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精神科診断学

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Academic year: 2021

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(1)

古代から近代へ

• 客観的が乏しく、症状が主観的体験 • 治療が必要とする病気とは理解されず、多 くの誤解や偏見の目で見られてきた • 古来、精神障害は悪霊、悪魔あるいは動 物に取り憑かれたものとして虐待された • 反対に神霊を受けた者として宗教的にあ がめられることもあった

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ヒポクラテス

• 「医聖」と呼ばれている • 紀元前4~5世紀 • 心理現象が脳によって営まれると考えた • てんかん、ヒステリー、せん妄などを病気と して記述し、現代にも通ずる科学的思考を 持っていた

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中世

• キリスト教の普及 → ローマカトリックの 権威が増大 • 聖書の教えに反する者は全て異端 → 暗黒時代 • 多くの災難は悪魔に取り憑かれた魔女の 仕業 → 魔女狩り

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ルネッサンス以降

• 16世紀オランドの医師ワイヤーが魔女狩り に反対.精神障害も他の身体障害と同様に 病気 → 全く相手にされなかった • 魔女狩りも終息期に精神障害者は、犯罪 者、浮浪者と同類視され、迫害 • 15~16世紀からようやく精神病院が設置 • これといった治療法もなく鎖、拘束衣で自 由を奪われた

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ピネル (仏)

• 1789年のフランス革命 → ヒューマニズ ム思想 • 1793年 パリの精神病院で長い間鎖につ ながれていた病者を開放し、精神障害者を 人間的に処遇するきっかけを作った • チューク(英)、コノリー(英)

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近代精神医学の誕生

クレペリン (独)

• 記述精神医学 • 一定の病因(原因)から一定の経過をたど った後、一定の転帰(終末)をとるものをひ とつの病気と考えた • 内因性精神障害を早発痴呆(統合失調症 )と躁うつ病の2大精神病に分類

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フロイト

• ウィーンで精神科の開業医をしていた • 多くの神経症の患者を治療 • 深層心理 → 無意識 • 精神分析を確立 • 抑圧された意識されない精神課程が精神 疾患の成立において重要な役割を果たす

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向精神薬の発見

• 1949年 リチウム

• 1952年 クロールプロマジン • 1957年 三環系抗うつ薬

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精神障害の初期の分類

1840年代の米国国勢調査

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精神障害の初期の分類

1880年代の米国国勢調査 – Mania(躁狂) – Melancholia(メランコリー) – Monomania(モノマニー) – Paresis(進行麻痺) – Dementia(痴呆) – Dipsomania(酒渇症) – Epilepsy(てんかん)

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精神障害の初期の分類

1889年精神科学の国際会議 – Mania (躁狂)

– Melancholia (メランコリー)

– Periodical insanity (周期性精神病)

– Progressive systematic insanity (進行性体系的精神 病)

– Dementia (痴呆)

– Organic and senile dementia (器質性および老人性痴 呆)

– General paralysis (進行麻痺) – Insane neuroses (神経症)

– Toxic insanity (中毒性精神病)

– Moral and impulsive insanity (道徳性および衝動性狂 気)

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精神科診断分類

⚫ 精神疾患の分類と診断のための手引、第

5版(米国精神医学会)

DSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition)

⚫ 第10回国際疾病分類(世界保健機関)

ICD-10(International Classification of Disease, 10th Revision)

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「病的精神現象を分類する試みほど、

人類の知能が試されたものは稀であ

る」

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「精神医学における分類は、精神医

学が学問として成立する以前から存

在していた。事実、精神医学それ自体

が分類から生じたのである」

(25)

精神医学も科学、応用科学、医学の一つ

であり、個々の病態を体系的に扱う際には、 グループ分けして整理し(分類

classification)、それらに適切な名称 (nomenclature)を与える必要がある.

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疾患単位(disease entities、

Krankheitseinheiten)

疾患単位の概念を確立したのが Kahlbaum(1828~1899). Kahlbaumの「疾患単位」 – 1.全精神病の経過 – 2.精神病の全体像

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Kraepelin(1856~1926)がKahlbaumの

思想を受け継ぎ、これらを修正.

1.固有な同一の原因 2.同一の心理学的基本型 3.同一の発展と経過 4.同一の転帰 5.同一脳病理解剖的脳所見

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反論

1.単一精神病(Einheitpsychose)論者 E.A.Zeller、H.Neumann、W.Griesinger 2.精神分析家 K.Menninger 3.反精神医学 Laing、Cooper、Szaz 4.Antinosologicalな立場 A.Meyerによる神経症反応、躁うつ状態、分裂病状態、 中毒性せん妄状態、欠損傾向の器質精神障害、精神 遅滞. 5.Jackson、Eyの立場

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精神障害とは (DSM-5)

• 精神疾患とは、精神機能の基盤となる心 理学的、生物学的、または発達過程の機 能障害によってもたらされた、個人の認知 、情動制御、または行動における臨床的に 意味のある障害によって特徴づけられる 症候群である.

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ICD、DSMの歩み

WHO 米国精神医学会 1948 ICD-6 1951 DSM- 1955 ICD-7 1967 ICD-8 1968 DSM- 1975 ICD-9 1980 DSM- 1987 DSM-Ⅲ-R 1993 ICD-10 1994 DSM- 2013 DSM-5

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精神科診断の特徴

1.「病気」の概念をどの様に定義するかに密接に関わって いる 2.たとえ同一の診断分類を用いても診断の不一致率が高 い 3.残念ながら身体疾患に比し、治療、及び予後予測にあ まり意義が高くない 4.残念ながら、日常臨床において大多数の精神科医は診 断に余り興味を示さない 5.精神障害者、精神科診断には社会的偏見が存在する 「ただのレッテル貼りにすぎない」

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Kendell,R.E.による“病気”の概念

1.患い(suffering)として病気というものがある 2.医師の側が治療の必要性を認めるものが病気である 3.障害(lesion)としての病気 – いわゆる医学モデルで捉えられる病気であり、この立 場に立つと殆ど全ての精神障害は病気と捉えられなく なり、反精神医学が反乱した時代があった.裏を返せ ば反精神医学は頑固な病理主義.) 4.ストレスに対する適応の失敗(Meyer,A) 5.完全な者を健康な状態と捉える立場 精神分析な立場では、これにより殆ど全ての者が病気 となってしまう 6.平均からの偏異を病気とする 優れている場合も病気となってしまう

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Kendell,R.E.による“病気”の概念

• 問題の性質をあらゆる人がもっている場合には、分類の区 別は必要ない.また、問題の性質が、各個人ごとに違って いる場合にも、分類や区別は必要ない.しかし、一部のグ ループだけがもつものは必要である. • この分類によって、ある治療法と他の治療法との優劣を比 較できるのであり、同時に治療の対象となるものが、同じグ ループの病気であることが比較の前提である。また、疫学 的比較において、診断基準が一定でないと、結果の判定が 不明確となる.

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2つの分類・診断基準

• ICD-10 (第10回国際疾病分類) WHO • DSM-5 (精神疾患の診断・統計マニュアル、第5 版) 米国精神医学会

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ICD-10分類

F0:症状性を含む器質性精神障害 F1:精神作用物質使用による精神 および行動の障害 F2:統合失調症(統合失調症)、分 裂病型 障害および妄想性障害 F3:気分(感情)障害 F4:神経症性障害、ストレス関連障 害および 身体表現性障害 F5:生理的障害および身体要因に 関連した行動症 候群 F6:成人の人格および行動の 障害 F7:精神遅滞 F8:心理的発達の障害 F90-98:小児期および青年 期に通 常発症する行動および情緒の 障害 F99:特定不能の精神障害 Z00-Z99:健康状態および保 健サービス の利用に影響を及ぼす要因

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DSM-5分類

Neurodevelopmental disorders(神経発達症

群/神経発達障害群)

Schizophrenia spectrum and other psychotic disorders(統合失調症スペクトラム障害および

他の精神病性障害群)

Bipolar and related disorders(双極性障害および

関連障害群)

Depressive disorders(抑うつ障害群)

Anxiety disorders(不安症群/不安障害群)

Obsessive-compulsive and related disorders

(強迫症および関連症群/強迫性障害および 関連障害群)

Trauma-and stressor-related disorders(心的

外傷およびストレス因関連障害群)

Dissociative disorders(解離症群/解離性障

害群)

Somatic symptom and related disorders(身

体症状症および関連症群)

Feeding and eating disorders(食行動障害お

よび摂食障害群)

Elimination disorders(排泄症群)

Sleep-wake disorders(睡眠―覚醒障害群)

Sexual dysfunctions(性機能不全群)

Gender dysphoria(性別違和)

Disruptive, impulse-control, and conduct disorders(秩序破壊的・衝動制御・素行症群)

Substance-related and addictive disorders

(物質関連障害および嗜癖性障害群) ⚫ Neurocognitive disorders(神経認知障害群)

Personality disorders(パーソナリティ障害群)

Paraphilic disorders(パラフィリア障害群)

Other mental disorders(他の精神疾患群)

Medication-induced movement disorders and other adverse eff ects of medication(医

薬品誘発性運動症群および他の医薬品有害作 用)

Other conditions that may be a focus of clinical attention(臨床的関与の対象となる

参照

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