• 検索結果がありません。

大豆発芽時のα-およびβ-マンノシダーゼ活性と水溶性多糖類の変化-香川大学学術情報リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "大豆発芽時のα-およびβ-マンノシダーゼ活性と水溶性多糖類の変化-香川大学学術情報リポジトリ"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

大豆発芽時のα−およびβ−マンノシダーゼ活性と

水溶性多糖類の変化

笠 井

忠,鈴 木

CHANGESIN THEα−・ANDβ−MANNOSIDASE ACTIVITIES

AND THE WATER SOLUBLE POLYSACCHARIDESOF

SOYBEAN SEEDS DURING GERMINATION

TadasiKASAIand HiroshiSuzuKI

InthegeIminatingsoybeanseeds,theactivities ofα−mannOSidase,β−mannOSidaseandα−galactosidaseandthe amountandcompositionofthewatersolublepolysaccharideswereinvestigatedsimultaneously・

Theactivityofα一mannOSidasewasfaizlyhighinungerminatedbeansandincreasedbygermination・Thehighest

activitywasobserved3daysaftergerminationasweuasthatoftheα−galactosidase・Theβ−mannOSidaseactivity

washighestinungerminatcdbeansanddecreasedgradual1ybygeImination・

GLCexaminationofcomponentsugarsofthepolysaccharidesshowedthatarabinose〉Xylose andglucosewere

alwaysdetectedduringpeziodstudiedbutmannoseandgalactosewhichweIefoundinlargeamountduringinitial

germination〉Werelittleornotdetectedingerminatedbeansatlatestage 大豆発芽時におけるα−マンノシダーゼ,β−マンノシダーゼおよびα−ガテクトシダーゼ活性とそのときの水溶性多 糖類について調べた α−マンノシダーゼ活性は発芽前でも相当盈認められ,発芽によって増加し,そのピー・クはα−ガラクトシダーゼ活 性同様発芽3日日にあった… β−マンノシダーゼ活性は発芽前が最も高く,発芽によって徐々に減少した・ GLCによって,水溶性多糖類の構成単糖としでアラピノース,キシロース,グルコ・−・ス,マンノー・ス,ガラクトー スを検出した小 この構成糖としてのマンノースとガラクトースは,発芽初期に多盈にみられるが発芽後期ではほとん どみられなかった. 緒 大豆笹子には炭水化物が約30%含まれている.このうち10%は豆類共通に含まれるショ糖やラフイノース,スタキ ォ・・−スのようなガラクトシル少糖類であるが残りは多糖類とされている.(卜8)多くの種子にはたいていデンプンが含 まれているが完熟大豆ではほとんどないか,あっても微塵であり,(8・4)この点特異的である.大豆種子の多糖類の化 学株造は複雑で部分的にしか解明されていないが水溶性多糖の構成糖にマンノー・スやガラクトースがその大半を占め るものがあるい(2・a)大豆発芽時のα−ガラクトシダーゼ活性の増加に関連してガテクトシル少糖類が急速に減少消失す ることをすでに報告した.(5)このようをことが水溶性多糖類についても考えられるので,この多糖類の盈的変化とマ ンノシダーゼ活性の変化について調べた. 実 験 方 法 大豆種子の発芽 試料としての大豆(qyc去花e∽α£MeI・Ⅰ・.)は1976年皮産を用いたぃ発芽には前報く5)同様粒のそ ろったもの(平均0.280g/粒)を0.1%昇こう水で殺菌し,加熱殺菌水でよく洗い,脱月旨綿を発芽床としたシ・サー・レに て速急の殺菌水をあたえ,250C暗所で発芽させた.

(2)

香川大学農学部学術報告 第31巻 第2号(1980) 120 酵素の抽出 発芽のそろったもの10粒を選び5mJの0.1M−リン酸緩衝液(pH7。.2)とともにホモジナイズし, 綿布で辞退してから19,000×g,30分間遠心分離し,その上澄液をそのまま酵素液として活性を測定した. 秤皮の酵素活性測定には発芽種子20粒から種皮のみをピンセットなどで集め,同様にして酵素液を得たい 酵素活性の測定 大豆発芽種子のα−ガテクトシダ、−ゼ(5)とα一マンノシダ・−・ゼ (6)の最適pIiはそれぞれ5小2, 4−0とされているがpH4.6の緩衝液を用いてもほぼ同じ借が得られ,またβ−マンノシダーゼもこのpHで超過活性 を示すことから,これら3酵素活性の測定にはすべて0.2M−McIIvaine綬衝液(pH4.6)を用いた,活性測定は, 10mM一基質0.1mろ 緩衝液0.3mろ 酵素液0‖1mlを加えて混合し,400C,10分間反応させたのち,0.1M一炭酸ナ トリウム95mgを加え400nmの吸光度を測定した.基質としてクーニトロフ.ユニルーα−D一マンノピラノシド(α・− PNPM),P−ニトロフュエルーβ−D−マンノピラノシド(β−PNPM),少pニトロフコLニルーα−D−ガテクトピラノシド(α− PNPG)を用いて,それぞれαMマンノシダ・−ゼ(a−D−mannOSidemannohydrolase,EC3.2。.1.24),β−マンノシダー

ゼ(β−mannOSide mannohydrolase,EC32.,1.25),a−ガラクトシダーゼ(α−Dqgalactoside galactohydrolase,EC3”

2.1.、22)活性を測定し・た… 活性は遊離♪−ニトロ■フェノールの〃モル/分/粒で示した、 多糖類の抽出,定畳 上記と同様にした発芽大豆10粒を80%エタノーリレ25mJとともにホモジナイズしてから1 時間還流する.これを遠心分離(3,000×g,5分間)にて上澄を除き,再び80%エタノ・−ル20mJを加え政拝し遠心 分離にて上澄を除く.この操作を繰り返し上澄に糖反応がなくなるまで行い単糖類ヤ少糖類を完全に除く.このアル コ・−ル抽出残淀に冷水(窒温)約20mgを加えて政絆し遠心分離により上澄をとる.この操作を上澄に糖反応がなく なるまで行い上記を集める、これを“冷水可溶性多糖液”とする.また,この冷水抽出残症に水を加え1時間沸とう 水浴申で加熱し,さらに熱水で5回,その後冷水にて前回と同様にして得た抽出液を“熱水可溶性多糖液”とする.. これらの糖液はそれぞれ■7コ=ノ・−ル硫酸法にてグルコー・スを標準に糖盈を定盈したい 構成単糖の同定 冷水および熱水可溶性多糖液はそれぞれ5mgにつき塩酸濃度4%として2時間加熱還流によっ て加水分解した.これを減圧濃縮乾固し少盈の水を加えて溶解後再び乾固して塩酸を除く.この乾固物を水0い5mJ にとかし炭酸水素ナトリウムを加えて中和してから,ビリジン2mJを加え前報(5)と同様糖類を抽出しガスクロマト グラフィー(GLC)にてその構成糖を同定したい 発芽0日目については完熟大豆そのままを32メッシュに粉砕し,そ の10粒相当重盈(2、80g)につき発芽種子と同様にして測定した. 実 験 結 果 発芽時の酵素活性 全粒についての活性 α−マンノシダーゼ活性:発芽0∼10日目までの抽出酵素液をα−・PNPMを基質として測定した結果をFi罫.1に示 す.後述のα−ガテクトシダー・ゼ活性と同傾向でやや少い値であるが同じく3日目で扱高値を示した..しかしすぐも とにもどり,その後は徐々に減少した小 β−マンノシダ・−ゼ活性:同じく同酵素液をβ一PNPMを基質として測定した結果をFig=2に示す.佼高値はα−マ ンノシダ・−ゼ活性の場合と同程度であるが発芽0日員にあり,発芽により最初急減しその後日数とともに徐々に減少 した. α−ガラクトシダー・ゼ活性:比較参考のため同時にα−PNPGを基質として α−ガラクトシダ・−ゼ活性を測定した. 0日目でも発芽10日日とほぼ同じ値であるが発芽により急増し3日日で約2倍弱の扱高億を示し6日目でも小ピーク がみられるをど前報(5〉と同じ変化や億を示した(Fign3)小 種皮についての酵素活性:種皮のみを同様にしてそれぞれの酵素活性を測定した結果をFigい4∼6に示す.3酵素 ともほとんど同様な活性変化を示した∴いずれも吸水と同時に酵素活性が急速に高まり1日目で最高となり以後急速 に減少した..かマンノシダ、−いゼ,α一ガラクトシダーゼ活性は発芽2日日に急減しているがβ−マンノシダ・−ゼ活性は 3日目に急減している. 発芽による水可溶性多糖類の変化 酵素抽出と同じく発芽0∼9日目の大豆より少糖類を除いた残盗から冷水で 抽出される冷水可溶性多糖類について,糖盈をフふノール硫酸法で定虚した−また加水分解し構成糖をGLCで調べ た結果をTablelに示す.明確に検出された糖を+印で示し,検出ピークとして大きいものほど+印の数を多く記し た.糖盈は発芽3日目までわずかに減少したが以後は日数とともに増加した.構成単糖として発芽初期にはガテクト 、−ス(Gal)が最も多く他にアラピノース(Ara),キシロ、−ス(Ⅹyl),グルコース(GIc),マンノース(Man)を検出

(3)

0 2 4 6 8 10

Germinationperiod(day) Fig‖l。α−Mannosidaseactivityofgerminatedsoybean

TheenzymeassaywaspeIfbrmedwiththereactionmiⅩture(0”5ml)containing McIIvainebuffh,pIJ416,2mMα一PNPMandhomogenatesupernatantofgermi− natedsoybeans“Afterincubationfbr10minat400C,tOthemiⅩture WaS added O.1MNa2CO8andtheabsorbanceat400nmwasmeasured‖ Theenzymeactivi− tyisexpressedbytheamountsofthesubstrate(P−nitrophenyl−α−D−mannOPyIanOSide; α−PNPM)hydrolyzedinpmoleofα−PNPMperminute r 5 0 ︵ぎ壱おSレ○勺恕のh乱u雇\lO∈ヱ 舎A召亘 0 2 4 6 8 10 Germinationperiod(day) Fig.2。、β一Mannosidaseactivityofgerminatedsoybean・ Theestimationof’β−mannOSidaseactivityisthesameas that ofα−mannOSidase activityexceptfbrp−nitrophenyl−β−D−mannOpyranOSide(β−PNPM)asthesubstrate

(4)

香川大学農学部学術報告 第31巻 第2号(1980) 122 ハり 2 4 ︵U O O ︵ぎ壱むむ∽hOpむむSh鼠已眉\ち∈ヱ 合雇︶U可 0 2 4 6 Germinationperiod(day) 8 10 Fig.3.α−Galactosidaseactivityofgerminatedsoybean. Theestimationofα−galactosidaseactivityisthesameas thatofα−mannOSidase activityexceptfbrp・rnitrophenyl−α”lZ)−galactopyranoside(α−PNPG)asthesubstrate. 0 2 4 6 Germinationperiod(day) 8 10 Fig.4.α一MannosidaseactlVltyOfhullofgerminatedsoybean

(5)

3 01 〇 股 0 0 0 ︵野道鷲芯∽巨p恕SJ乱仁眉\l02ヱ 音名じ亘 0 2 4 6 8 10 Germinationperiod(day) Fign5.針Mannosidaseactivityofhullofgerminatedsoybeanl 0 2 4 6 8 10 Germinationperiod(day) Fig。6.α−GalactosidaseactlVltyOfhullofgerminatedsoybean した.Ara,Xylは発芽日数による変化はあまりをVゝが,Man,Galが4−5日目から減少し,かわってGIcが増加し た. 冷水抽出残速から熱水で抽出される多糖類についてさきの冷水可溶性多糖類の場合と同様にして塘盈および構成単 糖を調べた結果をTable2に示した.発芽による糖盈の変化は発芽5日目まで増加し,その後徐々に減少し発芽前よ り少い値とをった.構成単糖ではさきの冷水可溶性多糖類と同様5種の糖類が検出された.AI・a,Ⅹylは発芽によりほ とんど変化しをいが最も多く検出されるManがGalと同様発芽3日目から急速に減少し,かわってGIcが顕著に 加した.

(6)

香川大学塵学部学術報告 第31巻 第2号(1980)

Tablel“Componentsugarsofcold−Water−SOlublepolysaccharideofgerminatedsoybean Thc constituent monosaccharidc of cold−Water−SOluble polysaccharide of germinated soybean were identified by CLC after hydrolysis and trimethylsilation Quantitative determination of totalsugar of the polysaccharide was performed by phenol−H2SO4

method 124

Constituent monosaccharide Total sugar

(n唱/Seed)

Gelmination

(days) Ara Xyl hlan Gal GIc

旧情榊榊糾榊∴廿+士士

・十 −† ・十

州++++川川川榊榊

11 0 3 4 ハ0 −・ 7 7 6 7 6 4 3 5 6 0U 8 1 7 7 . 1L 1 O 1 2 3 4 ︻ヘノ 6 7 8 9

+++廿仲井仲井仲井

+ + + + + + + + + + ++吊〓[再++ 士士士 Table2.Componentsugarsofhく)t−Water−SOlub】epolysaccharideofgerminatedsoybean

Constituent monosaccharide Totalst唱ar

(mg/seed)

Germination

(days) Ara XYI Man Gal GIc

3 7 6 8 6 2 7 6 4 9 〇 .1 .2 4 4 7 4 4 7 .7 3.3.a 3.4 5 4 4 2 2

榊附桝田村++土土士

廿附Ⅲ仲村++土士土

廿丹榊榊冊冊酬酬冊帖

O 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ⊥1 −丁 −T −T −T ⊥丁 ⊥1 1T −T −T ⊥1 ⊥−⊥− ⊥− ⊥− ⊥−+ ⊥− ⊥− ⊥− + + + + + + + + + + 考 察 豆類ヤ豆科植物の種子にはガラクトシル少糖類ヤガテクトマンナンがあり,これに関係して発芽時にガテクトシ ダーゼヤマンノシダ、−ゼ活性の変動が知られている.(6 ̄11)これらはいずれもガラグトシル少糖類やガラクトマンナ ンなどが発芽により急速に減少し,ガラクトースやマンノースが優先的に利用されるのと関係しているのであろ う.、(10 ̄12)大豆のガテクトシル少糖類についても同様夜現象がみられた一(5)大豆種子の多糖類についての多くの研究が あるがその化学構造は複雑で明らかにされているものは少い(2)種皮のガラクトマンナンは知られている(1さ)けれど も種子の大部分(約93%)を占める子葉にガラクトマンナンがあるかどうかば明らかでない.熱水可溶性のアラピノ ガラクタン(1りさ)やガラクトースとマンノースが主構成糖と考えられる冷水可溶性多糖(る)が大豆種子にあり,これが さきのガラクトマンナンと同様に変化することが考えられる この研究により大豆の場合も発芽時には,水可溶性多糖類の変化とα−およびβ−マンノシダーゼヤα−ガラクトシ ダーゼの相当高い活性を示すことが確認された..全粒についてのα−ガラクトシダーゼ活性とその変化は前報(5)と全 く同じであり,同α−マンノシダーゼもやや低いが同傾向の変化がみられた.−・方多糖類構成単糖のGalやManは

(7)

発芽4∼5日目で減少し,特に冷水可潜性多糖類の場合,これらGalヤManの遊離に関係していると考えられる両 酵素活性の最高ピークに関連しているかのように3日日から急減している(Tablel)l 種皮についての酵素活性は3酵素とも盈的変化はほとんど同様であり,いずれも発芽開始と同時に急に活性が高ま りその後すぐ急減している..このことば,これら酵素は発芽前の種皮部には存在しないかあるいは,あってもごくわ ずかであり,発芽開始と同時に内部子葉の酵素が参道するので発芽1日目の急増ピークを示す‖ この渉透酵素が多糖 類を加水分解し,種皮を膨潤させ,種皮の脱離を容易にするものと考える,種皮の膨潤によって,種皮は子葉との間 にすき間を生じ,このため酵素の蓼透は止まる、したがって種皮の酵素活性は急速に減少するものと考えられる・ 全粒のα−ガラクトシダ1−ゼとα−マンノシダーゼの活性変化には3日目に最高ピ−クがあり,こ・れがそのまま種皮 でも3日目の小ピークとしてみられること,また全粒の発芽0∼2日日β−マンノシダ・−ゼ活性がα−マンノシダ・−ゼ 活性よりも高い倍を示すことと種皮でも発芽2日目がα−よりもβ−マンノシダ・−・ゼ活性が高いことなどからみてもこ れら酵素が子葉から蓼透していると考えた方がよい. 種皮ガラクトマンナンの糖鎖マンノースはβ一緒合とされているのでこのようにβ−・マンノシダーゼ活性が他酵素活 性よりも持続することば発芽の生理からみても好都合である.. 種皮の酵素活性の値(Fig4′・−6)はさきの金粉の場合と同様1粒当りで表わしてこある甲で全体として小さな値と なっている−しかし種皮部分のみについて換静(完熟種子の種皮の割合は約7%なので15倍)すると最高活性は全粒 の3酵素中で最も高い値を示すα−ガラクトシダ・−ゼの最高活性とほほ同じ高い値となる. これまでの大豆種子多糖類の研究では田主く8)を除いて冷水可溶性多糖を考慮していないこの研究では冷水可溶 性多糖については抽出その他操作的に特に考慮したハ 田主の場合は冷水抽出液を除タンパク,浪縮,■アルコ・−ル沈で んとして冷水可溶性多糖を得ている.この研究では80%エタノールで単,少糖題を完全に除いた残淀を冷水で抽出し この抽出液をそのまま冷水可溶性多糖類とした(除タンパクをしていないので約23%のタンパク質相当の窒素を含 む).したがってこの糖液の糖急には糖タンパクとしての糖も測定されているようで糖収監は田主の場合の約1一5倍の 0.65%であった(Tablel,0日目).しかし構成単糖は全く同じであった” この冷水可溶性多糖類の糖盈は発芽によって−・時的に(3日目まで)少し減少してからその後増加している.この 減少は発芽初期の変化として,α一ガラクトシダーゼやα−マンノシダー ゼの活性ピ・・−クが3日目であることと同時期 であり,これら両酵素がこの多糖の変化にも関係しているものと考える1またその後の増加は後述のデンプンの生成 に関係しているものと考えるい 種皮のガテクトマンナンにはα−ガラクトシllF結合があり,このα−ガテクトシダーゼはこの糖の分解に関係してい ると考えられるがかマンノシダ・−ゼの役割は考えられなれしかし子葉にはアラピノガラクタンのほかα−マンノシ ドを含む多糖類が存在するかも知れない,また大豆種子糖タンパクには相当盈のα−マンノシドがある(8,18)のでこれ らについての役割が考えられる. 熱水可溶性多糖類の糖盈は発芽前では冷水可溶性のそれの約2倍盈と多いが発芽9日日にはほぼ同盈まで減少して いる.また発芽5日目まで増加してからその後減少するなど冷水可溶性多糖類とは全く逆の変化を示している… これ について,発芽前から含まれる熱水可溶性多糖類は発芽によって徐々に分解減少しているであろうが,発芽5日目位 までは新なデンプン生成の速度が大きいため全体として増加することとをり,そしてその後はデンプン合成は減り, 逆に分解(冷水可溶性多糖類でのGIcの増加から)減少するものと考える… 構成糖は冷水可溶性のそれと非常に似ている小熱水抽出多糖類にはガテクトウロン酸のような酸性糖が含まれてい る(2,17)がこの研究ではGLCに金属カラムを使用したので中性糖のみしか検出されをかったと考える..冷,熱水可潜 性両多糖類とも発芽によって構成単糖としてのGIcが増加している、完熟大豆にはほとんどデンプンがないけれども 成熟期に相当盈(22%)(18),また発芽によって生成する(約3%)(19・20)ことが知られている.したがってこの両多糖 類の構成糖としてのGIcが発芽によって増加することば,デンプン(熱水可濁性)あるいはデンプンの限定分解物 (デキストリンのようを冷水可溶性)に由来するものと考えられる,.このようなGIcとは対照的にGal,Manは減少 しごく微塵となっている,ここでも前報の少糖類(5)の場合と同様発芽によって,特に水溶性多糖類のGalやMan が急速に減少消失することが確認された. このようなことは他に,デンプンをほとんど含まない種子が発芽によって,ガテクトマンナンの減少消失とは逆に デンプンの生成することがコロハ(乃なり乃β肋/bg乃㍑∽−㌘αeCα∽)について知られている(2‖

(8)

香川大学農学部学術報貸 第31巻 第2号(1980) 126 謝 辞 この研究を行をうに当り賀重なるご助言を下さった明善短期大学教授川村信一・郎先生に,また卒業論文として実験 の−・部に当られた田中道夫,後藤治美の両氏に感謝いたします. この研究の大要は第7回日本生化学会九州・中国・四国合同生化学支部総会(1978年5月27,28日,愛媛)におい て発表した 引 用 文 献 (12)McCleary,B.Ⅴ.,Matheson,N.,K‖:印yioche・ 雛よ二5gγツ,15,43(1976). (13)Whistler,R…L…,Saarnio,J.:],Am”C7aem..5bc., 79,6055(1950) (14)森田牧朗:食品工業,10,35(1967). (15)Aspinal1,G.0りCdttrell,Ⅰ.W=:Chn小].Biol 仇β椚.,49,1019(1971). (16)Yamauchi,Fl.,Yamagishi,Tい;Agric。Biol αe∽u,43,505(1979). (17)菊池忠昭,石井茂孝,福島男児,横塚 保:農化, 45,228(1971). (18)田主澄三:栄養と食糧,25,89(1972). (19)多田 稔,川村信一・郎:香川大農学報,14,148 (1963) (20)佐々木周郁:脱化,5,491(1929) (21)Reid,JいSlG∴ 乃α乃ぬ,100,131(1971) (1979年10月15日 受理) (1)田主澄三,笠井 忠,川村信一郎:栄養と食橙, 25,25(1972). (2)川村信一・郎:日食工誌,14,514,553(1967). (3)田主澄三:栄養と食粗,25,79(1972) (4)Wilson,L.A,Birmingham,Ⅴ…An,Moon,D‖P…, Snyder,H.E。:αrealαem。,55,661(1978)小 (5)笠井 忠:栄養と食糧,29,517(1976) (6)Saita,M”,Ikenaka,T.,Matsushima,Y.:J βわcゐe∽..,70,827(1971). (7)Agrawal,K,M.L‖,Bahl,0。Pn:JBiol.αem., 243,103(1968). (8)S疹nne,R.:Acぬαβ∽い励α乃d.,24,乃(1970) (9)S飢Ine,R.:Acfααe∽‖励0乃d.,25,759(1971) (10)Reid,J.S。G.,Meier,H.:manta,112,301 (1973). (11)McCleary,B.Ⅴ.,Matheson,N.K”:mytOChe− ∽よよかツ,13,1747(1974)

参照

関連したドキュメント

の多くの場合に腺腫を認め組織学的にはエオヂ ン嗜好性細胞よりなることが多い.叉性機能減

UVBVisスペクトルおよびCDスペクトル を測定し、Dabs-AAの水溶液中での会へ ロ

び3の光学活`性体を合成したところ,2は光学異`性体間でほとんど活'性差が認め

※1・2 アクティブラーナー制度など により、場の有⽤性を活⽤し なくても学びを管理できる学

危険有害性の要約 GHS分類 分類 物質又は混合物の分類 急性毒性 経口 急性毒性 急性毒性-吸入 吸入 粉じん 粉じん/ミスト ミスト 皮膚腐食性

定可能性は大前提とした上で、どの程度の時間で、どの程度のメモリを用いれば計

コロナ禍がもたらしている機運と生物多様性 ポスト 生物多様性枠組の策定に向けて コラム お台場の水質改善の試み. 第

・性能評価試験における生活排水の流入パターンでのピーク流入は 250L が 59L/min (お風呂の