• 検索結果がありません。

米糠タンパク質のコレステロール代謝改善作用に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "米糠タンパク質のコレステロール代謝改善作用に関する研究"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

米糠タンパク質のコレステロール代謝改善作用に関する研

究( 内容と審査の要旨(Summary) )

Author(s)

WANG JI LI TE

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第671号

Issue Date

2017-03-13

Type

博士論文

Version

none

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/56219

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

[17] 氏 名(本(国)籍) WANG JI LI TE

(中華人民共和国)

学 位 の 種 類 博士(農学) 学 位 記 番 号 農博甲第671号 学 位 授 与 年 月 日 平成29年3月13日 研 究 科 及 び 専 攻 連合農学研究科 生物資源科学専攻 研究指導を受けた大学 岐阜大学 学 位 論 文 題 目 米糠タンパク質のコレステロール代謝改善作用に関する 研究 審 査 委 員 会 主査 岐阜大学 教 授 早 川 享 志 副査 岐阜大学 教 授 長 岡 利 副査 静岡大学 教 授 河 合 真 吾 副査 岐阜大学 准教授 島 田 昌 也

論 文 の 内 容 の 要 旨

高コレステロール(CHOL)血症は心臓血管疾患の重要な危険因子の一つであり、食餌調節に

よる予防または改善作用が非常に重要であると考えられている。近年では食餌タンパク質の

CHOL 血症低下作用が盛んに行われ、動物性タンパク質より植物性タンパク質の血清 CHOL 低下

作用が優れることが報告されている。米糠は、玄米から精白米を作る際の副産物で、果皮、種皮、

糊粉層及び胚芽部分及びデンプン性胚乳の外層が含まれており、

10-16%の高い栄養性タンパク質

を含んでいる。米糠タンパク質(RBP)の低アレルギー性および抗癌性が報告された。しかし、

RBP の CHOL 代謝に対する影響についての報告は少ない。Elisa R らは高 CHOL 血症ラットにお

いて、米糠の水溶性酵素抽出物である

RBEE(タンパク質 38.1%)が血清 CHOL レベルを有意に

低下することを報告した。しかし、RBEE にタンパク質以外にも γ-オリザノールなどの成分で含

まれているため、RBP が血清 CHOL を減少させるかどうかについて、明確な証拠はない。Zhang

らは膵臓ペプチダーゼトリプシンによる

RBP の加水分解物が in vivo ではなく、in vitro で CHOL

ミセル溶解性を阻害することを示した。そこで、本研究では、

in vivo 及び in vitro 実験により RBP

CHOL 代謝改善作用を明らかにすることと、胆汁酸結合能や CHOL ミセル溶解性のような

in vitro 試験における評価を指標に活性画分を液体クロマトグラフィーなどにより分離・精製し、

活性タンパク質を同定することを目的とした。

まず、

RBP の in vivo 及び in vitro における CHOL 代謝に対する影響を評価した。Wistar 系雄ラ

ット(5 週齢)に RBP を 5%または、10%添加した高 CHOL 食を与え、21 日間または、10 日間飼

育後、血清脂質、肝臓脂質と糞中ステロイド排出量を定量した。また、RBP を[

14

C]-CHOL を含

むミセル溶液に添加し、

in vitro での CHOL ミセル溶解性に対する影響、[

14

C]-タウロコール酸を

含むタウロコール酸溶液に添加し、

in vitro での胆汁酸結合能を評価した。その結果、5%添加の

(3)

糞中の胆汁酸及び

CHOL 排出量が有意に増加することを明らかにした。また、in vitro 試験では

CHOL ミセル溶解性が有意に低下し、胆汁酸とも結合能を持つことを明らかにした。

次に、

RBP から胆汁酸結合タンパク質を分離・精製・同定した。0.02% NaN

3

を含む

10mM Tris-HCl

(pH8.0) に溶解させた 5mg/ml RBP を胆汁酸結合カラムにアプライし、アフィニティークロマト

グラフィーを行い、カラムに特異的に結合したタンパク質を溶出した。また、

SDS-PAGE を行い、

MALDI-TOF/MS 分析した。その結果、画分 No.11、No.12 と No.13 に胆汁酸結合タンパク質が得

られ、Hypothetical protein OsJ_13801(54.5KDa) (NCBI accession no. EAZ29742)と同定した。

次に、RBP をゲルろ過クロマトグラフィーまたは、逆相クロマトグラフィーで分画し、in vitro

における

CHOL ミセル溶解性を指標に、活性タンパク質を特定した。RBP を 10mM Tris-HCl

(pH8.0)に溶解させ、遠心分離(25,000×g 、4℃、20 分)して上清を集め、HiLoad 26/60 Superdex

200 pg カラムにアプライして、ゲルろ過クロマトグラフィーを行った。分子量で分画されたピー

クを

RBPF1~RBPF6 に分けて、それぞれ回収し、脱塩して凍結乾燥したものをサンプルとし、

[

14

C]-CHOL を含むミセル溶液に添加し、CHOL ミセル溶解性に対する影響を評価した。その結果、

RBPF3(47.6%)が RBP の上清(49.7%)と同様で、RBPF1(68.0%)、RBPF2(73.5%)、RBPF4

(75.3%)または、RBPF5(75.6%)と比較して CHOL ミセル溶解性を有意に低下させた。これ

らの結果は、CHOL ミセル溶解性の阻害作用に関連する RBP の上清の活性タンパク質が他の画

分よりも

RBPF3 に濃縮されていることを示している。

RBP から精製した RBPF3 画分を 0.065%トリフルオロ酢酸(TFA)が含まれる 2%アセトニト

リルに溶解させ(10mg/ml)、SOURCE 5RPC ST 4.6/150 カラムを用い、0.050% TFA を含む 80%

アセトニトリル溶液でグラジエントをかけた。現れたピークを

RBPF3A、RBPF3B と RBPF3C 画

分に分けて回収し、凍結乾燥したものをサンプルとし、[

14

C]-CHOL を含むミセル溶液に添加し、

CHOL ミセル溶解性に対する影響を評価した。その結果、RBPF3A(79.9%)または、RBPF3B

(81.9%)と比較して RBPF3C(10.1%)は CHOL 溶解性を有意に低下させた。

また、

RBPF3C の CHOL ミセル溶解性の阻害活性に関連する活性タンパク質を MALDI-TOF/MS

分析で同定した結果、分子量が

11.3KDa の non-specific lipid-transfer protein 1 (LTP1)(NCBI

accession No.A2ZHF1) と分子量が 22.7KDa の lectin(NCBI accession No.Q01MB6)が含まれる

ことを明らかにした。

以上の結果により、RBP は食餌性高 CHOL 血症の動物において、糞中のステロイド排出量を

増加させることで血清

CHOL が低下すること、また、in vitro において、胆汁酸と結合して CHOL

ミセル溶解性を低下させることを明らかにした。私は初めて

RBP 由来の新規胆汁酸結合タンパ

ク質として

Hypothetical protein OsJ_13801、新規 CHOL ミセル溶解性阻害性タンパク質として

non-specific lipid-transfer protein 1(LTP1)及び lectin を同定し、RBP の CHOL 代謝改善低下作用

機構に関与する可能性があることを明らかにした。

審 査 結 果 の 要 旨

高脂血症、特に高コレステロール(CHOL)血症は心臓血管疾患の重要な危険因子の一つであり、食餌 調節による予防または改善作用が非常に重要であると考えられている。また、近年では食餌タンパク質の CHOL 血症低下作用が盛んに行われ、動物性タンパク質より植物性タンパク質の血清 CHOL 低下作用が優 れることが報告されている。

(4)

米糠は、玄米から精白米を作る際の副産物で、果皮、種皮、糊粉層及び胚芽部分及びデンプン性胚乳の 外層が含まれており、10-16%の高い栄養性タンパク質を含んでいる。米糠タンパク質(RBP)の低アレル ギー性および抗癌性が報告された。しかし、RBP の CHOL 代謝に対する影響についての報告は少ない。Elisa R らは高 CHOL 血症ラットにおいて、米糠の水溶性酵素抽出物である RBEE(タンパク質 38.1%)が血清 CHOL レベルを有意に低下することを報告した。しかし、RBEE にタンパク質以外にもγ-オリザノールな どの成分で含まれているため、RBP が血清 CHOL を減少させるかどうかについて、明確な証拠はない。Zhang らは膵臓ペプチダーゼトリプシンによるRBP の加水分解物が in vivo ではなく、in vitro で CHOL ミセル溶 解性を阻害することを示した。そこで、本研究では、in vivo 及び in vitro 実験により RBP の CHOL 代謝改

善作用を明らかにすることと、胆汁酸結合能やCHOL ミセル溶解性のような in vitro 試験における評価を 指標に活性画分を液体クロマトグラフィーなどにより離・精製し、活性タンパク質を同定することを目的 とした。

(1) RBP の in vivo における CHOL 代謝改善作用及び in vitro における CHOL ミセル溶解性、胆汁酸結合 性に対する影響

Wistar 系雄ラット(5 週齢)に RBP を 5%または、10%添加した高 CHOL 食を与え、21 日間または、10 日間飼育後、血清脂質、肝臓脂質と糞中ステロイド排出量を定量した。また、RBP を [14C]-CHOL を含む

ミセル溶液に添加し、in vitro での CHOL ミセル溶解性に対する影響、[14C]-タウロコール酸を含むタウロ

コール酸溶液に添加し、in vitro での胆汁酸結合能を評価した。その結果、5%添加の RBP では対照群と比

較して、血清総CHOL、肝臓 CHOL が有意に低下し、10%添加の RBP では糞中の胆汁酸及び CHOL 排出 量が有意に増加することを明らかにした。また、in vitro 試験では CHOL ミセル溶解性が有意に低下し、胆

汁酸とも結合能を持つことを明らかにした。

(2) RBP の胆汁酸結合タンパク質の分離・精製・同定

0.02% NaN3を含む10mM Tris-HCl (pH8.0) に溶解させた 5mg/ml RBP を胆汁酸結合カラムにアプライし、

アフィニティークロマトグラフィーを行い、カラムに特異的に結合したタンパク質を溶出した。また、 SDS-PAGE を行い、MALDI-TOF/MS 分析した。その結果、画分 No.11、No.12 と No.13 に胆汁酸結合タン パク質が得られ、Hypothetical protein OsJ_13801(54.5KDa) (NCBI accession no. EAZ29742)と同定した。

(3) RBP のゲルろ過クロマトグラフィー及び in vitro における CHOL ミセル溶解性に対する影響 RBP を 10mM Tris-HCl (pH8.0)に溶解させ、遠心分離(25,000×g 、4℃、20 分)して上清を集め、HiLoad 26/60 Superdex 200 pg カラムにアプライして、ゲルろ過クロマトグラフィーを行った。分子量で分画された ピークをRBPF1~RBPF6 に分けて、それぞれ回収し、脱塩して凍結乾燥したものをサンプルとし、 [14C]-CHOL を含むミセル溶液に添加し、CHOL ミセル溶解性に対する影響を評価した。その結果、RBPF3 (47.6%)が RBP の上清(49.7%)と同様で、RBPF1(68.0%)、RBPF2(73.5%)、RBPF4(75.3%)または、 RBPF5(75.6%)と比較して CHOL ミセル溶解性を有意に低下させた。これらの結果は、CHOL ミセル溶 解性の阻害作用に関連するRBP の上清の活性タンパク質が他の画分よりも RBPF3 に濃縮されていること を示している。 (4) RBPF3 の逆相クロマトグラフィー及び in vitro における CHOL ミセル溶解性に対する影響 上記の(3)で精製した RBPF3 画分を逆相クロマトグラフィーで分画し、活性画分を探索・特定すること を目的とした。RBPF3 画分を 0.065%トリフルオロ酢酸(TFA)が含まれる 2%アセトニトリルに溶解させ (10mg/ml)、SOURCE 5RPC ST 4.6/150 カラムを用い、0.050% TFA を含む 80%アセトニトリル溶液でグラ ジエントをかけた。現れたピークをRBPF3A、RBPF3B と RBPF3C 画分に分けて回収し、凍結乾燥したも のをサンプルとし、[14C]-CHOL を含むミセル溶液に添加し、CHOL ミセル溶解性に対する影響を評価した。

(5)

その結果、RBPF3A(79.9%)または、RBPF3B(81.9%)と比較して RBPF3C(10.1%)は CHOL 溶解性を 有意に低下させた。

また、RBPF3C の CHOL ミセル溶解性の阻害活性に関連する活性タンパク質を MALDI-TOF/MS 分析で 同定した結果、分子量が11.3KDa の non-specific lipid-transfer protein 1 (LTP1) (NCBI accession No.A2ZHF1) と 分子量が22.7KDa の lectin (NCBI accession No.Q01MB6) が含まれることを明らかにした。

以上の結果により、RBP は食餌性高 CHOL 血症の動物において、糞中のステロイド排出量を増加させる ことで血清CHOL が低下すること、また、in vitro において、胆汁酸と結合して CHOL ミセル溶解性を低 下させることを明らかにした。私は初めてRBP 由来の新規胆汁酸結合タンパク質として Hypothetical protein OsJ_13801、新規 CHOL ミセル溶解性阻害性タンパク質として non-specific lipid-transfer protein 1(LTP1) 及 びlectin を同定し、RBP の CHOL 代謝改善低下作用機構に関与する可能性があることを明らかにした。

以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論文として十分価値 あるものと認めた。

【学位論文の基礎となる学術論文】

1. Wang J, Shimada M, Kato Y, Kusada M, Nagaoka S. Cholesterol-lowering effect of rice bran protein containing bile acid-binding proteins. Biosci. Biotechnol. Biochem. 2014;79:456-461

2. Wang J, Shimada M, Nagaoka S. Identification of the active protein in rice bran protein having an inhibitory activity of cholesterol micellar solubility. Biosci. Biotechnol. Biochem. “in press” (2017)

参照

関連したドキュメント

 単一の検査項目では血清CK値と血清乳酸値に

以上,本研究で対象とする比較的空気を多く 含む湿り蒸気の熱・物質移動の促進において,こ

tiSOneと共にcOrtisODeを検出したことは,恰も 血漿中に少なくともこの場合COTtisOIleの即行

視することにしていろ。また,加工物内の捌套差が小

 活性型ビタミン D₃ 製剤は血中カルシウム値を上昇 させる.軽度の高カルシウム血症は腎血管を収縮さ

低Ca血症を改善し,それに伴うテタニー等の症 状が出現しない程度に維持することである.目 標としては,血清Caを 7.8~8.5 mg/ml程度 2) , 尿 中Ca/尿 中Cr比 を 0.3 以 下 1,8)

アンチウイルスソフトウェアが動作している場合、LTO や RDX、HDD 等へのバックアップ性能が大幅に低下することがあります。Windows Server 2016,

高(法 のり 肩と法 のり 尻との高低差をいい、擁壁を設置する場合は、法 のり 高と擁壁の高さとを合