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2 租税条約があるか 租税条約が締結されている国の外国法人に対しては 租税条約で国内税法と異なっ て規定されている場合は 租税条約の規定が優先して適用される ( 国租法第 28 条 ) 3 免税所得に該当するか 国内源泉所得に該当しても 国内税法上または租税条約上 課税されるかあるいは 免税されるか

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支店に対する税務

恒久的施設を含む外国法人の国内支店の場合、国内源泉所得について課税され、 国内源泉所得については内国法人と同様に法人税法上の納付義務がある。

1) 外国法人に対する法人税の概要

外国法人に対する法人税課税の主要根拠法として、いくつかの法令が定められて いる。 外国法人の法人税については、法人税法第 4 章(外国法人の各事業年度の所得に 対する法人税:第 91 条~第 99 条)にて規定されており、法人税法上の内国法人に対 する規定の多くが外国法人にもそのまま適用される(法人税法第 91 条第 1 項、第 97 条第 1 項)。また、国際租税調整に関する法律として、国際取引と関連する移転価格 課税制度、過少資本税制、タックスへイブン税制など、租税回避を防止するための内 容および租税協力などが規定されている。 さらに、租税条約が締結された国家の外国法人に対しては、租税条約は国内税法 に優先して適用されるため、租税条約で具体的に規定されていない事項に対しての み国内税法が適用される。 また、外国法人の法人税課税上、国内源泉所得に該当するか、租税条約があるか、 免税所得に該当するか、恒久的施設に帰属するかの 4 つの論点がある。 ① 国内源泉所得に該当するか 外国法人は、法人税法第 93 条に規定されている「国内源泉所得」に対してのみ韓 国で法人税納税義務を負う。すなわち、国内税法と租税条約上の国内源泉所得の範 囲が異なる場合には、韓国で課税される可能性のある国内源泉所得は両者が重複さ れる部分に限られる。

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② 租税条約があるか 租税条約が締結されている国の外国法人に対しては、租税条約で国内税法と異なっ て規定されている場合は、租税条約の規定が優先して適用される(国租法第 28 条)。 ③ 免税所得に該当するか 国内源泉所得に該当しても、国内税法上または租税条約上、課税されるかあるいは 免税されるかによって、課税または免税されることになる。 ④ 恒久的施設に帰属するか 国内源泉所得が恒久的施設に帰属するか否かによって、当該外国法人の法人税 課税方法は大きく異なる。 法人税法第 94 条または租税条約で規定している国内事業場を有する外国法人は、 当該事業場に帰属する国内源泉所得を各事業年度単位で総合して申告・納付しなけ ればならない。しかし、国内事業場を有していない外国法人は分離課税・源泉徴収方 法で納税義務を全うする。また、外国法人が国内に事業場を有している場合にも、当 該する国内の事業場に帰属せず外国にある本店などに帰属する所得に対しては源泉 徴収・分離課税される。ただし、不動産所得は、国内事業場の有無または国内事業場 への帰属のいかんに関係なく常に申告納付(総合課税)しなければならない。すなわ ち、外国法人の「恒久的施設」(「国内事業場」、「固定事業場」ともいう)があり、その恒 久的施設に「帰属」するかどうかによって「申告納付・総合課税」されるか、「源泉徴収・ 分離課税」されるかが決定される。 外国法人の法人税課税所得の範囲は、図表 3-18 のように営利外国法人か非営利 外国法人かによって異なり、国内源泉所得の種類については第 1 号所得から第 10 号 所得に区分される。

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課税所得別 区分 各事業年度所得 清算所得 営利外国法人 国内源泉所得 納税義務なし 非営利外国法人 国内源泉所得のうち収益事業によって生じた所得 納税義務なし 号別 所得の種類 第1号所得 利子所得 第2号所得 配当所得 第3号所得 不動産および不動産上権利の運用所得 第4号所得 船舶・航空機・登録した自動車・建設機械または産業上・商業上・科学上の機 械・設備・装置などの賃貸所得 第5号所得 事業所得 第6号所得 人的役務所得(国外で提供する人的役務のうち、専門的な知識などを活用して 提供する役務の提供により発生する所得が、租税条約により国内で発生するも のとみなされる所得を含む) 第7号所得 土地・建物などの譲渡所得。ただし、その資産が国内にある場合に限る。 第8号所得 使用料所得 第9号所得 有価証券譲渡所得 第10号所得 その他所得 ① 租税条約がない場合の課税方法 租税条約がない国家の外国法人については、韓国の法人税法によって課税される。 なお、台湾などの国とは租税協約が締結されていない。一方、香港とは 2013 年 9 月に 制定のための仮署名を行った状態で、現在のところ契約締結進行中にある。

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国内源泉所得の種類 (法人税法第93条) 恒久的施設などがある外国法人 恒久的施設などがない外国法人 1号 利子所得 -恒久的施設に帰属する所 得・不動産所得:総合して申 告納付 -国内事業場に帰属しない所 得(不動産所得は除く):国 内事業場などがない外国法 人と同様に課税 分離課税・源泉徴収(20%、債券14%) 2号 配当所得 同上(20%) 3号 不動産などの賃貸所得 -(総合課税) 4号 船舶などの賃貸所得 分離課税・源泉徴収(2%) 5号 事業所得 同上(2%) 6号 人的役務所得 同上(20%、3%) 7号 譲渡所得 分離課税:源泉徴収(10%、20%) 8号 使用料所得 分離課税・源泉徴収(20%) 9号 有価証券譲渡所得 同上(10%、20%) 10号 その他所得 同上(20%) ※ 「恒久的施設などがある外国法人」とは、恒久的施設があるか、不動産賃貸所得がある外国法人 をいう。 ※ 譲渡所得および有価証券の譲渡所得については、取得価額が確認される場合には支払額の 10%または譲渡差額の20%のうち小さい金額で、取得価額が確認されない場合には支払額の10% で課税する。 ② 租税条約がある場合の課税方法 韓国と租税条約が締結されている国の外国法人に対する課税方法も、租税条約上、 特別な規定がない限り、一般的に法人税法上の課税手続きおよび方法による。ただし、 a.「恒久的施設がない場合は事業所得非課税」とすることや、b.事業所得について、 恒久的施設に帰属する分に対してのみ課税する「帰属主義」、c.租税条約上の一般 的な課税原則および「利子・配当・使用料所得に対する制限税率の適用」などの規定 などが租税条約によって適用される。 国内源泉所得の種類 恒久的施設などがある 外国法人 恒久的施設などがない 外国法人 法人税法 第93条 (5号) 事業所得 帰属主義 -恒久的施設に帰属する所 得のみ申告・納付総合課税 -帰属しない分:非課税 非課税 法人税法 利子所得 -恒久的施設帰属分:事業所 租税条約で定めた制限税率

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国内源泉所得の種類 恒久的施設などがある 外国法人 恒久的施設などがない 外国法人 第93条 〃(1号) 〃(2号) 〃(8号) 配当所得 使用料所得 得として取り扱われ、租税 条約上の制限税率が適用 されず申告納付・総合課税 -恒久的施設に帰属しない 分:租税条約上の制限税 率を限度として源泉徴収・ 分離課税 を適用して源泉徴収・分離課 税(日韓租税条約上の制限 税率– 利息所得:10% 配当所得:5%、15%、 使用料所得:10%) 〃(3号) 不動産などの賃貸所得 申告納付・総合課税 - 〃(7号) 譲渡所得 -国内事業場に帰属する所 得:申告納付 -国内事業場に帰属しない 所得:源泉徴収・分離課税 源泉徴収・分離課税 〃(4号) 〃(6号) 〃(9号) 〃(10号) 船舶などの賃貸所得 人的役務所得 有価証券譲渡所得 その他所得 -恒久的施設帰属分:申告 納付・総合課税 -恒久的施設に帰属しない 分:源泉徴収・分離課税 源泉徴収・分離課税 外国法人に対する法人税の課税体系は、次の通りである。

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*1) 国内税法上の課税可能所得:国内源泉所得に該当し、非課税・免税されない所得 *2) 租税条約上の課税可能所得:国内源泉所得に該当し、源泉地国(韓国)に課税権がある 所得 いいえ はい いいえ *1) *2) はい はい はい いいえ いいえ はい いいえ ただし、不動産所得は総合課税・申告納付 外国法人の所得発生 国内税法上課税 可能所得であるか。 租税条約上課税 可能所得であるか。 課税可能所得 課税不可 国内事業場 があるか。 国内事業場に帰属 する所得であるか。 総合課税・ 申告納付 国内税法上の税率が 制限税率より高いか。 国内税法上 の税率適用 制限税率適用 分離課税、源泉徴収 課税対象所得可否の 決定 課税方法の決定 分離課税・源泉徴収の際の 適用税率の決定

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2) 恒久的施設

法人税法上の「国内事業場」は、 租税条約上の「恒久的施設」(P.E:Permanent Establishment)の概念と基本的に同一なので、以下では同じ意味で用いる(韓国でい う「固定事業場」が該当する)。 ① 事業所得に対して課税するか否かの決定 租税条約上の恒久的施設がない外国法人の場合には、事業所得に対しては課税 されない。しかし、租税条約が締結されていない場合、恒久的施設がない外国法人の 事業所得に対しては 2.2%の税率で源泉徴収する。 ② 課税方法の決定 恒久的施設がある場合、当該法人の事業所得はもちろんのこと、当該恒久的施設と 関連した国内源泉所得まで申告・納付しなければならない。また、恒久的施設がない 場合、原則的に当該法人の国内源泉所得は源泉徴収だけで納税義務が終結する。 ③ 利子・配当・使用料に対する制限税率適用の可否に対する決定 日韓租税条約上、日本法人の利子、配当、使用料に対しては、制限税率(5%, 10%, 15%)が適用されるが、恒久的施設がこのような投資所得の発生に関与した場合には制 限税率が適用されず、当該恒久的施設で合算して申告・納付しなければならない。 外国法人が次の要件をすべて充足する場合には、恒久的施設を持っているものと みなされる。  事業場所の存在  固定性:事業場所が特定位置と密接な関連性を持たなければならず、一定程度 の期間的継続性を持たなければならない  事業活動の実質的遂行:固定した事業場所を通して、その企業の主な事業が遂 行されていること

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恒久的施設に該当する場合として、次のようなものがあげられる。  支店・事務所または営業所  商店・その他の固定された販売場所  作業場・工場または倉庫  6ヶ月を超過して存続する建築場所、建設・組立・設置場所の現場またはこれに 関連する監督活動を遂行する場所  雇用人を通じて役務を提供する場合で、次に該当する場所 - 役務の提供が継続される12ヶ月の期間中、合計6ヶ月を超過する期間におい て役務が遂行される場所 - 役務の提供が継続される12ヶ月の期間中、合計6ヶ月を超過しない場合で、類 似する種類の役務が2年以上継続的・反復的に遂行される場所  鉱山・採石場または海底天然資源、その他天然資源の探査および採取場所 恒久的施設に該当しない場合として、次のようなものがあげられる。  外国法人が資産の単純な購入だけのために使用する一定場所  外国法人が販売を目的としない資産の貯蔵または保管だけのために使用する一 定場所  外国法人が広告・宣伝・情報の収集および提供・市場調査、その他その事業の遂 行上、予備的かつ補助的な性格を持つ事業活動を行うために使用される場所  外国法人が自分の資産を他人に加工するためにだけに使用する一定場所 外国法人が国内に事業場となる固定された場所を有していなくても、自らのために 契約を締結する権限を持ち、その権限を繰り返して行使する者またはこれに準じる者と して、次に列挙する内容に該当する者を雇用して事業を営む場合は、恒久的施設を 有しているとみなす。  外国法人の資産を常時保管し、慣例的にこれを配達または引き渡す者

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 仲介人、一般委託売買人、その他の独立的な地位を占めている代理人として、 主に特定外国法人のためだけの契約締結を行うなど、事業に関する重要な部分 の行為を示す者  保険事業を営んでいる外国法人のために保険料を徴収するか、あるいは国内所 在の被保険物に対する保険を引受ける者 非居住者が恒久的施設を通して事業を遂行する場合には、当該非居住者の事業 所得に対して課税権を行使することができる。この場合、非居住者の課税所得の計算 基準は、「恒久的施設」に実質的に帰属する所得に限るべきであるとの「帰属主義」と、 帰属するか否かを問わず当該国家(恒久的施設がある国家)で発生した非居住者の すべての所得を総合して課税する「総括主義」に分けられる。 「帰属主義」(Attribution Principle)とは、一方の締約国の企業が、他方の締約国に 有する恒久的施設に実質的に関連がある所得に限り恒久的施設の所在地国で課税し、 恒久的施設と関連がない所得は当該企業の居住地国でのみ課税するという原則をい う。したがって、国内支店と実質的に関係なく、外国にある本店が直接内国法人に商 品などを販売することにより発生した所得は、韓国での課税対象となる国内源泉所得 に含まれない。 また、「総括主義」(Entire Principle)とは、一方の締約国の企業が、他方の締約国内 に恒久的施設を有する場合には当該恒久的施設に帰属するか否かを問わず、他国で 発生した当該企業のすべての事業所得に対して他国が課税する方法を意味する。要 するに、外国企業が相手国にある恒久的施設を通して販売した取引だけでなく、外国 企業の本社が相手国の顧客に直接販売する取引から発生する所得まで総括して課税 することができる。

3) 国内源泉所得金額の計算

恒久的施設などがある外国法人の各事業年度所得金額である国内源泉所得金額 の計算は、法人税法施行令第 129 条の特例規定など、外国法人に対する特別な規定 を除き、内国法人の所得金額計算に関する規定である第 14 条ないし第 54 条と租税特

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例制限法第 138 条の規定を準用して計算する(法人税法第 92 条第 1 項)。 各事業年度の国内源泉所得金額とは、各事業年度中に生じた国内源泉所得の益 金総額から、その益金に対応する損金総額を控除した金額をいい、各事業年度の損 金総額が益金総額より多い場合、その差額は欠損金になる。恒久的施設に帰属しな いため法人税法第 98 条第 1 項の規定により源泉徴収される金額はここに含まれず、 「恒久的施設などがない外国法人」の国内源泉所得金額の計算例による。 国内源泉所得金額 = 国内源泉所得別 益金の合計額 - 国内源泉所得に合理 的に配分される損金 また、益金の範囲は、内国法人の場合、益金とは資本または出資の払込および法 人税法で規定しているものを除き、その法人の純資産を増加させる取引により発生す る収益の金額をいう。ただし、外国法人の場合、益金とは法人税法第 93 条で規定する 国内源泉所得から発生する収益の金額(列挙主義)をいう。したがって、外国法人の場 合には国内で発生した収益であっても、法で規定する国内源泉所得に該当しない場 合には益金から除かれる。 さらに、損金容認の特例として、外国法人の国内源泉所得金額の計算のために各 事業年度の益金総額から控除する損金は、国内源泉所得に関連する益金に合理的 に配分されるものに限られる。すなわち、外国法人の場合、法人税法第 19 条で規定さ れる損金は、国内源泉所得に関連する収入金額・資産価額、国内源泉所得に合理的 に配分されるものに限り、課税標準計算の際に損金として認められる(法人税法施行 令第 129 条第 2 項)。したがって、外国法人が国内で支出した費用であっても、国内源 泉所得と合理的な関連性のないものは所得金額計算上、損金として認められず、外国 法人の本店経費や他支店経費であっても、当該外国法人の国内源泉所得の発生と合 理的に関連するものは、損金として認められる(法人税法施行令第 130 条第 1 項)。

4) 課税標準の計算

恒久的施設を有する外国法人および国内源泉所得のうち不動産所得がある外国法 人の課税標準は国内源泉所得を総合して計算する。恒久的施設がない外国法人で、

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不動産所得がない外国法人の課税標準は国内源泉所得の種類別に計算する。すな わち、所得種類別収入金額が課税標準になる。ただし、土地などの譲渡所得の課税 標準は、資産の譲渡価額から取得価額および譲渡時に支出した直接費用を控除して 計算する。 また、課税標準の計算構造は、次の通りである。 a. 国内源泉所得金額 = 国内源泉所得別益金の合計 - 関連損金 ※すべての国内源泉所得を総合して申告・納付 b. 恒久的施設などがある 外国法人(申告・納付) = 各事業年度の国内源 泉所得金額の総合計 - 繰越欠損金 非課税所得 相互免税される国際運輸 所得(外国航行所得) c. 恒久的施設などがない 外国法人(源泉徴収) 利子所得 配当所得 船舶などの賃貸所得 所得別 収入金額 事業所得 人的役務所得 その他所得 譲渡価額 い ず れ か 少 な い 金 額 有価証券譲渡所得 譲渡所得 譲渡価額- (取得価額+ 譲渡費用)

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5) 源泉徴収と源泉徴収税額の納付

国内源泉所得を支払う者が、図表 3-23 の所得に該当する①外国法人の恒久的施 設に帰属する所得を支払う場合、②外国法人の恒久的施設に帰属しない「国内源泉 所得」を支払う場合、③事業者登録をしていない外国法人の恒久的施設に帰属する 「列挙された所得」を支払う場合は源泉徴収する必要がある。 源泉徴収対象外国法人の種類 適用所得 イ. 外国法人の恒久的施設に帰属する所得を 支払う場合(法人税法第73条) 利子所得 証券投資信託収益の分配金 ロ. 外国法人の恒久的施設に帰属しない「国 内源泉所得」を支払う場合(法人税法第98 条第1項) 利子所得 配当所得 船舶など賃貸所得 事業所得 人的役務所得 使用料所得 有価証券譲渡所得 その他所得 ハ. 事業者登録をしていない外国法人の恒久 的施設に帰属する「列挙された所得」を支 払う場合(法人税法第98条第8項)) 建設工事などの事業所得 法人税法第93条第6号の人的役務所得 源泉徴収対象外国法人の種類別に源泉徴収義務者、源泉徴収税率をまとめると、外 国法人の恒久的施設に帰属する国内源泉所得に対する源泉徴収は、次の通りとなる。 源泉徴収対象 外国法人 源泉徴収義務者 源泉徴収対象所得 源泉徴収税率 恒久的施設に帰属する 所 得 の 支 払 を 受 け る 外国法人 国内源泉所得を 支払う者 利子所得 (非営業代金) 14% (25%) 証券投資信託収益の分配金 14%

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また、外国法人の恒久的施設に帰属しない国内源泉所得に対する源泉徴収につい ては、次の通りにまとめられる。 源泉徴収対象 外国法人 源泉徴収 義務者 源泉徴収対象所得 源泉徴収 税率 関連規定 (法人税法第93条) 恒久的施設に帰属しな い所得の支払を受ける 外国法人(恒久的施設 がない外国法人を含む) 国内源泉 所得を 支払う者 利子・配当・使用料・ その他所得 20% 14% 1号、2号、8号、10号 船舶など賃貸所得・事業所得 2% 4号、5号 人的役務所得 20%、3% 6号 譲渡所得・有価証券 譲渡所得 10% 20% 7号、9号 日本と韓国の場合、利子・配当・使用料所得(船舶などの賃貸所得を含む)については、 日韓租税条約における次の制限税率が適用される。なお、譲渡所得・有価証券譲渡所 得の源泉徴収額は支払額の 10%と譲渡差益の 20%のうち、いずれか低い金額である。 対象租税 制限税率(源泉徴収) 韓国 日本 利子所得 配当所得 使用料所得 所得税、法人税、 住民税 所得税、法人税、 地方住民税 10% 5%(25%以上、 6ヶ月以上所有) 15%(その他) 10% さらに、事業者登録をしていない外国法人の恒久的施設に帰属する「列挙された所 得」を支払う場合は、次の通りとなる。 源泉徴収対象 外国法人 源泉徴収義務者 源泉徴収対象所得 源泉徴収税率 恒久的施設に帰属する 所得の 支払を受ける外 国法人(事業者登録をし ていない外国法人) 国内源泉所得を 支払う者 建設工事などの事業所得 2% 法人税法第93条第6号の 人的役務所得 20%

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源泉徴収義務者は、源泉徴収した税額を国税徴収法による納付書に源泉徴収履 行状況申告書を添付して、市中銀行(国庫収納代理店)または郵便局に源泉徴収日 が属する月の翌月 10 日までに納付しなければならない(法人税法第 98 条第 1 項)。

6) 申告および納付

次に該当する外国法人は各事業年度の国内源泉所得に対する法人税の申告、納 付などに対して、法人税法第 57 条第 1 項第 2 項、第 58 条、第 59 条、第 60 条(同条 第 2 項第 1 号規定による利益剰余金処分計算書または欠損金処理計算書は除く)、 第 61 条、第 62 条および第 63 条から第 71 条まで、第 72 条の 2 および第 73 条から 第 76 条までの規定が準用されるため(法人税法第 97 条第 1 項)、内国法人と同じく各 事業年度の所得に対する法人税の課税標準と税額を、法人税法第 60 条などにより申 告・納付しなければならない。  恒久的施設があるか、不動産賃貸所得がある外国法人(「恒久的施設などがある 外国法人」という) → 申告納付総合課税  譲渡所得があるが、上記に該当しない外国法人 → 申告納付分離課税 恒久的施設に帰属する国内源泉所得がなくても、恒久的施設がある外国法人は、 法人税法第 60 条などの規定に基づき申告をしなければならない。 申告納付対象の外国法人は、各事業年度の終了日から 3 ヶ月以内に、当該事業年 度の所得に対する法人税の課税標準と税額を申告しなければならない(法人税法第 60 条)。申告期限が延長された場合、修正申告期限を計算する際の起算日は延長さ れた申告期限とする。

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各事業年度の所得に対する法人税の課税標準を申告しなければならない外国法人で、 本店などの決算が確定されないか、あるいはその他やむを得ない事由により申告書を提出 することができない外国法人は、当該事業年度終了日から 60 日以内に事由書を備えて納 税地管轄税務署長に申告期限の延長承認を得て、その申告期限を延長することができる。 申告期限延長承認を得た外国法人が申告税額を納付する時は、期限延長日数に 1 日 1 万分の 3 の利率を適用して計算した金額を加算して納付しなければならない。 外国法人が各事業年度の所得に対する法人税の課税標準を申告する場合、次の算 式によって納付すべき税額を計算して申告期限内に納付しなければならない(法人税法 第 64 条)。 免除または減免税額 算出税額 (課税標準×税率) 法人税納付する税額 = - 税額控除額 中間予納税額 随時賦課税額 源泉徴収された税額

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国内源泉所得を総合して計算した課税標準と税額を申告納付すべき「恒久的施設 などがある外国法人」の各事業年度の所得に対する算出税額は、課税標準に次の税 率(法人税法第 55 条に規定された税率)を適用して計算する(法人税法第 95 条)。 算出税額 = 課税標準 × 税率

7) 租税条約上の制限税率を適用するための源泉徴収手続きの特例

実質的に国内源泉所得の帰属を受ける外国法人が租税条約による制限税率の適用 を受けようとする場合、制限税率適用申請書を該当国内源泉所得の支払を受ける前ま でに、法人税法第 98 条第 1 項による源泉徴収義務者(国内源泉所得を支払う者)に提 出しなければならない(法人税法第 98 条の 6 第 1 項および同法施行令第 138 条の 7)。 源泉徴収義務者は実質帰属者から制限税率適用申請書の提出を受けることができ ないか、あるいは提出された書類を通じて実質帰属者を把握することができない場合 は、制限税率を適用せず、法人税法第 98 条第 1 項および各号の金額を源泉徴収しな ければならない。 制限税率の適用を受けていない実質帰属者が制限税率の適用を受けるためには、 実質帰属者または源泉徴収義務者が、源泉徴収された日が属する月の末日から 3 年 以内に、制限税率の適用のための更正請求書に国内源泉所得の実質帰属者である ことを立証できる以下の各号の書類を添付して更正を請求しなければならない(法人 税法施行令第 138 条の 8)。  制限税率の適用申請書  該当実質帰属者の居住地国の権限のある当局が発給する居住者証明書

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「Ⅳ.付加価値税」を参照のこと。

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