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Q31 言語障害の特性と教育的対応 1 言語障害とは 一般の聞き手にとって 言葉そのものに注意が引かれる ような話し方をする状態及びそのために本人が社会的不都 合を来すような状態である 言語障害の分類 耳で聞いた特徴に基づく分類 きつ 発音の誤り 吃音など 言葉の発達という観点からの分類 話す 聞く

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(1)

Q31

言語障害の特性と教育的対応

言語障害とは

【耳で聞いた特徴に基づく分類】 発音の誤り、吃音などきつ 【言葉の発達という観点からの分類】 話す、聞く等言語機能の基礎的事項の発達の遅れなど 【原因による分類】 口蓋裂、聴覚障害、脳性まひなど

言語障害のある児童生徒の特性と基本的な対応

一般の聞き手にとって、言葉そのものに注意が引かれる

ような話し方をする状態及びそのために本人が社会的不都

合を来すような状態である。

言語障害は、日常の生活や教科等の学習への影響が少な

いと考えられやすく、見逃されやすかったり、対応が遅れ

たりしがちになったりすることがある。

指導内容を考える際には、言語機能の障害の改善・克服と

ともに、本人の心理的・情緒的な側面に対する支援も重要

である。

早 期 か ら の

教 育 的 対 応

言 語 障 害 の 分 類

言語の発達には環境との相互作用が大きく影響する。そ

のため、特に子どもを取り巻く人的な環境の在り方が、言

語障害の状態に大きな影響を与える。

言 語 障 害 と

環境因子

保護者の態度や行動を望ましい方向に促すように働きか

けることも、言語障害のある児童生徒にとっては必要な場

合が多い。保護者を心理的に支え、その養育態度の改善や

情緒的な安定を図るようにする。

保護者等への

支援

学級担任と通級による指導の担当者等、複数の教師が一

人の子どもの指導にかかわり、さらに、保護者や医療機関

等を含めた相互の連携も求められる。こうしたことから、

関係する機関等から情報を得ながら共通理解を図り、適切

な指導内容・方法を検討した上で個別の指導計画を作成す

ることが大切である。

個別の指導計

画の作成

(2)

言語障害のある児童生徒の教育の場

(1) 特別支援学級(言語障害)の対象となる児童生徒の障害の程度

(2) 通級による指導(言語障害)の対象となる児童生徒の障害の程度

【構音障害】 口唇裂を含め、口蓋機能(鼻腔と口腔を隔てて、口腔に内圧をつくる鼻咽腔閉 鎖機能等)が適切に働かないか不全の状態。 【話し言葉の流暢性にかかわる障害】 吃音や脳外傷の後遺症、まれには早口症(クラッタリング)等のために、話し 言葉の流暢性が十分でなかったり、緊張すると音声が出にくかったりするような 状態。 【言語機能の基礎的事項の発達の遅れや偏りに関する障害】 話す、聞く等の言語機能の基礎的事項に発達の遅れや偏りがあるような状態。

用語解説

・構音障害とは、話し言葉の使用において、「さかな」を「たかな」、あるいは「たいこ」を「たいと」な

口蓋裂、構音器官のまひ等器質的又は機能的な構音障害のある者、吃

音等話し言葉におけるリズムの障害のある者、話す、聞く等言語機能の

基礎的事項に発達の遅れがある者、その他これに準じる者(これらの障

害が主として他の障害に起因するものでない者に限る。)で、その程度

が著しいもの

(平成25年10月4日付け25文科初第756号初等中等教育長通知)

口蓋裂、構音器官のまひ等器質的又は機能的な構音障害のある者、吃

音等話し言葉におけるリズムの障害のある者、話す、聞く等言語機能の

基礎的事項に発達の遅れがある者、その他これに準じる者(これらの障

害が主として他の障害に起因するものでない者に限る。)で、通常の学

級での学習におおむね参加でき、一部特別な指導を必要とするもの

(平成25年10月4日付け25文科初第756号初等中等教育長通知))

状 態 像

(3)

障害の状態の把握

障害の状態を的確に把握するため、教育的、心理学的、医学的な観点に基づき情報

を収集します。

子どもの状況の把握 子どもの状況について、本人や学級担任等及び保護者から情報を得て、その情報に ついて確認し、特別な指導の必要性の有無を考える。 本人の言語行動についての評価 保護者からの説明に加えて、子どもの言語行動を客観的かつ全般的に評価し、教育 上必要な配慮事項や指導内容を検討する。 コミュニケーション全般に関する評価 人や物とのかかわりについては、子どもとの遊びや会話の中で評価し、その印象や 問題点をまとめる。 音声の評価 平常時の音声を、共鳴(鼻にかかるなど)、音質(ガラガラ声、かすれ声など)、音 声の大小、緊張の有無、発声に際しての特徴的随伴動作の有無等の観点から評価する。 発語内容についての評価 会話場面などを設定し、発語の内容などについては文法的に、あるいは文脈の整合 性等の観点から評価する。 構音についての評価 日本語に含まれるすべての音韻について、例えば、絵カードを提示して発語させる などの方法で評価する。 構音器官の運動についての評価 舌、口唇、軟口蓋等の運動の適否についての評価が必要であるが、実際には通常の 食事動作において、噛むこと、吸うこと、飲み込むことが、通常行われているかどう かをみれば十分である。 話し言葉の流暢性についての評価 会話や音読の場面等で、吃音のパターン、頻度等の観点で、話し言葉の流暢性につ いて評価する。 認知等に関する評価 言語障害に対する適切な指導を行うためには、必要に応じて言語にかかわる知能及 び認知、あるいは情緒面に関する観点から評価する。 環境についての評価 保護者や在籍する学級等の子どもに対する態度や意見及び実際のかかわり方等につ いても評価する。 関係諸機関からの情報 対象となる子どもが、 就学までにかかわってきた教育、福祉、医療機関等からの情 報を得る。 発達全体についての情報 子どもの発達の状態について、出生から現在に至るまでの生育歴などの中から指導 上必要な情報を把握する。

(4)

言語障害の教育的対応

(1) 特別支援学級(言語障害)での教育

言語機能の基礎的事項に発達の遅れに対する特別な指導や心理的な安定を図る指

導を継続的に行う必要性がある児童生徒に対しては、特別支援学級において、言語

障害の状態の改善の指導を適切に行うとともに、言語障害にかかわる教科指導等の

配慮をより手厚く充実した指導が行われています。

(2) 通級指導教室(言語障害)での教育

通級による指導(言語障害)の対象は、通常の学級において学習することが適切

であるが、一部障害に応じた特別な指導を必要とする児童生徒であり、通級による

指導においては、個々の言語障害の状態を改善することを目的とした特別な指導が

行われています。

具体的には、正しい音の認知や模倣、構音器官の運動の調整、発音・発語指導な

どの構音の改善にかかわる指導、遊びの指導・劇指導・斉読法などによる話し言葉

の流暢性を改善する指導、遊びや日常生活の体験と結び付けた言語機能の基礎的事

項に関する指導等が行われています。

(3) 通常の学級での教育

言語障害の程度が軽い場合には、通常の学級で留意して指導することが適当な場

合もある。この場合、言語障害についての基礎知識をもって正しい指導を行うこと、

教室の雰囲気を話しやすいものにすること、級友の理解を得られる学級にすること、

話すこと、読むことについて自信がもてるような指導を行うこと等に気をつけて指

導することが大切です。

言語障害のある児童生徒の教育における合理的配慮の観点

言語障害のある児童生徒の教育に当たっては、どのような場で教育をするにしても

次のような観点の配慮を検討する必要がある。

なお、ここに示した合理的配慮はあくまで一例であり、これを合理的配慮として提

供しなければならないとするものではありません。同様に、これ以外は合理的配慮と

して提供する必要がないということでもありません。合理的配慮は、一人一人の障害

の状態や教育的ニーズに応じて決定されるものです。

教育内容・方法

【教育内容】

(5)

【教育方法】

情報・コミュニケーション及び教材の配慮

筆談、ICT機器の活用等、発音が不明瞭な場合には、代替手段によるコミュニケ

ーションを行う。

学習機会や体験の確保

発音等の不明瞭さによる自信の喪失を軽減するために、個別指導の時間等を確保し、

音読、九九の発音等の指導を行う。

心理面・健康面の配慮

言語障害のある児童生徒が集まる交流の機会の情報提供を行う。

支援体制

【専門性のある指導体制の整備】

言語障害の専門家(ST等)との連携による指導の充実を図る。

【児童生徒、教職員、保護者、地域の理解推進を図るための配慮】

言語障害について児童生徒、教職員、保護者への理解啓発に努める。

【災害時等の支援体制の整備】

発語による連絡が難しい場合には、その代替手段により安否を伝える方法等を取り

入れた避難訓練に取り組む。

施設・設備

【校内環境のバリアフリー化】

【発達、障害の状態及び特性等に応じた指導ができる施設・設備の配慮】

【災害時等への対応に必要な施設・設備の配慮】

施設・設備については基本的には他の児童生徒と共通の配慮を要する。

障害の理解に関する保護者等への支援の重要性

【心理的な支え】 言語障害は、直接、社会的なハンディキャップに結び付きやすく、二次的な障害としての情 緒面や行動面の問題にも発展しがちである。そのため、言語障害のある児童生徒を心理的に支 えることは、言語障害教育における重要な役割である。 【保護者に対する指導・助言】 言語障害の状態は環境要因に左右されるところが大きい。そのため、保護者の態度や行動を 望ましい方向に促すように働きかける。 保護者に対しては、カウンセリング等によって心理的に支え、その養育態度の改善や情緒的 な安定を図るようにする。また、子どもの障害や教育などについて、正しい情報を提供するこ とにより、保護者の心理的な安定を図るように努めることも大切である。

(6)

Q32

情緒障害の特性と教育的対応

情緒障害とは

情緒障害の原因

従来から、主として人間関係のあつれきなどの心理的な要因と、中枢神経系の

機能障害や機能不全が想定されてきました。情緒障害が発生する背景には、軽微

な発達上の問題が存する可能性は否定できませんが、現在では、中枢神経系の機

能障害や機能不全を主たる原因とすることが定説となっている自閉症及びそれに

類するものは、情緒障害とは異なるものとしています。

情緒障害のある児童生徒の特性と基本的な対応

情緒障害として認められる感情・気分・行動の問題が教育で問題とされるのは、そ

のために適切な学習や集団行動・社会的行動が行えなくなるからです。

そうした状況を生じる背景、要因としては、対人関係のストレス状況、学業・部活

動の負担、親子関係の問題、精神障害などが考えられます。

情緒障害の背景要因としてのストレス状況 【対人関係のストレス状況】 対等な友人関係の破綻が一番大きなもので、いじめが相当する。また、教師との信頼関係の 破綻が背景となることもある。子どもに対する教師の指導姿勢が、一方的、威圧的なときに生 じやすい。 【学業の負担】 学業成績向上に対する教師・保護者からの圧力の他、子どもに能力面の困難さがあるのにそ れに気付かれないまま経過し、周囲からの通常の要求が子どもにとって過剰となっている状態 もあるので留意する必要がある。 【部活動の負担】 運動部で本人の運動能力に見合わない部活内容や要求があり、かつ、子どもが部活動を辞め にくい雰囲気があるときに生じやすい。その他、部活動内での先輩後輩関係など一方的・支配 的な関係があるときは、運動部・文化部に関係なくストレス状況が生じる。

情緒障害とは、状況に合わない感情・気分が持続し、不適切な行動

が引き起こされ、それらを自分の意思ではコントロールできないこ

とが継続し、学校生活や社会生活に支障となる状態をいう。

(7)

情緒障害のある児童生徒の教育の場

その障害により、社会的適応が困難となり、学校などで集団活動や学習活動に

支障のある行動上の問題を有する子どもであり、主として心理的な要因の関与

が大きいとされている社会的適応が困難である様々な状態を総称するもので、

選択性かん黙、不登校、その他の状態(重症型のチックで薬物療法の効果が見

られない事例など)の子どもが対象です。

(1) 特別支援学級(自閉症・情緒障害)の対象となる児童生徒の障害の程度

自閉症のページで説明(96P参照) 選択性かん黙等のために通常の学級での学習では効果を上げることが困難 であり、集団生活への参加や社会的適応のための特別な指導を行う必要があ る。 選択性かん黙や、不登校などの状態等の的確な把握や原因の究明などはか なり困難な場合があるので、教育内容及び指導方法を決定する際は慎重に進 める必要がある。

(2) 通級による指導(情緒障害者)の対象となる児童生徒の障害の程度

選択性かん黙等の状態が比較的軽く、通常の学級の授業におおむね参加で きるものの、社会的適応のための特別の指導や教科の補充指導を一部必要と している。 多動、常同行動、チックなどは、知的障害や自閉症などのある子どもでも 現れることも多いので、知的発達の状態や学習能力、情緒の発達状態などを 総合的に判断することが必要である。

用語解説

・「心理的な要因」とは、情緒が不安定になり、その状態が続くような影響を与える原因のことであ り、例えば、継続的な人間関係のあつれきや幼少期からの不適切な生育環境などがこれに当たる。 ・「主として」とは、発達障害によるものではなく、心理的な要因によるものを中心とするという意味 である。 ・「社会生活への適応が困難」とは、他人とかかわって遊ぶ、自分から他人に働きかける、集団に適 応して活動する、友達関係をつくり協力して活動する、決まりを守って行動する、他人とのかかわ りをもちながら生活を送ることなどが、一般にその年齢段階に求められる程度に至っていない状態 のことである。

主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので、通常の学

級で学習におおむね参加でき、一部特別な指導を必要とする程度のもの

(平成25年10月4日付け25文科初第756号初等中等教育局長通知)

2の状態像

1の状態像

自閉症又はそれに類するもので、他人との意思疎通及び

対人関係の形成が困難である程度のもの

主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもの

で、社会生活への適応が困難である程度のもの

(平成25年10月4日付け25文科初第756号初等中等教育局長通知)

状態像

(8)

障害の状態の把握

(1) 情緒障害の状態の把握に当たって

情緒障害のある児童生徒については、通常の学級における学習活動が著しく困難

な者から、通常の学級における学習活動にさしたる困難はなく学級担任の教員が留

意して指導すれば通常の学習が可能な者まで、その実態は様々です。

行動上の諸問題及びそれに関係する生育歴、医療歴、生育環境、家庭や学校にお

ける生活の状態、集団参加や学習の状態、知的機能の状態などを把握する必要があ

り、その方法には、保護者や担任等からの聞き取りや、行動観察及び諸検査の実施

などがあります。

身辺の自立の状態 身辺の自立に関しては、食事、排泄、衣服の着脱などについての手順や方法を身に付けてい る程度を把握することが判断の資料となる。情緒障害のある子どもは日常生活習慣行動の習得 に問題があるというよりも、できるけれども何らかの事情でやれないという側面がみられる場 合がある。 集団参加の状態 集団参加の評価の方法としては、幼稚園、保育所、児童福祉施設等での直接的な行動観察が 適切である。なお、直接に観察することが困難な場合は、幼稚園等からの報告の内容を分析し、 資料として活用することもできる。 集団活動において一人一人に応じた課題を与え、個別的にかかわるなどの配慮によって参加 できる者もいる。さらには、ほかの子どもの活動を模倣して活動することができる者もおり一 人一人の実態は多様である。

(2) 情緒障害のある児童生徒の状態

具体的な行動上の問題は、いくつかが組み合わさって現れることがほとんどです。

例えば、日常的に失敗経験が多く、叱責を受けることが多い場合は、行動が抑制さ

れて無気力な状況が生じやすくなり、その結果、学校内での孤立や学業不振、ある

いは怠学といった問題が生じることがあります。

また、子どもの年齢や周囲の状況によっても、生じる問題は異なります。したが

って、具体的に現れている状態だけでなく、環境との相互作用についても分析する

ことが重要です。

(9)

情緒障害のある子どもの状態(例)

・食事の問題(拒食、過食、異食など) ・睡眠の問題(不眠、不規則な睡眠習慣など) ・排泄の問題(夜尿、失禁など) ・性的問題(性への関心や対象の問題など) ・神経性習癖(チック、髪いじり、爪かみなど) ・対人関係の問題(引っ込み思案、孤立、不人気、いじめなど) ・学業不振 ・不登校 ・反社会的傾向(虚言癖、粗暴行為、攻撃傾向など) ・非行(怠学、窃盗、暴走行為など) ・情緒不安定(多動、興奮傾向、かんしゃく癖など) ・選択性かん黙 ・無気力

用語解説

・選択性かん黙 一般に、発声器官等に明らかな器質的・機能的な障害はありませんが、心理的な要因により、 特定の状況(例えば、家族や慣れた人以外の人に対して、あるいは家庭の外など)で音声や言葉を 出せず、学業等に支障がある状態の児童生徒です。 ・不登校 不登校の要因は様々であるが、情緒障害教育の対象としての不登校は、心理的、情緒的理由に より、登校できず家に閉じこもっていたり、家を出ても登校できなかったりする状態です。本人は 登校しなければならないことを意識しており、登校しようとするができないという社会的不適応に なっている状態の児童生徒です。 ・その他の情緒障害 偏食、夜尿、指しゃぶり、爪かみなど様々な状態は、多くの人々が示すことではありますが、 そのことによって集団生活への適応が困難である場合、情緒障害教育の対象となります。

情緒障害の教育的対応

情緒障害のある子どもの教育の目的

心理的な要因による選択性かん黙などによる適応不全の改善です。

(1) 特別支援学級(自閉症・情緒障害)での教育

特別支援学級(自閉症・情緒障害)では、人とのかかわりを円滑にし、生活する

力を育てることを目標に指導を進めています。

特別支援学級(自閉症・情緒障害)は、小学校及び中学校に設置されていること

から、教育課程は、原則的には小学校又は中学校の学習指導要領によります。しか

し、対象とする児童生徒の実態から、通常の学級における学習だけでは、十分に学

習の成果を上げることが困難である場合、子どもに応じて学校教育法施行規則第138

条に基づき特別の教育課程を編成することができます。この場合、特別支援学校の

学習指導要領を参考とし、内容を取り入れて教育課程を編成することができます。

(10)

なお、心理的な要因によるものは不登校等のために、学習空白が生じていること

があることから、各教科の内容を下学年の内容に替えたり、基礎的・基本的な内容

を重視して焦点化したりするなどして適切な指導を行うことが重要です。

日常生活習慣の形成のための指導 日常生活習慣を身に付けることは社会生活の基本であり、特別支援学級(自閉症・情緒障害) では、食事、排泄、衣服の着脱などの指導を学校生活の中で適切に行っている。特に、子ども の心理的な安定を促しながら、生活に必要な諸技能が習慣として身に付けていくことが大切で ある。 日常生活習慣は、特に、学校と家庭との連携を密にすることによって、より確実に身に付け ることができる。 人とのかかわりを深めるための指導 一日の生活リズムを体得することにより、情緒を安定し、友達や教員と一緒に活動する喜び や楽しさを味わい、集団の雰囲気に慣れることをねらいとした指導を行っている。例えば、動 作の模倣、遊び、劇、係活動などいろいろな活動を通じて、集団での役割を理解し、相手の立 場が理解できるようにすることなどである。 また、一人一人の子どもの学習の状況等に応じて、通常の学級での授業(国語、音楽、図画 工作、体育など)や特別活動に参加して交流を進め、人間的なふれあいを深め、集団参加が円 滑にできるようきめ細かな配慮を行っている。

(2) 通級指導教室(情緒障害)での教育

基本的には、特別支援学校等における自立活動の指導を参考とした指導を中心と

しながら、社会的適応性の向上を目的とし、限られた授業時数の中で自閉症・情緒

障害特別支援学級と類似したねらいで取り組んでいます。

なお、通級による指導では、児童生徒の障害の状態等に即して、必要に応じて各

教科等の補充的な指導を行っています。

(3) 通常の学級での教育

通常の学級においては、個別に指導内容を設定することはできないことから、例

えば、ある学級における単元等の指導計画による指導内容を焦点化したり重点化し

たりして、基礎的・基本的な事項の定着に留意して指導することが大切です。

また、心理的な不安定さから、気持ちを落ち着けて集中することができず、書く

ことや読むことなどの学習に時間を要したり、指示や説明を断片的に聞いていたり

することもあるので、配慮して指導することが必要です。

なお、通常の学級においては、6の合理的配慮の観点(通常の学級だけでなくい

かなる場でも必要なもの)に基づいて、配慮がなされることが重要です。

(11)

情緒障害のある児童生徒の教育における合理的配慮の観点

情緒障害のある子供の教育における合理的配慮の観点の例は次のとおりです。

なお、ここに示した合理的配慮はあくまで一例であり、これを合理的配慮として提

供しなければならないとするものではありません。同様に、これ以外は合理的配慮と

して提供する必要がないということでもありません。合理的配慮は、一人一人の障害

の状態や教育的ニーズに応じて決定されるものです。

教育内容・方法

【教育内容】

学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮

社会適応に必要な技術や態度が身に付くよう指導内容を工夫する。

学習内容の変更・調整

心理面での不安定さから学習の積み上げが難しかったり、治療等により学習の空白

期間が生じたりする場合もあることから、学習内容の定着に配慮する。

【教育方法】

情報・コミュニケーション及び教材の配慮

場面によっては、意図したことが言語表現できない場合があることから、緊張や不

安を緩和させるように配慮する。

学習機会や体験の確保

治療等により生じる学習機会の不足等に配慮する。

心理面・健康面の配慮

カウンセリング的対応や医師の診断を踏まえた対応等、情緒障害のある児童生徒等

の状態(情緒不安や不登校、ひきこもり、自尊感情や自己肯定感の低下等)に応じた

指導を行う。

支援体制

【専門性のある指導体制の整備】

情緒障害を十分に理解した専門家からの支援や、特別支援学校のセンター的機能

及び自閉症・情緒障害特別支援学級、医療機関等の専門性を積極的に活用し、障害

の特性について理解を深められるようにする。

【児童生徒、教職員、保護者、地域の理解啓発を図るための配慮】

他者からの働きかけを適切に受け止められないことがあることや言葉の理解が十分

ではないことがあること等について、周囲の子供や教職員、保護者への理解啓発に努

める。

【災害時等の支援体制の整備】

(12)

情緒障害のある児童生徒は、災害時の環境の変化に適応することが難しい場合もあ

るため、心理的に混乱することを想定した支援体制を整備する。

施設・設備

【校内環境のバリアフリー化】

安心して自主的な移動ができるように、特別教室への動線などを分かりやすくする。

【発達、障害の状態及び特性等に応じた指導ができる施設・設備の配慮】

衝動的な行動によるけが等が見られることから、安全性を確保した校内環境を整備

する。また、興奮が収まらない場合を想定し、クールダウン等のための場所を確保す

る。

【災害時等への対応に必要な施設・設備の配慮】

災害等発生後における環境の変化に適応できないことによる心理状態( パニック等)

を想定し、外部からの刺激を制限できるような避難場所及び施設・設備を整備する。

(13)

Q33

自閉症の特性と教育的対応

自閉症とは

①、②、③に示す行動特徴

① 相手の気持ちや状況を考えないで、自分の視点中心に活動しているように見えることが ある。 ② 言語の理解や使用に発達の遅れが見られ、全く言葉を発しないこともある。また、他者 の言葉を模倣して言うこと( 反響言語( エコラリア))がある一方で、流暢ではあるが、 普通の言葉遣いではない独特の言い方や自分の好きなことだけを一方的に質問し続けたり することもある。 ③ 「同一種類へのこだわり」や「同じことへのこだわり」がある。 その他の特徴として、感覚知覚の過敏性や鈍感性、刺激の過剰選択性、知能テストの項 目に著しいアンバランスが見られることがある。

自閉症のある児童生徒の特性

自閉症は、3歳くらいまでに現れることが多いですが、小学生年代まで問題が顕在

しないこともあります。また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推

定されています。

なお、高機能自閉症とは、知的発達の遅れを伴わない自閉症を指します。また、ア

スペルガー症候群(アスペルガー障害)は、知的発達と言語発達に遅れはなく、3つ

の自閉症の特性のうち、言葉の発達の遅れが比較的目立ちません。コミュニケーショ

ンの特徴として、一方的に自分の話題中心に話し、直截的な表現が多く、相手の話を

聞かなかったり、また相手が誰であっても対等に話をしたりすることなどがあります。

○ 行動に見られる特徴

自閉症とは、① 他人との社会的関係の形成の困難さ、② 言葉の発

達の遅れ、③ 興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴と

する発達の障害である。

b 感覚刺激への特異な反応 ある種の刺激に特異的に興味を示す反面、別 の刺激には、極端な恐怖を示すことがある。こ のような反応を引き起こす刺激の性質には、一 貫した特徴は認められないが、例えば、低周波 律動音(空調機器、エレベーター)、きらきら と光るもの(銀紙、セロファン)などが好まれ る対象となる場合がある。また、種々の感覚を 同時に処理することが不得手であり、例えば、 姿勢を制御することに意識が集中し、その他の 働きかけには注意を向けられないことも指摘さ れている。 a 対人関係 視線が合わない、名前を呼んでも振り向かな い、人を意識して行動することや人に働きかけ ることが見られないなど、人へのかかわりや人 からの働きかけに対する反応の乏しさが幼児期 に見られる。 障害の程度にもよるが、周囲の適切なかかわ りによって、対人関係は少しずつ芽生えてくる が未熟さが残ることが多い。

(14)

2013年、米国精神医学会による精神障害の分類と診断基準の本の改訂版(第5版)

「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 5th ed., DSM-5」が刊行され ました。このDSM-5では、広汎性発達障害Pervasive Developmental Disorders;PDDの用語が自 閉症スペクトラム障害Autism Spectrum Disorder;ASDという用語に変更されました。自閉症ス ペクトラムとは、自閉的な特徴がある人は、知能障害などその他の問題の有無・程度にかかわ らず、その状況に応じて支援を必要とし、その点では自閉症やアスペルガー症候群などと区分 e 多動 幼児期には、自閉症の子どもの多くに多動と 見なされる行動がある。それは、その行動の予 測がつかない、規制などの対応がしにくい、危 険を回避する機能が十分に働いていないという 側面が多いからである。また、特に、集団行動 においては、そうした行動が目立ち、そのため に周囲が、目を離せない、手を離せないという 状態になることから、一層、多動という印象を 強めることとなる。 そうした多動性は、加齢に伴い、また適切な 教育により改善することが多い。それは、状況 や状況の変化を理解して行動できる範囲の拡大 に伴って、行動にまとまりが見られるようにな るからであり、また、行動の特性に関する周囲 の理解が深まり、より有効な支援が可能となる からである。 なお、最近は、多動のある自閉症では、注意 欠陥多動性障害を伴っている場合も少なくない ことが知られるようになってきている。 d 自傷等 混乱、欲求不満、脅威等に対して、自傷等の 行動をとることがある。自傷については、例え ば、頭や顔を自分で殴打する、壁に打ち付ける、 あるいは指を噛むなどの行動であるが、それが 激しい場合は負傷することもあるので軽視して はならない。そのような行動の理由は推察でき ない場合もあるが、周囲の対応がその行動を強 化している場合もあることに注意を要する。 また、本人にとって耐えられない音刺激を手 などで耳をふさいで遮断しようとする行動は、 やがて音刺激とは無関係に嫌悪状況に対する回 避や防衛反応としての意味を帯びてくる場合が 多い。 以上のような行動に対しては、次のような理 解が大切である。 一般に、自閉症の子どもは、状況の変化に対 応する力に乏しいので、心理的な混乱や不安に 陥りやすく、さらに、窮地に陥っていることに 対して、援助を求めようと意図することが困難 であり、意図したとしても、伝達することに困 難性がある。また、わずかな刺激でも想像以上 の苦痛を感じることを周囲が理解できないた め、自傷等の原因を理解することできず、援助 も不適切になりがちである。 しかし、教師などが、きめ細かな観察等によ り、それらの状態が生じる背景や原因を理解す ることが可能であり、かつ適切な教育により、 状態が改善されることもある。 c 食生活の偏り 極端な偏食があり、ほんの数種類の食物以外は一切食べないという状態が何年も続くことがある。 偏食については、低年齢段階によく見られるが、成長とともに改善されることが多い。

(15)

自閉症のある児童生徒の教育の場

教育の対象は、発達障害に包括される障害である自閉症及びそれに類するもの

により、言語発達の遅れや対人関係の形成が困難であるため、社会的適応が困

難である状態の児童生徒です。

(1) 特別支援学級(自閉症・情緒障害)の対象となる児童生徒の障害の程度

3歳くらいまでに現れることが多いが、小学生年代まで問題が顕在しない こともある。中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されて いる。 なお、高機能自閉症とは、知的発達の遅れを伴わない自閉症を指す。同様 に、アスペルガー症候群(アスペルガー障害)は、知的発達と言語発達に遅 れはなく、3つの自閉症の特性のうち、言葉の発達の遅れが比較的目立たな い。 情緒障害のページで説明(88P参照)

(2) 通級による指導(自閉症者)の対象となる児童生徒の障害の程度

(3) 就学先決定に関する判断の際の留意点

就学先決定に関する判断の際には、以下のことに留意する必要があります。

特別支援学級(自閉症・情緒障害)において教育する場合

自閉症・情緒障害特別支援学級において支援する場合は、自閉症又はそれに類

するもののために、意思疎通や対人関係、行動に問題が認められ、通常の学級で

の学習では成果を上げることが困難であり、特別な教育内容・方法による指導を

必要とする状態に応じています。

その際、学校教育法施行令第22条の3の表における知的障害者の項に達しない

程度の知的障害を併せ有する場合は、障害の状態に応じて、知的障害特別支援学

級における教育を受けることについて検討することが必要です。

自閉症又はそれに類するもので、通常の学級での学習におお

むね参加でき、一部特別な指導を必要とする程度のもの

(平成25年10月4日付け25文科初第756号初等中等教育局長通知)

2の状態像

1の状態像

自閉症又はそれに類するもので、他人との意思疎通及び

対人関係の形成が困難である程度のもの

主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもの

で、社会生活への適応が困難である程度のもの

(平成25年10月4日付け25文科初第756号初等中等教育局長通知)

(16)

通級による指導(自閉症者)において教育する場合

自閉症又はそれに類似する障害のために、通常の学級における授業におおむね

参加できるものの、対人関係や行動上の問題の改善のための特別の指導や教科の

補充的指導などを一部必要としている状態に応じています。

特別支援学校(知的障害)において教育する場合

学校教育法施行令第22条の3の表における知的障害者の項の程度の障害を併せ

有する状態に応じています。

ただし、就学前に、適切な療育等を受けていない場合には、基本的には知的発

達の遅れがないにもかかわらず、知的障害があると見なしてしまう場合があるの

で、的確に実態を分析し、慎重に就学先の決定をすることが大切です。

なお、知的障害や病弱・身体虚弱を伴う場合は、それぞれの状態に応じて、特

別支援学級(知的障害、病弱・身体虚弱)、特別支援学校(知的障害、病弱)な

どにおいて教育を受けることを考慮する必要があります。

自閉症やそれに類するものと、主として心理的な要因の関与が大きい場合とで

は、それぞれの原因や指導内容・方法、学習環境の調整方法が異なることに留意

が必要です。就学や学級編制に当たっては、それぞれに適切な指導がなされるよ

うに適切な配慮と工夫が必要です。

用語解説

・「他人との意思疎通が困難」とは、一般にその年齢段階に標準的に求められる言語等による意 思の交換が困難であるということである。知的障害を伴う自閉症の特性として、言語が全くな かったり、言葉の発達の遅れや特異な使用が見られたりする。また、身振り等で意思を伝達す ることが不得手であったり、質問に対してその質問文のまま返したりなどの傾向も見られる。 そうした相手からの言葉の意味を理解したり、それに応じた意思を伝達したりすることができ ないか、又は可能ではあるが、他人との会話を開始し、受け答えをしながら継続する能力に明 らかな困難性があることをいう。 ・「対人関係の形成が困難」とは、他人から名前を呼ばれたことに気が付いて振り向く、他人か らの働きかけに応じて遊ぶ、自分や他人の役割を理解し協同的に活動する、他人の考えや気持 ちを理解し友だち関係や信頼関係を形作ることなどが、一般にその年齢段階に求められる程度 に至っていない状態のことである。 ・「社会生活への適応が困難」とは、他人とかかわって遊ぶ、自分から他人に働きかける、集団 に適応して活動する、友だち関係をつくり協力して活動する、決まりを守って行動する、他人 とかかわりながら生活を送ることなどが、一般にその年齢段階に求められる程度に至っていな い状態のことである。

(17)

障害の状態の把握

(1) 障害の状態の把握の方法

自閉症の状態の把握に当たっては、行動上の諸問題及びそれに関係する生育歴、

医療歴、生育環境、家庭や学校における生活の状態、集団参加や学習の状態、知的

機能の状態などを把握する必要があり、その方法には、保護者等や担任等からの聞

き取りや、行動観察及び諸検査の実施などがあります。

身辺の自立の状態 知的障害を伴う自閉症の子どもについては、身辺の処理に関して、食事、排泄、衣服の着脱 などについての手順や方法を身に付けている程度を把握することが判断の資料となる。 自閉症のある子ども等の一部には、極端な偏食がある場合がある。食べる物が決まっている ために、それ以外の物がでる給食等は食べないという場合もある。 知的障害を伴う自閉症の子どもの場合、自宅以外では用便をしないなどの強いこだわりを示 すことが見られる場合もある。 集団参加の状態 自閉症の子どもに共通する傾向としては、自由な対人交流場面において、コミュニケーショ ンのやり取りや行動の問題が生じてくる場合が多い。また、知的障害を伴う自閉症の子どもの 場合には、同年齢の集団に参加することへの困難性がみられる。 集団参加の評価の方法としては、幼稚園、保育所、児童福祉施設等での直接的な行動観察が 適切である。なお、直接に観察することが困難な場合は、幼稚園等からの報告の内容を分析し、 資料として活用することもできる。 知的機能の状態 自閉症は、一般に、新しい場面への適応が困難であることが多いため、最初の検査だけで妥 当性のある結果を得ることはほとんど不可能であるため、他の発達検査等を適切に組み合わせ るなどして知的機能を明らかにすることが大切である。 さらに、低年齢の時は、自閉症としての言葉の理解力の問題が顕著で、発達検査等の課題の 教示自体が理解できていない場合でも、発達に伴い言葉の理解力が向上し、教示を理解できる ようになると課題ができるようになることがあるため、継時的に何回か検査を行っていくこと が大切である。 学 力 自閉症等については、特定の事柄への深い興味によって、一部の教科の成績が特に高いこと があるが、通常の学級における授業に参加できる程度の学力を有するかどうか調査することが 必要である。

(2) 自閉症のある児童生徒の障害の状態

医学的には、自閉症は、現在の状態に加えて、乳幼児期からの発達経過の状態を

踏まえて診断されます。自閉症に類似するアスペルガー症候群は、乳幼児期の状態

を把握しただけでは判断つかない場合もあります。乳幼児期の言語遅滞がみられず、

友だちとも遊ぶ様子がみられますが、小学校3、4年生以降になってから周囲とか

み合わないマイペースさが目立つようになります。その時点で乳幼児期を振り返る

と言語発達に遅れがなかったということから、総合的に判断されることが多くあり

ます。

(18)

原 因 自閉症の原因はまだ明らかではないが、これまでの研究からは、何らかの因子が胎児期から 生後の早い時期までに、脳の機能の一部に影響を及ぼすと考えられている。それは、自閉症の 一部に知的発達の遅れ、てんかんや脳波異常を認めることがあることからも推測される。しか し、自閉性障害の多く、特に知的障害を伴わず日常生活にも大きな支障を来していない場合に は、特定の脳機能障害というよりは、素因に基づく一つの個性という見方をする考え方もある。 なお、男子に多い傾向があり、以前は、原因として親子関係の不全を重視する考えがあった が、現在は否定されている。

自閉症の教育的対応

自閉症のある子どもの教育の目的

自閉症やそれに類するものによる適応不全の改善です。

(1) 特別支援学級(自閉症・情緒障害)での教育

特別支援学級(自閉症・情緒障害)では、人とのかかわりを円滑にし、生活する

力を育てることを目標に指導を進めています。

特別支援学級(自閉症・情緒障害)は、小学校及び中学校に設置されていること

から、教育課程は、小学校又は中学校の学習指導要領によります。しかし、対象と

する児童生徒の実態から、通常の学級における学習だけでは、十分に学習の成果を

上げることが困難であることから、児童生徒に応じて学校教育法施行規則第138条に

基づき特別の教育課程を編成することができます。この場合、特別支援学校の学習

指導要領を参考とし、その内容を取り入れて教育課程を編成することができます。

なお、自閉症等のある児童生徒は、生活技能が十分に身に付いていないことが多

く見られることから、特別支援学校(知的障害)の各教科等を参考にするなどして、

適切な教育課程を編成したり、下学年の内容に替えたり、基礎的・基本的な内容を

重視したりするなどしています。

日常生活の技能を身に付けるための指導 日常生活の技能を身に付けることは社会生活の基本であり、特別支援学級(自閉症・情緒障 害)では、食事、排泄、衣服の着脱などの指導を学校生活の中で適切に行っている。特に、一 日の学校生活の流れが理解できるようにしたり、日課等を分かりやすくしたりするなどして、 子

ども

の心理的な安定を促し、固執性が目立たないように配慮しながら、生活に必要な諸技能 自閉という文字が呼称に使われていることから、人を避けて自分 の殻に閉じこもるというイメージをもたれやすく、極端な引っ込み 思案や人間嫌いなどと混同されがちです。しかし、引っ込み思案な どは、他人の存在や思いを強く意識しており、対人関係の不適切な 状態であり、自閉症ではないことに留意する必要があります。

(19)

言葉の内容を理解するための指導 人の言葉に注意を向ける、人の話を聞く、返事や挨拶をするなどの必要な態度を形成し、人 とのかかわりを深めるための基礎づくりをねらいとして指導を進めている。 また、注意力や集中力を身に付け、言葉を理解するとともに、実際の生活に必要な言葉を適 切に使用できるように指導している。例えば、模型の電話やマイクを使って話すことなどの場 面の設定、創意工夫された絵カードや文字カード等の教材・教具等を活用している。 人とのかかわりを深めるための指導 一日の生活リズムを体得することにより、情緒の安定を図り、友だちや教師と一緒に活動す る喜びや楽しさを味わい、集団の雰囲気に慣れることをねらいとした指導を行っている。例え ば、動作の模倣、遊び、劇、係活動などいろいろな活動を通じて、集団での役割を理解し、相 手の立場が理解できるようにすることなどである。 また、一人一人の子どもの学習の状況等に応じて、交流及び共同学習として、通常の学級で の授業(国語、音楽、図画工作、体育など)や特別活動に参加して、人との触れ合いを深め、 集団参加が円滑にできるようきめ細かく配慮している。

(2) 通級指導教室(自閉症者)での教育

基本的には、特別支援学校等における自立活動を参考とした指導を中心としなが

ら、社会的適応性の向上を目的とし、限られた授業時数の中で、自閉症・情緒障害

特別支援学級と類似した同様のねらいで取り組みがなされています。なお、通級に

よる指導では、児童生徒の障害の状態等に即して、必要に応じて各教科等の補充的

な指導を行っています。

(3) 通常の学級での教育

通常の学級においては、個別に指導内容を設定することはできないことから、例

えば、ある学級における単元等の指導計画による指導内容を焦点化したり重点化し

たりして、基礎的・基本的な事項の定着に留意することが大切です。

また、書くことや読むことになどに時間を要したり、指示や説明を聞くことに関

しても一部のみの理解になってしまったりすることに注意が必要です。

通常の学級においては、合理的配慮の観点(通常の学級だけでなくいかなる場で

も必要なもの)に基づいて、配慮がなされることが重要です。

自閉症のある児童生徒の教育における合理的配慮の観点

自閉症のある児童生徒の指導に当たっては、どのような場で教育をするにしても次

のような観点で配慮を検討する必要があります。

なお、ここに示した合理的配慮はあくまで一例であり、これを合理的配慮として提

供しなければならないとするものではありません。同様に、これ以外は合理的配慮と

して提供する必要がないということでもありません。合理的配慮は、一人一人の障害

の状態や教育的ニーズに応じて決定されるものです。

(20)

教育内容・方法

【教育内容】

学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮

動作等を利用して意味を理解できる、繰り返し練習をして道具の使い方を正確に覚

えられるようにする等、自閉症の特性である「適切な対人関係形成の困難さ」「言語発

達の遅れや異なった意味理解」「手順や方法に独特のこだわり」等に伴う、学習内容の

習得の困難さを補完する指導を行う。

学習内容の変更・調整

理解の程度を考慮した基礎的・基本的な内容を確実に習得できる、社会適応に必要

な技術や態度を身に付けられるようにする等、自閉症の特性により、数量や言葉等の

理解が部分的であったり、偏っていたりする場合の学習内容の変更・調整を行う。

教育方法

【情報・コミュニケーション及び教材の配慮】

写真や図面、模型、実物等を活用したり、自閉症の特性を考慮し、視覚を活用した

情報を提供する。また、細かな製作等に苦手さが目立つ場合が多いことから、扱いや

すい道具を用意したり、補助具を効果的に利用したりする。

【学習機会や体験の確保】

自閉症の特性により、実際に体験しなければ行動等の意味を理解することが困難で

あることから、実際的な体験の機会を多くするとともに、言葉による指示だけでは行

動できないことが多いことから、学習活動の順序を分かりやすくなるよう活動予定表

等を活用する。

【心理面・健康面の配慮】

カウンセリング的対応や医師の診断を踏まえた対応を行う等、情緒不安や不登校、

ひきこもり、自尊感情や自己肯定感の低下等の児童生徒の状態に応じた指導を行う。

また、自閉症の特性により、二次的な障害として、情緒障害と同様の状態が起きやす

いことからそれらの予防に努める。

支援体制

【専門性のある指導体制の整備】

自閉症を十分に理解した専門家からの支援や特別支援学校のセンター的

機能及び

(21)

【災害時等の支援体制の整備】

自閉症のある児童生徒は、災害時の環境の変化に適応することが難しく、極度に混

乱した心理状態やパニックに陥ることを想定した支援体制を整備する。

施設・設備

【校内環境のバリアフリー化】

自閉症の特性を考慮し、備品等を分かりやすく配置したり、導線や目的の場所が

視覚的に理解できるようにしたりする。

【発達、障害の状態及び特性等に応じた指導ができる施設・設備の配慮】

衝動的な行動によるけが等が見られることから、安全性を確保した校内環境を整備

する。また、興奮が収まらない場合を想定し、クールダウン等のための場所を確保す

るとともに、必要に応じて自閉症特有の感覚(明るさやちらつきへの過敏性等)を踏

まえた校内環境を整備する。

【災害時等への対応に必要な施設・設備の配慮】

災害等発生後における環境の変化に適応できないことによる心理状態(パニック等)

を想定し、外部からの刺激を制限できるような避難場所及び施設・設備を整備する。

(22)

Q34

学習障害の特性と教育的対応

学習障害とは

学習障害のある児童生徒の特性

①聞 く 能 力:他人の話を正しく聞き取って、理解すること。 ②話 す 能 力:伝えたいことを相手に伝わるように的確に話すこと。 ③読 む 能 力:文章を正確に読み、理解すること。 ④書 く 能 力:文字を正確に書くこと。筋道立てて文章を作成すること。 ⑤計算する能力:暗算や筆算をすること。数の概念を理解すること。 ⑥推論する能力:事実を基に結果を予測したり、 結果から原因を推し量っ たりすること。

学習障害(LD:Learning Disabilities)とは、基本的には、

全般的な知的発達に遅れはないが、

聞く、

話す、

読む

計算する又は

推論する能力のうち、特定のものの習得と

使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。

学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの要因に

よる機能不全があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知

的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接的な原因

となるものではない。

障 害 に よ る 困 難 を示す領域 ア 見逃されやすい障害であること 学習障害は、障害そのものの社会的な認知が十分でなく、また、 一部の能力の習得と使用のみに困難を示すものであるため、「単に 学習が遅れている」あるいは「本人の努力不足によるもの」とみ なされてしまい、障害の存在が見逃されやすい。まずは、障害の 特性に応じた指導や支援が必要であることを保護者や学校教育関 係者が認識する必要がある。特に、早期からの適切な対応が効果 的である場合が多いことから、低学年の段階で学級担任がその特 性を十分に理解し、適切な指導や必要な支援の意義を認識するこ とが重要である。 イ 他の障害との重複がある場合が多いこと 学習障害は、中枢神経系に何らかの機能不全があると推定され ており、注意欠陥多動性障害や自閉症を併せ有する場合がある。 その程度や重複の状態は様々であるので、個々の子どもに応じた

学 習 障 害 の あ る

児童生徒の特性

(23)

学習障害のある児童生徒の教育の場

(1) 通級による指導(学習障害)の対象となる児童生徒の障害の程度

学習障害のある児童生徒は、通常の学級における学習に参加できるものの、 個々の児童生徒の障害の状態に応じた配慮が必要な場合や、いわゆる通級指 導教室などの特別の場において個々の障害の状態に応じた特別な指導が必要 になる場合がある。 学習障害のある児童生徒のうち、通常の学級における適切な配慮や指導方 法の工夫のみでは、その障害の状態の改善・克服が困難であり、その障害の 状態に応じて一部特別な指導が必要であると判断される場合に、通級による 指導の対象となる。

障害の状態の把握

学習障害の状態の把握に当たっては、以下の点に留意しつつ、保健、福祉などの関

係諸機関、専門家チーム、巡回相談等の各地域における支援体制や、校内委員会や特

別支援教育コーディネーター等の各学校における支援体制に蓄積されている知見を活

用することが重要です。

学習困難の評価 ア 国語、算数(数学)等の基礎的能力に著しいアンバランスがあること 校内委員会等で収集した資料、標準的な学力検査等から、国語、算数(数学)の基礎的能 力(聞く、話す、読む、書くことや計算、図形の理解など)における著しいアンバランスの 有無やその特徴を把握する。 必要に応じて、複数の心理検査等を実施したり、授業態度などの観察や保護者との面談等 を実施したりして、対象となる児童生徒の認知能力にアンバランスがあることを確認すると ともに、その特徴を把握する。 イ 全般的な知的発達の遅れがないこと 標準化された個別式知能検査の結果等から、全般的な知的発達の遅れがないことを確認す る。ただし、小学校高学年以降にあっては、学習障害が原因となって、国語、算数(数学) の基礎的能力の遅れが全般的な遅れにつながっていることがあることに留意する必要がある。 医学的な評価 学習障害かどうかの判断に当たっては、必要に応じて、専門の医師又は医療機関による評価 を受けることを検討すべきである。 学習障害の原因となり得る中枢神経系の機能不全が、主治医の診断書や意見書などに記述さ れている場合には、特別に配慮すべきことがあるかどうか確認しておく。

全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、

計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著し

い困難を示すもので、一部特別な指導を必要とする程度のもの

(平成25年10月4日付け25文科初第756号初等中等教育局長通知)

状態像

(24)

他の障害や環境的要因が直接的原因ではないこと ア 他の障害や環境的要因が学習困難の直接的原因ではないこと 児童生徒の日常生活における行動の記録や校内委員会等で収集した資料等に基づいて、他 の障害や環境的要因が学習困難の直接的原因ではないことを確認する。 その際、必要に応じて、対象となる児童生徒が在籍する通常の学級における授業態度の観 察や保護者との面談等を実施する。 イ 他の障害の判断をする場合の留意事項 注意欠陥多動性障害や高機能自閉症等が学習困難の直接的原因であれば、学習障害と判断 することには慎重でなければならない。しかし、その場合であっても学習障害が併存するこ とも多いこと、その併存は判断が難しいことなどから、学習障害の可能性を即座に否定する ことなく、慎重に判断する必要がある。また、知的障害と学習障害は基本的には重複しない が、過去に知的障害の疑いがあると判断された場合においても、学習障害の可能性を即座に 否定することなく、慎重に判断する必要がある。

学習障害の教育的対応

(1) 通級指導教室(学習障害)での教育

通級による指導を行うに当たっては、特別支援学校の学習指導要領における自立

活動を参考にした指導を中心としながら、学習障害の特性や、児童生徒一人一人の

個別の教育的ニーズに十分配慮することが大切です。

個別の指導計画の作成

学習障害のある児童生徒に対しては、個別の指導計画を作成することが望ましく、

特に、通級による指導を受ける児童生徒については、個別の指導計画作成の際に、

通常の学級における配慮事項も記述しておく必要があります。

また、対象となる児童生徒に対して、個別の教育支援計画が作成されている場合

には、そこに記されている内容にも十分配慮して、個別の指導計画を作成すること

が大切です。

実際の指導では、指導の目標や内容・方法等を踏まえ、 必要に応じて、個別指導やグループ別指導を適切に組み合 わせて行うことが求められます。加えて、障害の状態の改 善又は克服を目的とした指導と、各教科の補充指導につい て、それらを適切に組み合わせて行うことが効果的である 場合には、適切な配慮の下に実施することが大切です。 指導時数は、自立活動の時間と 各教科の補充指導を併せて、年間 10単位時間から280単位時間まで を標準としています。一人一人の 状態に応じて、適切な指導時間を 設定することが重要です。

(25)

学習障害のある児童生徒に必要な指導内容(例) 【指示を理解するための指導】 指示が理解できない場合には、注意が集中できないのか、聞いただけでは理解できないのか など、その要因を明らかにした上で、視覚的な補助、復唱、聴写等をするなどの指導方法を組 み合わせ、指示を理解する能力の改善を図る。 【筋道立てて話すための指導】 伝えたいことを相手にうまく伝えられない場合には、その要因を明らかにした上で、絵を見 て話したり、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どうする」等の項目に沿って話したりするなど の指導を行う。 【文字や文章を音読する能力を高めるための指導】 音読が苦手な場合には、聴覚的処理(文字を音声等に変換すること)に困難がある場合と、 視覚的処理(視覚的な情報をとらえること)に困難がある場合がある。聴覚的処理に困難があ る場合には、音を視覚的にとらえる指導や、支援機器を使って音声教材を繰り返し聞くなどの 指導を行う。また、視覚的処理に困難がある場合には、文字単位ではなく、そのまとまりであ る単語全体としてとらえられるようにする指導や、文字を拡大したり、行間を広げたりするこ とができるような教材を使っての指導を行う。 【文字や文章を読み理解する能力を高めるための指導】 読解が苦手な場合には、文章の内容の把握ができているか、文章中の指示語の理解ができて いるか、説明文と物語文のどちらの読解が苦手かなど、そのつまずきのレベルや要因を明らか にした上で、文章や段落ごとの関係を図示したり、重要な箇所に印を付けたりするなどの指導 を行う。 【文字を正確に書く能力を高めるための指導】 文字を正確に書くことが苦手な場合には、適切な文字を思い出すことができないのか、細か い部分を書き間違えるのか、同じ音の漢字や形が似ているアルファベットと間違えるのかなど、 そのつまずきのパターンを把握した上で、漢字の成り立ち等の付加的な情報を指導し、意味付 けを行うことや文章や文字をなぞって書くことなどの指導方法を組み合わせる。 【作文を書く能力を高めるための指導】 作文を書く際の視点を養うための推敲課題に取り組んだり、「いつ」「どこで」「誰が」「何を して」「どう思ったか」などの質問形式から取り組み始めたりするなどの工夫をする。 【計算する能力を高めるための指導】 計算に困難さがある場合には、数の概念の未熟さ、記憶力の弱さ、視覚認知面の課題、思考 力の弱さなどの要因が考えられる。つまずきの要因を明らかにした上で、数概念の拡大や計算 の手順の獲得をねらいとして、絵カード等を活用して理解を図る。また、繰り上がり等の考え 方について具体物を活用したり、筆算の際にマス目のあるノートを使ったり、記号を用いて手 順を示したりするなどの指導を行う。 【算数(数学)の文章を含む課題に取り組む能力を高めるための指導】 算数(数学)の文章題が苦手な場合には、文章中にある条件を記憶する力や、示されている 条件をもとに立式する思考力に弱さがあるのかなど、要因を明らかにした上で、その問題が何 を問うているのか、ヒントは何なのか、どのような概念や公式が必要かなどに着目させる。ま た、自分で文章題を作成したり、あるいは文章題を図に示したりするなどの指導を行う。 【図形を含む課題に取り組む能力を高めるための指導】 図形を含む課題が苦手な場合には、視覚認知能力や空間操作能力、器具の扱いに困難がある のかなど、その要因を明らかにした上で、間違い探しや回転課題など、観点を絞った基本的な 図形の学習や、図形の特徴や操作を言葉に直すなどの指導を行う。 【位置や空間を把握する能力を高めるための指導】 位置や空間を把握することが苦手な場合には、自分を取り巻く空間で身近な物の位置関係を どの程度把握しているかを明らかにする。ボディーイメージの形成や空間での位置関係の把握 のため、学校周辺の地図の作成など実際に体験できる活動を取り入れるとともに、パズルや積 み木模様の構成などを行う。 【各教科の補充指導】 児童生徒の状態等に応じ、学習障害の状態の改善・克服を図る特別の指導のほか、学習障害 が原因となって各教科の学習につまずきがみられる場合には、各教科の補充的な学習をするこ とが効果的である場合もある。 【その他の指導】 学習障害に起因する上記の困難は、それ自体に留まらず、場合によっては、それらが複合化 されて他の様々な困難に結び付くことがある。例えば、位置や形を捉えることの困難により表 情の変化が読み取れなかったり、読み書きの困難により語彙が少なかったりすることによって、 ソーシャルスキルの習得、コミュニケーション能力の発揮や対人関係の形成等における困難と なって現れる場合があり、これらに対応することも重要である。 また、学習障害により、自己評価の低下がみられる場合等においては、学習障害の理解や、 それに伴う自己認知や自己有能感の向上という視点も大切である。

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