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家庭科に対する小学校教師の関与実態と意識 : 鳥取県の場合

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(1)

家庭科に対す る小学校教師の関与実態と意識

一 鳥 取 県 の 場 合 ―

家庭科教育教室

堀 内

か お る

The Actual Situations and the Consciousness of

the Elementary School Teachers Who Teach

Homemaking in Tottori,

apan

Kaoru HoRIUCHI

は じ め に

小学校教師は女性の比率の高い職業であ り

,わ

が国の場合

,小

学校教員全体 のおよそ

60%が

女性 である。 しか し

,高

学年の学級担任は男性が女性のおよそ

2倍

の比率を占めてお り

,担

当す る学年 によって

,教

師の性別比率が偏 っていることが指摘 されている。 さ らに

,小

学校で家庭科 を担当す る割合は

,女

性教師が男性教師を上回 っている (堀内 1994)。 近年

,小

学校では

,第

5・

6学

年の学級担任の教諭によって家庭科の指導が行われ る傾 向があ り, 上記のように第5・

6学

年の学級担任には男性教論が比較的多 く配置されているのにもかかわ らず , 家庭科の指導 にあたるのは女性であることが多いのである。 浜 島と幕 田 (1994)は

,福

島県の小学校におけ る家庭科指導状況を調査 した。その結果

,小

規模 校の場合 には第

5学

年では学級担任 による家庭科指導が圧倒的に多いため

,指

導者は男性の方が女 性を約

2割

ほ ど上回 っているけれ ども

,第

6学

年 になると学級担任 による指導の比率が低下 し

,そ

の分低学年担当の女性教師へ と

,指

導者が推移す ることが明 らかになった。 このような事実は,「家庭科担当者」 に期待 され るある一定のイメージ 。資質の存在を思わせ る。 家庭科 を担当す るか否かを決定す る要因は

,各

学校の状況によ ってさまざまであろう。 しか しなが ら

,担

当が女性教師に偏 りがちであるという傾 向は

,家

庭科が「 女性的

Jな

教科であるというジ ェ ンダー・ カテ ゴリーの統疇か ら実質ともに脱却 しきれていないということを示唆 している。 今 日,「生活者 と しての 自立」 を 目指 し

,男

女がともに家庭科 を学ぶ ことの必要性が広 く認識 さ れ るようになり,「家庭科新時代

Jを

目指す指導の指針 (文部省

1992)も

示 され るようになった。 だが

,学

校教育の現場 において,「男女で ともに学ぶ家庭科

Jを

め ぐる状況の影 に潜在化 してい る 性差別的 な家庭科観 は存在 していないといえるのだろうか。 ジェンダー (gender)とは

,社

会的・ 文化的な要因によって形成 され る性差のことであ り

,生

物 Department of Homemaking EducatiOn, Faculty of Education, TOttOri University, Tottori 680

(2)

284

堀内かおる :家庭科に対する小学校教師の関与実態と意識 学的 な性差 (sex)とは区別 され る概念である。近年

,

日常のさまざまな場面 において

,私

たちの 意識や行動を (無意識のうちに

)規

定 しているジ ェンダーに基づ く規範が存在 していることが言及 されている (舘 1995)。 意識や行動の上で発現 しているのは「 男女差」ではな く,「個人差

Jす

な わち「 個性

Jで

あると しても,「個性

J(つ

まり「 個別性」

)と

は,「その人の立つ社会的な立場に よっておおいに左右 され る」 ものである。それ故に「 個性化 とは社会化である」(片岡 1994)と も 考え られ るのであ り

,個

性は生 まれついてのもののみ ならず

,ジ

ェンダーに基づいて差異化された 経験や環境によってもつ くられ

,変

容す るものであるといえよう。 かつて高等学校家庭科の女子のみ必修を正当化 した理 由とされたのが「 女子の特性」論であ った。 このような「 特性」論は

,Scott(1988)カ

ミジェンダーを「 肉体的差異に意味を付与す る知」 と定 義 したように

,女

性 と男性の「 肉体的差異

Jを

根拠と したジェンダー差別 と して典型的なものであ っ た。家庭科学習の機会 における制度上の男女平等が実現 した現在

,家

庭科教育にかかわ るものは, これ までよりも一層注意深 く

,家

庭科 をめ ぐる潜在的なセクシズムを指摘 していかなければならな いであろう。そのためには

,ジ

ェンダー・ セ ンシテ ィブな祝点 (堀内

1995a)で

教育事象を見 な おす ことか らは じめ なければな らない。 このような観点か らみ ると

,既

述のような統計に表れてい る担当教師の女性への偏 りは

,教

師 自身の資質や個性を理 由に片付け られ ない問題を提起 している ように思われ るのである。

Williams(1995)は

,「ジ ェンダー ド・ ジ ョブ (gendered job)J,「 ジ ェンダー ド・ ワー カーズ

(gendered workers)Jと いう概念をもとに,「女性的」 とみ なされ てきた職業 に携わ る男性 につ いて論 じている。小学校で家庭科 を担当す る教師 とは

,Williamsの

定義 に従えば二重の意味 にお ける「 ジ ェンダー ド・ ワーカー

Jで

あるといえる。 なぜ なら

,小

学校教師 という職業

,家

庭科 とい う教科がそれぞれ「 女性的

Jな

ジェンダー・ カテ ゴリーに属 しているか らである。 これ らの家庭科担 当者たちが

,な

ぜ家庭科 を担当す るようにな り

,

どのように して指導にあた っ ているのかということを明 らかにす ることによって

,小

学校 におけ る家庭科の位置づけが把握でき るように思われ る。小学校か ら高等学校 まで男女必修の教科 となってもなお

,今

日の家庭科がジ ェ ンダー ド・ サブジ ェク ト(Attar 1990)の 地位 に甘ん じているのだ とすれば

,今

後の家庭科教育 に関 してどのような改革が必要 とされ るのだろうか。 1989年の学習指導要領改訂以降,「男女でともに学ぶ家庭科」 に対す る提言は

,カ

リキ ュラムや 教育内容

,教

育方法等のさまざまな側面か ら行われている (中村 。福 田

1991,櫛

1993,久

保 1998, 日本家庭科教育学会

1994な

)が

,小

学校家庭科 を担当す る教師に祝点を当て

,指

導に関 す る問題や改善点について述べているものは見 られ ない。以上のような観点か ら

,本

稿では

,小

学 校における教師の家庭科への関与実態 と意識 を調査 した結果 をもとに

,小

学校 における家庭科教育 の今後の方向性

,特

に教師 自身の家庭科への取 り組みについて問題提起 を したい。 本稿の構成は

,次

のとお りである。 まずは じめに

,本

研究の方法論 について述べ

,第

2に

1994年 に実施 した鳥取県下の小学校教師を対象 と した家庭科 の指導実態 と家庭科観 に対す る調査結果につ いて報告 し

,家

庭科教育に及ぼす ジェンダーの影響 という観点か ら分析 を行 う。第

3に

,特

に家庭 科を担当す る女性教師に着 目し

,家

庭科への関与 な らびに家庭生活実態 を生活時間調査結果 をもと に分析す る。最後 に, 自由記述による家庭科 の学習指導 についての教師の意見をとりあげて今後の 家庭科教育に対す る要望をまとめた後

,以

上の調査結果を総括 し

,小

学校 における家庭科指導をめ ぐる問題を提起 し

,結

びとす る。

(3)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第37巻 第

2号

(1995) 285 Ⅱ 方 法 本稿 における論考は

,1994年

に実施 した

2つ

の調査 (以下

,第

1調

,第

2調

査 とす る

)に

基づ いている。次 に

,こ

れ らの調査の概要 について述べ る。

1

教 師 の家庭 科指導 実態 と家庭 科観 に関 す る調査 (第

1調

)の

概 要 鳥取県下のすべての国公立小学校 (分校は除 く

)169校

の第5・

6学

年 の教諭お よびその他 の教 師で家庭科を担当 しているものを対象 と し

,郵

送 による質問紙調査を実施 した。調査実施期間は, 1994年 3月 である。回答者の内訳は表1に示す とお りである。有効回収率は

84.5%で

あ った。

質問紙の内容は

,①

学校における家庭科の担当者と家庭科の担当経験の有無

,②

指導上の困難

,

指導による自分にとってのプラス面

,③

最も望ましい家庭科指導者

,④

教師の指導における男女差

について間うものであり,さ らに付加質問として自由記述の項目を設けた。

1

第1調査 対象者 の内訳 (人) 男 女 合 計 第

5学

年 学 級 担 任

147

68

215

6学

年 学 級 担 任

152

216

他 6

119

合 計

305

556

2

教 師 の家庭 科へ の関与 時 間 と生 活 実態 に関 す る調査 (第

2調

)の

概 要 3月 に実施 した第1調査の結果の送付 についての希望があった小学校 な らびに返送 の際に学校名 の記載のあ った小学校合計73校 に対 して

,再

度調査の依頼を行 った。対象 と したのは

,前

回の調査 同様

,第

5。

6学

年の学級担任 の教諭およびその他の教師で家庭科 を担当 しているものである。27 校か ら調査の実施に対す る承諾を得

,該

当す る教師92名分の調査用紙を各学校宛 てに郵送 し

,回

収 は個別 に返送す ることと した。調査の実施は

,1994年

10∼12月である。有効回収率は

56.5%,回

者の内訳は表

2の

とお りである。 表

2

第2調査 対象者 の内訳 (人) 男 女 計 現 在 家 庭 科 を 担 当 中 8 40 現在家庭科 を担 当せず 9 合 計 第

2調

査は

,家

庭科に対する生活時間調査と意識調査か ら構成されたものであった。生活時間調 査は

,教

師の家庭科への関与時間と学校内外での生活実態を把握することを目的とし

,家

庭科の授 業のある日とその前 日および翌 日の

,合

計3日間のプリ・ コー ド方式によるタイム・ テーブルを記 載するものであった。

(4)

堀 内かお る:家庭科 に対す る小学校教師の関与実態 と意識 意識調査では

,家

庭科の学習指導 に関連す る準備の有無や研修への希望 など

,具

体 的 な要望 につ いて尋ねた。分析 にあた っては

,教

師の属性 による家庭科 の関与時間の相違 に着 日し

,相

違を生む 諸要因を考察す るための資料 と して

,意

識調査を参考 に した。

3

1調

査 と第

2調

査 の関連 につ いて 第1・ 第

2調

査は

,既

述のように共通 した問題意識のもとに計画され

,鳥

取県下 の小学校教師を 対象に しているという点において継続 しているが

,第

1調査は県下の小学校に対す る悉皆調査であ っ たのに対 して

,第

2調

査は調査依頼 に応 じた学校 のみを選 出 しているため限定 され てお り

,対

象者 に偏 りがあ り

,第

2調

査の対象者は第

1調

査の対象者 と必ず しも一致 していない。 しか しなが ら生活時間調査のような個人のプライバ シーに大き くかかわ り回答者 の負担が大 きい 調査 を実施す る場合

,無

作為抽出ではな く対象を限定 して調査を実施す るという方法論が確立 され てお り

,デ

ー タの一般化を 目的と しない典型調査 によるデー タ分析の有効性が論 じられ てきた (伊 藤 1994)。 本研究 においても

,第

2調

査 は上記のような方法論 に基づいてい る。考察 を進めるに あた り

,第

1調

査で鳥取県下の小学校 におけ る家庭科指導の実態 と教師の意識 につ いての全体的な 傾 向を把握 し

,第

1調査で得 られた 自由記述の分析 に加えて第

2調

査 において実証 された教師の生 活実態をもとに

,分

析を深めていきたい。

結果 お よび考察

1

家庭科担 当教 師 の実態 と意識

(1)担

当 形 態 鳥取県下の小学校では

,学

校単位で見ると図1に示す よ うに第5・

6学

年の学級担任 の教諭が家庭科を指導 してい る場合が最 も多い。次いで「 その他」す なわ ち第5・

6学

年の学級担任外の教師が指導 している。図

2に

よると

,第

5・

6学

年の学級担任の教諭のうち

,現

在家庭科 を担 当 し ている男性は約

4割

,女

性は約

8割

である。 これ まで家庭 科 を担当 した ことのない女性はごくわずかで

,高

学年学級 担任の女性教師は

,ほ

ぼ家庭科を担当す る傾 向にあるのに 対 し

,こ

れ まで家庭科担当経験のない男性は

,約

2割

に及 んでいる。 図

3は

,現

在家庭科を担当 している教師が どのような立 場の教師なのかを尋ねた結果を示 している。男性の家庭科 担 当者は

,わ

ずかな例外を除き

,第

5・

6学

年の学級担任 である。 しか し女性は

,あ

らゆる立場 にある教師が

,家

庭 科 を担 当 している。 以上の結果か ら

,a取

県においても家庭科の担当形態は, 先行研究 に示 されていた他県における状況 (堀内

1994)

と共通 していた ことが明 らかになった。 ヤ

雑 科担当者 繭 国 國

家庭科専科第

国 雨

五乙

年その他

1

各校 の家庭科担 当者 (複数 回答) 0

(5)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 37巻 第

2号

(1995) 第5・ 6学年 学級担任 (男) (n=299) 第

5'6学

年 学級担任(女) (n・132) 図

2

家庭科 の担 当経験 の有無 5

49.8

3.63.23.62.8

1 2 3

園 男(n■o5)女(n〓2Sl) 注

)1:第

1学 年学級担任

, 2:第

2学 年学級担任

, 3:第

3学 年学級担任

4:第

4学 年学級担任

, 5:第

5学 年学級担任

, 6:第

6学 年学級担任 図

3

家庭科の担 当状況

(2)家

庭科指導上 の困難お よび家庭科指導 によ る自分 に と っての プラス面 家庭 科 の指導経験 のあ る教 師が

,指

導上 困難 に感 じた ことを表3に示す。男性 は被服製 作技能 の 指導 に特 に困難 を感 じているのに対 し

,女

性 は家庭生 活 の実態把握や家庭 との連携 を とることに困 難 を感 じる傾 向にあ った。 この ことは

,男

性 の場 合家庭 生活 におけ る被服管理経験 の多少が影響 し てい る こと

,女

性 で は学級担任 以外 で家庭科 を担 当 してい る教 師が多 い ことと関連 してい るように 思われ る。 家庭科 を指導 して 自分の プラスにな った ことと して

,男

性 は裁縫や調理 の技能 の向上や家事 をす るよ うにな った ことな ど

,

日常生活 におけ る具体 的 な変化 をあげ ていた。 それ に対 して女性 は

,家

庭生 活 に 目を向け るようにな った ことや

,児

童観・ 家庭科観 の変化 とい うような内面 的 。精神 的 な 変化 を指摘 していた (表4)。

%

鵜 難 科 科 庭 専 求 現在担当 担当:段あり 担当:鹸なし 7

1.62

(6)

288 堀内かおる :家庭科に対す る小学校教師の関与実態 と意識 表

3

家庭科担 当者 が困難 に感 じた こ と (複数 回答)

* P<0,05

** P<0.01

*** P<0.001

4

家庭科 を指導 して 自分 の プラスにな つた こ と (複数 回答) 年 任 0

〓12

5. 級 く n 第 学 男 年 任 働 畔 担 〓. 0 5 . 級 で n 第 学 女 の 他 そ 女

(n=103)

知 識 の 増 加 家庭 生 活 ヘ ロを 向け る 裁 縫 技 能 向 上 調 理 技 能 向 上 家 族 に つ い て 考 え る 家 事 をす る よ うに な る 児 童 観 の 変 化 家 庭 科 観 の 変 化 生 活 観 の 変 化 特 に な し 46.0 33.1 27.4 12.1 21.8 8.1 26.6 9.7 2.4 10.5 36.1 41.7

*** 1.9

*** 1,9

19,4

*** 0.0

** 44,4

17.6 4.6 5.6 44.7 50.5 2.9 1.0 21,4 1,0 35,0 29.1 8,7 5,8

** P<0.01

*** P<0.001

(3)最

も望 ま しいと考え られ る家庭科指導者 「 最 も望 ま しい」 と考 え られ る家庭科 の指導者 について尋ね た結果

,男

性 の

51.5%,女

性 の

78.9%が

「 第5・

6学

年の学級担任 (性別は間わ ない)」 と回答 している。次いで

,男

性の

35.7%,

女性の

12.6%が

「 家庭科専科 (性別は問わない)」 をあげている。 このように考え る理 由を表5, 表

6に

示す。第5・

6学

年 の学級担任が最適 と考え る理 由と して,「児童 の実態 をよ く把握 して いること」,「家庭 との連携を とることが容易であること」,「性役割 の固定化 を防止す るため

Jな

どが指摘 され てい る。家庭科専科が最適である理 由と しては,「専門的 な技能 。知識を持 ってい 年 任 0 畔 担 〓. 2 5. 級 <n 第 学 男 年 任 働 暗 担 〓. 0 5 . 級 てn 第 学 女 の 他 そ 女

(n三

103) 家 庭 生 活 の 実 態 把 握 被 服 製 作 技 能 の 指 導 調 理 実 習 技 能 の 指 導 適 切 な 教 材 の 準 備 学 習 内 容 の 定 着 家 庭 と の 連 携 児 童 の興 味 関 心 の喚 起 技 能 の個 人 差 へ の対 応 困

し 価 9,7 44.4 12.9 22.6 26.6 4.8 10.5 20.2 35.5 4.0

** 24,1

32.4 9,3 26.9 24,1

*** 19,4

12.0 20.4

* 50,0

0.9 31.1 25.2 9,7 32.0 30.1

*** 40,8

22 3 26.2 48.5 1 0

(7)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第37巻 第

2号

(1995) 289

る ことJ,「教 材 研 究 に力 を入 れ られ る こ とJ,「視 野 の広 い指導 が 可能 で あ る こと」 な どが 高率 で あ った。 表

5

最適の家庭科指導者が第5・ 6学年学級担任である と考える理由 (複数回答) 男

(n=150)

(n=195)

"2 児 童 の 実 態 を よ く把 握 専 門 的 な 技 能 所 持 専 門 的 な 知 識 所 持 視 野 の 広 い 指 導 可 能 家 庭 生 活 の 経 験 豊 富 授 業 時 数 の 均 等 化 教 材 研 究 に 力 点 家 庭 と の 連 携 容 易 性 役 割 の 固 定 化 防 止 家 庭 科 室 設 備 の 管 理 上 性 別 の 特 性 上 他 教 科 と の 関 連 指 導 可

72.0

0.7 0,7

24.0

0.0 4.7 1,3

40.0

27.3 0,0 0.0 8,7

81.5

0.5

0.5

16.4

0.0

3,1 1.5

68,7

34,9

0.5

2.6

20.5

* *** **

* P<0.05

** P<001

*** P<0,001

6

最適 の家庭科指導者 が専 科 であ る と考 える理 由 (複数 回答)

(4)教

師の指導における男女差 について 家庭科指導者の指導上の男女差 の有無 に対す る意識を図

4に

示す。 男

(n=lo4)

(n=31)

χ2 児 童 の 実 態 を よ く把 握 専 門 的 な 技 能 所 持 専 門 的 な 知 識 所 持 視 野 の 広 い 指 導 可 能 家 庭 生 活 の 経 験 豊 富 授 業 時 数 の 均 等 化 教 材 研 究 に 力 点 家 庭 と の 連 携 容 易 性 役 割 の 固 定 化 防 止 家 庭 科 室 設 備 の 管 理 上 性 別 の 特 性 上 他 教 科 と の 関 連 指 導 可 1,0

86.5

81,7

31.7 7,7 17.3 47.1 1.9 5,8 19.2 0,0 1.0

3.2

58.1

64.5

35,5

3.2

22.6

67.7

0,0

16.1

38.7

0,0

0,0

***

*** P<0,001

(8)

0.8 E] 田 目 1事 I I IJ` 、 V・ V9 ある

ない

N.A.

4

家庭科指導上の男女差 男女とも意見が三分された。第5。

6学

年学級担任 (男・ 女

)と

,そ

の他の教師 (女

)を

区別 し てみた ところ,「差が ない」 と考え る割合 は第5・

6学

年学級担任 の女性が最 も高率で

,担

任外 の 女性の過半数は,「差がある

Jと

考え る傾 向がある。 また

,図

5に

示す ように

,男

女 とも性別役割分業 に反対す る意識が強 いほ ど,「学習指導上の男 女差はない」 と回答す る率が高い。特 に女性では有意差が認め られ

,性

別役割分業観 と家庭科指導 上の男女差の認識には

,関

連性が認め られた。 男(n=271) 0 20 40 60 80 100 X 家庭科指導上 男女差あ り 家庭科指導上 男女差な し

2.1

I 0

290

堀 内かお る:家庭 科 に対す る小学校教師の関与実態 と意識 第5・ 6学 年 学級担任 (男) (n=299) 第5。 6学 年 学級担任 (女) (n=132) そ の他 女 (n=119) 女 (ni244) 60 20 1.5

100%

p<0.05

家庭科指導上 男女差な し 1.5 │ 性別役割分業観 □ 賛成

p<0.01

霞 国 國 どちらかといえば とちらかといえば 反対 賛成

反対 図

5

性別役割分業観 と家庭科指導上 の男女差 に対す る認識 の関連

(9)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 37巻 第

2号 (1995) 291

「 家庭科指導上の男女差がある」 と考える教師が

,そ

の ことについて どのように思 っているのか を尋ねた ところ

,図

6に

示 され ているように,「当然 の ことであ り

,違

いは違 いと して認めなけれ ばならない」 という回答が最 も多 く

,男

女 とも過半数 を占めてお り,「止むを得 ないことであるが, 指導者 と しては望 ま しくない

Jが

それに次いでいる。 また女性 には

,男

性 と比較 して「 教員の性別 によ って指導上の違 いがあ ってはな らない」 という 意識が多 く見 られ る。 男 (n〓143) 女 (n=115) 図

6

指導上の男女差 に対する見解 それ で は ,「家庭科指導上 の男女差 が あ る」 と考 え る教 師 の性別役割 分業観 を取 り上げ てみ ると, 図

7に

示 され てい るように性 別役割分業 に反対 の意識が強 いほ ど

,教

員 の性別 に よ る指 導上 の相違 に対 して否 定的で あ る。

100%

75,0

鰯 万百

:こ

66.7

31.0

67.0

21.7圃

離齢11

58.0

睡18.5g離韓

23.も

p<0.05(n=233)

縛切男女差 駒 んのこと 発 Ⅸ部 融 敵ら沖 図

7

指導上の男女差があることに対する見解 と性別役割分業観の関連 「 指導 上 の男 女差 が あ る」 と考 え る理 由は,「子 どもの頃か らの生活経験 に違 いが あ るか ら (生 活経 験)Jカミ最 も高率で

,次

いで「 これ まで受 け てきた教 育 の方法・ 内容 に違 いが あ った か ら (教 育上相違)Jカミあげ られている (図8)。 これ らの項 目はいずれも

,男

女差が社会的・ 文化的な性差 であるジェンダーに他 な らないことを示唆 している。「 男女には生得的な性質の違 いがあるか ら (生得的相違)」 は比較的低率であるが

,男

性は女性よりも,「生得的相違

Jを

選択する傾向にある。 阻 賛成 どちられといえば 賛 成 どちられといえば 反 対 反対

陥し

御 号

F;て

敵ら

沖陥

.

(10)

292 堀内かお る:家庭科 に対す る小学校教 師の関与実態 と意識 生活経験 中 男 (n=143) ― 女 (n=115) 81.7 72.7 32.2 教育上相違 生得的相違 21.7 社会 慣 習 図

8

指導上の男女差があると考える理由 (%) 以上のような結果か ら

,a取

県下の小学校教師は

,家

庭科指導上の教師の男女差の存在 を認めて いないものがおよそ半数であ った。残 りの半数の教師たちは

,教

師の指導上の男女差は教師 自身の これまでの経験や教育によって生 じた

,ジ

ェンダー差であるとと らえていた。 しか しなが ら, この ような男女差の存在 を認め る者の過半数は

,指

導上のジ ェンダー差 を疑問視せず

,当

然の相違 と し て受け入れていることが判明 した。

(5)家

庭科指導 による教師の意識の変容 自由記述は

,家

庭科の指導経験者 に対す る質問項 目の中で

,家

庭科 を指導 した ことによ って「 児 童に対す る見方が変わ ったJ「家庭科 に対す る見方が変わ った」「 自分の生活観が変わ った」 と回答 した教師に対 し

,具

体的な記述 を求めたものと,「家庭科 に対す る意見・要望

Jに

対す る見解 に大 別され る。 ここでは

,家

庭科 の指導 を行 った ことによる教師の意識の変容が指摘 されていた記述 を 取 り上げ

,考

察す る。 ① 「 児童 に対す る見方が変わ った」 という見解 について 自分の児童観 の変容を指摘 した教師の見解の大部分は

,他

教科 の授業 においては見 られ なか った 児童の姿が見 られ

,新

しい発見を したというものであ った。例えば

,次

のような記述に代表 され る ものである。 ・他の学習では見られない児童の様子を知ることができた。児童の家庭における家族との関わりを知ることが できた。 ・国語

,算

数では理解できにくい子が,こ の時間には生き生きと活動しており

,そ

の子の良さを見つけること ができた。 ・他教科で意欲が見られない子どもが家庭科では生き生きと活動している姿が見られた。 ・他教科の学習では見られない児童の家庭生活に対する考え方

,そ

の背景にある家族の家族観

,家

庭観が見え てきた。

(11)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第37巻 第

2号

(1995) 293

家庭科の学習は家庭生活と直結す る内容を持 っている。それ故に

,授

業における子 どもと教師の 関わ りを通 して

,教

師は児童の家庭生活をうかがい知ることができるのだといえよう。ある教師の 次のようなことばが象徴的である。 ・ 一人ひとりに

,家

庭の生活を背負った人生がある。 また

,児

童 に対す る新 しい発 見 の一つ に

,性

差 に対す る印象 が あげ られ る。具体 的 には

,次

の よ うな見解 であ る。 ・他の教科の学習では見 られなかった面が見 られた。例えば調理実習で男子でも積極的に調理をする子がある かと思えば

,女

の子でも何をして良いのか要領の悪い子もいるなど, 日常では見 られない意外な面を見るこ とができる。 「 男子でもJ「女の子でも」 ということばは

,こ

の教師が子 どもたちの性別によって

,学

習のす すめ られ方に相違があるとみな していたことを示唆 している。 しか し

,次

に示す見解のように

,家

庭科を指導 したことによって

,

このような子 どもの学習に対する取り組み方の相違は

,男

女差では ないと判断するようになったことがうかがえる。 。男子が大変興味を持 って取 り組んでいる様子に

,性

別 によって関心度 に違 いはあま りないことがわか った。 。家庭科は男子よりも女子の方が上手 という先入観が誤 っていたことがわか った。 ・男子の中で予想外に家庭科 にうちこむ児童が見 られた。 ② 「 家庭科 に対す る見方が変わ った」 という見解 について 自ら指導を行 った ことによ って家庭科 に対 して初めに抱いていた印象が変化 した という見解 には, 家庭科が「『 生 き方』 につ いて見 なお し

,考

え る教科」であるという認識 を新たに した というもの があ った。 ・共に “生きる"ということに密接につながる教材だと

,改

めて感じた。 ・技能を習得させるのではなく, 自分の生活を見つめ

,改

善 していこうなどという,“人としての生き方

"に

かかわる教科。 。人としてたくましく生きるためのすべが養われる教科だと実感 した。 ・生活技能の習得が中心の教科だという意識が強かったが

,生

きるということの最も基本的なことを学習する 場だと思うようになった。 ・生きる力を育てるのに,とても大切な教科だということ。 教 師 自身

,指

導す る以前 は家庭科 で は調理や被 服製作等 の実習 の印象 が強 く

,技

能教 科 とい う認 識 を持 っていた ところが

,技

能 の習得 に限定 され ない「 生 き方」 を学 ぶ ことが

,家

庭科 にお いて重 要であると考えるようになったと思われる。このことは

,次

の意見に見 られるように

,家

庭科の学 習内容の範囲が広 く

,生

活全般に及んでいる点に気づいたこととも関連 している。 ・技能重視の教科であると思っていたが

,幅

広 く生活全般,さ らに環境問題など社会問題にも及ぶ内容を含ん でいる。視野が広がった。 また

,児

童観 の変化 にお いて も指摘 され ていた ように

,学

習指導 にお いて も家庭科 と性差 の関連 を見 なお した という見解 が あ った。 ・「女先生のように専門的にしている人でないと持てないJと思 っていたが

,教

材研究を してい くうちに男で も十分指導できることがわかってきた。 ・男性でも教えることができるんだと思うようになった。 ・ 女性とか

,専

科の先生が適任というわけでなく

,男

性の担任でも十分に指導できることがわか った。 これ らの指摘 は

,家

庭科 を指導す る以前 は

,家

庭科 の指導 は女性 が行 う ことが応、さわ しい とい う

(12)

294

堀内かおる:家庭科に対する小学校教師の関与実態と意識 考え方があったことを示唆 している。家庭科の指導経験は

,家

庭科に対す る固定観念を変える契機 となっているものと考え られる。 ③ 「 自分の生活観が変わ った

Jと

いう見解について 家庭科の指導を通 して

,教

師自身の生活観が変容 したという指摘としては

,次

のような見解があ げ られる。 ・家庭科の学習を通 し, 自分 自身の生 き方を見つめなお した。 ・子 どもたちに指導 している以上は, 自分の生活態度を応ゝりかえるので

,見

直 しを した り改善 した りして

,か

なり意識 して生活す るようになった。 。人間にとって大切 なものは何かを考える機会が応、えた。 ・料理や洗櫂

,被

服の仕事は女性の仕事 という先入観が な くなった。 ・ 自分の身の回 りのことは, 自分です る。 これ らの記述には

,教

師たちが家庭科 を指導 したことによって

,

自らの生活 により自覚的になっ たことがあ らわれている。また, 自分 自身で 自らの生活を管理す ることの重要性 に気づ くことによっ て

,家

事労働 に対す る性別役割分業観 も否定 され るようになることが示唆 され ている。

2

教 師 の家庭科 へ の関与 時間 と生 活実態

(1)「

家庭科への関与時間

Jの

定義 第

2調

査では,「家庭科 へ の関与時間

Jと

い う概念 をもとに

,各

教 師の 1日 の生活全体 の中で 「 家庭科への関与時間」が どのような位置を占めているのかを探 った。「 家庭科へ の関与時間」 と は,「学校

,

自宅

,あ

るいは研修 の場で

,教

師が家庭科の準備

,施

設・ 設備 の管理

,家

庭科 の授業 とその事後処理

,評

価活動

,教

材研究 というような家庭科 にかかわ る諸活動にかける時間の総称」 を意味す るものと定義 した。 なお

,時

間量の集計 にあた っては

,同

時に進行 した複数の活動 につい てそれぞれ個別に時間を集計 しているため

, 1日

全体の生活時間が24時 間を越 え る場合があること を付記す る。

(2)女

性教師の生活時間 第

2調

査では対象者数が少 なく

,殊

に男性がわずかであった。 したが って

,男

性のデータは参考 に止め

,現

在家庭科 を担 当 している女性教師に焦点を絞 って考察を進める。 表

7は

, これ らの女性教師たちの家庭科の授業 日の1日 の生活時間と

,各

生活行動の行為者率を 不 している。 睡眠時間は

6時

間30分

,収

入労働時間は10時間34分

,家

事労働時間は

2時

間14分

,社

会的文化的 生活時間と して

3時

間41分 となっている。社会的文化的生活時間のうち

,家

庭科以外 の学習 。研究 にかけた時間は1時間

3分

となっている。被雇用者全般 と比較 して

,教

師の生活 において特徴的な のが, この「学習・ 研究

Jの

時間が長い点である。1991年に実施 された総務庁「 社会生活基本調査」 によると

,被

雇用者の学習・ 研究の時間は

,男

6分

,女

7分

であ った。荻師の場合は

,職

業 に直結 す る自己教育 としてのこのような生活時間が

,社

会的文化的生活時間の中で大 きな位置を占めてお り

,職

業か ら離れた余暇を 日常的に楽 しむ時間は多 くはない。 家庭科への関与時間については

,家

庭科の授業 日当 日は授業準備 と授業 の片付け

,評

価活動のた めに合計1時間

4分

をかけている。

(13)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第37巻 第

2号

(1995) 295

7

家庭科授業日の生活時間 (女教師

)n=28

生 活 行 動 時 聞 行為者率(%) 生理 的生 活 時 間 睡 眠

6.30

100.0

食 事 1,03

100.0

身 の 回 り 。 入 浴

0.56

100.0

休 息

0,16

32.1 収 入 労 働 時 間 通 勤

0.45

100.0

勤 務

9.49

100.0

家 庭 科 へ の 関 与 時 間 家 庭 科 授 業 準 備 0.21

71.4

家 庭 科 授 業 1,17 100 0 家 庭 科 授 業 片 付

0.23

85,7

施 設 設 備 管 理 0.05 14,3 評 価 活 動

0.20

50.0

個 人 教 材 研 究

0.05

14.3 グ ル ー プ 教 材 研 究

0.02

家 事 労 働 時 間 調 理 ・ 片 付 け 1.03

78.6

掃 除 ・ 住 生 活 管 理

0.16

42.9

50.0

洗 濯 ・ 衣 生 活 管 理 0。 15 裁 縫 ・ 手 芸 0,01 育 児 0.21

21,4

世 話 ・ 介 護

0,09

14.3 買 物

0.09

39,3

社会 的 。文 化 的 生 活 時 間 テ レ ビ ・ ラ ジ オ

0.58

71,4

新 聞 雑 誌

0.22

53.6

読 圭 口

0.13

28.6

移 動

0,02

10.7 学

究 1,03

64.3

趣 味 ・ 娯 楽 0.01 3.6 ス ポ ツ 0,11 団 簗 ・ 家 族 と の か か わ り

0.23

35,7

付 き 合 い 。 交 際

0.00

0.0

社 会 的 活 動

0.00

0,0 そ の 他

0.28

35,7 注

)家

庭科授業 日が土曜 日のサ ンプルを除外 して集計 した。

(14)

296

堀 内かお る :家 庭科 に対す る小学校教 師の関与実態 と意識 それでは男性教師のデータも参考に して, 家庭科の授業 日の前 日の家庭科への関与時 間を見ると

,教

師の属性 によ って大 き く異 なっていることがわかる。第5・

6学

年学 級担任外で家庭科 を担 当す る女性教師 (以 下,「その他 の教 師」 とす る

)の

家庭科ヘ の関与時間が最 も長い (図9)。

3

家庭 科 に対 す る意見 ・要望 第1調査において, 自由記述であげ られ ていた家庭科 に対す る意見や要望は

,指

導 のあ り方 に対す る見解

,教

科 の本質にかか わ るものと

,現

状の問題′点の指摘 に分ける ことができる。以下

,そ

れぞれ特徴的な見 解を取 り上げてみたい。

(1)指

導のあ り方について 家庭科 の指導に関 して

,生

活科や社会科 との関連や合科的な学習の提案 などの意見 があった。これ らの見解は

,い

ずれも生活全体を総合的に学習することの重要性に基づ くものと考 えられる。 ・ 生活の仕方

,生

活の技術

,生

活するための知識

,家

族内の人間関係等

)1・

2年の生活科の延長としても, よりよい社会生活

,家

庭生活を送るためにも大切な教科であると思う。 ・ 1年 か ら家庭科に関する指導を生活科を通 して指導 していくべき。3・ 4年にどうつなげるかが難 しいが。 ・社会やその他 (学活など

)の

教科と合科的に取 り扱う部分を多くすべき。例えば環境問題など。社会科と家 庭科を合科すれば,より身近な問題としてとらえ,よ り総合的に実践に結びつけられると思う。

(2)教

科 の本質 につ いて 家庭科 の本 質 につ いての考 えや疑間が示 され てい るのは

,次

の よ、う な意 見で あ る。 ・家庭科は技能ではなく

,心

を育てるものだと思う。 ・ 基本的生活習慣の育成をめざすのか

,そ

の上に立 った生活向上をめざすのか

,私

にはわか らない。 「 心 を育 て る

Jと

い うことば には多 くの合蓄が感 じられ る。 しか しなが ら

,家

庭科 で どの よ うな ことを学 習 した らどのような心が育つ のか

,と

い うことには言及 され てい ない。家庭科 の学 習 は, 個 人 の生活 に密接 にかかわ ってい るため に

,一

人一 人 の価値観 によ って判 断 され る部分が大 き く, 学 習 内容 には正誤 いずれか に判定で きない問題 が多 く含 まれ てい る。二つめの意見で問われ てい る ことか らも

,家

庭科 が究極 的 に何 を 目指 しているのかが分か りに くいとい うことを示唆 してい るよ うに思われ る。

(3)現

状 の問題 点 家庭科 をめ ぐる現状 の問題 ′点と しては

,以

下 の よ う な指摘 があ った。 ・備品の絶対的不足および老朽化。 分 150 100 50 前 日

当日

翌 日 回 園 国 郷.6鞘傷 第516鞘敵 その他女 注)前日:家庭科授業 日の前 日 当日 :家庭科授業 日 翌 日 :家庭科授業 日の翌 日 図

9

家庭科 への関与時間 (平日)

(15)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第37巻 第

2号

(1995) 297

・教材研究を綿密にしようとすれば

,多

大の時間を要する。 ・もっと家庭でも家庭科を大切にしてほしい。特に実践の場を提供 し

,協

力 してや ってほ しい。 ・行事

,難

しい内容

,そ

して生徒指導など

,限

られた時間数の中でこなしてい くとしたら

,犠

牲になるのは (犠牲にするのは),家庭科などの技能教科になって しまう。 ・調理実習と給食とが難 しい。食べ られなくなる。 ・家庭科について教材研究できるゆとりが欲 しい。 ・研修の場がもっと多くあればいいと思う。 これ らの意見は

,家

庭 科 の指導 内容や方法 のみでは解決 で き ない問題が学校現場 には山積 してい ることを示 してい る。家庭科 を誰 が担 当す るか ということも

,学

校 とい う組織 全体 の問題 と して, と らえ る必要 が あ る。 家庭科 を技能教科 とみ なすか どうかについては

,家

庭科 の教科観 の要 となる問題である。戦後新 しい教科 と しての家庭科がスター トした ときには

,家

庭科は「 技能教科ではない」 という理念を掲 げていた。 しか し

,1950年

前後 に小学校家庭科 の「 廃止論」が合頭 した際 に,「技能教科である」 という教科 と してのアイデ ンテ ィテ ィを確立せ ざるをえな くな り

,そ

の後一貫 して「 技能教科」 と しての特色を維持 し

,教

育課程 に一定の位 置 を占めてきた という歴史が あ る (堀内 1995b)。 小 学校家庭科の「 技能」の位置づけについては

,次

の見解 に見 られ るように

,今

日的な教育的意義を 改めて検討 した上で

,明

らかに しなければな らないであろう。 ・現在あまり家庭でしないこともあり

,特

にミシン

,縫

い物等

,取

り上げ方はどうだろうか。知識のみで終わっ てもいいか。 ・学習内容が今の実態より遅れている部分があると思う。 Ⅳ お わ り に 1994年に実施 した蔦取県下 の小学校教師を対象に した二つの調査結果 をもとに

,学

校教育の現場 で小学校家庭科が どのような位置にあ り

,教

師はこの教科 に対 して どのように関与 しているのかを 探 ってきた。得 られたデータは

,烏

取県下の小学校家庭科の担当状況が

,先

行研究 によ って明 らか にされている各都道府県の状況 (堀内

1994)と

類似 していることを示す ものであ った。す なわち それは

,担

当者の女性への偏重 ということに要約 され る。第5。

6学

年 の学級担任ではない教師が 担当す る場合

,そ

の担当者が男性であることは稀であ り

,第

1調

査の回答者のうちで第5・

6学

年 の学級担任ではない男性の家庭科担当者は

, 6名

であ った。本研究 にあた って冒頭で指摘 したジェ ンダー・ バ イアスの存在が

,調

査結果か ら実証されたといえる。 また

,第

1調査は

,教

師のジェンダー観 を把握す ることを念頭に置いた内容を含むものであ った。 その結果

,教

師たちのおよそ半数は指導上の男女差の存在を否定 していた。 しか し

,残

りの半数は, 男女差は存在す るととらえてお り

,そ

のうちの過半数は

,そ

れが当然 の相違で認め られ なければな らないと考えていることが明 らかになった。 自由記述には

,家

庭科 の指導 を経験 したことによって, 教師自身の性役割観が変わ ったというものも少な くなか った。 しか しそれではなぜ

,前

述のような 指導形態上のバイアスが存在 しているのだろうか。家庭科が

,男

女教師が必ず教える (教えること のできる

)教

科 となっていないのは

,な

ぜ なのだろうか。 アンケー ト調査の結果は

,認

め られ る指導上の男女差が「 生活経験 の相違

Jや

「 これ までに受け てきた教育 による相違」 によるものであると指摘 しているのである。 これ らの相違は, ジ ェンダー のステ レオ タイプを反映 しているものにはか ならない。 これ らの相違が「 当然のこと

Jと

黙認 され,

(16)

堀内かおる :家庭科に対する小学校教師の関与実態と意識

Summary

HonКxnaHng Education has been ta,ght to all boys and giris of 5th and Gh grade m eleHlentary sChools in

contαnporary」 apan. FoFmer StudkB abo,t honiαnaking teaclxel・s in elernentary 飽随01s found hat teattrs

who taught homemalting were mostly wolnen teachers in ψite of he greattt number of male homttom teattr.s of the 5th or 6th grade.

T、voゃsearcllos were carried o■ t in VIarch and in OctobeF to December, 1994 in ordeF iO find out what the actual teaching situations in homemaking in ebrnentary schools h TottoFi Were. One of the(洛 earches adoptod

tine allo9ation survey.The resultt of th“ e researclles were as follows:

There 、vas a significant rdationsIIip between recOgnition on diffeと 銀ces of teaning ho■ lemaking and teaners' ∞nsciousness tOwards gender Юlo difforentiation.The teaぬ as whO ans,vtted that there were

dif罠∝eit styktt of teaching honiemakttg by HIell and wolnen, thought hat such dirferencos were due to their dif壁観ent life expeFienCes and educational practi∝ 澪 fFOm thelr Childhood. Ttt findings s,ggested gender

stereo,yptt in elelxlentary teaChing.

Elelllentary teachers hought that ho■ lolnaking education had influence On students' decision lnak g Of their daily life and future■ festyle.Therefore teachersオ everyd,y単fe wre very bllsy,観 ley had httle tilne to pК ゃaЮ for homemak g dasses,Some Of then 4eeded oppotunities bar■ ing teaching nethods and creathg teacla g materiah f6rlhOniemaking educatio■ . The support systm Ⅵth gender perttectiVe approach for teЖ 巖瑯 郡

'ho―

instruct holnemaking ould be establね hed

参照

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