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自然農法におけるイネ品種の生育と根面および根内の諸微生物の動態

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Academic year: 2021

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Title

自然農法におけるイネ品種の生育と根面および根内の諸微

生物の動態( 内容の要旨 )

Author(s)

平野, 清

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第230号

Issue Date

2001-09-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2571

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本(国)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号

学位授与年月

日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 平 野 清 (愛知県) 博士(農学) 農博甲第230号 平成13年9月13日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物生産学科専攻 静岡大学 自然農法におけるイネ品種の生育と根面および根内 の諸微生物の動態 主査 静岡大学 教 授 副査 静岡大学 助教授 副査 岐阜大学 教 授 副査 信州大学 教 授 副査 静岡大学 教 授 和仁彦夫一 弘 雅 書 峰 恒 井 津 田 野 中 早 古 南 早 論 文_ の 内 容 の 要 旨 本研究は,持続的農業体系の確立を目指し,その基礎研究として持続的農業の一つの形と考 えられる自然農法におけるイネ品種の生長と根面および根内の諸微生物の動態について解析し

たものである.ここで自然農法とは,1953年に岡田茂吉により痙唱され,農薬・化学肥料などの化

学物質を使用せず,主にイナワラなどの植物質の材料による堆肥の施用によって,土壌本来の 機能を生かした自然生態系に沿った農業体系を言う.自然農法および対照の慣行農法水田に おいて在来系統を含むイネ4品種を栽培し,そのいくつかの生育段階における根面および根内 の窒素固定菌数の調査を行い,イネ品種の生育にともなう窒素固定菌の動態につノいて解析した. その結果,自然および慣行農法におけるイネ品種の生育にともなう根面および根内の窒素固定 菌の推移は,イネ植物体の窒素含量増加および乾物重増加と密接な関係にあり,生育後期(出

穂一堂熟)に窒素固定菌が多くなる品種は生育後期での窒素含量増加率および乾物重増加率

が高くなる傾向を示した.また全体的に,自然農法における窒素固定菌数が慣行農法より多い傾

向が認められた.特に自然農法において,生育後期に相対的に窒素固定菌数が多くなる品種ほ

ど,慣行農法と比較してより多い収量が得られる傾向が見られたことは注目に催する.このことは, 自然農法で高い収量を確保するためには,生育後期(出穂一登熟)に窒素固定菌数が多くなる タイプの品種を採用することが有効であることを示唆している.次に,自然農法および慣行農法 水田における在来系統を含むイネ品種の根面および根内の窒素固定菌数を含む諸微生物の集 団構造について解析するため,自然および慣行農法水田で栽培したイネ根茎から窒素固定菌を

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-1-含む全微生物を単離・計数した後,それらを16SrDNAの塩基配列の比較を用いて同定し,窒素 固定菌を含む全ての単離された微生物の系統的関係を評価した.その結果,イネ根面および根 内から単離された全ての微生物は自然農法においてαイ抽eo占acfe血,β「丹扉eo占ac地元およ びAc血α町Ceぶに分類されたが,慣行農法では多くはAc血α町Ce占およびα一助ね0占ac胞庖 でありβ「乃℃ね0占acfe血に属する微生物は-菌株のみであった.これらイネの根から単離された

微生物の中で窒素固定菌は,自然農法ではα「伽始0占ac亡由およびβイ抽eoムacfe血に分類

され,慣行農法ではAc血0叩℃e∫およびα」ヲねf印占∂Cfe血に分類された.特に自然農法にお いて生息が確認されたが慣行農法ではほとんど生息が確認されなかったβイ抽eo占ac亡α由に属

する菌の中に,βud血ノ血溢血na皿血血が見つかった.β.流血肌血血はこれまでにべトナ

ム硫酸酸性水田土壌から単離され,β.1壷ねaJ乃血由のイネへの接種効果はイネの穂数(12%),梓 長(8%)および収量(20%)を有意に増加させたことが報告されており,さらに,この微生物のイネへ の接種効果は,低窒素量の区で通常窒素量の区と比較し高いことも報告されている.このことは, 自然農法では多様な微生物相により,イネ品種の生育に影響をおよぼす微生物が生息する可能 性が高いことを示唆している.これらのことより本研究において,特に自然農法におけるイネ根面 および根内の微生物が,量的および質的な面からダイナミックに働きイネ品種の生育を促進する ことが示唆された.これまで,有機農業の実施によって土壌の機能を活かすことの重要さが指摘 されてきたが,イネ(品種)の生長パターンと土壌微生物わ動態との有機的連携における実証的 研究はほとんど行われてこなかった.本研究では,自然農法におけるイネ品種の生長とイネの根 面および根内の諸微生物の動態との相互関係に着目した実験を通して,その遺伝的および生理 的機作を明らかにすると共に,自然・有機農法の意義と可能性を示唆することが出来た. 審 査 結 果 の 地球環境を守りながら、人類の食料を確保することは可能なのか? これは人口 増加、1環境悪化、■食料不足等の問題が深刻化する中で、我々人類が抱える最重要課

題に違いない。本研究は、世界人口の60%が食するといわれる米(稲)を材料と

して、冒頭の課題に迫ろうとするもので奉る。

環境調和型あるいは持続的農業のひとつの典型といわれる自然農法の稲作を取り 上げ、その中でより多くの収量をあげる手法を開発し、その機作を探りながら、普 遍的な持続的農業体系の確立を目指している。 研究手法の主なポイントは、①いくつかの自然農法実施農家の水田を実験の場と する。'②イネの在来及び近代の品種を用いて遺伝および育種学的観点からアプロー チする。③イネ(品種)の生育とイネ(品種)根面及び根内の微生物の動態の関係 を明らかにし、イネ品種一徹生物種(特に窒素固定菌)欄互作用のダイナミズムか ら、イネ(品種)の収量の機作を探ろうとする、など非常にユニークである点が注 目される。

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-2-研究結果は、要旨に示すとおりであるが、農業の現場を実験の場とし、しかも多 大の時間を費やし、多くのデータの集積から、適切な分析手法によって、 ①イネ(品種)の生長パターンと根面(内)の微生物の推移とには大きな関連性

があり、しかもイネの品種.(遺伝子型)によって固有の串種一微生物相互反応

を示すこと。 ②①の品種一微生物相互反応と最終的なイネ品種の収量性には明らかな関係があ り、自然あるいは有機農法においても高収量を上げ得る品種一微生物相互反応 が存在すること。 ③ 品種を的確に選択することによって、化学肥料や農薬に依存しなくとも、収量 を確保することが可能なこと等を明らかにした。 以上は待られた成果の一部であるが、その他自然(有機)農法と慣行農法の土壌 に生息する微生物の種類が明らかに異なること等、基礎的観点からも貴重な多くの 知見を得ており、今後の農業及び農学に対する貢献は大きいと考えられる。 以上の観点から、審査員一同、本論文は岐鼻大学大学院連合農学研究科における 博士(農学)tの学位論文に価するものと認めた。 基礎となる学術論文は次の通りである。 ・自森農法におけるイネ品種の生長と根面及び根内の窒素国定菌の動態 平野清・杉山智子・小杉明子・仁王以智夫・浅井辰夫・中井弘和 育種学研究3、pp.3-12,2001

・Comparison ofnitlrOgen-fixing bacterialnora ofricerhizosphereinthe nelds treatQd long-term With agrochemicalsand non-agrOChemicals

KiyoshiHirano,MasahitoHayatus2',IchioNioh3and HirokazuNakai2

MicrobesandE皿Vironments,Vol.16,No.3(September2001)

参照

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