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第63回の解答・解説

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Academic year: 2021

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1 【解答例】 ソクラテスの良心の呼び声は、守護神であるダ イモニオンの声ともいわれ、心に直接、呼びかけ る声であり、その内容は善悪に基づく声、すなわ ち「~してはいけない」という警告をうながす呼 び声であり、彼は、しばしばこの声に酔いしれて いたといわれている。一方、ハイデッガーのもの は、人生の本目的を見失い、日常に埋没するダス =マンに対し、死への存在へと覚醒をうながす声、 すなわち、本来の生へと呼び覚ます声と定義した。 (199 字) 解説 なかなか重いテーマではありますが、率直に二 人の立場を区別することから考えていきましょ う。 1.ソクラテス:「よく生きる」ことを説いた哲学者 2.ハイデッガー:実存主義(いまを生きる、生きき る、「死」一点を見つめ、本来の生を取り戻すべ く1 分 1 秒を完全燃焼して生きるという考えの) 哲学者 つまりは、ハイデッガーの場合は、問題文の「実 存」という言葉そのものが、ヒントとして与えら れていたものであったわけです。 次に、それぞれの人物を取り巻く倫理用語を、 ここではわかりやすく整理してみましょう 1.ダイモニオン:守護神(自分自身をよき方向へと 導いてくれる存在) 2.①ダス=マン:ひと、ただのひと、世人(現実逃 避に生きるひと、今楽しければそれでよいと考え るひと、「存在」そのものに向き合おうとしない ひと) ②死への存在:「死」が確定した上でこのように 生を受け、「死」に向かう自覚がある者 という意味合いになります(より細やかな説明は、 用語集や教科書、参考書を参照してくださいね)。 つまりは 1.はいわゆる良心の呵責から来るも ので、2.は真剣に生き抜こうとする意志から来る もの、言い換えれば、1. やってはいけないこと、 2.やらねばならないこと、と考えてみて、その時、 自分自身にささやく、もう一人の自分の声を、ソ クラテス、ハイデッガーがそれぞれの「良心(の 呼び声)」と定義したわけです。このことに気づ くことができれば、もう正解したも同然です。 ソクラテスの恍惚(こうこつ)するその姿はよ く目撃されていたようなので、字数に余裕が生ま れれば、これを記すことにすればよいと考えます。 受験生の皆さんにとっては、受験勉強の真っ只中、 その本目的である勉強をさしおいて、ゲームセン ターでゲームをしている時や、カラオケルームで、 熱唱している時などに聞こえてくるであろう、ハ イデッガーの「良心の呼び声」の方が、まさに重 く、響くのではないでしょうか。かくいう、わた くし自身も、後者の方が「ドキッ」とします。 ハイデッガー的に、実存主義チックに、松岡修造 さんのように、「イキテユキタイモノデス」ね。

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