鳥 医 短 大 紀 要 第
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9体感音響システムによるリラクセーション効果の検討
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古くから音楽は人の心身にいろいろな影響を及ぼ す乙とが経験的に知られており、医療分野において も心身症・神経症の改善1)、手術前の不安感や局所 麻酔による手術中の不快感の軽減2)、痴呆患者の 身体運動機能の向上 3~4) などの目的のために音楽 の力を借りている。しかし、音楽の作用原理を解析 する基礎研究は少ないため、その効果についても十 分な検討がなされているとは言い難い現状である。 医療分野における音楽の実用のための機器としては ボディソニツクシステムがあり、これは心身のリラ クセーションを期待できる音楽に体感音響振動を取 り入れた音楽療法の一種である。すなわち、体感音 響振動によって音楽の重低音感、リズム感などを感 じとりやすくなるような装置であり、音楽のもつ振 動によって脳内側の古皮質、旧皮質を刺激し、意識 下における情緒的、本能的な面に作用させ、人のも つ根元的な復元力に訴えかけることができると言わ れている5)。 人の情動と生理的な活動は密接に関連しており、 喜び、悲しみ、怒り等の情動は、アドレナリ γ、ノ ルアドレナリンなどの神経内分泌反応を介して生理 的な反応の変化を引き起こすことが知られている6)。 したがって、身体におけるリラクセーショ γ効果の 判定には脳波、皮膚電位水準、表面皮膚温、指尖脈 波、皮膚電気抵抗 6~7) など様々な生理学的指標が 用いられている。 今回は、体感音響シメテムにおけるリラクセーショ ン効果の判定のために、自律神経系の機能状態を評 価するために用いられているm
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(以 下M Vと略す)を指標とした。 M Vは不安、緊張、 看護学科 心地良さ、くつろぎなどの情動によって起きる8) 身体表面に認められる微細な振動であり、非侵襲的 性質のものであると同時に再現性に優れ、測定法も 簡便である9)。この生理学的リラクセーション判定 法を披検者の体験印象をもとに検討した。対象と方法
研究の目的と方法に関して同意の得られた健康な 男性9名、女性8名(平均年齢2
0
.
6
歳)を対象とし た。 リラクセーション効果に関する比較実験は安静臥 床法、音楽聴取法、ボディソニック法について同一 日に行い、図1に実験手順を示した。各リラクセー ショγ実験開始前は一定のストレスを付加するため、5
分間のクレペリンテスト(計算問題、以下負荷と する)を行った。各リラクセーションの実施時間は 30分間とし、実験間隔を10分間とした。実験室温は2
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に設定して急激な温度変化を避け、被検者 の利用するベッドはスクリーンで囲み、視覚的刺激 を避け、静かな環境を保ち、部外音による刺激を避 けた。リラクセーショ γ中の体位はすべて仰臥位と し、音量、ボディソニックの振動の強さについては、 被検者個人が好みのレベルに調節し、実験中は一定 にした。聴取する音楽は被検者が平常リラックスし たい時に選択している曲を使用した。 リラクセーショシの効果を被検者に主観的判定し てもらうためにボディソニック体験の結果、リラク セーショ γの有無、音量と振動の強さの適否、終了 時の気分について体験印象をアンケー卜した。また、ほか 香 美 井 ? 冨 10
[MV
測定】 ←負荷前 ←負荷後 ←1 5分後 ←3
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負荷(クレペリンテスト) 安静臥床実験
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休憩 負荷(クレペリンテスト) 音楽聴取実験
E
休憩 負荷(クレペリンテスト) ボディソニック体験実験皿
質問紙記入 終了 3種の比較実験の結果、 答してもらった。 リラクセーション効果の客観的な判定のために、 被検者の利き手の反対側の揖指球からM Vを測定し た。測定回数は、負荷の直前、直後、 15分後、 30分 後の4固とし、測定に際してはM V測定用ピックアッ プ を テ ー プ で 軽 く 固 定 し 、 増 幅 器 ( 日 本 光 電 、 AB-601G)で増幅し、データーレコーダー (TEA C, DR-Fl-5A)で1分間記録した後、波形解析用 コγ ビュータソフト (DADISP)により、測定中、 安定波形の得られた15秒間におけるパワースペクト ルを算出した。その結果から、リラクセーション時 に多く発現するα帯 域 (8'"'-'13匝)、緊張時に多く リラクセーション実験手順 発現する θ帯 域 (6"'-'8 Hz)の周波数成分を算出 し(図2、) α帯域出現率を次の計算式によって求 めた。 図1. リラックスできた順位を回α
帯域出現率=α/Cα+
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したがって、 α帯域出現率(以下α出現率と略す) の上昇はリラクセーション効果の増大を示す。 1 3種類のリラクセーショシ法に関する主観的評 価 3種類のリラクセーション法のうち最もリラック果
結
体感音響システムによるリラクセーション効果 (Microvibration) 11
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Hz 図2. リラクセーション実験中のmicrovibration波形および周波数成分 スできた方法は、音楽聴取法が1
3
名、ボディソニッ ク法が2名、安静臥床法が2名であった。 2 リラクセーショソ実験中のM Vの変化 全対象者に対する 3種類のリラクセーション法施 行後のM Vの変化傾向を図3の矢印に示した。安静 臥床法により α出現率が上昇した人は4
名、音楽聴 取法により上昇した人が9名、ボディソニック法に より上昇した人が4
名であった。 被検者全員の、一連のリラクセーション実験過程 におけるα出現率の経時的変化を図 4に示した。 3 実験ともに負荷直後のα出現率は負荷前に比して0.5 ---3.9%低下しており、負荷によるα出現率の減少 があることが確かめられた。これらの負荷から解放 されるリラクセーショ γ期聞においては音楽聴取法 のみにα出現率の直線的上昇がみられ、明らかなリ ラクセーション反応であると判定できた。安静臥床 法においては、1
5
分後までのα出現率低下の後、上 昇したが、その程度は負荷直後のレベル以下であっ た。ボディソニック法においては、 α出現率が漸次 低下を示した。 3 ボディソニック体験印象および主雛守リラクセー ショ γ判定 図3にボディソニック体験印象を示した。ボディ ソニック施行中にリラックスできたかという質問に 対して「リラックスできた」と答えた被検者をリラッ クス群とすると 9名となった。「リラックスできな かった」と答えた被検者は4名であり、「その他」 と答えた被検者は4名であった。このうち「その他」 の具体的理由は「慣れていない違和感」および「効 果不明」の意味を含むため「その他」を「リラック スで、きなかった」被検者に加え、非リラックス群と すると 8名となった(表1)。 ボディソニック法で使用した音楽の音量について は、被検者によって異なっているが、リラックス群 では全員が、非リラックス群でも、 88%は「了度良 い」音量を濁尺しており、両群に差は認められなかっ た。ボディソニックによる振動の強さについてはリ ラックス群では78%が、非リラックス群では25%が12 福 井 美 香 ほ か ⋮ 賞 ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ 一 ⋮ } ⋮ 一 ⋮ 綿 酬 ⋮
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r
振動が筋肉をほぐしてくれる」といった肯定 的な印象を持っている人ばかりでなく、逆に「違和 感がある」という否定的な印象も含まれていた。 4 ボディソニックによるリラクセーショ γ効果の 主観的反応と生理学的変化 ボディソニック施行後、主観的な体験印象により 分類したリラックス群(N=9
)
と非リラックス群(N= 8
)
のMV
の変化を比較するために、負荷直 後の α出現率の経時的増分変化を図5に示した。リ ラックス群において負荷前および直後の α出現率は 一定であり、ボディソニック施行によってやや上昇 した。したがって、軽度のリラクセーション効果を 示したといえる。非リラックス群においては負荷に よって1%の低下を示し、ボディソニック施行によっ てさらに直線的に低下した。したがって、軽度の非 リラクセーション効果を示したといえる。体感音響システムによるリラクセーション効果 CMicrovibration) 13 α % 30 28 26 24 22 20 18
回
10 20 安静臥床 30 40 50 休 憩 回 (N=17,Meam土S.E.) 60 70 80 90 100 110 120 音楽鑑賞│
休憩│
負
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ボディソニック 図4. リラクセーション実験中のα帯域出現率の経時的変化 表1.ボディソニックの体験印象 (名) 強い 音量 丁度良い 弱い 強い 振動 丁度良い iiii~ ¥ 良い 終了時の気分 悪い どちらでもない 有り 音楽鑑賞留慣 なし考
察
1 3
種類のリラクセーション法における効果の判 定 被検者に対して一定時間の負荷後、 3種類のリラ クセーション法の効果を比較検討したところ、安静 臥床法が最もリラックスできたと答えた 2名(対象 7、10)については、 α出現率の上昇が認められた リラックス群非リラックス群 O O 9 7 O 2 6 7 2 O O 6 O O 3 7 7 5 2 3 が、他のリラクセーショ γ法が良いと答えた2名に ついても本法による上昇がみられた。音楽聴取法が 最もリラックスできたと答えた13名については、 6 名はα出現率の上昇、 6名は低下、 1名は変化を認 めなかった。ボディソニック法が最もリラックスで きたと答えた2名(対象2、11)についてはα出現 率の低下が認められた。したがって、被検者の主観 的にみたリラックス効果とM V反応の変化は常に一 致しないことがわかるO 小林ら10)は音楽刺激に対14 福 井 美 香 ほ か d α % 6 4 2
o
-2 帽4 -6 -8 -10 O 「周回目ー--負荷一+一
リラックス群(N=9) 一-0一一 非リラックス群(N=8) Mean:tS.E. 5 10 1S h J ツ O 一 二 2 一 ソ イ } ア ボ 2S 3S 分 30 図5. ボディソニック法によるα帯域出現率増分変化 負荷直後のα帯域出現率を基準とした増分変化を示す して心理的には「快感」または「不快感」と反応し でも、生理学的指標からみると異なった反応になる ことに注目し、音楽に対する生体の感受性には個人 差があることを述べており、音楽刺激に対する生体 の感受性を皮膚電位水準で表すと全反応型、反応抑 制型、無反応型の3種類のタイプに分類できるとし ているO さらに、皮膚電位水準は音楽に対する情動 的レベルの反応、主観的判断は心理的レベルの反応、 脳波は思考的あるいは知的レベルの反応として区別 できることを述べている。したがって、今回の実験 結果から得られたリラクセーション効果の評価が異 なっているのは、体験印象からみた主観的評価は心 理的レベルの反応を評価したものであり、 α出現率 からみた評価は皮膚電位水準を指標とした場合と同 質の情動的レベルの反応を評価していることになる と思われる。 2 ボデマソニックにおけるリラクセーショソ効果 の判定 ボディソニッタ中の体験印象についてみてみると、 実験に先立って被検者に好みの選曲、および音量と 振動の設定をまかせ、ボディソニック作動中一定条 d j牛のまま経過したが、音量についてはほとんど全員 が適当だったと答えているものの、作動中の振動は 曲のリズムの中の重低音に同調して生ずるため、ア クセントの強弱によって振動の強さが変化するため、 一般に好みに設定した強さよりも全体を通じて強く 感じることが多かったと思われる。これらのことは、 ボディソニック法によるリラックス群の 9名中「適 度な振動J
と感じた人が7
名に達し、非リラックス 群8名中「振動が強すぎ」と感じた人が6名に達し たことと関連していると思われる。したがって、ボ ディソニックにおいては適度の振動の強さの調節が 最も重要であり、被検者が振動の強さを丁度良いと 感じさえすれば、リラクセーションの効果が得られ ると考えられる。 今回の実験では被検者に平常リラックスしたい時 に聴く音楽を選曲してもらったため、全員について みればリラクセーションのために通常期待される静 かな曲からアップテγポな興奮的と思われる曲まで、 クラシック、ポッフ。ス、ロックなど様々なジャンル の曲が含まれていた。したがって、これらの曲にボ ディソニックによる振動が同調することによりリラ クセーションの効果が減じられた被検者もいたので はないかと推察される。つまり、ボディソ二ックに よるリラクセーションは振動の強さがその人の、そ の時の気分に合致していることが肝要であり、その ような選曲をすることが重要であると考えられる。 今後は問ーの被検者において選曲の異なりによる体感音響システムによるリラクセーション効果 (Microvibration)
1
5
ボディソニックの影響を検討することにより、リラ 本研究は1
9
9
3
年度鳥取大学医療技術短期大学部研 クセーショγをもたらす最適条件を正確に決定する 究助成費の配分を受けた研究の一部である。 ことが必要で、あるO 前項においてはボディソニック法が一番リラック スできた2名はα出現率の低下を示したが、被検者 全員についてみると、ボディソニック法によるリラッ クス群9名のうち、 3名はα出現率の上昇が認めら れ、明らかなリラックス反応を示しているが、 6名 のα出現率は減少、または無変化であり、この項目 に関しても被検者による主観的評価とα出現率から みた評価は必ずしも一致しなかった。しかしながら、 リラックス群と非リラックス群聞のα出現率の増分 変化を比較してみると、リラックス群においてはわ ずかに上昇し、非リラックス群においては、明らか に低下した。したがっ、てこの項目に関していえば、 被検者の主観的評価とα出現率からみた評価にはや や一致する傾向が認められた。以上のように、 M V 分析のみにより α出現率をもってリラクセーション 効果を判定することは現在のところ困難である。ボ ディソニックはもともと音楽刺激と体感音響の両者 を同時に身体に与えることであるから、複数刺激反 応を判定しようとしていることであり、本法におい ては両刺激の単離、およびそれらの総合によって判 定すべきものであると考えられる。要 約
1
7
名の被検者に一定の負荷を与えた後、安静臥床、 音楽聴取、および体感音響によるリラクセーション 効果を比較した。被検者の主観的効果判定結果から リラックス群と非リラックス群に分類で、きた。リラ クセーションの生理学的指標としてmicrovibration 分析により α帯域成分出現率を検討したところ、リ ラックス群は体感音響においてはα出現率はやや上 昇した。体感音響においては被検者がリラクセーショ ンのために最適な選曲をし、最適の音量と振動の強 さを設定したときにはじめて効果をもつことが示唆 された。 本研究にあたり、常に暖かい御指導をいただきま した笠木健教授に深謝いたします。また、本研究に 快く協力してくださいました被検者の皆様に感謝い たします。文
献
1 )牧野真理子、坪井康次、中野弘二、筒井未春、 日本バイオミュージック研究会誌、1
,6
1
-
6
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,1
9
8
7
.
2
)
岡光京子、佐藤瞳子、第2
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回日本看護学会集録、p
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.
1
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1
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,1
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3
)
田中多聞、カレγ
トセラピ一、1
0
,1
3
6
-
1
3
9
,1
9
9
2
.
4) Snyder M,早川和生、尾崎フサ子訳、テキス ト看護介入、p
p
.
3
0
8
-
3
0
9
,1
9
9
4
.
5
)小松明、日本バイオミュージック学会誌、7
,2
8
-
3
6
,1
9
9
2
.
6) 村林信行、坪井康次、中野弘一、筒井未春、日 本バイオミュージック学会誌、8
,4
6
→5
1
,1
9
9
3
.
7) 伊賀富栄、森本章、小林信三、佐藤宣夫、宮城 秀晃、松本正和、吉岡顕一、白倉克之、日本バ イオミュージック学会誌、8
,2
5
-
3
3
,1
9
9
3
.
8
)
黒木かほる、自立神経、3
,1
6
3
-
1
7
6
,1
9
7
2
.
9)三島徳雄、岡孝和、田中浩稔、日本臨床、5
0
,1
0
0
-
1
0
4
,1
9
9
2
.
10) 小林信三、森本章、伊賀富栄、鶴敏彦、吉田学、 山本賢司、浅川雅晴、白倉克之、五島雄-郎、 日本バイオミュージック学会誌、8
,1
4
-
2
3
,1
9
9
3
.
11) 永田勝太郎、村山良介、看護展望、3
,6
3
-
6
8
,1
9
8
7
.
1
2
)
村井靖児、理・作・療法、7
,4
3
4
-
4
3
8
,1
9
8
7
.
1
3
)
小松明、日本バイオミュージック学会誌、2
,7
6
-
8
2
,1
9
8
8
.
(受付9
.
1
4
.
1
9
9
5
)
16 福 井 美 香 ほ か