花粉センサ PS2
技術資料
2005.11.1
① 入出力端子(CN1)
端子右側から、 GND、電源12V、P出力、S出力、C出力
② 吸引ファン
PS2 SP-50-E-05001
図 1.形状 単位:mm 95.4 87.4 38. 2 36.7 2-φ3.2 76 .4 71.4 C出力 S出力 P出力 DC12V GND 2 5 4 3 1PS2 SP-50-E-05001
端子機能 ・CN1 ピン番号 I/O 機能 1 GND Vss 2 Power DC12V 3 O P出力 4 O S出力 5 O C出力 ベースコネクタ:S5B−EH(LF)(SN)(日本圧着端子製造) 適合コネクタ:EHR−5(日本圧着端子製造) 出力機能 ピン番号 機能 内 容 3 P出力 散乱光の強度Pの光電変換出力 4 S出力 浮遊粒子からの散乱光のうち、照射光に直交する偏光方向の散乱 光の強度Sの光電変換出力 5 C出力 P出力の波高値が1V以上の時に、出力側とGND側が内部で短 絡状態となり、それ以外の場合は解放状態となる。(負論理) P出力 S出力 C出力 C出力は、抵抗を介して、5Vにプルアップした状態で測定PS2 SP-50-E-05001
仕様 番号 項 目 内 容 1 測定方式 光散乱方式 2 検出粒子サイズ 約15μm以上 3 検出濃度範囲 10000個/28.3L 4 出力 P出力:光電変換出力(0∼8V) S出力:光電変換出力(0∼8V) C出力:オープンコレクタ出力(2∼36V、3mA) 5 サンプリング方式 内蔵ファンによる吸引 6 寸 法 71.4W×76.4H×36.7D (mm) 7 質 量 約110g 電気的特性 1.絶対最大定格(Ta=20℃) 項目 記号 定格値 電源電圧 Vcc Vss∼35V 保存温度範囲 Tstg -20 ∼ +60℃ 保存湿度範囲 Hstg 85%RH 以下 2.動作条件項目 記号 条件 Min Typ Max 単位 電源電圧 Vcc 10.8 12.0 13.2 V
消費電流 Icc − − 200 mA
取付姿勢 -3° 垂直 +3°
使用温度範囲 Topr -10 20 50 ℃
技術資料 PS2 TR-50-E-05001 (1) 花粉センサPS2 の動作原理 Lens Polarization Filter Photodiode Floating Particle Laser Diode Photodiode Direction of Polarization Lens Lens Light Beam 図1.原理図 花粉センサは、空中の浮遊粒子に対して直線偏光の光を照射する発光部と、浮遊粒子からの散乱光 の強度Pを測定する第1の受光部と、浮遊粒子からの散乱光のうち照射光に直交する偏光方向の散乱 光の強度Sを測定する第2の受光部を備えている。 そして、第1の受光部で検出された散乱光の強度Pと、第1及び第2の受光部で検出された散乱光 の強度、すなわちPおよびSより計算した偏光度を使用して、花粉粒子と土埃の識別を行う。 具体的には、粒子の大きさが反映される第1の受光部で検出された散乱光の強度Pを横軸に、表面 形状が反映される偏光度を縦軸に取り、マトリクスに展開し、検知した粒子がそのマトリクスのどこ に位置するかによって、花粉と土埃の識別を行う。 球に近い 粒子形状 ゴツゴツしている 小さい 大きい 散乱強度P 偏光度 粒子径 図2.花粉判定マトリクス
技術資料 PS2 TR-50-E-05001 (2)実験検証1(実験室での検証) 下記に、実際にスギ花粉、関東ローム、一般の土(弊社付近で採取したもの)を、テストチャンバー 内に人工的に浮遊発生させ、花粉センサによって検知させたときの出力をマトリクスに展開し、プロ ットしたものと、P出力及び偏光度のヒストグラムを示す。 データ1 スギ花粉 -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 P 偏光度 P 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 データ区間 頻度 偏光度 0 100 200 300 400 500 600 -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 デー タ 区間 頻度 スギ花粉は、粒子の大きさが反映される第1の受光部で検出された散乱光の強度Pの中心値は、2∼ 2.5Vであり、(出荷調整で、35μm粒子を 2.5Vに調整している)偏光度の中心は、0.3∼0.4にある。 スギ花粉の形状は球に近いお椀上の形状をしており、その形状から偏光度は高めの0.3∼0.4を示して いる。
技術資料 PS2 TR-50-E-05001 データ2 関東ローム -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 P 偏光 度 P 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 データ区間 頻度 偏光度 0 100 200 300 400 500 600 -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 データ 区 間 頻度 関東ロームは、粒子の大きさが反映される第1の受光部で検出された散乱光の強度Pの中心値は、1 ∼1.5Vであり、偏光度の中心は、-0.1∼0にある。関東ロームの形状は、球にはほど遠く、偏光度はそ れを反映して0付近に分布する。
技術資料 PS2 TR-50-E-05001 データ3 会社の周囲の土 -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 P 偏光 度 偏光度 0 100 200 300 400 -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 データ 区間 頻度 P 0 100 200 300 400 500 600 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 データ区間 頻度 会社の周囲の土も、関東ロームと同じく、粒子の大きさが反映される第1の受光部で検出された散乱 光の強度Pの中心値は、1∼1.5Vであり、偏光度の中心は、-0.1∼0にある。
技術資料 PS2 TR-50-E-05001 -1.0 -0.9 -0.8 -0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 P 偏光 度 関東ローム スギ花粉 一般の土 まず、粒子の大きさが反映される第1の受光部で検出された散乱光の強度Pを見てみると、土埃は粒 子の大きさが小さい物の方が多く、大きくなるにつれて、数量は少なくなる。一方、スギ花粉は2∼ 2.5Vの間に位置するものが最も多く、1.5Vより小さい粒子は土埃である確率が高いことがわかる。 次に、表面形状が反映される偏光度を見てみると、土埃は-0.1∼0の間が最も多く、スギ花粉は、0.3 ∼0.4の間が最も多く、偏光度=0.2を境にそれよりも大きい粒子がスギ花粉、それよりも小さい粒子 は土埃である確立が高いことがわかる。 上記は、マトリクスの黒枠あるいは、緑枠内の部分を花粉であると設定した時の確率は以下の通りと なり、実験レベルではスギ花粉と土埃を識別できていることが確認できる。 スギ 関東ローム 黒 87.1% 12.0% 緑 53.0% 1.7%
技術資料 PS2 TR-50-E-05001 (3)実験検証2(屋外フィールド試験での検証) 下記は、2005 年 1 月∼4 月までの月単位で、P出力と偏光度の分布を比較した図である。 2005 年は 1∼2 月が花粉はほとんど飛散しておらず、3 月∼4 月には大量のスギ花粉が飛散した。 P出力と偏光度に各月の特徴がはっきり現れていることがわかる。 下のグラフは、P出力については、各月の1∼1.2V を 100%とすると、1∼2 月に比べ、3∼4 月は, 1.5∼3Vに多くの粒子の分布が見られる。これが花粉の分布である。 <1~4月分> 0 0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 3 3.3 3.6 3.9 4.2 4.5 4.8 5.1 5.4 5.7 6 6.3 6.6 6.9 7.2 7.5 7.8 1月 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 電圧(V) 各月のP出力分布 1月 2月 3月 4月 次に偏光度の分布について見てみると、1∼2 月には見られなかった0.3∼0.4V付近の分布が多く現れ ており、偏光度においても両者の特徴の違いが見られる。なお、各月の分布で偏光度=0.8付近にも山 が見られるが、これは、後述する雨、雪、霧の分布が現れている。 <1~4月分> -1 -0.9 -0.8 -0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1月 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 偏光度 粒子数 各月の偏光度分布 1月 2月 3月 4月
技術資料 PS2 TR-50-E-05001 次に、1月と2月のマトリクスを示す。 マトリクスの分布は、実験検証1の関東ロームあるいは、弊社周囲の土の分布に良く似ており、ダー ラム法の結果からも、花粉はほとんど飛散していないこととよく合致する。 <1月分> 全粒子数 3088 70%花粉 184 90%花粉 62 ダーラム 19 <2月分> 全粒子数 1693 70%花粉 300 90%花粉 128 ダーラム 30 1月マトリクス -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 P(V) 偏光度 2月マトリクス -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 P(V) 偏光度
技術資料 PS2 TR-50-E-05001 3月と4月のマトリクスを示す。 マトリクスの分布は、1月、2月とは明らかに違う分布になってきており、実験検証1のスギ花粉の 部位の分布が現れていることがわかる。実験検証1で確認した内容は、フィールド試験結果とも良く 整合しており、マトリクスの考え方が有効であることが検証できる。 <3月分> 全粒子数 8966 70%花粉 2211 90%花粉 1286 ダーラム 3332 <4月分> 全粒子数 23467 70%花粉 5571 90%花粉 3250 ダーラム 6354 3月マトリクス -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 P(V) 偏光度 4月マトリクス -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 P(V) 偏光度
技術資料 PS2 TR-50-E-05001 日単位でダーラム式と比較したデータを示す。 2005 年シーズンは花粉の飛散量が多かったこともあり、非常に高い相関が得られる結果となった。 相関係数 0.972 5/1~5/31 ダーラム 0.735 0.782 0.822 4/1~4/30 ダーラム 0.875 0.974 0.324 3/1~3/31 ダーラム 0.866 0.958 0.963 2/1~2/28 ダーラム 0.403 0.525 花粉センサ PS1 百葉箱 Total 70% 90% 2005年 花粉フィールド試験結果 (2005.2.1~5.31) 1 10 100 1000 10000 2/1 2/11 2/21 3/2 3/12 3/22 4/1 4/11 4/21 5/1 5/11 5/21 5/31 月日 花 粉数( 個) ダーラム型 花粉センサ 参考データとして、2004 年シーズンの試験結果を示す。 2004 年は、2005 年に比べ花粉飛散数が少なかったため、総じて低い相関係数になっているが、それ でも、3/1∼5/31 の全期間でみれば、0.6 以上の相関係数になっている。 相関係数 Total 70% 90% 3/1~3/31. 0.540 0.559 0.596 4/1~5/10 0.734 0.891 0.899 3/1~5/10 0.057 0.518 0.636 花粉センサ 2004年花粉フィールド試験結果 (2004.3.1~5/10) 1 10 100 1000 10000 3/1 3/11 3/21 3/31 4/10 4/20 4/30 5/10 月日 花粉 数( 個) ダーラム型 花粉センサ
技術資料 PS2 TR-50-E-05001 次に日単位に特徴のある日のマトリクスを示す。 霧が発生した日のマトリクスを示す。霧が発生すると花粉センサは検知するが、霧の粒子形状は球に 近いため、偏光度は花粉よりも1に近いところに分布し、花粉や土埃とは違った分布になり、識別が 可能である。花粉センサが検知した全粒子数は、前後の日の約 10 倍に当たる 800 個近い数量を検知 したが、花粉と判断した粒子はその約3%に満たない 21 個であった。この日のダーラムによる花粉数 は0 個であった。 2005.2.8 -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 P ( V ) 偏光度 全粒子数 777 70%花粉 30 90%花粉 21 ダーラム 0 次に、雨混じりの雪が降った日のマトリクスを示す。 雨や雪は、花粉センサは検知しないが、検知したとしても、霧と同じく、偏光度は花粉よりも1に近 いところに分布し、花粉や土埃とは違った分布になり、識別が可能である。 2005.2.18 -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 P ( V ) 偏光度 全粒子数 57 70%花粉 4 90%花粉 1 ダーラム 2
技術資料 PS2 TR-50-E-05001 屋外で対象となる浮遊粒子は、花粉、土埃、雨、霧、雪が主たる浮遊粒子と考えられる。花粉センサ は、検知した浮遊粒子の大きさと表面形状の2つの要素をマトリクスに当てはめ、マトリクスの部位 により、その浮遊粒子が何であるかを判定している。実験検証1では、実験レベルにおいて花粉と関 東ロームなどの土埃が識別できることが検証できた。実験検証2では、2005 年 2 月∼5 月の 4 ヶ月間 のフィールド試験において、浮遊粒子の大多数を占める土埃はもちろんのこと、雨、霧、雪などに対 しても、識別能力を有していることが検証できた。 以 上