本多―藤嶋効果と光触媒5.本多―藤嶋効果と光触媒

5.本多―藤嶋効果と光触媒

•  半導体光触媒研究の歴史の中で30年ほ  半導体光触媒研究の歴史の中で30年ほ ど前に重要な発見がありました。本多と藤 ど前に重要な発見がありました。本多と藤

嶋は酸化チタン(ルチル型)を電極として 嶋は酸化チタン(ルチル型)を電極として

光電気化学の研究をしているとき、光によ 光電気化学の研究をしているとき、光によ

る水の分解を発見したのです。図6

る水の分解を発見したのです。図6 ( (

aa

) ) のような酸化チタン電極と白金電極からな のような酸化チタン電極と白金電極からな

る電気化学セルを用い、酸化チタン電極に る電気化学セルを用い、酸化チタン電極に

紫外光をあてると酸化チタン電極から酸素 紫外光をあてると酸化チタン電極から酸素

が、白金電極から水素が発生しました(実 が、白金電極から水素が発生しました(実

際にはバイアスが必要)。

際にはバイアスが必要)。

この結果は、電気を使わなくても光によって水を酸素この結果は、電気を使わなくても光によって水を酸素 と水素に分解できる、すなわち、光エネルギーを直接、

と水素に分解できる、すなわち、光エネルギーを直接、

水素エネルギーに変換できることを示したものでした。

水素エネルギーに変換できることを示したものでした。

当時、オイルショックで石油に変わる代替エネルギー 当時、オイルショックで石油に変わる代替エネルギー が求められており、この発見は光エネルギー利用につ が求められており、この発見は光エネルギー利用につ ながるものと考えられ、本多―藤嶋効果として有名に ながるものと考えられ、本多―藤嶋効果として有名に なりました。半導体を光電極として水の光分解ができ なりました。半導体を光電極として水の光分解ができ

るのは、半導体表面に電子と正孔を分離する状態(

るのは、半導体表面に電子と正孔を分離する状態(

空間電荷層

空間電荷層)ができるためです。)ができるためです。

空間電荷層( space charge layer)

半導体光触媒および半導体光電極の場合、半導体が電解質溶液に接触するこ とによって生じる表面付近のバンドの曲がった領域をいう。電子が溶液と出 入りすることによって生じる現象である。電子あるいは正孔がほとんど存在 しない状態になっているので空乏層あるいは欠乏層( depletion layer) ともい

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図6 

(a)

光電気化学セル、

(b)

光化学ダイオード

(c)Pt

担持光触媒

本多・藤嶋効果 本多・藤嶋効果

n-

型半導体電極と金属対極から 構成される半導体光電極セル

TiO2

光電極による水の光分解  -本多・藤嶋効果-

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バンドギャップと、水の酸化・還元電位

バンドギャップと、水の酸化・還元電位

分解力様々な有機物を分解。雑菌や細菌をなくしたり、汚れのこ びりつきや臭いの発生を防ぎます。

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親水性 様水の汚れの下に入り込み、浮き上がることによっ て、汚れが流れ落ちます。