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(シンポジウム 癌治療の進歩 : 癌治療の現況と問題点)肺癌

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Academic year: 2021

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東 京 女 子 医 科 大 学 学 会 第

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回総会演説抄録

〔特別講演〕 甲状腺機能充進症と甲状腺機能低下症 (内科 2)鎮 目 和 夫 甲状腺機能充進症は比較的多い疾患で,わが国に20 万人位はいるのではなし、かと推定される.本症に羅患 中,感染症・妊娠・外傷・手術等を合併すると甲状腺 クリーゼを起こす危険があり,また長期間放置されて いると心機能障害を起こすので,早期に発見して適当 な治療を行なうことが必要である.本講演では甲状腺 機能充進症の大部分をしめるパセトうウ病の病因に関す る最近の学説と早期診断法と治療法,特に内科的治療 法について述べる. 甲状腺機能低下症は軽症を含めると,わが国に数十 万人いることが予想され,特に老人の軽症の甲状腺機 能低下痕は見逃されている例が多いようである.本症 は放置しておいても生命に関する危険はほとんどない が,患者は倦怠感,浮腫などのために長い間不愉快な 生活を送ることになる.これに対し適量の甲状腺ホル モン剤を投与すれば比較的すみやかに症状は消失し, 元気に生活できるようになる.本症についても病因, 診断法,治療法についての最近の進歩を述べる. 〔シンポジウム〕 “癌治療の進歩一癌治療の現況と問題点一" はじめに (消化器病センター〉小林誠一郎 診断技術の進歩,治療法の進歩により,癌に対する 治療成績は次第に向上しつつあるとは言うものの,一 方著しく進行した状態の癌患者も多く,これらに対す る治療成績の不良なるが故に,癌の治療成績は今一つ 伸び悩んでいると言えるであろう.早期診断,早期治 療という癌治療の原則を,更に徹底向上せしめる問題 と,進行癌に対する最も効果的な治療法追求の問題と, 二つの大きな課題を抱え,各分野での努力が続けられ ている.又治療法と言っても,手術,化学療法,放射 線治療など多岐に亘り,各疾患の特性により,何れを 主とし,何れを補助とするかの選択の問題もある.更 に各部門の密接な協力による治療,いわゆる薬学的治 療法も一つの診療体系として,成果を挙げ得るよう検 討される必要がある.今回のシンポジウムに於いては, 肺癌,乳癌,勝癌,卵巣癌をとり上げ各科に於ける治 療法を通して,その進歩と現況を知ると共に,化学療 法,放射線療法など,各科の協力による治療の現況と, 今後の問題点などを探ってみたいと考えている. 1 . 肺 癌 (第二外科〉鈴木 忠 一般に,他部位癌と比較して,肺癌は最も成績不良 なものの一つであり,現在もなお3年生存率が重要な 指標である. 外科的治療に対する評価としては,切除率,手術評 価,予後等が問題となる.切除率と予後は施設により 著しく異なるが,それに関しては,施設の立場と性格 により受入れ患者の臨床的病期が相当に異なることが 影響しており,必ずしも診療レベルの上下を示すもの ではない.とはいえ,肺癌治療の第 1選択が外科的切 除にある以上,切除率と予後の向上は外科の努力目標 の 1つである. さらに,①治癒切除,②準治癒切除,③相対的非 治癒切除,④絶対的非治癒切除の4段階に区分して手 術評価をするが,一段でも高い手術をすることも努力 目標である. さて,昭和42年より昭和58年までの間に,当教室で 経験した症例は,原発性肺癌179例と転移性肺癌(全身 性転移の一部として肺病巣がある場合は除く)43例の 合計222例であるが,これらにより,治療上の問題点と 予後につき検討し,外科的治療を主にした癌治療の実 際につき,特に下記諸項について検討した. 1)症例数の増加 多くの報告で近年の肺癌の増加を指摘しているが, 教室例でも同様で,特に最近5年聞は増加が著しい. 2)切除率の増加 昭和42-48年, 49-53年, 54-58年の3期に分ける と,切除率は,各々 6%, 44%, 61%となり,著明な 増加傾向にある. 3)手術評価の改善 原発性肺癌につき,その発見の動機を①癌による 直接症状が出現した群,②他疾患穣患に際して胸部検 査を受けて発見された群,③検診で発見された群に分 けると,各群間の手術術式及び評価は明らかに異なり, 早期発見が非常に重要である. 4)非切除例の切除不能原因

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-630-手術不能群は胸腔内高度浸潤と遠隔転移が各50%と なり,試験開胸群は約7割が縦隔浸潤により,約3割 が胸壁浸潤による. 5)治療内容と予後 非切除群は9割が2年以内に死亡,患側肺全摘群は 5割が 2年以内に死亡,肺葉切除群は 4割が 3年以内 に死亡している. 6)手術評価と予後 治癒切除群は3年以内に24%,準治癒切除群は3年 以内に44%,相対的非治癒切除群は3年以内に50%, 絶対的非治癒切除群は6カ月以内に75%が死亡した.

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外科的治療の限界 外科処置後,さらに院内他科または他院に転じて治 療を受けたのは約

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割である. 8) 拡大手術例の提示 胸壁合併切除例,心嚢合併切除例,Sleeve Resection (気管,主気管支切断形成を併う〕例,等を提示する.

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試験的アプローチ i.炭酸ガスレーザーの適応 ii.針状鏡による胸腔内観察 iii.片肺全摘術に際しての実験的工夫 終りに,肺癌治療については,外科手術,制癌剤治 療,放射線、治療の

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者による集学的治療により始めて 効果を得られるものであり,内科,放射線科を始めと する各科の協同による総合的対策が不可欠である. 2.乳 癌 (第二病院外科〉梶原哲郎 昭和45-58年の14年間に本学第二病院外科で取扱っ た乳癌291例の治療経験をもとに乳癌治療の現況と問 題点について検討した. 1.診断.マンモグラフィ,エコーなどの補助診断法 の進歩により早期発見や,むやみな生検の必要のない 症例が増加している.しかし,生検に頼らざるを得な い症例も少なくないのが現状である.当科外来生検例 を検討した結果, 40歳以上の乳腺腫癌には積極的な癌 の検索が必要であり,また慢性乳腺症には慎重な経過 観察が必要であると思われた. 2.術式-乳癌の術式には定型的乳房切断術,拡大根 治術,および縮小手術がある.最近では美容,運動面 から縮小手術が広く取り入れられてきている.しかし, その適応は腫蕩経, リンパ節転移の程度などから検討 されているが一定ではなく,また歴史は浅く,予後に 関して不明な点が多い.われわれは組織型,脈管侵襲 も予後に深く関与していると考え, これらも考慮すベ 65 きと考えている.また,拡大根治術に対してもその治 療経験からその意義を認めており,積極的に取り入れ ることが治療成績の向上につながると考えている.

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術後補助療法:乳癌治療成績の向上にとって術 後補助療法は重要である.われわれは昭和45年より次 のプロトコールを作成し,実施した.1)昭和45年1月 -52年5月まではMMC,テガブールの化学療法, 2) 昭和52年6月-57年12月まではこれにpsk,ok-432の 免疫療法を併用した免疫化学療法である.この2群を 累積生存率で比較検討すると, stageト IIでは差はみ られないが,stage

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の5年生存率は化学療法群33_9%, 免疫化学療法群68.1%と免疫化学療法の有効性が示さ れた.また, T-cell,

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幼若化反応などの細胞性免 疫能の検索にても,免疫療法の効果が示唆された.し かしながらstage

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の予後は満足すべき成績とはし、え ず,さらに内分泌療法や放射線療法を加えた集学的治 療が必要である.われわれは昭和54-55年のstage

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に対し,再発前卵刻を試みた.これにより良好な結果 が得られたが,現在では抗エストロゲン剤による内科 的内分泌療法と,ステロイドレセプターにより適応を 決め行なっている. 以上のような観点から乳癌治療の現況と問題点につ いて論じるが,最近では所属リンパ節の細胞性免疫能 の検索を行なっており,これら研究もあわせて報告す る. 3.騨 癒 (消化器外科〉中村光司 近年,種々の画像診断の進歩は目ざましく,他の消 化器癌は早期診断,早期治療により著しく遠隔成績の 向上をみるに至ったが, こと勝癌に関してはいまだ早 期診断の機会は少なく,外科治療の対象となるものは stage

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のかなりの進行癌であり,その治 療成績は満足できるものとは言い難い. 従来,牌癌の定型的手術としては,勝頭部癌に対し ては豚頭十二指腸切除を,勝体尾部癌に対しては勝体 尾部切除を行なってきたが,切除率や根治性を高める べく, 1978年以降,門脈合併切除や後腹膜の徹底郭清 などの拡大手術を積極的に推進し,その結果,勝頭部 癌では281例中95例33.8%,勝体尾部癌では108例中22 例20.4%の成績をあげることができた. ちなみに過去16年間の本学消化器病センターの勝癌 切除例の術式の内訳についてみると,勝頭部癌95例の 術式は勝頭十二指腸切除76例(門脈切除28例),勝全摘 19例(門脈切除10例),牌体尾部癌では勝体尾部切除21

参照

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