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第8回全国市議会議長会研究フォーラムin旭川報告書

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Academic year: 2021

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第8回全国市議会議長会研究フォーラムin 旭川報告書 貝塚市議会議長 田畑庄司 殿 自由市民 食野雅由 田中 学 池尻平和 田畑庄司 [開催概要] 日 時 第1日:平成25年7月10日(水)13:00 第1部 基調講演「地方議会改革」 第2部 パネルディスカッション「住民自治の実現と地方議会への期待」 第3部 意見交換会 第2日:平成25年7月11日(木) 9:00 第4部 課題討議「政務活動費を考える」 第5部 視察 会 場 旭川市民文化会館 主 催 全国市議会議長会 後 援 総務省 実 施 第8回全国市議会議長会研究フォーラム実行委員会 第1日 第1部 基調講演「地方議会改革」 講師 公益財団法人後藤・安田記念東京都市研究所理事長 西尾 勝氏 開催地が遠隔地のため、前日夕刻空路旭川に到着しました。翌日午後1時前に会場の旭 川市民文化会館に到着し第1日目に臨みました。先ず開催のセレモニーがあり、1時30 分より第1部の基調講演が始まりました。講師は、公益財団法人後藤・安田記念東京都市 研究所理事長の西尾 勝氏で、テーマは「地方議会改革」でありました。氏は現在各地で 進んでいる開かれた議会、討論する議会、行動する議会を目指す議会基本条例の制定運動 を高く評価すると言われておりました。当面する課題として三議長会から地方制度調査会 に提出されている改革要望事項は果たしてどうなるのか。依然として結着のつかない主要 な事項は、①長の専決処分の問題②議会招集権の問題そして③議員の身分・処遇の問題の 3点である。長の専決処分の対象には、大きく分けて、①財産の処分、契約の締結、訴訟 の提起・和解等々、もともと長の執行権に属する事件と②条例及び予算の制定・議決とい ったもともと立法権に属する事件にまで拡げられているのは、議会の立法権の不当な侵害 である。地方三議長会は、国会への意見書提出権を活用して国会の反省を促すべきである。

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その中身は、地方自治体に関連する議案は、2月中に議決し執行するように地方六団体が 要請すべきであると言われておりました。この意見は、地方にとっては、3月議会の予算 委員会等に間に合うのが理想であるが現実とは乖離していると思います。 会場の旭川市民文化会館前で記念撮影 次に、議会招集権については、現行の長の招集権を議長に賦与せよという主張はその通 りである側面と、そうとは言い切れない側面があると言われておりました。長と議会の関 係を対等・並列に改めるためにより重要なことは、条例と規則の関係を見直すことだと思 っているが、議会がこの点をあまり重要視していないのは不思議であるといわれておりま した。しかしながら、現行法で対応するのが議会人であってこのような制度についての問 題は、学者の理論であり我々は与えられた権利の中で対応しているし、これからも様々な 手法を持って対応できるものと思います。 次に議員の身分・処遇については、議員の顔ぶれは、各界各層の住民を均等に代表して いない、議会の議員構成の歪みを正すには、運営方針の見直しと広い意味での選挙制度の 見直しを進め、差し当たって前者の見直しを進めるべきであると唱えられていました。し かし、我々は立候補に対しては、誰でも自由にできるものであり、この部分に制限を加え るのは、憲法にも関わる大きな問題であると思います。議員の資質は往々にして住民の資 質と比例するものと言われますがまさにその通りであると思います。

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基調講演の西尾 勝氏 最後に、西尾氏は、議会活動の個別利益の仲介斡旋活動からの脱却を論じておられまし たが、選挙学と政治学との違いのジレンマが大きく実在すると考えます。 総じて、西尾氏の意見は、研究はされているものの、現実的には時間のかかる机上の空 論ではないかと感じました。 第2部 パネルディスッカッション 「住民自治の実現と地方議会への期待」 コーディネーター 宮脇 淳 氏 北海道大学公共政策大学院教授 パネリスト 片木 淳 氏 早稲田大学公共経営大学院教授 大山 玲子氏 駒澤大学法学部教授 人羅 格 氏 毎日新聞論説委員 三井 幸雄氏 旭川市議会議長 先ず始めに、コーディネーターである宮脇 淳氏から、住民自治と議会改革についての 提議がありました。その中身は、政策をめぐる情報共有、住民参加の充実が進む中で、住 民自治の実現に向けた議会における議論の在り方が問われている。そこでは批判、主張、 問題定義ではなく、地域と共に新たな政策を生み出していく力が求められている。条例制 定権の拡大等地方分権改革の流れにより徐々に自治立法権の充実が図られてきている。政 治、議会の役割として地域の民主主義を育てることを再認識し、与えられる民主主義では なく育てる民主主義の場となるのが議会であると力説されました。 次に、住民自治と議会改革について、日本の地方自治体は大統領制を採用しており、首 長も議員も直接選挙によって選ばれ住民の民意を反映しているが、従来の議会は、行政か らの政策を追認することを基本機能としてきたため、行政中心の議論を優先させたところ があり、議会での政策議論を形骸化させることになった。このことについて、地方議会は 改革が必要であるといわれていました。また、資質の向上に努力し、地方議会の立法機能 の充実を高めることが最終目標ではないかと言われておられました。

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次に、公共政策とは何かという問題を提議され、議会で議論する公共政策は、先ず政策 の定義づけは極めて多彩でいろいろな提議があるがその政策には理想が存在することが条 件である、価値観の違う様々な意見を政策議論を通じて協力関係を形成するのが議会の大 きな役割であると論じられていました。まさに同感であります。しかし、その一方で構造 的対立もあり、それが深刻化することも懸念されます。それは、対立している当事者にと って共通して見てみたいと願う理想的な構図を議会が提示することでその実現に向けて協 力する流れに導く方法と言えます。しかしながら、現実は中々難しいと思います。この提 議の結びに、世論と輿論の解説をされ、政策を最終的に決定するのは、議会を通じた民主 主義による政治であると言われておりました。 次に、パネリストの方々から順次提言がありました。先ず、片木 淳氏から地方議会の 議会改革についての提言があり、その中で、早稲田大学マニフェスト研究所の作成した議 会改革度のランキング(情報公開、住民参加、機能強化の3つの算定基準を元に算出)を 解説された後、ドイツの地方自治制度を例に挙げ改革を唱えておられました。しかし、ド イツの例は、日本の持っている様々な環境とは違うため片木氏の持論には沿うことにはい ささか疑問の生じるものであると感じます。 続いて、大山礼子氏の提言がありました。大山氏は、地方議会を取り巻く現状を分析し 今地方議会に足りないものはどんなものか言われておりました。その中で、情報発信の部 分でホームページや会議録ではないものが大いに必要であると言われておることには、ま さに同感でありました。最後に、住民代表機関としての議会の責務と将来について、代表 力・立法力・住民力をいかに向上させるかが今後の大きな課題であるとのことでした。 パネラーの大山玲子氏

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続いて、人羅 格氏の提言がありました。人羅氏の提言は、新聞というメディアから見 た独自の観点から、残念な議会、状況の変化、議会の権限の再認識、住民とのコミュニュ ケーションの方法、地方分権には地方議会の奮起が必要、ネット選挙と地方議員というテ ーマで持論を述べられました。その中で、最も我々が注目したのは、冒頭に言われた残念 な地方議会でありました。我々の活動そのものが正当に評価されていないことが事実とし て感じるので、本当に残念であることを痛感しました。 最後に、三井議長の旭川市議会における、議会改革の実践例の発表がありました。旭川 市は、北海道第 2 の人口を有する市で、議員定数削減、海外視察の凍結、費用弁償(参会 日額)の廃止、議会基本条例の制定、市民との意見交換会の実施などの取組みが報告され ました。貝塚市においても議会改革は進んでおり、参考にあまりなりませんでした。 この、パネルディスカッションにおいて総じて議会基本条例の制定を重視する提言が多 くありましたが、我々は絵に描いた餅よりも中身をいかに充実するかが重要と考えます。 格好だけの議会基本条例を制定しても、その中身の実行が大切であると思います。質疑応 答の後、パネルディスカッションが終了し、次期開催地である岡山市議会議長の挨拶があ りました。その後、会場を旭川グランドホテルに移動し、第 3 部の意見交換会がありまし た。これを持って第1 日の予定は終了しました。 第2 日 第3部 課題討議 政務活動費を考える コーディネーター 江藤 俊昭氏 山梨学院大学法学部教授 報告者 斉藤佐知子氏 函館市議会副議長 江原 和明氏 宝塚市議会前議長 鈴木 弘 氏 熊本市議会副議長 コメンテーター 橋本 勇 氏 弁護士 先ず初めに、コーディネーターの江藤俊昭氏から、議会力をアップさせる政務活動費に するための論点について提議がありました。その中で政務調査費から政務活動費に変わっ てどのように議会活動が変わっていくのかを述べられました。しかし貝塚市においては額 も少ないことから陳情活動ができるようになったくらいで、今までの政務調査費と変わっ ていないのが現状であります。政令指定都市を含む人口の多い市ではかなりの留意点があ ると思われますが、我々にとっては変わりがありません。われわれも一定の勉強をしてい るので、そのあたりの情報は、持ち合わせていました。 次に、斉藤副議長から、函館市の議会活動に対する市民理解と説明責任というテーマで 報告がありました。函館市においては、平成13 年度と 16 年度の政務調査費において裁判 があり、争点は会派性の要件と自主的・自立的裁量権であったそうです。その後議員の説 明責任をいかに果たしていくかを議論しホームページで全面公開することになったそうで

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す。貝塚においては、既に公開しており、議員自ら作成する報告書もホームページに公開 しているので進んでいると感じました。 課題討議のコーディネーター 江藤 俊昭氏 続いて、江原前議長から宝塚市の政務活動費の支出における透明性の確保と説明責任と いうテーマで報告がありました。その中身の注目点は、市民オンブズマン「見張り番宝塚」 という団体があって、平成19 年に 1 件 22 年に 2 件の住民監査請求がなされ、一応違法性 はないとされたものの、一部目的外使用の部分返還命令がなされたそうです。そこで市民 オンブズマンと定期的に意見交換をし、意見要望をいただいているとのことです。また、 政務活動費の交付に関する条例に向けて議会改革検討会で議論を重ねておられるとの報告 を発表されていました。宝塚市は、貝塚市と同じ近畿圏でありながら、人口も23万人弱 で政務活動費は、月額8万円と多く、参考にはあまりならないものの、考え方の方向性は 共通するところがあると感じました。 次に、鈴木副議長から熊本市議会での政務活動費の経緯と特徴についての報告がありま した。熊本市は、政令指定都市に昇格した大都市なので、報告の内容は、貝塚市のそれと は比較になりません。しかし、検討会の中で公認会計士会の報告書を決められ厳格にされ ています。ただ、月額20万円という高額な政務活動費は、貝塚市とは次元の違うものと 思います。以上が、政務活動費に関する報告でありました。 続いて、コメンテーターの橋本氏から、これまでの報告に対しての自身のコメントを付 けられました。弁護士という立場から、政務活動費は充当可能経費の範囲を条例で定める

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ことになっていますので、その議決責任は、大きなものになると論じられていました。政 務活動費の高額な議会は、まさにその責任を充分に果たす義務があると思いました。最後 に質疑応答があり、課題討議は終了しました。その後、昼食をはさみ、第5部の全国市議 会議長会研究フォーラム実行委員会主催の視察に2名ずつに分かれ参加しました。 田中、池尻両名はDコースの「生活を支える現代技術」に参加 ◎ 旭川市博物館見学 ~ ◎ 旭川市科学館サイバル見学 ~ ◎北海道立研究機構 建築研究本部「北方建築総合研究所」見学 食野、田畑はG コースの「日本海オロロンライン産業のいま」に参加 ◎ 旧留萌佐賀家漁場見学(留萌市教育委員会からの説明を受ける)~ ◎ 増毛町国稀 酒造、港市場等見学 ~ ◎ 留萌観光協会「海のふるさと館」(留萌泊) ◎ 石屋製菓見学 ~ ◎ 大倉山ジャンプ台&ウィンタースポーツミュージアム見学 以上報告といたします。

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