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実体分布と不平等尺度

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(1)

実体分布と不平等尺度

著者

前田 修也

雑誌名

東北学院大学論集. 経済学

91

ページ

79-102

発行年

1983-03-20

URL

http://id.nii.ac.jp/1204/00024443/

(2)

「実体分布と不平等尺度」

工を一 別

田修也

目 次 ばじめに 実体分布研究の沿革 実体分布の諸特性 不平等尺度の選択基準 実体尺度の不平等尺度としての有効性 無わりに I Ⅱ Ⅲ Ⅳ V Ⅵ I はじめに 所得分布研究は,不平等尺度論に限定すると, 1920年代から1930年代に かけて一つのピークを示した。しかし, その後学界の関心はGibrat [6], Champernoun[4]等を契機とした所得分布生成論に移り, 不平等尺度 のさらに立ち入った研究は近年まで待つこととなった。近年における関心 復活の契機はやはり各不平等尺度の背後にある経済理論の解明の必要性を 説いたAtkinSon[2]にあると思われるが, それと同時に, 尺度選択に 際して,数多くの基準が提示されたことも見逃せない。 不平等尺度の選択基準,或いば尺度の比較研究は, 少なくてもLorenz [8]にまで遡り, 次の三つの段階を経て今日に至っているといわれる')。 i) 分布の違いに対する尺度の反応性を直観的に論じる段階。 ii) いくつかの妥当と考えられる基準を設定し, その合否を問う段階。 iii) さらに進んで, 基準を充たすような尺度の一般形を求める公理論 1)寺崎[17], p.1"。 −79− 1

(3)

「実体分布と不平等尺函 的な接近をとる段階。 本稿では, 1930年代に集中的に研究されながら,その後臆とんど忘れら れていた,実体分布2)より導出される一連の不平等尺度一実体尺庇3)と も呼ぶべきもの−が,上述の比較研究ii)の段階でどれほどの有効性を もっているかを考察する。言い換えれば, これら実体尺度を今日知られて いる代表的選択基準に照らしあわせることにより,尺度の背後にある経済 理論を明らかにすることが本稿の目的である。 すなわち,本稿の構成は次のようなものである。本草に続くI章では, 実体分布に関する研究が, いつごろからどのような形でなされてきたかを, 歴史的に回顧する。次にⅢ章では,実体分布の各特性値が,通常の度数分 布の特性値と比較されながら整理される。また,度数分布の特性値と実体 分布の特性値との対比をもって一つの不平等尺度(実体尺度) とする, 田 村市郎[16] APBortkiewicz[3]等の試みが紹介される。 Ⅳ章では,今 日,各不平等尺度の背後#こある経済理論を明らかにする際に用いられる代 表的選択基準が整理される4)。最後に, V章で仮設例を含む若干の計算例 を示しながら,実体分布より導出されるいくつかの尺度がⅣ章で言及され る各種選択基準をどこまで満足するかの試みがなされる。 このように,伝統的(記述的)尺度の背後にある経済理論を解き明かそ うとする試みはセン[13]の第2章が好例であるが,残念ながら実体尺度 に関する叙述は魂あたらない。したがって上述のような考察をすることに よって1930年代までの不平等尺度研究者達がもっていた,経済不平等感を 摘出しその限界を知ることができると思うのである。 2) 田村市郎により命名された。 3)以後本稿では, Ⅲ章で紹介される四個の尺度を特に実体尺度と呼ぶことにす る。 4)多くの蕊準が提案されているが,本稿ではその中でも特に代表的である六個 の基準に言及される。 2 −80−

(4)

「実体分布と不平等尺度」 I 実体分布研究の沿革 実体尺度なるものの実体を把握する前に, その基礎となる実体分布の概 念を若干解説しておく。今,変通を所得,単位を人員とするなら,何万円 台の所得者数がいくらで,全体の何パーセントであるかといった,常通の 度数分布による分析は, それだけでは所得分布或いは所得の不平等を問題 にする場合には不充分である。そこには,何万円台の所得金額はいくらで あって, その集団の総所得額の何パーセントかといったところにまで,立 ち入る必要がでてくる。したがって通常の度数分布が,単位数の分布を指 すのに対して,実体分布は, 敵位数:/と変批:"との穣:野.′の分イ│丁で あり一種の加醗度数分布であ為と言える。 さて,実体分布及び実体尺庇の餓密な定義はⅢ章で行なうことにして, ここではこの分布の研究史を取り扱う。実体分布研究ば,分布そのものの 表-I 連合王国の所得 (1867年)

戸得者数

所得金額

所得階級 大所得及巾所得階級 大所得 鐸5,0“∼ f1,0帥∼f5,"0 中所得4300∼弾1,000 小所得 異1“∼f300 ∼鐸100 8,500 48,800 1780300 1,026,400 1,497,000 126,157,000 83,324,000 87,723,“0 110,950,000 81,320,000 小計:408,154,000 筋肉労働階級 一男子平均賃銀一 上層熟練労働者及工場手 工業者 (f50∼弾73) 下層熟練労働者及工場手 工業者 (“5∼茎52) 農業及不熟練労働者 (410∼f36) 1,345,000 5,087,000 4,529,000 66,353,000 160,652,“0 97,640,000 小計:405,965,(〕00 △口 診 ’ 十 l 手﹁、 13,720,000 圭814,119,000 出所:日本統計学会編「国民所得とその分布」日本評論社 −81− 3

(5)

「実体分布と不平等尺度」 研究よりもこの分布の中数値の一つである二等分値(equator)5)より始 められ, 既に19世紀中頃, ダッドレー・バックスター(D.Baxter)の "National Income,TheUnitedKingdom" (1868年)にその応用例が 承られる。彼はまた所得の分配状態をその不平等さを一見にして明らかに するためにピラミッド状の図に擬えた最初の人としても知られる。 さて,彼が用いた資料は免税点("100)以下の分布を彼自身が補完し た表-Iのような所得税統計であった。彼ばこの表をもとに全体としての 分配状態を簡単に表現するために二等分値に言及した。すなわち「出1O0 (免税点)の線が総所得をほとんど相等しい二部分, 4408,000,"O及び 4406,000,000に分つことは注目に値する。それは英国所得の二等分線と 呼び得るであろう」と述べている。 しかし,バックスターにあっては,それ以上の分析はなく,二等分値を 用いたつぎに来るべき研究者は, マネー(ChiossaMoney)である。彼は その箸"RichesandPoverty"(1909年)において国民所得の分配状態を 論じ自らの方法を二等分値法(equatorialmethod) と呼んでいる。前述 のとおり二等分値は一種の平均値と考えられるから, この値だけで不平等 を云点するには適当ではなL,。それ故にマネーは, この二等分値を一種の 操準とし,所得階級を更に二分し各々の階級の所得人員及び所得額の購成 比を算出したのである。 とばし、うものの, マネーにあってもバックスター 同様二等分値に国民所得を二分する一種の標準以上の意味を見い出して茄 らず, これ以上の分析は, ホルムズ(G.K.Holmes)に待たなければな らない。 ホルムズは, 1892年"Measuresof distribution"で,三段測定法 (Methodoftriplemeasure)と呼ばれる方法を提案した。それは.所得 階級別所得人員の曲線つまり度数分布曲線を二等分する中位値と,所得階 5) フランス語ではm6diale, ドイツ語ではScheidewert,邦語沢として二分値, 加亜中位値等があるとされているが,本稿では田村[16]に従い二等分値を用 いた。 −82− 4

(6)

「実体分布と不平等尺度」 級別所得金額の曲線つまり実体分布の面俄を二等分する二等分値との差を もって所得の不平等尺度とする方法である。 この尺度の利点ば, 通常の記述的不平等尺度が散布度の変化にのみ従っ て変化するのに対して, これが原度数分イIjの歪度の変化にも反応する点に ある。各人の所得が全く同一である場合,すなわち散布度も歪度も共にゼ ロである場合には, 中位値と二雑分値とは相一致し, 従って両者の差ばゼ ロである。 もし散布度が大となればなるほど, また篭度が大となるぼど│吋 者の距離ば大となる。 中位値と相加平均との関係は度数分布の歪XLの方向に従って逆になるが. 二等分値は歪みの方向如何にかかわらず常に中位値よりも大である。そし て歪度が小さくなるにつれてこの距離は小となる。つまり,二竿分値と中 位値との距離は一種の絶対的不平等尺度となり得る6〕。 今世紀に入ってからの実体分布研究ば, ホルムズによって提案された三 段測定法の相対化に集中した。すなわち, まずボルトキヴィッツが"Die DisparitatsmassederEinkommensstatistik, 1.S.1.,1930"で中位値と 二等分値の差を相加平均で除した測度を提案した。次に, 田村市郎は1937 年と1944年に相対化のために分fと同じ中位値系のものを用い二つの測度 を提案した。また, フラメケンバー(PaulFlaskamper)の「統計的中数 値の論理への'好与」(BeitragzurLogikderstatistischenMittelwerte, All.Stat.Arch.,21Bd. 1931)にも,統計的中数値としての実体分布の中 数値の重要性が取り上げられているが,度数分布に対する実体分布という 明確な意識の下での研究は,近年の米沢(1972)[19]と,関(1975) [12] まで待たなければなら雄かつた。 Ⅲ実体分布の諸特性 本堂での目的は, 近年, 米沢[19],関[12]等によって考察が加えら れた実体分布の渚特性を次の順序に従って整理し, V章での考察の準鯆を 6)厳密な証明は,吹単を参照さ,llたい。 −83− 5

(7)

i実体分布と不平等尺度」 することである。すなわち, (1)実体分布の定義, (2) 実体分布の分布形 態, (3) 実体分布の特性値, (4) 実体分布研究より派生する各樋不平等尺 度, の順である。 (1) 実体分布の定義 今,通常の度数分布の場合,変量を野,度数密度を〃, とすると両者の 関数関係ば, y=バ毎) であり,累欄度数分布ば,

y=F(")=I;f(")

と表わされる。 ここでYは〃の積分であり, /(釘)はF(")の微係数であ る。 ところで, ここに, ある集団の受け取る所得額合計が,全集団の所得総 額の何バー-セントになるかといった分配一不平等一の問題が介入する と,上述の度数分布だけでは不充分であり実体分布と呼ばれる特殊な分布 の解明が必要とされるのである。 さて, その実体分術は,変量:釘に対して釘。vの分布を考えることで あり, 相対化のために総度数:JV(=EI/), 総実体量:S(=Z".")を用 いて,

Z=型豐

としたときの Z=9(") である。 累h'(実体分布Zは

z=c(")=I:9(z)

である。 (2) 実体分布の分布形態 実体分布の分布形態を,度数分布の分布形態と比較して考察することに 6 −84−

(8)

「実体分布と不平等尺度」 よって, 次のような諸命題力§明らかにされている7)。

相対腫数八麺)=金は欄刈的実極,〔鋤=詩'こ、 "が柑加平均

毎の時一致し, 〃<毎の時,“)は(釘) より小さく, 範>盃の時 ,“)は/(釘)より大となる。 今,相対度数/(dr) と相対的実体分布,(")の差をとると,

'Q]z)=¥塑一ノ"'=(gFz)・fcr)

となりこれより妬毫毎←→,“)三'(")となる。 また,次節で明らかにされるように, 度数分布の最頻値:AJbに相当す る実体分布の岐咀値(SchwersterWert) :"sは,""・<JIf怠の関係にあ るので,実体分布の山は度数分布の山と一致するか, または右側に現われ る。 度数分布が正規の場合でも,実体分布は軽度の正の非対称分布となる。 今,変最垂叫と鋸oをそれぞれ釘叫=醜くz,垂。=蛾>盃と定義すると度数 分布が正規であるから, zから竿距離にある釘。と鉈鵡に対応する度数は /(釘。)=/“唾)である。 ところが、r、>.rtjであるから麺./("。)>釘哩/("") である。 度数分布と実体分布の雄の合計ば平均偏差係数: げに等しい。 平均偏差係数: ’は次のように表現される8)。

’=÷!『'"-犀'/(")"=差!;(霧-鯉〕j(収鰯十圭I量("-毎〕ノ"d”

7) 本節及び次節の叙述にあたっては関[12]が参考となった。 8) Kakwani [7]pp.79∼80. ザ 』 −85−

(9)

「実体分布と不平等尺度」

=2[lif("f!i」-*[li'/(44r]']

ところで!『{穴露)-9(")}d"=!:{'(")-/(")'dr

である『 よ・て!:'八鋤−,(鰯〕'“=’

である。

(3) 実体分布の特性値 ここでも実体分布の各特性値を度数分布の特性値と比較することによっ て次のような諸命題が明らかにされてL、る。 中位値:Mと と二等分価:凡蝿との大'」、関係は常にMb<Maである。 なぜなら,Mb以上の変量値の個数とハ邸6以下の変屋値の個数は同じであ るが,それぞれの変量値の合計ば当然“以上の方が大きいから,総変吐 和を_と下等しくするM逝値は当然“よりも大とならなければならな いo 二等分値:"惣 と相加平均:垂との大小関係は度数分布の形態いかん によって変化する。すなわち,度数分布が正の非対称型の時は, Mi毫毎であり,度数分布が対称分布か負の非対称分布の時は,""d>Z となる。 今鉦。(>毎)と毎叫(<毎)の個数をそれぞれM,M(N=M,+Aru) とし, 毎に対吃するⅣを特にⅣ*とおくと,MMdは次のように表わされる。 f 釘 牌や“阿 一 2 4 鉈 Ⅳや]控 十 $ 勿 醇 や ] H ’ 一 2 / f 釘 Ⅳ や ヨ ゴ f l | 先 ん 上式の右辺第1項は盃に対応する値であるからMiとあの大小関係ば第2 項の符号-に依存する。そこでこの項をfと妬いて垂よりの偏差を‘とする と, −86− 8

(10)

「実体分布と不平等尺度」 Ⅳ車 Ⅳ申 Ⅳ* Z"f=2(銑一毎+5)=−Zldal+Nbr #11 1.1 f=1 Ⅳ Ⅳ AF E"I=2(姫一轟+")=Zdb+銚毎 Ⅳ申 Ⅳ* Ⅳ* だから

′=偉"+か峠(N,-M)"}/2

つまり度数分布が対称の時“=毎であるから /=EI fil/2>0 度数分巾が負の非対称の時ば,雌>毎だから j=IE│"│+IM-MI"}/2>0 度数分桁が正の非対称の時は,“<盃だから /={Zldl-IA/b-MI"}/2≦0 汰に度数分布の肢頻値:MM。に対応する実体分イliの埴重値(Schwerster Wert) :岬sを考察する。 Afbが蛾大度数に対肥する焚赴の値であるのに 対して,Msはクラスの変鼓値の和が最大である愛量の値である。 最頻値Af6と雌蕊値M怠の関係ば一般にAfb二M窓である9)o 図lでMbの右側で度数曲線y=/(z)がA'6に対応する極大点Pを通る xy==xkf(xk) x)=Mof(Mo) 14巾ljlIIIIlI ト llhl MO x膜 図I 9)度数分布同標,複峰分布が現われる場合にば, 当然一義的な結論は出ない。 −87− 9

(11)

「実体分布と不平等尺度」 直角多曲線""=MM・/(MM・)より小の時鋸/(")もA"6f(MM・)より小とな るから,Mb>"sはありえない。またリーノ(")が""=Mbr(Mb)より 大の時"/(")も/Wb八Afb)より大となるからMb<A"Sである。 ここで M息は, ,=火毎)に接する双曲線":/="M;f(",:)の蜂に相当する。 最望値と すなわち, 時Mb>" Mh相加平均:盃との関係は度数分布の形状に依存する。 正の非対称分布の時Ms臺毎で,対称か負の非対称分布の である。 度数分布が対称である時は毎=Mbであるから上述のAfbとMsの関係よ り毎=Mb二A"Sであり, また負の非対称分布の時も毎<Mb<ハfsである。 そして正の非対称分布の場合は雌く毎であるから“と犀の関係は一義 的に決らない'0)。 逆調和平均:Aと相加平均: 盃との大小関係はA>盃でありその大 きさは腱数分布の散布度に依存する。 度数分布の相加平均毎=Ejr//Z/と同じ操作を実体分布にほどこすと A=Z範切Z毎/となりこれは一般に逆調和平均(antiharmonischesMi-ttel)と呼ばれる算式になる'1〕。また,両者の差を求めると .4−曇=Z"WZ"/ー盃=(E垂切N−z2)/Z=F2/Z となりぴキoのかぎり, Aは常に毎より大で, その大きさは度数分布の相 10) どのような場合にj蝿く毎がなりたつかはMenges[10]を参照されたい。 11) いまα, b2個の値の調和平均:Hと逆調和平均:Aは, それぞれ,

斑=旦竺

α+6

A=壁土壁

α十b と表わされ A=(α十b)-" なる関係をもつ。龍た両者の平均は平方平均になる。 10 −88−

(12)

「実体分布と不平等尺度」

対的散布度に依存する'2)。

実体分布の散布度は四分位偏差係数に対応する(Md,−MMdi)/(A蝿,+ A偽3)である。

ここでのA蝿Ⅱ及びハf33はそれぞれ二等分値〃‘より小さい変量の二等分

値: /ifd! と皇等分値Maより大きい変量の二等分値: /W&3である。

実体分布の篭腱は(MMd1+MM"3-2MMd)/(MMd3-Md,)によって測定され る。 実体分布が対称型の時(A典f−凡fai)=(Mas-MMd)であり, 正の非対称の時 (MMd-ノlfd,)<("d3-Md)であり,負の非対称の時 (""d一』fa,)>(ノIfa3-MMd)であるからである13)o 以上,考察されてきた諸命題を簡単な側でグラフ化すると,表I,図Ⅱ, 図Ⅲのようになるであろう。 (4) 実体分布より派生する各種不平等尺度 実体分布研究は, ‐上述のようにもともと単なる度数分布の考察だけでは 計り得ないような, 分配の問題を解決しようという怠図のもとになされて きた。その中で股も古い提案は, l章に述べられたホルムズの三段測定法 であるが,それはいまだ絶対的尺度の域を出ていなかった。 1905年, ローレンツ曲線(Lorenzcurve)が提案されたがⅢ現在賊も広 範に利用されているこの尺度は,腱数分布と実体分イliのそれぞれの累隙分 12) 米沢[19]は, 中位値系同様,平均どおしの対比をもって不平等尺度とする 意図をもってこのような試みを行なった力§,それが度数分布の相対的散布度に 帰する事実を知り失意の意を表明している。 13) 当然‘度数分布同様2次モーメントや, 3次モーメントに相当する実体分布 の散布度や謹腱も考えられてよいと思う。 −89− 11

(13)

−“一 ZI ︵聾︶︵ご︶︵同︶︵︵︸︶︵命︶ 弓戦露蝉尭贈言シ簿諜舜拝蕊露雲野拝︵圏︶×丘 i]罰 i坤罰 I②軸 I串酬 11。﹄︺ l②計 l剖剴 Im剤 l①副 1s酬 l旨削 l届M 1属酬 欝燕5矛厘庁溢藩朧蹄礁塞蝿︵細︶亜罵勘合韻司柑︶片・寺舜 胃一一 t、身一。tpm ‐ミコ 。、 UU←Ep t、コー 〔. * 由 巳 由 由 ■ ■ 号 巳 B c c cへ 喝n Enmmmmにnmm印mmEJ'bl 一 嵩今吋壷印②。胃・つ 単﹃ “申⑮①“ 岸①︾“酌﹄ 四①︾mCm 今い︾い④心 菌今弓心の﹃ 、巻、司令 画・砲⑪、 心“酌 ]つい ]、 ]哺 韓 −に9 上●ー ‐‐。。‐to。〕 −コ。‐q心 I●C F 甲 * * ■ * 甲 ■ ■ ■ 凸 ■ ■ハ ーー噌噂“‐唖一一も、つい胃次 曹 ー 8魑魑患謁忠電曾黒禽扇【、,−卑 ① 。 り サ 巳 ■ ■ ■ ■ 曲 ■ ■へ ‐ID“C》 二昌一 [● [、. 《。今←ー、・ ・、曹 蝸目渦群津計s蕪畔菌卑掴璽 ﹄“c︲﹃、胃oつ ︵伽Ⅲ駒︶ ︵副︶ ○甲つ、 四・心印 い、。。C や﹃・の、 ﹄い、舎的。 ④心﹂①つ ↑C号“① 胃moCC 閣由、切 拝。④つ 胃。。、 ﹄9星印 ﹄︲蝉、 ︵次︶ 。。。旨 。。、。 、。胃つ 画唖︲﹃。 “房。﹃① 唖罠G④印 ④?↑﹄ 韓。me ○・のつ 。 吟全 ○.いつ 。︲いつ 。︲い① ︵︷︶ 砧〃﹄二一﹃ 通×剣 ︵四 ss燕欝 ○・つ﹄ 。↑mH m﹂②揖 唖胃。③房 争い“酋芦 四m?砲、 の半。④﹃ の、?]司 の“ コヨ ①⑪。騨冒 や①’一胃 ②四口司牌 ]つ。,CQ 胃⑬白い 今ョや四℃“切 吟⑪写司○画。、 ﹄山中宇画﹃“ ]や印幸い司四 ﹄四吟寺印①“。、 印剖︾争切、 ﹄可︾骨胃印 四一﹃画い む①① 畔、﹃。、 ︺蝉頓 “﹃︲、 ①○四弓④︺⑪ ︵三︶ ︵四︶×︵す︶

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(14)

「実体分布と不平等尺度」 ( 1 0 0 0 0 % 4 3 2 1

−4

5 1 6

7

8

9

10 11

]2 13

(万円) 1 2 q LJ 図Ⅱ相対的度数分布と相対的実体分布 帥 知 i1 j f l G(x) F(x) 5() 0 R │ 5 6 7 8 9 10 11 12 13 ,M〔1 1 2 3 4 Mc 図Ⅲ累積度数分布と累讃実体分布 布を相対化し,百分率で表し両者の関連を図表で示そうとしたものにほか ならない。その後, ジニ(C・Gini)は1910年, 両者の累積分布を対数に 変換しその関連を一次式でとらえた。すなわち,Nを所得人員総数とし, Sをその所得額(上位より累榊とすると,

Ⅳ=_Ls'

C となり両辺の対数をとると, logN=61ogS−logc (c=常数) −91− 13

(15)

「実体分布と不平等尺度」 という関係が成り立つとするものである。 ここでの6をジニ集中指数と呼 び, その大きさで不平等の尺度とするものであjる14〕。 1930年代にはいると, ボルトキヴィ ョツと田村市郎は, 前述のホルムズ の尺皮をそれぞれ異なった方法で相対化した。 ボルトキヴィッツの不平等尺度は, Md−jWb E== 毎 である。田村市郎は,歪度のいかんによって相加平均が二等分値より大と なったり, また中位値より小となることがあるので,次のような相対化を 行なった。 すなわち田村市郎の不平等尺度は,

ルー鵠王装

と M‘−MMe'5)

7=MMd

である。 また関[12]は,実体分布の相対的散布度が,不平等尺度として度数分 布の相対的散術度が用いられるのと同等の権利をもって利用されるべきだ と主張している。 すなわち, A'"一"d!

p=MMd;+MMdi

である。 V章で, その不平等尺度としての有効性を試そうとするものは, これらE, 1, 叩とPの四者である。 Ⅳ不平等尺度の選択基準 本章での目的は, 今日既知となっているイく平等尺度選択のための代表的 14)珈附鵬いられている相対的平均差(relativemeandifference)のジニ係数 とは異な為尺陛であることに睦意。

'5〕 ’939年, ハソテ,l″ ツセソ“=1−絵なる尺腫を暗示したといわ…:,

これは明らかに田村の〃と同一の式である。 (米沢[19]) 14 −92−

(16)

「実体分布と不平等尺度」 諸基準を検討し整理することである。 <対称性基準>ベクトル〃を,所得の大きさに従って並んでいる分布 であるとし,次に〃'を,それらの所得を任意に並べかえた分布であるとす ると, この基準は不平等尺度をI(・)としたとき吹のことを意味する。す なわち, I(")=I("') である。つまりこの基準は,不平等尺度を,所得の大きさにだけ注目させ て特定の所得の名称をはずすことを意味しているので匿名性基準とも呼ば れる。 <有界性原理>これは,不平等尺度I(・)が或る非負の実数値一特 に0と1−の間にあることを意味する。しかし,一般にこの範囲外にあ る尺度を, この範囲内に鈴さめる変換ば数多く存在するので,蕪数性 (cardinality)が問題とならないかぎり, それぼと.唄嬰な原理とはいえな い□ <相対的不平等回避の基準>今,任意の所得分布〃に対して,各人の 所得を比例的に8倍だけ増加させたとしよう。そして, β当りの不平等度 の増分[I(6・")-I(")]/βをとり, β一Oとしたときのその極限値が正・ ゼロ・負に応じてそれぞれ当該尺腱はUに拓いて,相対的不平等回避度逓 増・不変・逓減の各基準を充すという。特に,相対的不平等回避度不変ば, 規模不変・測定単位不変・ 0次同次の基準などとも呼ばれ, 当該尺度が分 布の相対的頻度にしか依存していないことを恵味する亜要な韮準とされて いる。つまり, インフレ等によって所得が名目的に増加した影響が不平等 係数に現われることを避けることを瞳味しているといえよう。 <絶対的不平等回避の基準>今,任意の所得分配〃に対して,各人の −93− 15

(17)

「実体分布と不平等尺度」 所得に等絶対額8を付加したとしよう。そして, ’当りの不平等度の増分 [I("+6)-J(")]/'をとり, β→0としたときの極限値が, ゼロ.負に応 じて, 当弦尺度を,絶対的不平等回避度不変・逓減の推準を充すという。 等絶対額の一律付加は相対的に低所得者の所得を高めることになるから, 相対的不平等回避不変の尺度は,絶対的不平等回避度逓減の原理を充す。 <所得移転の原理>ある与えられた所得分布〃=("1, ・・….,〃郡)に対 して, ノからjへの〃量の所得移転による不平等度の変化は,尺度I(・)に 対して, I(I/,,…,:/f+",…,I/j−h,…,'側)-I(I/1,…,"4,…,I/J, ・・・"") である。 このときI/f<"jなるすべてのj , ノと, 0<ノi<I/J一〃‘なるすべ ての〃について, この変化量が常に負であるとき, 尺度I(・)はこの基準 を充すという。この基準はまた,提唱者ドールトン(Dalton)の名を冠し てドールトンの移転原理,或いばピグーードールトンの移転原理とも呼ば れている。 <相対的ウエート原理>この原理は,所得水準のウエート (換言すれ ば,分析者が貧乏人・金持ちにかけるウエート)を具体的に明らかにする 原理でああといえる。いま当該不平等尺度をI(・)とすると, それを次の ように表わせるものとする。

I(v)=I:"(y)")d',

ここで脚(")は八:/)から独立で,は最高所得者である。次に, "の所得 を無限小だけ,所得水準が’一虎(0<"<,)の個人にトランスファーすれ ば, 不平等尺度は〃'(I/一〃)一〃!(9)だけ変化することが確められる。 こ の変化分をEとすると, E(")="'('一内)一抑'(F) となり, このEの一決,二次微分をとることにより当該不平等尺痩が, ど の所得水単にどれだけのウエートを付しているかが明らかとなる。 16 −94−

(18)

「実体分布と不平等尺度」

もう一つ,尺度の相対的ウエートの解明に寄与する方法が,尺度の分解 可能性の文脈から提案されている。すなわち, ある集団の所得分配 "=(I/1, ,",〃廊,"h+1,…,:/m)は,平均所得媒1,#11をもった二つのサブク・

ループ〃I=(I/,,…・ , I/h),"1I=("九+1,…・, I/")に分割されるとする。そし て全体の所得分配は各人の所得シェアによって表わされているとする。 こ こで任意の所得分配〃に対してその不平等度を〃("I),〃 〃("皿)とグル ープ間の不平等度に分解して か(")=",殿",)+z"1II"-h(",,)+I"(",,"II) と表現できるものとする。そしてその時のz4ノI,"IⅡの相対的比率をもって, 当該尺度の相対的ウエー│、を解明しようとするものである。 V実体尺度の不平等尺度としての有効性 本章の目的は, Ⅲ章の(4)で紹介された,実体分布より派生する諸尺度の うち, ポルトキヴィ 、ソツのど, 田村のスと〃, それに実体分布の相対的散 布度を示すβの四個の不平等尺度が, Ⅳ章で述べられた選択蕊準をどこま で充足するかを検証することにある。 まず対称性原理から始めることにする。現在知られている他の不平等尺 度同様, ここに紹介された四個の尺度もまた牌定の所得人員の名前には依 存せず, もっぱら所得の大きさにのふ依存している。したがってこの原理 は容易に充足されることが明らかである。 次Iこ,有界性原理を検証するために,以下のようなpolarcaseを想定し, それぞれによって計算して象る。すなわち, "I=(20,20,20,20,20(%)), "皿=(0,0,0,0,100(%)) という, 二つの分配状態である。 これによった 結果は, 5("I/=0,6("xI)=1,ス("1)=0,ス(軌I)=0.5,〃("】)=0,り("皿)=1, β("I)=0, P("II)=0となり有界性基準を充す尺度はスとワだけであるこ とが判明した。しかしながら尺度を[0,1]の範囲におさめる変換が多数 存在する事実からは, この原理を充さないことが不平等尺度としての本質 的欠陥とはいえないだろう。 −95− 17

(19)

「実体分布と不平等尺函 相対的不平等回避の原理を検証するために, Ⅲ章で用いた例で,各階級 中央値をβ(=10)倍し,その結果を用いてそれぞれ不平等度を比較して 翠ることにする。その結果は, 5=0.045,i=0.095,w=0.087, p=0.196 となりJ×’の操作を実行する前の結果と何ら変りがない。この結論は, したがって実体分布による各不平等尺度が,分布の相対頻度にしか依存し ていないことを意味していることになる。 絶対的不平等回避の原理は,前述の相対的不平等回避の原理同様に,原 度数分布の各階級中央値に絶対額6 (=5万門)を付加一すなわち (恩十β)の操作を行なう−することによって検証される。その結果は, g=0.0086, ス=0.017, "=0.017,p=0.096となり, 四者とも原分布での E=0.045,ス=0.095,"=0.087, p=0.196を大きく下回り,絶対的不平等 回避逓減であることが判明した。 ところで, ここにとりあげた四個の実体尺度に共通してふられる大きな 魅力は, それぞれがローレンツ曲線と密接な関係にあるということである。 そのことを, ピグーードールトンの移転原理を検証するために利用すると 図Ⅳのようになるであろう。図からも明らかなように,移転後のローレソ ツ曲線が,厳密に移転前のローレンツ曲線の内側に移行するなら明らかに (A"g-Mb)>(Md*一A"b*)である。しかしながら, もし移転が所得累積軸 で50%,人員累積軸で50%の外でだけ,或いは両者の内側でだけなされる としたなら,Md,M@は全くそれに反応しないことになる(図V参照)'6)。 最後に相対的ウニート原理を導入する。 この原理の検証には前述のとお り現在二種類の接近法が考察されている。すなわち, 当該尺度I(・)を

I(")=!:"(w)/(w)d"と変形し,E(")="'('-")-"'(")でのE(ル)の

性質を象るものと, ク・ループ内不平等に付されるウエート比, つまり

"‘/"‘=志(聟1.で…大小にょ。て掛艮畦分類する方法の二画で

16) βに関しても同じように図力乱描け同様の結論がでるがここではそれを割愛し た。 −96− 18

(20)

「実体分布と不平等尺函 1 (移転後) (移転前) 0.5 0 Me Me" 0.5 Md" 図Ⅳ Md l 1 0.5 I■■ OMe (A) 0.5 (B) Md(C)1 図V 「グループA,B,C内部でのみ完全平等が達成されるケース」 19 −97−

(21)

「実体分布と不平等尺度」 あった'7〕。 ところで,そもそも相対的ウエート原理なぉものが考えられてきた背景 の一つには,様々な尺度のうちでもさらに基準とされてきたローレンツ曲 線が図Ⅵのように交叉した時に,平等・不平等iこ関していかなる判断をす べきかという難問があったからにぼかならない。そしてその結果, αによ るメタ順序というべきものができ,それば図Ⅵによると,変動係数, タイ (1 1) 所得累積百分率 (0,0) 人員累穣百分率 図Ⅵ ローレンツ曲線の交叉 17) いま,パラメータE(>1)のアトキンソン尺度A(")に対してα=1−Eと

おぎ, 1I"(t/)=[1-A(IJ)]。-1=鐺㈲dr .--1で定義さ』、為艮度瓢を考え為。

この別に対して

"('!)-;z(%)"−,

”-‘(")=古‘皇‘(差)。−1

"-]-;["W"(¥)1

となるから

”‘=締)。 ,"‘,=苧(鶚。

と軸て‘"′"‘,=志(農)。 力蝉出され潟。

−98− 20

(22)

「実体分布と不平等尺度」 ル尺腱'8)やジニ係数の下では, 所得分配鯉が所得分配〃Bより平等であ り, E値の高いアトキソン尺度'9〕ではUBが〃Aより平等であるという相 異る評価が下されるということであった。また四個の実体尺度をもって二 つの分配状態を評価するといずれもJ("4)<I("B)となった。 しかしながら, この結果を用いて伍値で分類した諸尺度と直接的比較は 表Ⅱ

有界性既下期相対的不絶対的不

移転原理平等回避平等回避

パラメータ : α による相対的ウ エート 、

∼∼ ‐対称性

充足 充足 充足 充足 非充足 充足 充足 非充足 非充足 非充足 非充足 非充足 不変 不変 不変 不変 逓減 逓減 逓減 溺減 能 能 能 能 不 不 卒 不 可 可 可 可 B 2 り F

II

実体尺度 分 散 変助係数 相対平均偏差 対数分散 タイル尺度 ジニ係数 アト.ソソン尺 度E=0 〃 0<E<cc E=cD 相対 的ロールズ 充足 充足 非充足 非充足 充足 充足 非充足 逓増 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 逓減 逓減 逓減 逓減 逓減 還減 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 充足 α=2 1 1 一一一一 a a 不変避減 0−<α<1 不変逓減 α=一cc 充足 非充足 (マックス・ ミソ原理) 注:一部,青木[1]より引用。 18) H. タイルは,情報理論において用いられるエントロピー概念にもとづき, 次のように定装されるタイル尺腱:Tを提案した。

T(")=log郷一堂i/fl.gユ=2v{!og郡y‘

’宜1 〃i f=1 '9) アトキンソン尺産A(y)は次のように定義される。すなわち,

‘"=1−[鵠(割-‘]''‘'一基業1)

ここで, パラメータEは,社会的厚生が平等度と平均所得水準の秋であらわさ れる場合の個人の所得の社会的代替の不変弾性値をあらわす。つまり, Eが0 に近づくと, 高所得者から低所得者への所得移転は, それがいかに大きい所得 格差をもつ人との間の移転であっても,その社会厚生的効果ば0に近づく。 −99− 21

(23)

「実体分布と不平等尺度」 できないことに注意しなければならない。なぜなら,実体尺度はα値を求 める際に必要とされる変形が不可能であるからである。したがってここで は上の結果を単に参考程度として評価しておくにとどめる。 さて,本章で明らかにされた諸結果を他の不平等尺度群と並列して表に まとめると表Ⅲのようになる。すなわち,実体尺度は他の尺度と比較して, i)四個のうち二個までが有界性原理を充さない。しかしこれは不平等尺 度としての本質的欠陥とばいいがたい。むしろ, ii)ピグーードールトン の移転原理を充さないことの方が不平等尺度として大きな欠陥である。 iii)相対的ウエートに関しては,他の尺度と共通の基準を有しておらず, 比較不可能である。 とばいうものの実体尺度は, iv)それがローレンツ曲線と密接な関係に ありその図的説明が容易にでき,直観に訴えやすい。 v) ローレソツ曲線 を描く際に必要とされる所得の累積度数分布から容易に計算されうる。 vi)全所得を二等分するという実質的意味づけができるjifaをその構成要 素にもっている。等,多くの魅力をもつものである。 Ⅵおわりに 本稿では, 1930年代に集中的に研究されながら,その後忘れられていた 四個の実体尺度を様点な不平等尺度選択の基準に照らして,その背後にあ る経済理論を摘出しようと試魏た。そのために, Ⅱ章では,実体尺度の母 体となるべき実体分布の研究史が述べられた。その結果,実体分布研究は 古くは19世紀中葉にまで遡り, その後ローレンツ曲線やジニ集中指数等の 慨れた不平等尺度出現の契機となった,等の事実が明らかにされた。Ⅲ章 では,実体分布の厳密な数学的定義や,諸特性値が通常の度数分布との比 較において整理された。また, Ⅳ章では,不平等尺度選択のための六個の 基準が,紹介され解説されV章への準備がなされた。V章では, それまで 明らかにされた諸結果をふまえ,実体尺度の不平等尺度としての妥当性が 22 −1“一

(24)

「実体分布と不平等尺函 吟味された。その結果は表Ⅲに示されたが,一般にピグーードールトンの 移転原理を充さないという致命的欠陥を有していることが判明した。 最後に,実体分布研究に残された今後の課題を若干述べると,次のよう になる。 i)実体尺度は,−,二の基準, 特にピグーードールトンの原理 を充さないという規範的接近法にとっては致命的欠陥を有しているにもか かわらず, ローレンツ曲線との直観的関係や,MMd等の実質的内容をもっ た要素を有しているなど記述的尺度として多くの魅力があり他の尺度と並 列した補完的利用が期待される。 ii)本稿では,実体分布研究より派生す る尺度としては,四個の実体尺度のJZAを考察の対象としたが, これら四個 以外にも.実体分布の蕊礎的研究によって, より優れた不平等尺度が導出 される可能性があり, その方面での今後の研先が期待される。 〔参考文献〕 [1]青木昌彦(1979), 『分配理論』筑摩書房。

[2] Atkinson,A.B. (1970), "TheMeasurementof lnequality", Journal

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[4] Champernoun, D.G. (1953), "AMedel of lncomeDistribution",

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[6] Gibrat,R. (1975), "OnEconomiclnequalities,'' InternationalEconDmic papers, 7. (translatedfr・omthel931FrenchEdition)

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[8] Lorenz,M.C. (1905), "MethodsofMeasuringtheConcentrationof Wealth,"Publicationsof theAmericanStatisticalAssociation, (New Series)70.

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(25)

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参照

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