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京都市総合教育センターカリキュラム開発支援センター 京都発! 確かな教育実践のために 21 探究的な学習を充実させる総合的な学習の時間の単元展開ー学年の系統化及び言語活動の充実を図ってーサービスがよい 34% 品質がよい 26% 安い 21% 種類が多い 12% 遅くまで開いている 7% 店を選ぶポ

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京都市総合教育センター

カリキュラム開発支援センター

● ● ● ●

京都発!確かな教育実践のために 21

探究的な学習を充実させる総合的な学習の時間の単元展開   ー学年の系統化及び言語活動の充実を図ってー  サービスがよい 34% 品質がよい 26% 安 い 21% 種類が多い 12% 遅く ま で開いて いる 7% 店を選ぶポイント 0 5 10 15 20 25 30 35 ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト コ ン ビ ニ エ ン ス ス ト ア △ △ △ □□□□ ○ ○ 屋 そ の 他 (件) 家の人たちが買い物に行った店調べ

(2)

目 次

はじめに ··· 1

序章 「総合的な学習の時間」に求められているもの ··· 2

第1章 「総合的な学習の時間」の学習指導

— 三つの柱で進めていく —

··· 3

1 探究的な学習 ... 3 2 協同的な学習 ... 4 3 多様な体験活動 ... 5

第2章 探究的な学習を充実させる単元展開の方法 ··· 6

1 各教科等との関連を図る ... 6 2 各教科等の言語活動を充実させる ... 8 3 学年の系統化を図る ... 10 4 単元の学習過程を明確にする ... 12 (1) 主体的な学びをつくる八つの学習過程 ... 12 (2) 協同的な学びの場を設定する ... 14 (3) 体験活動を重視する ... 15 (4) 指導と評価の一体化を図る ... 16

第3章 探究的な学習を充実させる単元展開と評価の実際 ··· 17

1 単元「こん虫パラダイス」(環境,第 3 学年)の単元展開の実際 ... 17 2 単元「アンニョンハセヨ!韓国・朝鮮」(国際理解,第 3 学年)の 単元展開の実際 ... 22 3 単元「西院企画室」(生き方探究,第 5 学年)の単元展開の実際 ... 24 4 単元「12 歳の自分」(福祉,第 6 学年)の単元展開の実際 ... 26

第 4章 主体性を大切にし,探究的な学習を充実させる総合的な学習の時間

の具現をめざして ··· 30

おわりに ··· 32

(3)

-PB- -1-

は じ め に

平成 23 年 3 月に発生した未曾有の東日本大震災を受け,文部科学省で有識者会議が開かれました。 防災教育の目標の第 1 項には,「周りの状況に応じ,自らの命を守りぬくため『主体的に行動する態度』 の育成」が挙げられました。地震や津波が起こったときに,どうすればよいかを自分で瞬時に判断し, 行動することが第一に求められたのです。 女子サッカー,日本代表「なでしこジャパン」の佐々木則夫監督は,「世界一になるためのストラテ ジー」と題した雑誌の取材の中で,「積極的に能動的にみんなで連携して動く」ことが第一と答えてい ます。選手たちは,自分たちのコンディションやチームの状態が悪くなると,ビデオを見て話し合い, ミーティングを繰り返し,自分たちで改善を図っていたといいます。試合が始まると,大声援の中,瞬 時に判断し,あの広い 7140 ㎡のピッチを 90 分間動き回らなければなりません。だれかの指示を待つの ではなく,自分で判断し動くことが一番のストラテジー(戦略)なのです。 現代の課題がどこにあるのかを確認するならば,この二つのエピソードが物語るように,想定外の出 来事をはじめ,社会生活の中で多様で困難な場面に直面したとき,的確に判断し主体的に行動する力の 重要性が改めて浮き彫りになっているといえます。 平成 10 年告示の学習指導要領で『生きる力』を育むことを目的として「総合的な学習の時間」(以下 「総合」)が創設されてから,14 年が経ちました。この間,「総合」は多くのすぐれた実践を生み出し, 子どもたちに「人と関わる力」「課題を解決する力」「表現する力」などを育んできました。そして子ど もたちに将来の夢を育み,生きる展望を拓いてきました。そんな中,小学校において平成 23 年 4 月に 教育課程が改訂され,今まで総則に含まれていた「総合」は,新たに第5章として独立し,目標に「探 究的な学習」を行うことが明確に位置付けられ,探究の過程が示されました。「探究的な学習」を充実 させることで,子どもたちに「学び方」や「課題や対象についての明確な考えを表現すること」などが 身に付き,「生きる力」が育まれるのです。 新学習指導要領に基づく教育課程が完全実施となって 2 年が経過しようとするいま,京都市の現状を 調査し,調査結果を基に,探究的な学習を充実させるためにはどのように総合的な学習の時間の単元展 開をすればよいのかを構想しました。子どもたちが,「学んでよかった」「学ぶことが楽しい」「力が付 いた」と実感できる,「なぜなんだろう」「もっと知りたい」と探究が繰り返されていく,そんな総合的 な学習の時間が京都市の全ての学校で展開されていくことを願っています。

はじめに

(4)

□■□

「総合的な学習の時間」に求められているもの □■□

平成 8 年に出された『21 世紀を展望した我が国の教育の在り方について(第一次答申)』で初め て「生きる力」が提唱されました。これを受けて,平成 10 年告示の『学習指導要領』で「生きる 力」を育むことを目的として創設されたのが「総合的な学習の時間」(以下「総合」)です。平成 20 年の『学習指導要領』の改訂においても,「総合」の重要性が再確認され,新たに第5章として独 立し,解説書も作成されました。そのような中,「総合」に求められているものは何なのでしょうか。 平成 10 年と平成 20 年に告示された学習指導要領を基に,「総合」のねらいと目標を比較してみ ると,平成 20 年に告示された学習指導要領には,従前の総則に示されていた三つの「総合」のね らいのうち,(1)(2)を中心に「探究的な学習」「協同的」の文言が加えられています。 今回の学習指導要領においては,教科で基礎的・基本的な知識・技能の習得や活用を行うことを 前提に,「総合」では,教科等の枠を超えた横断的・総合的な課題について探究的な学習を行うこ とを目標としています。そして,「自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よ りよく問題を解決する」資質や能力及び「(学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究 活動に)主体的,創造的,協同的に取り組む」態度を育成していくことを求めています。 つまり, という理念は創設当時から受け継がれてきています。

「総合的な学習の時間」創設

ね ら い (1)自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する 資質や能力を育てること。 (2)学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組 む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにすること。 (3)各教科,道徳及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け,学習や生活 において生かし,それらが総合的に働くようにすること。 『学習指導要領』平成 10 年 12 月 告示・平成 15 年 12 月一部改正

「総合的な学習の時間」新たに第5章として独立

生きる力を育む

「生きる力」が全人的な力であるということを踏まえると,横断的・総合的な指導を一層推 進し得るような新たな手だてを講じて,豊かに学習活動を展開していくことが極めて有効であ ると考えられる。 『21 世紀を展望した我が国の教育の在り方について(第一次答申)』平成 8 年 7 月 中央教育審議会

「生きる力」を初めて提唱

目 標 横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考 え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに,学び方や ものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的,協同的に取り組む態 度を育て,自己の生き方を考えることができるようにする。 『学習指導要領』平成 20 年 8 月 告示 -2- -3-

(5)

学習指導要領(平成 20 年告示)では,学習指導のポイントとして「探究的な学習」と「協同的 な学習」の二つをあげています。この二つに「多様な体験活動」を加えた三つが,「総合」の重要 な柱となります。

1 探究的な学習 ◇◆◇

『学習指導要領解説 総合的な学習の時間編』には,「探究的な学習」について以下のような 記述がみられます。 つまり,探究的な学習とは,一つの大きなテーマの下に課題を解決する過程を繰り返すことであ り,一つの課題を解決することでまた新たな課題が生まれ,その課題に向かって粘り強く解決して いく学習のことをいいます。 探究の過程には「①課題の設定②情報の収集③ 整理・分析④まとめ・表現」の四つのプロセスが あり,図 1 のようにそれらのプロセスがスパイラ ル(螺旋状)に連続していきます。 「総合」では,答えが一つに定まらない問題, 容易には解決に至らない問題を扱います。それ が,自分たちの住む町の魅力であったり,生き方 の問題だったりします。 「総合」では,「何を学ぶのか」よりも「どの ように学ぶのか」という探究の過程を重視してい るのです。 この探究の過程は,いつも①から④のプロセスが順序よく繰り返されるわけではなく,順番が前 後することもあれば,一つの活動の中に複数のプロセスが同時に設定されることもあります。 探究的な学習が実現することで,例えば,次のような子どもの姿が見られるようになります。 そして,今まで概念としてとらえていた「もの」や「こと」に具体性が増し,より理解が深まっ ていきます。つまり,探究的な学習が実現することで,子どもたちの学びは一層充実したものにな ると同時に,生きる力が育まれていくのです。

章 「総合的な学習の時間」の学習指導

— 三つの柱で進めていく -

第1章 「総合的な学習の時間」の学習指導

〈探究の過程〉 も の の見 方や と らえ 方 が豊かになり,取組がより 主体的になる 身に付けた知識や技能を 活用することで,その有用 性を実感することができる 自分に力が付いたことを 実感し,学習意欲が高まる ①課題の設定 体 験 活 動 を 通 し て 事象と出会い,価値あ る課題を設定する ②情報の収集 設 定 し た 課 題 を 基 に,情報を集めたり, 必 要 な 情 報 を 取 り 出 したりする ③整理・分析 得た情報を整理・分 析したり,知識や経験 と 結 び つ け た り し て 思考する ④まとめ・表現 生み出された自分の 考えをまとめ,表現し, 他者と交流したり協同 して実践したりする 問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく一連の学習活動のこと

『学習指導要領解説 総合的な学習の時間編』 -2- -3-

(6)

2 協同的な学習 ◇◆◇

『幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について(答申)』 には,「開かれた個」について以下のような記述がみられます。

開かれた個」であるためにも,「総合」の協同的な学びは,大変重要です。 協同的な学びを行うことで,例えば,次のような子どもの姿が見られるようになります。 つまり,望ましい人間関係づくりを実践的に学ぶ上でも,協同的な学びは重要です。 また,協同的な学びを行うことは,自尊感情を高めることにもつながります。なぜなら,そうす ることで他者とともに支え合って生きているという実感が生まれ,自分が社会の中ではなくてはな らない大切な存在であることに気付き,そこに自己有用感が生まれるからです。 自己と対話を重ねつつ,他者や社会,自然や環境と共に生きる,積極的な『開かれた個』で あることが求められる

『幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について(答申)』 自分の考えをしっかり ともち,他者と話し合う 他者と協力して身近な課 題解決に主体的に取り組む

協同的な学び

助け合う

学び合う

高め合う

他者と協同して課題を解決 しようとする学習活動 『学習指導要領解説 総合的な学習の時間編』 共に学ぶ仲間 他学年 教 師 地域の人 学習に関係のある大人 多様な情報を収集し, 異なる視点で検討する活動 自分とは違った 考えを受け入れる 他者,社会,自然・環境と関わ りをもち,共に生きようとする

開 か れ た 個

他者と協力・交流して取り組む活動 課題が 多面的に検 討 され,自然や社会への認 識が深まる 異 な る 考 え を も つ他者を尊重する 社 会 参 画 へ の 意識が目覚める 相手意識や仲間 意識が生まれる 話し合うことで,互いの考えの 共通点や相違点を発見したり,関 連性に気付いたりする。 友だち同士で協力したり,地域 の人や学習に関係のある大人な どと交流したりする。 -4- -5-

(7)

3 多様な体験活動 ◇◆◇

『学習指導要領解説 総合的な学習の時間編』には,「体験活動」について以下のような記述が みられます。 また,指導資料『今,求められる力を高める総合的な学習の時間の展開』に以下のような体験活 動の例が示されています。

日常生活や社会との関わりを重視するという点からも,体験活動は必要不可欠なものです。しか し,「体験さえさせておけば,『総合』の学習は成立する」という誤ったとらえ方ではなく,体験を 一人一人の子どもにとって意味のあるものにしなければなりません。体験活動をすることによって, 学びが一層充実することが大切です。そのためには,単元を構想する際,ねらいをはっきりさせて, 付けたい力を明確にし,意図的に体験活動を設定することが重要です。 以前から,生活科・「総合」では,「体験と言葉」が大切であるといわれています。 左の図に示すように,体験は言葉を豊か にします。そして豊かな言葉は,体験を充 実させます。 例えば,以前,子どもが,実際に京人形 の顔に目を描く体験をしたあと,「目を描 くのは,人形に命を吹き込むことだと師匠 が言っていたけど,本当にそのとおりだ。 息を止めて,神経を集中させなければ描けない。目を描くのはこんな にも大変なんだ。だからこそ,世界に一つだけの素晴らしい人形がで きるんだな。」とワークシートに書いていました。このように言葉に 表すことで,体験して感じたことが確かになると同時に,実感を伴っ た言葉が身に付いていくのです。そして,確かな言葉,豊かな言葉は, 新たな体験を生み,更に体験活動が充実していきます。 体験して終わりではなく,体験した後に左の図に示す一連の活動 を位置付けることが大切です。つまり,「総合」の探究的な学習の過 程において,体験活動と言語活動を適切に位置付けることが重要な のです。

第1章 「総合的な学習の時間」の学習指導

児童が身体全体で対象に働きかけ実感をもってかかわっていく活動

『学習指導要領解説 総合的な学習の時間編』 自然にかかわる 体験活動 社会とかかわる 体験活動 ものづくりや生産,文化 や芸術にかかわる体験活動 〈体験と言葉の関係〉 充実した体験 豊かな言葉

体 験

言 葉

体 験 伝え合い 情報の取り出し 表 現 熟考・評価 解 釈 自己と対話 『今,求められる力を高める総合的な学習の時間の展開』 〈体験活動の充実〉 -4- -5-

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- 6 -

各教科等との関連を図る ◇◆◇◆◇

小学校学習指導要領第 1 章総則第 4「指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」では,各教 科等との関連について次のように規定しています。

◈●◈ 各教科等との関連の形 ◈●◈

各教科等との関連の仕方は,下の図に示したように 4 通りの形が考えられます。 ⅰは,各教科等で身に付けた力を,「総合」で働 かせるということです。各教科等で得た知識や技能 等が学習や生活において生かされ,総合的に働くよ うにという理念から「総合」が創設されました。こ のことから考えると,このⅰが一番オーソドックス な形です。ⅱは,各教科等で学習するよりも先に「総 合」で行うということです。ⅲは,各教科等と「総 合」の言語活動を同時期に行うということです。ⅳ は,例えば,国語科の学習で行う話合いや報告文を 書くときのテーマを「総合」の内容にするというよ うに統合的に扱うということです。 また,「総合」と各教科等とは,「知識・技能」と「内容」の二通りの関連の仕方があります。第6学 年の国語科の光村図書の単元「自分の考えを明確に伝えよう」を例に,それぞれの関連の仕方について 次の図に示しました。 知識・技能の関連 国語科で身に付けた課題の設定の仕方,課題解決の仕 方といった学び方や意見文を書く手順や文章構成,スピ ーチの仕方といった知識・技能を「総合」の探究の過程 で活用するという関連の仕方があります。 内容の関連 この単元でこれらの知識・技能を身に付けるために読 む,教材「『平和』について考える」資料「平和のとりで を築く」に書かれている内容を「総合」の題材とする関 連の仕方があります。 ◈●◈ 各教科等の基盤となる司会力・対話力 ◈●◈ 子ども一人一人に司会力・対話力を育成しなければなりません。そのためには,話す・聞く活動,話 合い活動等の基礎・基本となる言語活動を充実させることが大切です。これらの言語活動を国語科だけ ではなく,全ての教科等の中で意図的に,繰り返し行っていくことで言語能力は定着していきます。 1(1)各教科等及び各学年相互間の関連を図り,系統的,発展的な指導ができるようにすること 1(4)児童の実態等を考慮し,指導の効果を高めるため,合科的・関連的な指導を進めること

章 探究的な学習を充実させる単元展開の方法

〈各教科等との関連の仕方〉 〈各教科等との「知識・技能」と「内容」 の関連の仕方例〉

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◈●◈ 各教科等との関連の仕方例 ◈●◈

各教科等との関連の仕方の例とは次のようなものです。 前文部科学省主任視学官の嶋野道弘氏が,「総合」の「単元を構想するとき組み入れる五つの活 動」として「実験・観察の要素」と「基礎的な算数活動」を挙げています。このことからも,各教 科等の「知識・技能」と関連を図り,効果的で効率的な指導を行うことで探究的な学習が充実する とともに,子どもたちに確かな力が育まれるのです。

◈●◈ 各教科の学習過程との関連 ◈●◈

各教科等との「知識・技能」の関連の一つとして,学び方というべき学習過程の関連も大切です。 そこで,各教科の教科書を調べて,学習過程を明らかにしました。調査した4教科の学習過程と「総 合」の探究の過程,PISA の読解のプロセスをまとめたものが下の図です。 この図を見ると,各教科において問題解決的な学習を前提としており,「課題を設定する」とい う学習活動は必須の活動であることがわかります。また,各教科によって文言は違いますが,学習 過程に,「課題を見つける・つくる」「計画を立てる」「まとめる」「伝える」「話し合う」「振り返る」 などの主体的な活動が適切に位置付けられていることがわかります。そして,これらの学習過程は, 「総合」の探究の過程,読解のプロセスとも合致しています。 「地図の見方・かき方」 「見学や調査の仕方」 「資料の読み取り」 「資料を使っての説明の仕方」 など 社 会 科 〈各教科等と「総合」の学習過程〉

第2章 探究的な学習を充実させる単元展開の方法

「実験・観察の仕方」 「結果の整理の仕方」 「考察の仕方」 など 理 科 「地図の見方・かき方」 「見学や調査の仕方」 「資料の読み取り」 「資料を使っての説明の仕方」 など 社 会 科 第3学年 「表とグラフ(棒グラフ)」 第4学年 「表とグラフ(折れ線グラフ)」 「調べ方と整理の仕方」 第5学年 「平均」 「単位量あたり」 「割合」 第6学年 「資料の調べ方」 「見積もりを使って」 「割合を使って」 など 算 数 科

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2 各教科等の言語活動を充実させる ◇◆◇◆◇

平成 20 年に出された中教審答申において,学習指導要領のねらいの実現のための中核として「言 語活動の充実」が位置付けられました。言語活動を通して,各教科等の目標の実現,内容の習得を めざします。そのことが,思考力・判断力・表現力等を育成することにつながり,更には,『生き る力』の育成という学習指導要領の理念実現につながるからです。 言語活動の中核を担うのは国語科ですが,国語科だけで言語活動を行うのではなく,全ての教科 等で言語活動を行わなければなりません。そこで学習指導要領において各教科等の「言語活動の充 実」がどのように扱われているかを調べました。国語科,社会科,算数科,理科の言語活動の例を みておきましょう。 各教科等で言語活動を充実させていく上で基盤となるのは国語科であり,発達段階に応じて「記 録,要約,説明,論述」といった言語活動を通して言語能力を培うことが大切です。そして,培っ た能力を活かし,各教科等において言語活動を充実させることが重要です。「総合」は,横断的・ 総合的な学習であり,各教科等で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け,学習や生活に生かし, 各教科等の目標を実現するための手立てとして 言語活動を充実 国 語 基本的な国語の力を定着させたり,言葉の美しさやリズムを体感させたりするとともに, 発達の段階に応じて,記録,要約,説明,論述といった言語活動を行う能力を培う。 社 会 算 数 家 庭 図画工作 音 楽 生 活 理 科 体 育 道 徳 外国語活動 特別活動 総合的な学習の時間 横断的・総合的な学習や探究的な学習 各教科等で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け,学習や生活 に生かし,それらが児童の中で総合的に働くようにする。 「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこ と」の言語活動によって学習が行われていま す。これらの活動の位置付けを,自ら学び課題 を解決する能力を育成するという観点から見 直し,単元を通した言語活動として位置付ける ことが重要となります。 国 語 科 言葉による表現とともに,数,式,図,表, グラフといった数学的な表現の方法を用いる ことが特質で,式を言葉,図,表,グラフなど と関連付けて自分の考えを説明したり,伝え合 ったりできることが大切です。 算 数 科 目標に「考えたこと」という文言が加わり, 今まで以上に説明,論述,討論といった言語活 動を通して考えたり判断したりしたことを図 表や,イラストを使って言語で表現することが 求められています。 社 会 科 「科学的な言葉や概念」を使用して考えたり 説明したりすることが特質です。また,「考察, まとめ」の場面では,観察や実験の結果を表や グラフに整理し,解釈し,予想や仮説と関係付 けながら考察を言語化し,どう表現するかが大 切となります。 理 科

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- 9 - 子どもの中で総合的に働くようにすることをねらいとしています。そこで,「総合」を各教科等を包 括するものとして位置付けました。この考えを示したものが前のページの図です。各教科等での基礎 的・基本的な知識・技能の習得とともに,観察・実験,レポートの作成,論述といった言語活動を充 実させることで,「総合」における各教科等を横断,総合した探究的な学習も充実していきます。

◈●◈ 4 教科の教科書における言語活動 ◈●◈

学習指導要領を受けて,教科書ではどのような言語活動が取り上げられているかについても,調 査し,下のように整理しました。

第2章 探究的な学習を充実させる単元展開の方法

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- 10 -

3 学年の系統化を図る ◇◆◇◆◇

『学習指導要領解説 総合的な学習の時間編』に「学年の系統性」について以下のような記述が 見られます。 学年の系統化は,「付けたい力」と「内容」の両面から確かにしていかなければなりません。

◈●◈ 付けたい力の系統化 ◈●◈

「付けたい力」を系統化する取組の 例として,『総合的な学習の時間におけ る評価方法等の工夫改善のための参考 資料(小学校)』(平成 23 年 11 月・国 立教育政策研究所)に挙げられていた 例示②の「育てようとする資質や能力 及び態度」を踏まえ,六つの観点を設 定し,右の表を作成しました。 六つの観点とは,次の力です。 この表では,小学校,中学校の 9 年 間を見通し,学年に応じて系統的に子 どものあるべき姿を示しました。これ らによって,実現したい子どもの姿を 明確にし,段階的に付けたい力を育成 するようにします。 育てようとする資質や能力及び態度の設定に際しては,学年段階ごとに考えることが必要となっ てくる。(略)…全教職員がそれぞれの実践経験を生かし,児童の実態を踏まえて考えることが大切 である。その際,以下のような視点も参考になる。 ・各教科等に示された目標及び内容 ・児童のそれまでの経験 ・児童の興味・関心 ・直接体験から間接体験へといった,児童の活動の質的変化 ・具体から抽象へといった,児童の思考や認識の発達 なお,一つの資質や能力及び態度について設定すべき段階の数については…(略)…2学年をひとまとまり とした2段階による設定が,実践事例としても多く,また現実的な示し方である。 「第5章 第3節 育てようとする資質や能力及び態度の設定」 [学習方法に関すること] (1)課題設定力 (2)情報収集力 (3)思考力 (4)表現力 [自分自身に関すること] (5)活用力 [他者や社会とのかかわりに関すること] (6)学び合う力

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◈●◈ 内容の系統化 ◈●◈

「内容の系統化」とは,4 年間同じ内容を扱う,違った内容を扱う,同じ内容と違った内容を扱 うの三つの形が考えられます。 同じ「内容」を扱う よい点 ・一つの内容を掘り下げて行える ・新しい対象に出会っても戸惑いが尐ない 留意点 「内容」の広がりが尐ないので意図的に子 どもの視野を広げるように単元を構想する。 対 象 主な活動 (第 2 学年) (お年寄り) (地域のお年寄りに昔遊びを教えてもらう) 第 3 学年 お年寄り 高齢者福祉施設を訪問。発表・ふれあい。 第 4 学年 視覚に障害のある人 国語科資料「手と心で読む」 アイマスク体験。話を聞く。ふれあい。 第 5 学年 身体に障害のある人 車いす体験。話を聞く。 車いすバスケット。車いす介助。 第 6 学年 障害のある全ての人 ボランティア 障害のある人,ボランティアから話を聞 く。アドバイスをもらう。 違った「内容」を扱う よい点 ・4 年間でいろいろな「内容」を学習できる 留意点 同じ「内容」を扱う場合と比べると体験の 積み重ねが不足している。 扱う「内容」 他教科等との関連 第 3 学 年 国際理解 国語科 資料「3年とうげ」 地域・暮らし 社会科 第 4 学 年 福 祉 国語科 資料「手と心で読む」 情 報 国語科 教材「アップとルーズで伝える」 第 5 学 年 生き方探究 (キャリア教育) スチューデントシティ 環 境 理科,学校行事(長期宿泊学習) 第 6 学 年 伝統文化 社会科 生き方探究 (キャリア教育) 卒業に向けて 同 じ 「 内 容 」 と 違 っ た 「 内 容 」 を 扱 う 〈同じ「内容」を扱う単元例〉 〈違った「内容」を扱う単元例〉

第2章 探究的な学習を充実させる単元展開の方法

(14)

- 12 -

4 単元の学習過程を明確にする ◇◆◇◆◇

(1)主体的な学びをつくる八つの学習過程

これまで「体験活動や調べ学習をして,まとめて,発表する」のが「総合」の学習だと捉えられ てきたようなところがあります。しかし,探究的な学習では,「何のために体験活動や調べ学習を するのか」「その体験等をして何がわかったのか」「そこからどう考えるのか」が重要です。そのた め,「課題を設定する」活動と「思考する」活動を設定します。また,従来の「発表する」活動か ら双方向性のある「交流する」という活動に意識を変える必要があります。そこで,図 2 のような 学習の過程を構想しました。この過程は,「総合」の探究の過程とも合致しています。また,いき なり課題を設定するのではなく,新たに事象と出会い,いくつかの体験を通して課題を醸成させる ことが大切です。これらのことを踏まえ,図 3 に示す,全ての教科等と共通する「八つの学習過程」 を新たに考案しました。「総合」では,この八つの過程が繰り返されることで,探究的な学習が深 まっていきます。 ここで留意しておきたいのは,この八つの学習過程を柔軟にとらえるということです。つまり, ①から⑧の過程が順序よく繰り返されるとは限らないということです。単元の展開を一つの型には めるのではなく,子どもの実態や学習の状況に応じて変化したり,それらに合わせて選択したり, ダイナミックに単元を構想することが大切です。

(15)

- 13 -

① 事象と出会う

話を聞く,見学する,資料を見るなどの体験を 通して,改めて事象と出会う場面

② 学習課題を決める

体験を意図的に繰り返すうちに,課題が醸成さ れ,確かな課題がつくられる場面

③ 予想・仮説を立てる

課題に対する予想をもつ場面

④ 学習計画を立てる

課題を解決するために,どのような学習活動を すればよいかを考え,見通しをもつ場面

⑤ 調査する

立てた計画を基に情報を収集する場面,課題を 追究する場面

⑥ 課題を解決する

収集した情報の中から課題を解決するために必 要な情報を取り出し,整理・分析する場面

⑦ 調査したことを報告する

確かになった自分の考えをまとめて表現する場面

⑧ 学習を振り返る

自分の学びを振り返る場面

◈●◈ 思考する活動,整理・分析の過程を充実させる ◈●◈

思考は本来,頭の中で行うものであるため,イメ ージがしにくいです。そのため,比較する,分類する など,思考を具体化することが大切です。ベン図や, 座標軸などの思考ツールを使って思考を可視化する ことで,関係性もみつけやすくなります。思考ツー ルは,それぞれの利点を生かして,活動に合ったも のを選んで使うとよいでしょう。 また,思考する活動は,「パーソナルワーク→グ ループワーク→クラスワーク」という協働的な学び のプロセス(14 ページ参照)を経ると,考えが広がっ たり,深まったりして,学びが充実します。

◈●◈ 子ども自身に学びの有用性を実感させる ◈●◈

① 事象と出会う ④ 学習計画を立てる ⑧ 学習を振り返る 思考するための方法 表現する 形態・場・対象・形式 思考ツール (シンキングツール) ・表 ・マップ ・ツリー図 ・ベン図 ・座標軸 ・チャート図 など 思考操作 ・比較する ・分類する ・関連付ける ・類推する ・帰納的に考える ・演繹的に考える など

変 容

事 象 の と ら え (内容) 知識・技能 事象のとらえ(内容) 「①事象と出会う」で,現時点での事象に 対する捉えを記録しておき,学習を終えてど のように深まったかを確かめます。 知識・技能 「④学習計画を立てる」で,この学習で使い たい力を記述させておき,「⑧学習を振り返る」 でその力が活用できたか,この学習で身に付い た力,更に身に付けたい力は何かを考えます。 子どもが意識 子どもが実感

第2章 探究的な学習を充実させる単元展開の方法

事象についての捉えがどのように変容したか どのような力が身に付いたかをメタ認知する 思考する 思考を具体化・思考を可視化 既習事項・現時点でのとらえを記録する 価値ある体験を設定して,不思議・感動を与える 理由を文章化しておく これまでの体験・知識と結び付ける 見通しをもって,主体的に進めるために どんな学習方法?どんな力を使う? 調べる 感覚的認識と客観的認識 観察・実験,インタビュー,アンケート,本など 具体化 可視化

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(2)協同的な学びの場を設定する

協同的な学びは,他者との関係という視点からみれば,「協働的学び」と「支援を受けての学び」 の二つに大別されます。「協働的学び」とは,同じ学習目標をもち,同じフィールドで共に活動す る子ども同士の学習のことです。「支援を受けての学び」は,コミュニティティーチャーなどの支 援者である大人との学習のことです。

◈●◈ 協働的な学び (多様な情報を収集し,異なる視点で検討する活動) ◈●◈

協働的な学びは,子ども一人一人が自分の考えを もっていないと成立しません。そのため,「パーソ ナルワーク→グループワーク→クラスワーク」とい う協働的な学びのプロセスを提案します。「パーソ ナルワーク」は,個人で行う活動のことです。「グ ループワーク」は,グループで行う活動のことです。 そして,「クラスワーク」は,学級全体で課題を解 決する活動のことです。 「パーソナルワーク」で自分の考えを形成し,そ の考えをもち寄り「グループワーク」で活動するこ とで,より質の高い考えに至ります。そして,「ク ラスワーク」で,自分たちとは違ったものの見方や 考え方があることを知り,それぞれのグループの考 えのよさに気付き,更に考えを広げ,深めます。 このプロセスを経ることで,一人一人に多面的な ものの見方や思考,望ましい人間関係が育ち,学習 の質が向上します。

◈●◈ 支援を受けての学び ◈●◈

コミュニティティーチャーと子どもの関係は,ツアーコンダクターと旅行客の関係に似ていま す。ツアーコンダクターは,旅のプランを練ったり,旅行客から求められた際に自分のもっている 知識の中からアドバイスをしたりします。しかし,決して前に出ることはありません。コミュニテ ィティーチャーもツアーコンダクターと同様に,前に出ることはなくそっと寄り添い,子どもの学 びを支えます。唯一違っているのは,学びのプランを立てるのはコミュニティティーチャーではな く,子どもだという点です。そして,子どもとコミュニティティーチャーとの出会いや関わり方を コーディネートするのは,教師です。 教師は,コミュニティティーチャーと目的を共有することが大切です。そのためには,事前にし っかりと打合せをしておくことが必要です。単元のねらい,単元の構想を説明し,何分でどのよう なことを話してほしいのか,その活動が単元のどこに位置付けられるのかを伝えておきます。 多面的なものの見方 望ましい人間関係 学習の質の向上 〈クラスワーク〉 〈パーソナルワーク〉 〈グループワーク〉 交流 分類・比較・関連付け 交流 考えの尊重 批判的思考 より質の高い 考 え 総合化・多様化 された考え 個 グループ グループ グループ グループ グループ グループ 交流 思考 交流 思考 個 個 個 個 情報収集・思考 整理・選択 考 え コミュニティティーチャーの関わり方(例) 〈課題を発見する場面〉 ・素晴らしい技を見せてもらう ・新しい知識を話してもらう 〈情報を収集する場面〉 ・活動を共にしてアドバイスをしてもらう 〈まとめて表現する場面〉 ・学んだことを聞いてもらう など 育つ子どもの姿 ・望ましい人間関係 づくりの姿 ・自己の生き方を考 える姿 ・地域社会に参画し ようとする姿 など

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(3)体験活動を重視する

多様な体験活動を設定することが大切です。意味ある体験を意図的に重ねることで,子どもの学 びを豊かにすることができるのです。本市の小学校全 173 校で作成された「平成 23 年度 総合的 な学習の時間 全体計画」(京都市教育委員会による調査)を基に,学習活動の内容を調査したと ころ,次のような学校があることが明らかとなりました。 このことから,各学校では,地域や学校の特色を生かして学習活動を工夫していることがわかります。 地域や学校の特色を生かした学習活動を行うことは,子どもにとって身近な問題を扱うことにな ります。そのため,疑問に思ったことを現地に行ってすぐに確かめられたり,繰り返し体験したり することが可能となり,充実した体験活動を行うことができます。体験することで,実感が伴った 学びとなります。そしてそれらの体験は,自分が住む地域に対する親しみや愛着を育てることにも なります。 また,「スチューデントシティ学習」や「集団宿泊的行事」を上手く活用し,これらの学習や行 事を,体験や追究活動の一つとして探究の過程に組み込むことも考えられます。 体験活動を行う際には,必ずメモをする,感想を書く,感想を交流するなどの言語活動をつなげ て設定することが大切です。そうすることで,体験して生まれた思いや考えを確かにすることがで きるのです。以前5年生を担任していたとき,「もてなす」という言葉を「相手の世話をすること」 だと漠然と考えていた子どもたちが,茶道体験を重ねるうちに,「『もてなす』とはこうやって相手 のことを思ってお茶碗を選んだり,お菓子を選んだりすることなんだな。ただ単にお世話をすると いう意味ではなく,相手に喜んでもらいたいという思いが『もてなす』の意味なんだな。」「『もて なす』とは,相手のことを思っておいしくなぁれ,おいしくなぁれと思ってお茶を点てること。相 手を大切に思う気持ちがないと『もてなす』とは言わないのだな。」などと体験を通して一人一人 がその言葉の意味を確かにすることができました。 また,「①事象と出会う」での初めの体験を十分吟味することも大切です。子どもに驚きや感動 を与えられる体験活動を設定し,体験活動を意図的,計画的に重ねていくことで課題を醸成し,「② 課題を決める」につなげていきます。 ・山間部の学校で,「林業」や「愛鳥」といった学習内容を扱っている。 ・祇園祭やずいき祭など,地域にある祭を学習内容として扱っている。 ・地域に流れる川を素材として「環境」の学習を行っている。 ・地域で生産されている京野菜を素材として地域の特色を考える学習を行っている。 ・地域にあるデイサービス・センターを訪問することをきっかけとして「福祉」の学習を行っている。 ・修学旅行をきっかけとして,交流している学校との交流を深め,互いの地域のよさを再発見する学習 を行っている。 ・学校の中にあるビオトープを活用し,全学年で系統立てて「環境」の学習を行っている。 ・外国の小学校と交流していることを生かして,「国際理解」の学習を行っている。 例)【「スチューデントシティ学習」を「総合」で扱う場合】 「スチューデントシティ学習」だけで単元を構想するのではなく,この学習を一つのきっかけ として,仕事観,勤労観をテーマに探究的な学習を展開する。 【集団宿泊的行事を「総合」で扱う場合】 防災をテーマに,地震について調べ,実際に修学旅行の機会を利用して阪神・淡路大震災で被 害を受けた場所を訪ね,見学・調査などの追究調査を行い,事後,わかったことをまとめ,新た に生まれた課題について追究する。

第2章 探究的な学習を充実させる単元展開の方法

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(4)指導と評価の一体化を図る

平成 24 年 7 月 27 日に実施された「生活科・総合的な学習教育指導講座」(京都市教育委員会, 京都市生活科・総合的な学習教育研究会主催 於京都市勧業館みやこめっせ)に参加した本市の教 員 85 名を対象に「総合的な学習の時間における問題意識の調査」を行った結果,教員が最も課題 と感じているのは「評価」のことであることが明らかとなりました※ この結果から,付けたい力の不明確さが,評価の困難性を招いているのではないか,評価方法が 明確ではないために評価に対する意識が低いのではないかと考えられます。そこで,評価の手順を 明らかにしました。 はじめに評価の観点を具体化することが大切です。『参考資料』 (国立教育政策研究所)に評価の観点の考え方とそれに基づく観 点の具体例が三つ示されています。全体計画は,「目標」「内容」「育てようとする資質や能力及び 態度」の三つを中心に構成されています。また,評価の観点も例 1 は「目標」,例 2 は「内容」,例 3 は「育てようとする資質や能力及び態度」とのつながりが深い観点となっています。このような 考え方を踏まえて評価の観点を具体化することが必要です。 『解説書』には,「育てようとする資質や能力及び態度の設定 に際しては,学年段階ごとに考えることが必要」と書かれていま す。このことを踏まえて,学年に応じて系統的に子どものあるべき姿を明確にして,段階的に付け たい力を育成します。これによって,実現したい子どもの姿が明確となって,評価がしやすくなる と同時に,段階的に付けたい力を育成できるようになります。 評価の観点を具体化したものを基に,単元の評価規準を設定し ます。「総合」において子どもの学習状況を評価するためには「育 てようとする資質や能力及び態度」を踏まえることが大事です。そのため,各単元において評価規 準を設定する場合,各観点に即して期待される具体的な子どもの姿をイメージするときも「育てよ うとする資質や能力及び態度」と「内容」に照らし合わせて考えることが重要となります。 最後に,評価の方法を具体化します。評価には大きく分けて三 つの方法があると考えられます。発表や話合いの様子を「観察に よって評価する方法」とレポートやポスターなどの「制作物によって評価する方法」と「ポートフ ォリオによって評価する方法」です。 指導者である教師は,これらの三つの方法を基に評価を行います。また,教師だけではなく,子 どもがこれらの資料を基に,自己評価や相互評価を行うことも求められます。 評価は,単元の最後に行うだけではなく,形成的評価を大切にしたいです。評価をすることで, 子ども一人一人の力が明らかとなり,個に応じた適切な支援が行え,更に力を伸ばすことができま す。また,教師自身も本時の目標や支援が適切であったかを振り返り,単元の展開を修正すること もできます。これが,指導と評価の一体化たるゆえんです。 ※[困っていること] ・評価をどのようにしたらよいかわからない(43.5%) 割合が一番高い ・付けたい力をどのように育てたらよいかわからない(32.9%) [大切にしていること] ・自己評価(常に,時々を合わせて 82.3%) ・子ども同士の相互評価(常に,時々を合わせて 74.1%) 他の項目と比較すると低い ・指導と評価の一体化(88.3%) 1 評価の観点を設定する 3 単元の評価規準を設定する 4 評価の方法を工夫する 2 学年の系統を考える

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単元

「こん虫パラダイス」

(第3学年)環 境

9 月~12 月 全 30 時間

■ 単 元 構 想 ■□■

第3章 探究的な学習を充実させる単元展開と評価の実際

章 探究的な学習を充実させる単元展開と評価の実際

①事象と出会う 学校の生きもの・自 然環境と出会う 子どもたちは,今まで 身近すぎて気付かなかっ た生きものの多さに驚く とともに,自然環境の素 晴らしさに感動した。 ①´事象と出会う 生きものの生態と出 会う 生きものにはそれぞれ 住みやすい環境があるこ とを知る。 繰り返し 繰り返し ①′′事象と出会う 生きものの生態系と 出会う 生きもの同士のつなが りに気付く。 「生きもの大すき3年レンジャー,しぜんいっぱい大作戦」を学習課題とし,生きものが 住みやすい学校づくりを通して,環境を見つめ,生きものとの共生を考える単元 ● ● ● ● 学 校 で 設 定 し て いる付けたい力

地域・学校の特色

思 い・願 い 重点目標:生き方を学ぶ環境教育の推進 豊かな学びリーディングスクール(環境教育) 指定。今年度エコ改修を実施した。 ビオトープ「あかしやの森」「いのちの庭」 という素晴らしいフィールドで自然を体感 してほしい。自然を守り,いのちを大切に しようという気持ちを育てたい。 1 こん虫パラダイス 学習過程 探究の過程 学 習 活 動 主な言語活動 と思考 主な他教科等 との関連 ①事象と出 会う ②学習課題 を決める ③予想・仮 説 を 立 て る ④学習計画 を立てる ⑤調査する ⑥課題を解 決する ①´事象と 出会う ②´学習課 題を決める ⑤ ´ 調査す る ⑦調査した こ と を 報 告する ⑥課題を解 決する ①´事象と 出会う ②´学習課 題 を 決 め る ⑧学習を振 り返る セミの抜けがらはどこにあったのかな 校長先生から話を聞こう どんな生きものが増えたらいいだろう 観察 マップ 比較する 関連付ける メモ 観察 図鑑を使って 調べる 分類 KJ法的な手法 観察 図鑑を使って 調べる ポスターに表す 発表する 聞く・質問する 観察のポイント (理科) 地図に表す 地図を読む (社会) 学 習 課 題 の つ くり方 学 習 計 画 の 立 て方 観察のポイント (理科) 図鑑の使い方 (国語) 観察のポイント (理科) 図鑑の使い方 (国語) ポ ス タ ー の か き方 発表名人 10 か条 (国語) 課題の設定 課題の設定 課題の設定 情報の収集 情報の収集 情報の収集 情報の収集 整理・分析 整理・分析 まとめ・表現 学校には,どこに,どのような生きも のがいるのだろう 一週間,生きもの探しをしよう いのちの庭に込められた思いを知ろう 学習計画を立てよう 生きもの大すき3年レンジャー しぜんいっぱい大作戦をせいこうさせよう! どのような活動を したらいいのかな どのような力を 使えばいいのかな ふえたらいいなと思う生き もののことを調べよう ・観察する ・図鑑で調べる ・探す ・生きものはかせに聞く 自然のまま いのち みんな大事 集めた情報の中から作戦を成功させる ために大切なことを取り出そう 生きものをふやすための行動をしよう 課題の設定 ・すみかを作ろう ・食べ物をふやそう そのために調べよう 2年生や地域の人,おうちの人に伝えよう ポスターセッションをしよう ポスターを 作ろう 発表の練習 をしよう 課題の設定 みんなの考えを合わせて しぜんいっぱい大作戦を成功させよう 生きものは全てつながっている。自然と もつながっている。自然をいっぱいにする ためには,全ての生きものを大切にしなけ ればならないのだ。 どのような力が付いたかな これから伸ばしたい力は何かな 自分ができることをしていこう 整理・分析 ※ ※KJ 法的な手法とは, 「整理・分類」をす るための一つの方法 -16- -17-

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■ 単元の実際の展開 ■□■

○セミの抜け殻がどこにあったのかを予想する ・なぜそこにあったと思うのか,根拠を明らかにして予想する。 ・「生きもの発見 Map」にセミのシールを貼っていく。 ○一週間生きもの探しをして,見つけた生きもののシールを Map に貼る ・完成した Map を見て,「生きものは学校のどの場所 に多いのか」「どのような生きものがいるのか」に ついて交流する。 ○校長先生から話を聞く ・「どうしてあかしやの森・いのちの庭がつくられ たのか」「地域の人・保護者・教職員の願い」 「つくるときの苦労」について話を聞く。 ○学習課題を決める ・「○○レンジャー,□□□大作戦!」と書いたカードを基に,○○と□□ □に入る言葉を考える。 *自分たちで考えた学習課題であるという意識がもてるようにした。 *3年生という発達段階に合わせて,めあてが常に意識できるように合言 葉になる学習課題とした。 ○どんな生きものが増えたらよいか,どうすれば増えるかを考える ・今までの体験や知識,理科の学習を基に,「自然のまま」をキーワードに, 実際に「あかしやの森」「いのちの庭」に行って考える。 ○課題を解決するために,どのような活動をすればよいか,どのような力 を使えばいいかを考える *初めて学習計画を立てるので,下の図のワークシートを基に学習を進める。 活 動 すること つかいたい力 1 生きものさがしをす る。 いのちの庭の話を聞 く。 ・一週間,生きものをさがす。 (何が,どこにいたか) ・地図にシールをはる。 ・校長先生に話を聞く。 ・地図を見る力(社会) ・かんさつする力(理科) ・話を聞く力 学 習 か だ い を 考 え る。 生きものを考える。 学習計画を立てる。 2 いたらいいなと思う 生きものについて調 べる。 ○何を調べるか。 ・住みやすい場所・食べ物 ・動き・しゅるい からだのようす ・計算の力(算数) ・図かんの使い方(国語) ・かんさつのしかた(理科) あかしやの森 よくセミの鳴き声を聞くから。 果樹園 前に果樹園でセミを見たから。 学校のいろいろな場所にセミの抜け殻があるのだな。 ほかにどのような生きものがいるのかな。 あかしやの森・いのちの庭 に生きものが多い。 バッタやスズムシ,コオロ ギが多い。 どうしてあかしやの森,いのちの庭に生きものが多いのだろう。

①事象と出会う

なぜ「いのちの庭」と名付けられたかがよくわかった。 いのちの庭にもっと生きものをふやしていきたい。 ②学習課題を 決める 生きもの大すき3年レンジャー,しぜんいっぱい大作戦 ③予想・仮説を 立てる ④学習計画を 立てる ※どのような力を 使えばよいかを考 えるのは初めてだ ったため,例を挙 げて考えやすいよ うにした。 1 こん虫パラダイス -18- -19-

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○自分が増えたらいいなと思う生きものについて調べる 3年生なので,初めは全員が「住んでいる場所」について調べることにした。 また,ワークシートにも下の図のような調べ方の手引きとなる事項を示しておき,今 後の追究活動が自分たちでスムーズに行えるようにした。 ○同じ生きものを調べている友達と情報を交流する *追究活動の中で,友だちと交流する時間を設定 することで,知識が広がるようにした。 *自分が収集した情報をウェビングマップにカテ ゴリごとに整理しておいてから友だちと情報を交 流することで,共通点と相違点を見つけやすくした。 ○収集した情報の中から,増やすた めに必要な情報を取り出し,作戦 を考え,実行する *収集した情報の中から実際に必要 な情報を取り出し,分析すること で, 新たな課題が生まれ,追究活 動が繰り返され,学びが深まるよ うにした。 *ワークシートに活動のプロセス を示すことで,見通しをもって主体 的に学習を進められるようにした。 ○ポスターセッションで交流する 対 象 ・モデルのポスターを使って,ポ スター作りのポイントをまとめる

第3章 探究的な学習を充実させる単元展開と評価の実際

⑤調査する

住みやすい場所って? ○どのようなところにいるかな? 草の多いところ,花の咲いているところ, 木のあるところ,水のあるところ,地面の やわらかいところ・・・ 調べてみよう!! ・自分でかんさつしよう ・自分でさがしに行こう ・生きものはかせに聞いてみよう (すが先生・さいとう先生) ・図かんで調べてみよう ※聞いたり図かんで調べたりしてわかったこ とは,自分でもたしかめておくといいね。 考えてみよう!! ○どうしてそのようなところにいるのかな? 観察する・探す・生きもの博士に聞く・図鑑で調べる ○○さんは家でも調べていてすごいと思っ た。今度はどこに多いか調べたい。 情報を交換して,自分が知らないこともわ かった。次の時間に調べてみたい。

⑥課題を解決する

①′事象と出会う

⑤′調査する

②′学習課題を

決める

オオカマキリを増やすために,食べ物で あるクモを増やそう。そのためにクモは どんなところにいるのか調べよう。 ダンゴムシは湿った暗い場所に住んでいるから,増やすためには,湿った暗い場所をつくれ ばいい。落ち葉を集めて,水をかけて湿らせておこう。

⑦調査したこと

を報告する

友だち 2年生 保護者 生きもの博士 ①題名 ②学年・組・名前 ③調べた理由 ④調べたこと ⑤そこから考えたこと (いっぱいにするた めにわかったこと) ⑥自分のしようと思う こと(作戦) ・文字の大きさ・太さ ・文字の色・形 ・かんたんな文・言葉 ・絵・図 ・表にしたり囲んだり ・見出し 読 くな 題名 表現の工夫 内 容 1 こん虫パラダイス 考えた作戦 調べたこと わかったこと 活動の内容 -18- -19-

(22)

・まとめたポイントを基に,一人一人がポスターを作成する 項目ごとに紙に書いて台紙に貼っていくようにし たことで, ✜大きな紙に直接かくよりも,負担が少ない ✜細かなステップで作成できる ✜動かせるので,レイアウトを工夫できる などの効果があった。 ・国語科の学習で作成した「発表名人 10 か条」を基に発表の練習をする ・ポスターセッションをする 体育館を会場に,ABC の 3 グループに分かれ,A が発表しているときは BC グループは友だちの発表 を聞いた。このとき,自分の発表と比べて聞くよう にした。 ・「自然いっぱい大作戦」を成功させるために大切なことについて全体で交流する 生きもののすみかと食べ物について出し合う中で,自分の調べた生きもの についてだけではなく,ポスターセッションで友だちから聞いたことやこれ までもっていた知識なども合わせて出し合うことができた。 *子どもたちの発言を構造的に板書していくことで,生きもの同士の関わり に気付けるようにした。 ○「内容」と「知識・技能」の両面から振り返る ・「自然いっぱい大作戦を成功させるために大切なこと」について記述する 交流する中で, ✜1種類の生きものを大切にするためには,全ての生きものを大切に しなければならないこと ✜生きものを大切にするためには,植物や水といった周りの自然環境 も大切にしなければならないこと に気付き,自分ができることから始めていこうと考えるようになった。 ・「つかいたい力」が活用できたか,どのような力が身に付いたか,更に伸 ばしたい力は何かについて振り返る(自己評価) 1 こん虫パラダイス

①′

事象と出会う

②′

学習課題を

決める

⑧学習を振り返る

ぼくははじめ,自分がふやしたい虫だけふやしたらいいと思っていたけど,1ぴき (種類)の虫だけをふやさずに,バランスよく虫も植物もふやせばいいと思いました。 わけは,1ぴき(種類)だけふやせば,その虫だけがたくさんになって,食べるもの があんまりいなくなってしまうからです。だから,ぼくは,バランスよく虫や植物を ふやすためには,生きものをそまつにしている人がいたら注意して自分も生きものを 大切にしていきたいです。 -20- -21-

(23)

■ 学年の系統について ■□■

S小学校では,第3学年から第6学年まで系統的に「環境」の学習を行っています。第3学年で はこん虫などの生きもの,第4学年では植物,第5学年では自然とわたしたちの生活,第6学年で は環境エネルギーについて系統的な取組が行われています。 この学習は,第4学年の「グリーン UP プロジェクト」へとつながっていきます。虫をはじめと する生きものが植物と関わっていることを学んだ子どもたちは,更に第4学年で植物について詳し く学びます。今回学んだ生きものを中心とした自然界のつながりには,「水」と「土」しか登場し ませんでした。しかし,植物を中心としたつながりを学ぶことで,「太陽」や「空気」「風」といっ た自然界とのつながりも明らかになるでしょう。これが,系統的に学ぶよさであるといえます。 また,付けたい力については,学校独自で「付けたい力」を系統的に設定して学習を進めているこ と,「まとめ・表現」の過程にポスターセッションを系統的に設定していることで,子どもたちに段階 的に,確実に力が付いていきます。

■ 成果と課題 ■□■

○八つの学習過程を設定する 八つの学習過程を設定することで,細かなステップで単元を展開することができました。「学校には どこに,どのような生きものがいるのだろう」という小さな疑問が,活動を重ねるうちに単元を貫く学 習課題「生きもの大すき3年レンジャー,しぜんいっぱい大作戦」となりました。そして,課題を解決 するため「増えたらいいなと思う生きものについて調べよう」「生きものを増やすための作戦を実行し よう」と,探究の過程が繰り返されるごとに新たな課題が生まれ,探究的な学習が深まりました。 ○子ども自身が意識する 子どもたちは,学習計画を自分で立てました。このことで,学習の見通しがもて,主体的に活動する ことができました。また,各教科等で身に付けた力を基に一つ一つの活動においてどのような力を使え ばよいのかを子ども自身が考えました。そして,「⑧学習を振り返る」で,その力が活用できたか,こ の単元でどのような力が身に付いたか,更に伸ばしたい力は何かについても考えました。このことで, 子どもは各教科等で身に付けた力が「総合」に発展させられること,「総合」で身に付けた力を各教科 等に生かせることを実感することができました。子どもが学びの有用性を実感することで,実生活,実 社会で生きて働く力となると考えます。 ○体験活動と言語活動 この単元では「自然にかかわる体験活動」を多く設定しました。子どもたちは,何度も何度も「あか しやの森」「いのちの庭」に出かけて行きました。残念ながら急に気温が下がり生きものたちが姿を見 せなくなり,当初計画していた生きもの自体の観察は十分行えなくなってしまいました。このことから, 今後の課題として,単元を扱う時期を再検討することがあげられます。「環境」の内容を扱う場合,自 然が相手なので多少のリスクは仕方がありませんが,できるだけよい条件のもとで活動できるのが望ま しいです。ただ,そのような状況の中で,なぜ生きものが少ないのかを考えたり,図鑑等を活用して情 報を収集したことを確かめにフィールドに出かけていったりしたことは意義のあることでした。指導者 の臨機応変な対応が大切だと感じました。 また,体験活動の後,言語活動を位置付けたり,協働的な学びの場面を設定して話合い活動を行った りしたことにより,考えが広がったり深まったりして,探究的な学習が充実しました。 1 こん虫パラダイス

第3章 探究的な学習を充実させる単元展開と評価の実際

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単元

「アンニョンハセヨ!韓国・朝鮮」

(第3学年)国際理解 10 月~12 月 全18時間

■ 単 元 構 想 ■□■

*三つの体験を意図的に重 ねることで(受身の活動 から,より主体的に関わる 活動へ),韓国・朝鮮との 関わりが深まっていきます。 学 習 活 動 主な言語活動と思考 ウェビングマップ メモ 感想を書く キーワードに整理する 分類 ウェビングマップ メモ 比較 感想を書く ウェビングマップ ウェビングマップ 分類 感想を書く 関連付ける ウェビングマップ 感想を書く 関連付ける ウェビングマップ パンフレットに表す キャッチコピー 発表する 聞く・質問する 感想を言う もっと 韓国・朝鮮のことを知ろう 韓国・朝鮮の「みりょく」をさぐろう 服 装 言葉・昔話 遊 び 音 楽 韓国・朝鮮には,すばらしいものがたくさんあるのだね。 韓国・朝鮮の音楽は、 はく力があるな。 韓国・朝鮮について知っていることを出し合おう 日本にもよく似た形 の楽器があるよ。 き れ い な 衣 装 だな。 自 分 で も 演 奏 してみたいな。 きれい おもしろそう やってみたい にている ちがう 見 て ・ 聞いて ・ やってみて たくさんの「みりょく」がみつかったね。 みつけた「みりょく」を周りの人に伝えたいな。 みつけた「みりょく」を伝えよう 韓国・朝鮮のことをもっと知りたいな。 ハ ン グ ル 文 字 を 駅でみたよ。 日 本 の 着 物 のよ うにはなやかだね。 日本にも似た遊びがあるよ。 色々な音があっ て楽しいな。 こ れ か ら も , 韓 国・朝鮮の人と仲 良くしたいな。 みんなに伝える ことができてよ かったな。 ほかの国の「み りょく」も知り たいな。 もっと韓国・朝鮮 の「みりょく」が みつかったよ。 韓国・朝鮮の音楽を聴こう 韓国・朝鮮の衣装について知ろう 韓国・朝鮮のくらしについて知ろう 韓国・朝鮮の食べ物「チヂミ」を作ろう パンフレットの交流会をしよう マダンを開こう 2 アンニョンハセヨ!韓国・朝鮮 学 校 で 設 定 し て いる付けたい力

地域・学校の特色 思 い・願 い

「韓国・朝鮮の『みりょく』をさぐろう」を学習課題とし,子どもたちとつながりの深い 韓国・朝鮮のよさを理解し,多文化共生を考える単元 ● ● ● ● 文部科学省「帰国・外国人児童生徒受 入促進事業」センター校の一つである。 外国にルーツをもつ児童が多い。 日本の伝統や文化,各国の伝統や文化の よさを知り,互いに尊重し合い,仲良く していこうという気持ちを育てたい。 体験活動③ 韓国・朝鮮の「みりょく」を さぐる 自分たちでやってみる活動 体験活動② もっと韓国・朝鮮のことを 知る 一緒にやってみる・質問に答え てもらう活動 体験活動① 明るく・楽しく,韓国・朝 鮮の文化と出会う 見る・音楽を聴く・教えてもら う活動 -22- -23-

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■ 多様な体験活動 ■□■

韓国・朝鮮の文化に親しむために,様々な体験を設定しました。

■ 適切な言語活動 ■□■

〈協働的な学び〉

第3章 探究的な学習を充実させる単元展開と評価の実際

2 アンニョンハセヨ!韓国・朝鮮 〈パーソナルワーク〉 体験してわかったこと・考えたこ とを付箋に書く。 〈グループワーク〉 それぞれの考えを交流する。 ウェビングマップの手法を用い て,付箋を分類して考える。 〈クラスワーク〉 グループでまとめた考えを,全体 で発表する。 ウェビングマップは,自分の考えを広げるときによくつかわれる手法 です。このウェビングマップを使って,観察・鑑賞などの体験活動で集 めた情報を付箋に書き出し,グループや学級全体で分類することにしま した。このウェビングマップの手法を用いた言語活動をこの単元の話合 いの場面で繰り返し使うことにしました。 〈パンフレット〉 これらの活動のほかにも,ケンガ リやプなどの楽器や,ユンノリ(す ごろく)などの遊びも体験しまし た。また,学習の最後には,「マダ ン」と称してそれぞれのグループで 体験したことをみんなで楽しみま した。 社会科の「商店のはたらき」 の学習で「スーパーのヒミツ」 パンフレットを作った子ども たちは,並行して,学んだ「韓 国・朝鮮のみりょく」をパンフ レットに表し,パンフレット交 流会を開きました。 〈ウェビングマップ〉 チャンゴを演奏する ペンイ(コマ)を回す 韓国・朝鮮の昔話を読む チマチョゴリを着る ハングル文字を書く -22- -23-

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