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公益財団法人滋賀県文化財保護協会 平成25年度事業報告

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Academic year: 2021

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平成 25 年度 事業報告

平成 25 年度は、第四次中期計画に基づき、発掘調査をはじめ計画的に各種事業を推進し た。施設管理については、滋賀県立安土城考古博物館を、平成 23 年度から引き続き指定管 理者として委託を受け、施設の管理運営を行い、滋賀県立琵琶湖文化館、滋賀県埋蔵文化 財センターについて、引き続き管理委託を受け事業推進を図った。

Ⅰ.協会運営

1.役員会議等の開催 ①決算監査 平成 25 年 5 月 22 日(水) ②第1回定例理事会 平成 25 年 5 月 31 日(金) ③定時評議員会 平成 25 年 6 月 19 日(水) ④第 2 回定例理事会 平成 25 年 9 月 27 日(金) ⑤第 3 回定例理事会 平成 25 年 12 月 13 日(金) ⑥第 4 回定例理事会 平成 26 年 3 月 13 日(木) 2.管理事務 公益財団法人への移行認定申請書を提出し、平成 24 年 3 月 23 日付け滋賀県より 公益財団法人として認定され、4 月 1 日より公益財団法人滋賀県文化財保護協会と して移行し、2年目を迎えた。 3.指定管理 滋賀県立安土城考古博物館(指定管理期間 23 年~27 年、5 年間)の指定管理者と して 3 年目を迎え、効率的な管理運営を図った。

Ⅱ.文化財保護のための普及啓発事業

普及啓発事業については、文化庁の文化財補助事業「地域の文化遺産を活かした観光 振興・地域活性化事業」を得て、文化財の保護活動を展開した。 1.文化財展の開催 (1)「レトロ・レトロの展覧会 2013―平成 24 年度発掘調査出土品展―」の開催 平成 24 年度に当協会が発掘調査した 10 遺跡について、出土遺物、遺構写真パネル、関連 イラスト等を展示して調査の成果をわかりやすく公開した。 ①実施期間:平成 25 年 7 月 20 日(土)~9 月 1 日(日) ②開催場所:滋賀県埋蔵文化財センター ③入 館 者:4,933 人(前年度 4,984 人) ④関連イベント:「クイズラリー」「火起こし体験」「プラ板による出土品アクセサリー製作体験」

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を期間限定で実施。「顔出し看板」「古代の衣装着用体験」「古代の 楽器演奏体験」を常設で実施。 「火起こし選手権」…時間を競う選手権としても実施。 (参加人員:親子部門 21 組、小学生高学年部門 15 人) (2)JR湖西線大津京駅構内での文化財関連展示 大津京駅構内の展示場で、埋蔵文化財保護の普及啓発を目的とした展示を 4 回実施した。 ①「大津の古墳とその時代―宇佐山古墳群の発掘調査成果―」…箱式石棺内に人骨 が残る古墳時代中期の宇佐山古墳 13 号墳の紹介(5 月 17 日(金)~6 月 28 日(金))。 ②「夏休みの宿題はおまかせ! レトロ・レトロの体験フェスタ 2013」…蛍谷遺跡 の出土遺物の展示や夏休み期間中に開催するイベントの紹介(6 月 28 日(金)~9 月 27 日(金))。 ③「湖都三城ものがたり」…大津の琵琶湖岸に建てられた坂本城・大津城・膳所城を パネルで紹介。膳所城出土遺物を展示(9 月 27 日(金)~平成 26 年 1 月 27 日(金))。 ④「古代のグルメで お・も・て・な・し」…古代人の食生活に関連する遺物を展示 し紹介(3 月 28 日(金)~6 月 27 日(金))。 (3)特別展示および体験イベントの実施 大型商業施設(フォレオ大津一里山・イオンモール草津)で、県内出土の縄文時代~古墳時代 のアクセサリーや製作道具を展示、解説を行い(ミニ展示)、小学生を対象とした勾玉製作 体験(1 回 30 人で 3 回程度)を行った。 ①フォレオ大津一里山にて「レトロ・レトロの体験フェスタ 2013 勾玉作り in フォ レオ大津一里山」(7 月 21 日(日)) …蝋石を使った勾玉の製作体験と古代のアクセサリーのミニ展示を実施。 参加人数…勾玉製作体験 122 人、ミニ展示観覧 約 470 人。 ②イオンモール草津にて「レトロ・レトロの体験フェスタ 2013 勾玉作り in イオンモー ル草津」(8 月 11 日(日)) …蝋石を使った勾玉の製作体験と古代のアクセサリーのミニ展示を実施。 参加人数…勾玉製作体験 93 人、ミニ展示観覧 約 301 人。 ③イオンモール草津にて「体験タイムトラベル・古代へ GO! 古代のグルメで」 (平成 26 年 2 月 8 日(土)~9 日(日)) …旧石器時代~江戸時代の食に関する県内出土遺物を展示、解説を行った。体験学 習としてクイズ・スタンプラリー、縄文アクセサリー製作体験を実施した。他の広報イベントも照会 した。 参加人数…縄文アクセサリー製作体験 38 人、入場者 2,353 人(昨年 3,600 人)。 2.刊行物の発行 (1)シリーズ集 等の発行 ・「おうみ文化財通信」(協会の活動、調査成果の広報) 年 4 回編集・配布 ・シリーズ近江の文化財 007「内湖とその暮らし―入江内湖、松原内湖、大中の湖・小

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中の湖―」 刊行 (2)紀要の発行 ・職員の研究成果を論文にまとめた「紀要」第 27 号を発行した。 3.調査成果説明会の開催 発掘調査の現地説明会や整理調査の成果報告会を行い、地元住民や県民に調査成果を 広め、埋蔵文化財の普及に努めた。 ①発掘調査現地説明会(地元対象を含む)の開催…8 回開催 (上御殿遺跡・金森西遺跡 等)、参加者延べ 1,343 人 ②整理調査成果報告会(「あの遺跡は今!」)の開催…2 回開催 参加者延べ 542 人(7/21…276 人、2/17…266 人) 4.情報の発信 協会ホームページにより発掘調査情報、現地説明会の案内、出版案内、整理調査成果の速報 などの情報を全国に発信した。 ・平成 25 年度アクセス数 334,241 件 5.連続講座の開催 (1)文化財もの知り学「新発見・発掘調査員が語る近江の遺跡と歴史 2013」をテーマに、 当協会職員が講師となり、調査や研究の成果から遺跡を語る講座を 9 回開催した(聴講会 員 119 人)。 ①縄文人の空間思想・環状墓地の秘密 相谷熊原遺跡 ②琵琶湖との絆・先史の湖畔の村々 琵琶湖開発事業関連遺跡 ③探究・古墳時代の木工と集落 中沢遺跡 ④新発見・琵琶湖を眺めた古代豪族の墓 宇佐山古墳群 ⑤探訪・丘陵に広がる古代のコンビナート 源内峠遺跡 ⑥国の宝・近世彦根城と重臣屋敷の秘密 特別史跡彦根城跡 ⑦古代の大動脈・琵琶湖航路と塩津港遺跡 塩津港遺跡 ⑧復元・近世膳所城の秘密 膳所城遺跡 ⑨古墳時代の製材基地 蛭子田遺跡 (2)連続講座のオプショナルツアーの開催 直接現地を探訪し、調査成果の理解を深めてもらうことを目的に、下記 2 か所で開催し た。 ・11 月 2 日(土) 「秋の探訪 2013 in 彦根城」 特別史跡彦根城跡 および名勝玄宮楽々園 参加人数 35 人 ・3 月 22 日(土) 「潜入!大津北郊の古代」 史跡崇福寺跡、百穴古墳等 参加人数 39 人

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6.埋蔵文化財法人との連携 埋蔵文化財の調査研究および普及等にかかる事業を推進する全国の公益法人等をもって 組織する全国埋蔵文化財法人連絡協議会(48 法人)の総会や近畿ブロック(13 法人)で、 情報の交換や講演会等の共同開催を行った。 (1)第34回全国埋蔵文化財法人連絡協議会総会の開催 全国から39法人を迎え、総会を開催し、平成24年度事業報告や平成25年度事業計 画などを議題とし、また、文化庁から「埋蔵文化財保護行政の現状と課題」と題した講話 があった。 ①日時:平成 25 年 6 月 20、21 日 ②会場:草津市(ホテルボストンプラザ草津) ③視察:滋賀県立安土城考古博物館、近江八幡市八幡堀周辺 (2)「関西・考古学の日 2013」の開催 埋蔵文化財への関心を高めてもらう目的で、近畿ブロックの各法人と参画施設の協力を 得て文化財情報をまとめて発信(イベントパンフレットの作成)する「関西・考古学の日 2013」(9 月から 11 月の期間、今年度で 6 回目)を開催した。 ①平成 25 年 10 月 12 日(土)に『ヤマト王権と地域首長』(場所:長岡京市立中央 公民館)をテーマに記念講演(講師:石野博信氏)、各地域の研究発表(5 地域) を実施し、約 210 人の参加を得た。 ②各法人が運営・管理する展示施設(16 か所)を中心にスタンプラリーを実施した。 (3)第 19 近畿ブロック埋蔵文化財研修会 職員の資質向上を目的に、「まつりと弔い」と題し、近畿ブロック法人の職員が、最新 の発掘成果・研究成果を発表する研修会を開催した。発表は 11 例、当法人からは上御殿遺 跡の調査成果(古代の木製祭祀具と墨書人名土器)について発表した(参加人数 38 人)。 ①日時:平成 25 年 11 月 22 日(金) ②会場:大阪府立弥生文化博物館(公益財団法人大阪府文化財センター) 7.大学との連携事業 地域・社会貢献の一環として、人材育成を目的に大学との連携を実施した。 大学名 カリキュラム内容 受入または受講人数(人) 京都橘大学 文学部 「文化財調査実習Ⅰ」(発掘調査 の基礎を体得するため現地調査作 業を体験) 4(2 回生) 奈良大学 文学部 「博物館経営論」(講師派遣) 講義(2 回生以上) 8.講師派遣事業の実施 当協会の文化財専門職員が培ってきた発掘調査情報と知識を幅広く社会に還元するた め、講師派遣事業を実施した。 ①講師派遣 42 件、 受講者等 1,073 人

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②文化財探訪 14 件、 受講者等 559 人 9.体験学習の開催 埋蔵文化財センターでの体験学習 夏休みに、主に小学生と親子を対象とした体験学習を実施した。 (1)内 容:「鍛冶体験」…五寸釘を火で熱し叩き伸ばしてオリジナルナイフを作る。 「草木染色体験」…季節の植物を使って綿布を染める。 「石鏃作り体験」…石を割って石鏃を作る。 (2)参加人数: 延べ 346 人

Ⅲ.埋蔵文化財発掘・整理調査事業

平成 25 年度に実施した試掘調査および発掘調査件数は 19 件 (昨年度:17 件)、整 理調査は 21 件(昨年度:21 件)計 40 件である。調査面積は 52,481 ㎡(昨年度:44,551 ㎡)で、前年度比 114%である。 契約件数による事業別では現地調査が、国土交通省 1 件、土木交通部 12 件、農政水産 部 1 件、県病院事業庁 1 件、県土地開発公社 1 件、市町教育委員会では 3 件(甲賀市・ 長浜市・米原市)を行った。農政水産部事業が大幅に減少し、土木交通部事業(主に道 路関係)が主流となっている。 整理調査では、琵琶湖総合開発に伴う整理調査は最終年(平成 4 年度開始)を迎え、 1件を継続的に行った。他に、国土交通省 2 件、土木交通部 9 件、農政水産部 5 件、県下 水道事務所 1 件、県道路公社 1 件、市町教育委員会 2 件(草津市・長浜市)を行った。 発掘調査報告書は 11 冊(9 事業)刊行し、関係機関等へ配布した。 1.発掘調査事業 (1)松原内湖遺跡(彦根市、国土交通省事業) 国道 8 号米原バイパス工事に伴う調査で、小丘陵に囲まれた谷地形および緩斜面を検出し た。主に縄文時代の集石土坑、奈良時代の遺物包含層を確認した。 (2)上御殿遺跡(高島市、土木交通部河港課事業) 河川改修工事に伴う調査で(平成 20 年度からの継続)、古墳時代の竪穴住居、後期の古 墳、奈良~平安時代の掘立柱建物、古墳~平安時代の旧河道等が確認された。遺物は、国 内初となる弥生時代中期~古墳時代初めの双環柄頭短剣の鋳型をはじめ、旧河道からは平 安時代の土器と共に木製祭祀具等が出土した。 (3)金森西遺跡(守山市、土木交通部道路課事業) 県道の整備工事に伴う調査で、古墳時代前期の竪穴住居、掘立柱建物、溝、土坑、河川 等を検出した。特に、緑色凝灰岩製品および滑石製品とその未成品等の玉作りに関連する 遺物が出土した。 (4)横山城遺跡(長浜市、土木交通部道路課事業) 県道の整備工事に伴う調査で、古墳時代後期の古墳を検出し、土器・鉄製品が出土した。 傾斜地の狭小な範囲で複雑に重複した奈良時代の竪穴住居を 30 棟検出した。

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(5)安養寺遺跡(近江八幡市、土木交通部道路課事業) 県道の整備工事に伴う調査で、中世の区画溝や掘立柱建物、近世の井戸等を検出した。 奈良時代の瓦の出土から、近接地に寺院の存在を伺うことができる。 (6)岡遺跡(栗東市、土木交通部道路課事業) 県道の整備工事に伴う調査で、奈良時代から平安時代の溝や掘立柱建物等を検出した。 (7)毛枚北城遺跡(甲賀市、土木交通部砂防課事業) 急傾斜地崩壊対策(総流防)工事に伴う、地形測量調査で、丘陵先端部に築かれた単郭 の城郭で、主郭の曲輪を中心に、その北部および北西部に小規模な曲輪があり、主郭の北 ・東・南には土塁が巡ることが明らかとなった。 (8)堤ケ谷遺跡(竜王町、県土地開発公社事業) 工場用地造成計画に伴う調査で(平成 23 年度からの継続)、全体に大規模な開析を受 けていることが判明し、埋積土中から弥生土器等の遺物が出土した。 (9)吉身西遺跡(守山市、県病院事業庁事業) 滋賀県立成人病センター新病棟工事に伴う調査で、古墳時代の竪穴住居・方形周溝墓 (前期)、円墳(中期)、土器埋設遺構(後期)、奈良時代の掘立柱建物・土器埋設遺構、 平安時代の溝群等を検出した。古墳時代の出土土器から古墳築造後約1世紀後に祭祀を行っ ていることが確認された。 (10)貴生川遺跡(甲賀市、市町教育委員会事業) 甲賀市教育委員会からの依頼による区画整理事業に伴う調査で、古墳時代の竪穴住居、 鎌倉時代の掘立柱建物等を検出した。 2.整理調査事業 (1)国交省事業 入江内湖遺跡、塩津港遺跡の整理調査を行った。 (2)琵琶湖開発事業に伴う業務 最終年度のあたり、湖東北部と湖西北部(森浜遺跡・ 大溝湖底遺跡他)、湖東地域(長命寺湖底遺跡)の調査の報告書を刊行した。また、本事 業の総括編の報告書(3 分冊)を刊行した。 (3)県土木交通部事業 清滝寺・能仁寺遺跡、蛭子田遺跡について報告書を刊行し、天 神畑・上御殿遺跡、横江遺跡、金森西遺跡、新堂前遺跡の整理調査を行った。 (4)農政水産部事業 相谷熊原遺跡(一部)、下羽田遺跡、上沢遺跡の報告書を刊行し、 下羽田遺跡(浄化池)、狛氏館の整理調査を行った。 (5)県下水道事務所事業 松原内湖遺跡の整理調査を行った。 (6)県道路公社事業 膳所城遺跡の報告書を刊行した。 (7)市町教育委員会関係事業(民間) 草津市中沢遺跡の報告書を刊行した。

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№ 報告書名 副 題 所在地 事業者 備 考 1 農地環境整備事業関係遺跡 発掘調査報告書 1 相谷熊原遺跡 東近江市 県農政水産部 縄文時代草創期の竪穴住居を検出し、日 本最古の土偶、石器等が出土。 2 近江大橋有料道路建設工事 (西詰交差点改良)に伴う発 掘調査報告書 膳所城遺跡 大津市 県道路公社 膳所城「北の丸」の区画溝や雨落ち溝を 検出。 3 宅地造成工事に伴う発掘調 査報告書 中沢遺跡 草津市 草津市教育委員 会(民間) 古墳時代の自然流路や溝、中世の掘立 柱建物や土坑を検出し、土器・木製品 等が出土。 4 琵琶湖開発事業関連埋蔵文 化財発掘調査報告書 11 琵琶湖西北部地 域の湖底・湖岸遺 跡 高島市 旧水資源開発 公団 針江浜遺跡、森浜遺跡、西浜遺跡、大溝 湖底遺跡の調査成果。 5 琵琶湖開発事業関連埋蔵文 化財発掘調査報告書 14 琵琶湖東地域の 湖底・湖岸遺跡 近江八幡 市 旧水資源開発 公団 多景島遺跡、長命寺湖底遺跡、岡山城 遺跡の調査成果。 6 琵琶湖開発事業関連埋蔵文 化財発掘調査報告書 15 総括編 旧水資源開発 公団 事業の最終年度にあたり、これまでの調 査成果を3分冊にまとめたもの。 7 能仁寺川通常砂防工事に伴 う発掘調査報告書 2 清滝寺・能仁寺遺 跡Ⅱ 米原市 県土木交通部 谷部で石垣・石列が、下流部では石組 み溝・石積み等の清滝寺坊院に関する 遺構を確認。 8 蒲生インターチェンジ設置工事に 伴う発掘調査報告書 1 蛭子田遺跡 東近江市 ネクスコ西日本 弥生時代中期の方形周溝墓、古墳時代 初頭~後期の河道・竪穴住居・掘立柱 建物・溝・土坑、奈良時代~平安時代 の溝等を検出し、古墳時代の土器と共 に多くの木製品が出土。 9 蒲生インターチェンジ設置工事に 伴う発掘調査報告書 2 蛭子田遺跡 東近江市 県土木交通部 10 ほ場整備関係遺跡発掘調査 報告書 41-2 下羽田遺跡 東近江市 県農政水産部 縄文時代晩期の土坑、鎌倉~室町時代の 溝・小穴を検出。 11 ほ場整備関係遺跡発掘調査 報告書 41-3 上沢遺跡・浄土屋 敷遺跡Ⅲ 東近江市 県農政水産部 室町時代の溝・小穴等を検出。 表1 平成 25 年度刊行の発掘調査報告書一覧 現地 7 月 14 日(土)

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公開の方法 遺 跡 名 所在地 場 所 日 時 対象 参加(人) 1 現地説明会 堤ヶ谷遺跡 竜王町 地元公民館 5 月 25 日(土) 地元 40 2 現地説明会 上御殿遺跡 高島市 現地 8 月 10 日(土) 地元 100 3 現地説明会 上御殿遺跡 高島市 現地 8 月 11 日(日) 一般 600 4 現地説明会 金森西遺跡 守山市 現地 9 月 7 日(土) 一般 170 5 地元説明会 横山城遺跡 長浜市 現地 11 月 10 日(日) 地元 13 6 地元説明会 吉身西遺跡 守山市 現地 1 月 26 日(日) 地元 170 7 現地説明会 上御殿遺跡 高島市 現地 3 月 2 日(日) 一般 100 8 現地説明会 貴生川遺跡 甲賀市 現地 3 月 9 日(日) 一般 130 9 地元説明会 毛枚北城遺跡 甲賀市 地元公民館 3 月 11 日(火) 地元 20 計 1,343 表2 平成 25 年度 発掘調査に関る現地説明会・調査報告会等の開催実績

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表3 平成25年度 埋蔵文化財調査一覧表

【 発掘調査・試掘調査 】 № 契約番号 遺 跡 名 所在地 調査内容 試掘 (㎡) 発掘(㎡) 検出された主な遺構・遺物と時期 1 920 松原内湖 彦根市 発掘 3,000縄文時代の集石土坑、奈良時代の遺物包含層を確認。 2 907 上御殿 高島市 発掘 4,000 古墳時代の竪穴住居、後期の古墳、奈良~ 平安時代の掘立柱建物、古墳~平安時代の 旧河道等を検出。国内初の双環柄頭短剣の 鋳型、旧河道からは平安時代の木製祭祀具 が出土。 3 911 塩津港 長浜市 発掘 4,500平成19・20年度調査で確認した平安時代の神社遺構の養生作業と河口部の調査。 4 901 金森西 守山市 発掘 5,310古墳時代前期の竪穴住居、掘立柱建物、旧 河道等を検出。玉作り関連遺物が出土。 5 903 横山城 長浜市 発掘 3,000古墳時代後期の古墳、複雑に重複した奈良 時代の竪穴住居を30棟検出。 6 904 太子 大津市 発掘 5,182縄文時代の土器棺墓、中世の掘立柱建物、中近世の旧河道・溝等を検出。 7 928 安養寺 近江八幡市 試掘 235 試掘調査により、溝・小穴を確認。 8 938 安養寺その2 近江八幡市 発掘 180 1,670中世の区画溝や掘立柱建物、近世の井戸等を検出。奈良時代の瓦が出土。 9 929 岡 栗東市 発掘 900奈良~平安時代の溝や掘立柱建物等を検出。 10 940 臨済庵 東近江市 発掘 1,085寺院跡に関連すると推定されていた石垣が近現代のものであることが判明。 11 937 大石城 大津市 試掘 460 試掘調査により、中世の土坑・溝・小穴を確認。 12 922 毛枚北城 甲賀市 測量 3,731 主郭を中心に北・東・南側に土塁が巡り、 北・北西部に曲輪が附属する単郭の城郭で あることが判明。 13 939 島 近江八幡市 発掘 442 奈良時代の土壙墓を数基確認。 14 926 狛氏館 東近江市 発掘 450古代から中世の土坑・小穴・井戸等を検出。 15 902 堤ケ谷 竜王町 発掘 12,400大規模な開析を受けていることが判明。埋 積土から弥生土器が出土。 16 930 吉身西 守山市 発掘 2,873 古墳時代の墓と住居、奈良・平安時代の掘 立柱建物、祭祀に関わる土器埋納遺構が確 認されたことから、連綿と集落が営まれて いてことが判明。 17 912 貴生川 甲賀市 発掘 3,000古墳時代の竪穴住居、鎌倉時代の掘立柱建 物等を検出した。 18 934 名勝慶雲館庭園 長浜市 発掘 13 庭園の前庭流れの保存修理に伴う調査で、 流れ底の下部構造(礫敷等)や構築状況を 確認。 19 935 名勝青岸寺庭園 米原市 発掘 50庭園の保存修理に伴う調査で、瀧石組みと 霰こぼしの設置状況を確認。 計 875 51,606 国土交通省事業 土木交通部河港課事業 土木交通部道路課事業 土木交通部砂防課事業 県土地開発公社事業 農政水産部事業 市町事業 県病院事業庁事業

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№ 契約番号 遺 跡 名 所在地 調査内容 対象調査年度 (平成) 報告書 主な整理対象の遺構・遺物と時期 1 919 入江内湖 米原市 整理 21・22 旧内湖より縄文時代の土器・石器・木製 品、古墳時代の土器・木製品が出土。 2 936 塩津港 長浜市 整理 24 平安時代後期の塩津港の護岸施設を検出し、木簡等出土。 3 914 琵琶湖開発事業関連 (湖西・湖東) 整理 ○(3) 湖西北部、湖東地域の調査成果の報告。事 業の最終年度にあたり、これまでの調査成 果を3分冊にまとめた総括編を刊行。 4 915 天神畑・上御殿 高島市 整理 23・24 旧河道から古墳時代~平安時代の土器と共に木製祭祀具討多数出土。 土木交通部砂防課事業 5 916 清滝寺・能仁寺 米原市 整理 20~23 ○ 谷部で石垣・石列が、下流部では石組み 溝・石積み等の清滝寺坊院に関する遺構を 確認。 6 905 横江ほか 守山市 整理 22・23 弥生時代末~古墳時代前期の旧河道、平安 時代~中世の溝・土坑・小穴・水田跡を検 出。 7 933 横江ほか2 守山市 整理 22・23 縄文時代~平安時代の旧河道を検出し、多量の土器・木製品が出土。 8 906 金森西 守山市 整理 23・24 9 931 金森西2 守山市 整理 25 10 917 蛭子田(県) 東近江市 整理 22 ○ 11 918 蛭子田(ネクスコ) 東近江市 整理 22・23 ○ 12 921 新堂前 草津市 整理 23 鎌倉時代の井戸・溝等を検出。 13 910 相谷熊原・下村・寺 前 東近江市 整理 21~23 ○ 縄文時代の竪穴住居・土坑を検出、土器・ 石器多数出土。 14 924 上沢 東近江市 整理 23 ○ 室町時代の溝・小穴検出。 15 923 下羽田 東近江市 整理 22 ○ 縄文時代晩期の土坑、鎌倉~室町時代の溝・小穴を検出。 16 909 下羽田(浄化池) 東近江市 整理 21~23 縄文時代の土器棺墓、古墳時代の竪穴住 居、奈良~平安時代の掘立柱建物・石敷遺 構を検出。 17 925 狛氏館 東近江市 整理 23・24 弥生時代の石鏃、古代~中世の土器が出土 し、井戸・溝・土坑を検出。 18 908 松原内湖 彦根市 整理 24 掘立柱建物で構成される中世の集落跡を確認。 19 912 膳所城 大津市 整理 24 ○ 膳所城「北の丸」の区画溝・雨落ち溝・井 戸等を検出。瓦・陶磁器類出土。 20 927 竹生島(都久夫須麻神社) 甲良町 整理 24 拝殿の礎石は、岩盤を削り出して設置されたことが判明。 21 913 中沢 草津市 整理 23・24 ○ 古墳時代の自然流路や溝、中世の掘立柱建 物や土坑を検出し、土器・木製品等が出 土。 土木交通部河港課事業 琵琶湖開発事業 県下水道事務所事業 農政水産部事業 国土交通省事業 弥生時代中期の方形周溝墓、古墳時代初頭 ~後期の河道・竪穴住居・掘立柱建物・ 溝・土坑、奈良時代~平安時代の溝等を検 出し、古墳時代の土器と共に多くの木製品 が出土。 古墳時代前期の掘立柱建物・溝・土坑・旧 河川を検出。土器と共に石器製作関連遺物 等出土。 土木交通部都市計画課事業 市町事業 土木交通部道路課事業 【 整理調査 】 県道路公社事業

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契約No 受託事業名 区分 原 因 者 契約額(税抜き) 内人件費 内事務費 (国土交通省関係) 919 入江内湖(国道) 整 国土交通省 2,953,000 870,000 199,883 920 松原内湖(国道) 発 国土交通省 28,976,000 7,368,900 2,060,728 936 塩津港(国道) 整 国土交通省 6,152,000 2,201,100 461,021 3件 小   計 38,081,000 10,440,000 2,721,632 (県教育委員会) 914 琵琶湖開発事業関連 整 (旧水資源開発公団) 65,474,000 32,503,200 4,688,612 1件 小   計 65,474,000 32,503,200 4,688,612 (公社) 902 堤ヶ谷 発 土地開発公社 64,899,000 21,558,600 4,580,940 912 膳所城 整 道路公社 4,694,000 3,106,400 346,897 2件 小   計 69,593,000 24,665,000 4,927,837 (琵琶湖環境部) 908 松原内湖(下水道) 整 東北部流域下水道 4,288,000 1,716,000 348,054 1件 小   計 4,288,000 1,716,000 348,054 (県病院事業庁) 930 吉見西 発 県病院事業庁 21,203,000 8,291,100 1,480,047 1件 小   計 21,203,000 8,291,100 1,480,047 (県農政水産部関係) 909 下羽田 整 県農政水産部 11,476,000 5,141,700 902,991 910 相谷熊原・寺前・下村 整 県農政水産部 11,285,000 6,090,000 906,048 923 下羽田(ほ場) 整 県農政水産部 3,732,000 2,653,500 305,859 924 上沢 整 県農政水産部 1,398,000 922,200 114,706 925 狛氏館 整 県農政水産部 2,270,000 1,557,300 187,066 926 狛氏館 発 県農政水産部 3,870,000 1,835,700 307,338 6件 小   計 34,031,000 18,200,400 2,724,008 平成25年度文化財関係調査受託事業一覧表  

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契約No 受託事業名 区分 原 因 者 契約額(税抜き) 内人件費 内事務費 (県土木部関係) 901 金森西 発 県土木部 41,676,000 15,755,700 3,197,212 903 横山城 発 県土木部 21,175,000 8,795,700 1,645,371 904 太子 発 県土木部 21,325,000 7,830,000 1,640,242 905 横江ほか 整 県土木部 13,749,000 5,585,400 1,111,127 906 金森西 整 県土木部 23,546,000 8,108,400 1,920,062 907 上御殿 発 県土木部 47,473,000 17,678,400 3,647,405 911 塩津港 発 県土木部 28,665,000 7,873,500 2,329,277 915 天神畑・上御殿 整 県土木部 16,482,000 6,411,900 1,340,251 916 清滝寺・能仁寺 整 県土木部 3,110,000 1,870,500 255,964 917 蛭子田(県) 整 県土木部 6,098,000 3,801,900 497,559 918 蛭子田(ネクスコ分) 整 県土木部 25,050,000 14,154,900 2,036,646 921 新堂前 整 県土木部 728,000 321,900 59,398 922 毛枚北城 発 県土木部 1,730,000 976,800 142,750 928 安養寺 発 県土木部 871,000 413,600 71,163 929 岡 発 県土木部 6,104,000 2,931,900 500,173 931 金森西その2 整 県土木部 7,942,000 2,653,500 655,159 933 横江ほかその2 整 県土木部 15,783,000 6,733,800 1,303,112 937 大石城 発 県土木部 1,154,000 591,600 94,570 938 安養寺遺跡その2 発 県土木部 10,293,000 3,845,400 793,021 939 島 発 県土木部 2,710,000 1,331,100 212,582 940 臨済庵 発 県土木部 3,654,000 1,331,100 301,670 21件 小   計 299,318,000 118,997,000 23,754,714 (その他事業) 913 中沢 整 パナホーム/MID 3,512,000 2,420,000 290,029 927 竹生島 整 都久夫須麻神社 1,589,000 1,052,700 130,336 932 貴生川 発 甲賀市教委 16,331,000 5,724,600 1,263,048 934 名勝慶雲館庭園 発 長浜市 727,000 461,100 59,148 935 名勝青岸寺庭園 発 青岸寺 1,025,000 687,300 84,320 5件 小   計 23,184,000 10,345,700 1,826,881 合   計 555,172,000 225,158,400 42,471,785

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Ⅳ.「県立安土城考古博物館」「県立琵琶湖文化館」および「県埋蔵文化財

センター」の管理運営事業

「県立安土城考古博物館」 1.展示事業 (1)特別展 ①春季特別展 「しのぎをけづり、鍔をわり-近江の城信長とかく戦えり-」 戦国時代、永禄 10 年(1567)から天正 4 年(1576)の、織田信長が本格的に近江に侵攻を開 始してから安土城築城に至るまでの時期を取上げ、この間に信長と対峙した近江勢力につ いて、城を中心に展示した。 ○会 期 :平成 25 年 4 月 20 日(土)~ 6 月 16 日(日) ○入館者数 : 8,791 人 ○関連行事 *記念講演会 4 月 28 日(日) 「近江の城が信長に見せたもの」 講師 中井 均氏 (滋賀県立大学教授) 参加者 140 人 *記念講演会 5 月 12 日(日) 「信長を迎え討った近江勢の城」 講師 村田修三氏 (大阪大学名誉教授) 参加者 144 人 *特別展講座 5 月 19 日(日) 「小谷城と姉川の合戦」 講師 太田浩司氏 (長浜市長浜城歴史博物館) 参加者 106 人 *特別展講座 5 月 26 日(日) 「天下布武の城・岐阜城を探る」 講師 髙橋方紀氏 (岐阜市教育委員会) 参加者 86 人 *城郭探訪 5 月 5 日(日・祝) 「安土城を歩く」 参加者 29 人 *城郭探訪 6 月 16 日(日) 「観音寺城を歩く」 参加者 32 人 ②夏季特別展 「華麗なる漁と美味なる食-魚・人・琵琶湖の過去・現在・未来-」 粟津湖底遺跡から始まる 1 万年にも及ぶ琵琶湖の漁業を、考古資料、歴史資料、民俗資 料を用いて振り返るとともに、極めて豊かな湖魚に対する食文化を紹介し、漁業を通して 琵琶湖と人間の共生の在り方を展示した。 ○会 期 :平成 25 年 7 月 20 日(土)~ 9 月 16 日(日) ○入館者数 : 6,897 人 ○関連行事 *特別展講座 7 月 20 日(土) 「琵琶湖固有魚の謎と魅力」 講師 松田征也氏(滋賀県立琵琶湖博物館) 参加者 26 人 *特別展講座 8 月 18 日(日) 「琵琶湖の華麗なる漁法-魚と人の知恵比べ-」 講師 大沼芳幸(当館副館長) 参加者 30 人 *特別展講座 9 月 1 日(日) 「琵琶湖を食べる-多様で美味なる食文化-」 講師 小竹志織(滋賀県埋蔵文化財センター) 参加者 25 人 *特別展講座 9 月 15 日(日) 「フナズシの謎と魅力-寿司はフナズシから生れた-」 講師 大沼芳幸(当館副館長) 参加者 27 人

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*関連クルーズ(企画協力事業)8 月 21 日(水) 「お魚体験クルーズ」 船上での講座とヨシコースター作り。沖島で地曳網体験と琵琶湖産魚の食事体験。 参加者 38 人 また、関連事業として「あなたと探す琵琶湖の美味しい 琵琶湖八珍」を実施し、185 種のレシピを添えた魚料理の写真をエントランスホールにパネル展示するとともに同内 容のパンフレットを作成し、その中から料理 8 種類の人気投票を実施した。さらに、こ の中の上位 30 種についてエントランスホールでパネル展示を実施した。 ○期 間:7 月 20 日(土)~ 9 月 16 日(月・祝) ○応募者数:3,350 人 ③冬季特別展「近江三都物語-大津宮・紫香楽宮・保良宮-」 古代の近江に営まれた宮都、大津宮、紫香楽宮、保良宮に関連する遺跡から出土した考 古資料を中心に、美術工芸品、文献史料を紹介し、古代国家の成立期における近江が果た した役割について展示した。 ○会 期 :平成 26 年 2 月 8 日(土)~ 4 月 6 日(日) ○入館者数 : 4,720 人 ○関連行事 *博物館講座 2 月 9 日(日) 「聖武彷徨と紫香楽宮・難波宮」 講師 榎村寛之氏 (三重県立斎宮歴史博物館) 参加者 79 人 *博物館講座 2 月 23 日(日) 「保良宮を求めて」 講師 松浦俊和氏(大津市埋蔵文化財調査センター所長) 参加者 81 人 *博物館講座 3 月 2 日(日) 「近江が国の中心だったとき」 講師 高木叙子(当館学芸課) 参加者 68 人 *博物館講座 3 月 23 日(日) 「中央集権国家を目指した天智の都・大津京」 講師 林博通氏(滋賀県立大学名誉教授) 参加者 82 人 (2)企画展・特別陳列 ①第 47 回企画展「新たな国民のたから-文化庁購入文化財展-」 国が購入し新たに所有することとなった仏像彫刻、絵画、工芸品などの美術工芸の名品 の展示会を、文化庁と共催で実施した。 ○会 期 :平成 25 年 10 月 12 日(土)~11 月 10 日(日) ○入館者数 :5,312 人 ②第 48 回企画展「文化財の達人たち」 文化財がどの様な技術で、どの様な人たちが携わり調査・研究や保存が行われているの か、その実際の現場を紹介した。 ○会 期 :平成 25 年 11 月 23 日(土・祝)~26 年 1 月 26 日(日) ○入館者数 :3,962 人 ○関連事業 *企画関連講座 12月15日(日) 「遺物が蘇る、とっておきツール」

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講師 中川正人(公益財団法人滋賀県文化財保護協会) 参加者17人 *企画関連講座 12月22日(日) 「地図と空中写真を読む」 講師 神保忠宏(公益財団法人滋賀県文化財保護協会) 参加者28人 ③特別陳列1「錦秋から白銀へ」 滋賀県立琵琶湖文化館の所蔵品の中から、季節の移ろいを感じさせる秋から冬の景色を 描いた絵画作品を紹介した。 ○会 期 11 月 26 日(火)~ 1 月 13 日(月・祝) ○関連事業 *特別陳列講座 1 月 13 日(月・祝) 「冬を愛でる-琵琶湖文化館所蔵作品から-」 講師 上野良信(滋賀県立琵琶湖文化館) 参加者 11 人 ④特別陳列2「茶を魅る」 滋賀県立琵琶湖文化館の所蔵品の中から、滋賀県無形文化財「揉み紙」の技術保持者で あった故松田喜代次氏製作の揉み紙による風炉先屏風を中心に、信楽焼や湖東焼などのも の」の中から茶陶を紹介した。 ○会 期 1 月 15 日(水)~ 2 月 16 日(日) ○関連事業 * 2 月 2 日(日) 「早春のお茶会」 参加者 55 人 (3)テーマ展 第 1 常設展示・第 2 常設展示室の展示ケースの一部を使い、さまざまな角度から一つの テーマを掘り下げて開催するミニ企画展示を「テーマ展」と称し、年間を通して以下の7 本のテーマ展覧会とを実施した ○第1常設展示室 ・「パワースポット(聖地)の考古学」 4 月 6 日(土)~ 7 月 12 日(金) ・「装いの考古学」 7 月 13 日(土)~10 月 11 日(金) ・「新開古墳の世界」 10 月 12 日(土)~12 月 27 日(金) ・「近江の古墳」 1 月 5 日(日)~ 4 月 11 日(金) ○第 2 常設展示室 ・「六角氏と家臣たち」 5 月 18 日(土)~7 月 15 日(月・祝) ・「地獄の情景 Part2」 7 月 17 日(火)~9 月 1 日(日) ・「戦国近江と茶」 2 月 18 日(火)~4 月 6 日(日) (4)発掘調査速報展(近江発掘最前線) 最新の発掘調査から、注目される成果について第 1 常設展示室を利用して展示を行った。 ・「金貝遺跡展」 4 月 2 日(火)~6 月 30 日(日) ・「六反田遺跡展」 7 月 2 日(火)~12 月 25 日(水) ・「上御殿遺跡展」 12 月 26 日(木)~26 年 3 月 30 日(日)

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(5)常設展示 ①第1常設展示(弥生から古墳時代が中心テーマ) 弥生時代のコーナーでは、大中の湖南遺跡出土遺物や大岩山出土銅鐸等を展示し、古代 人の生活や自然環境などを体感できるように構成している。古墳時代のコーナーでは、前 期を代表する瓢單山古墳と雪野山古墳の副葬品を展示し、中期では新開古墳出土の武具・ 馬具等を、後期では鴨稲荷山古墳や山津照神社古墳出土の装身具を展示している。 また、展示室内に考古学クイズや近江の遺跡に関する情報を提供するとともに、直接手 で触れられるように、古代の木製品や鏡、銅鐸などの複製品や復元品を置いている。 ②第2常設展示(戦国・安土桃山時代と城郭が中心テーマ) 「中世の城づくり」では『築城記』をもとに中世城郭の一部を実物大に復元し、「戦国 時代の近江」では、観音寺城や小谷城などを紹介している。「安土城と織田信長」では、 安土城跡の復元模型や発掘調査の成果、織田信長関連の資料を展示している。さらに、展 示室内の映像シアターでは、安土城跡の発掘調査成果や安土城の復元映像を放映し、同じ く「信長研究室」では情報検索システムを設置している。 (6)ロビー展示 常設展示室や企画展示室での展示の他にも、滋賀県内で実施されている発掘調査の成果 や各種イベントに関連するパネル展示をエントランスホールにおいて随時行っている。今 年度は特に「あなたと選ぶ琵琶湖の美味しい琵琶湖八珍 湖魚料理の写真パネル展」が好 評を得た。 (7)回廊展示 琵琶湖総合開発に伴う発掘調査や、滋賀県各地で行われている発掘調査で出土した遺物 の調査・整理・復元作業と、収納の様子を展示化している。来館者は中庭に面した回廊を 歩きながら、整理作業の過程や保存処理室などを窓越しに見学することができる。さらに、 大津市粟津湖底遺跡第 3 貝塚の発掘調査で出土した縄文時代の貝殻や長浜市尾上浜遺跡か ら出土した縄文時代の丸木舟の実物大復元品などをオープン展示している。 (8)屋外展示 ①重要文化財 旧宮地家住宅 ②県指定文化財 旧柳原学校校舎 ③県指定文化財 旧 安土巡査駐在所 ④石灯籠・道標・車石・礎石 2.普及啓発事業 (1)講演会・講座等(上記した特別展・企画展関連の講演・講座は除外) 4 月 6 日(土)「京極氏の城を探る」 講師 高橋順之氏(米原市教育委員会) 参加者 47 人 4 月 13 日(土)「山と磐に宿るカミ―女性の生み出す力―」 講師 大沼芳幸(当館副館長) 参加者 41 人 4 月 20 日(土)「甲賀郡中惣の城を探る」 講師 長峰透氏(甲賀市教育委員会) 参加者 76 人

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4 月 27 日(土)「神仏習合の美術 」 講師 山下立(当館学芸課) 参加者 28 人 5 月 4 日(土)「安土城を探る」 講師 大沼芳幸(当館副館長) 参加者 90 人 5 月 11 日(土)「発掘された神社建物―金貝遺跡の調査成果―」 講師 中村智孝(公益財団法人滋賀県文化財保護協会) 参加者 16 人 5 月 18 日(土)「観音寺城を探る 」 講師 伊庭功氏(滋賀県教育委員会) 参加者 78 人 5 月 25 日(土)「近江の神社建築」 講師 村田信夫氏(OFFICE 萬璃夢) 参加者 35 人 6 月 1 日(土)「高島の城を探る」 講師 横井川博之氏(高島市教育委員会) 参加者 54 人 6 月 8 日(土)「琵琶湖に宿るカミ―竹生島弁財天の世界―」 講師 大沼芳幸(当館副館長) 参加者 35 人 6 月 15 日(土)「境目の城を探る」 講師 早川圭氏(高槻市教育委員会) 参加者 76 人 6 月 22 日(土)「古代の塩津と神社」 講師 横田洋三(公益財団法人滋賀県文化財保護協会) 参加者 34 人 6 月 23 日(日)「六角氏と家臣たち」 講師 松下浩氏(滋賀県教育委員会) 参加者 78 人 6 月 29 日(土)「大溝城と打下城」 講師 白井忠雄氏(高島市教育委員会) 参加者 73 人 7 月 6 日(土)「琵琶湖-神を祀る空間-庭園の心象を琵琶湖に探る」 講師 大沼芳幸(当館副館長) 参加者 42 人 7 月 7 日(日)「六角氏重臣 永原氏」 講師 新谷和之氏(和歌山市立博物館) 参加者 73 人 7 月 15 日(月・祝)「六角氏と伊庭氏、蒲生氏」 講師 高木叙子(当館学芸課) 参加者 108 人 7 月 28 日(日)「装いの考古学」 講師 阿刀弘史(当館学芸課) 参加者 11 人 8 月 11 日(日)「近江の美術資料から見る地獄の情景」 講師 山下立(当館学芸課) 参加者 16 人 11 月 13 日(日)「仏像の撮影」 講師 寿福滋氏(写真家) 参加者 39 人 10 月 20 日(日)「新開古墳の世界」 講師 佐伯英樹氏(公益財団法人栗東市体育振興事業団) 参加者 18 人 10 月 27 日(月)「近江の仏像」 講師 高梨純次氏(滋賀県立近代美術館) 参加者 31 人 11 月 10 日(日)「異形の神仏-私の偏愛する彫像たち-」 講師 山下立(当館学芸課) 参加者 19 人

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1 月 12 日(日)「近江の古墳徹底解剖 1 埴輪」 講師 辻川哲朗(公益財団法人滋賀県文化財保護協会) 参加者 46 人 1 月 26 日(日)「近江の古墳徹底解剖 2 棺」 講師 細川修平(公益財団法人滋賀県文化財保護協会) 参加者 31 人 2 月 11 日(火・祝)「近江の古墳徹底解剖3 横穴式石室」 講師 堀 真人(公益財団法人滋賀県文化財保護協会) 参加者 32 人 3 月 9 日(日)「戦国時代の茶」 講師 大槻暢子(当館学芸課) 参加者 27 人 3 月 23 日(日)「誕生! 湖上フォーラム琵琶湖八珍」 講師 石毛直道(国立民族学博物館名誉教授) 原田信男(国士舘大学教授) 篠原徹(滋賀県立琵琶湖博物館館長) 大沼芳幸(当館副館長) 参加者 79 人 (2)体験博物館・子ども考古学講座 地域の歴史文化がどのように調査され、その成果がどのように活用されているかにつ いて、子どもを中心とした体験ワークショップの開催を中心に、体験教室や子供考古学 教室を開催した。 6 月 9 日(日) 「忍者体験」 参加者 23 人 8 月 13 日(火) 「勾玉をつくろう!!」 参加者 26 人 11 月 23 日(土・祝)「子ども学芸員」 参加者 4 人 12 月 1 日(日) 「バックヤードツアー」 参加者 16 人 12 月 1 日(日) 「子ども調査員」 参加者 4 人 12 月 8 日(日) 「忍者体験」 参加者 25 人 12 月 15 日(日)「木簡に書かれた文字を読んでみよう」 参加者 9 人 12 月 22 日(日)「地図や航空写真を立体的に見る方法」 参加者 3 人 1 月 12 日(日) 「文化財の写真を撮ってみよう(仏像編)」 参加者7人 1 月 25 日(土) 「忍者体験」 参加者 11 人 1 月 26 日(日) 「文化財の写真を撮ってみよう(考古編)」 参加者 5 人 (3)史跡案内(上記した特別展・企画展関連のものは除外) 企画協力事業として、船舶、バスを利用して史跡案内を開催した。 8 月 31 日(土) 「琵琶湖から古墳を眺望する琵琶古墳遊覧クルーズ」 参加者 43 人 11 月 17 日(日) 「琵琶湖からお城を眺望する琵琶古城遊覧クルーズ」 参加者 40 人 11 月 30 日(土) 「甲賀の仏を訪ねて」 参加者 35 人 1 月 5 日(日) 「湖上初詣遊覧クルーズ」 参加者 90 人 1 月 19 日(日) 「壱之膳 琵琶湖八珍の紹介と八珍料理」 参加者 31 人 1 月 2 日(日) 「弐之膳 漁師が造る八珍料理と水郷めぐり」 参加者 29 人 2 月 22 日(土) 「参之膳 近江商人の八珍料理と早春雛めぐり」 参加者 36 人 3 月 8・9 日(土・日)「四之膳 琵琶湖八珍と近江の地酒」 参加者 31 人 3 月 16 日(日) 「近江の古墳を巡るバスツアー」 参加者 40 人

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(4)刊行物 特別展図録3種、企画展等リーフレット2種、案内パンフレット2種 紀要、年報、博 物館だより「おおてみち」(年4回)、催し物案内等を発行した。 (5)その他事業 4 月 21 日(日) 「春のお茶会」 参加者 51 人 5 月 3 日(祝) 「風土記の丘親子写生大会」 参加者 43 人 6 月 2 日(日) 「うつけ茶屋」 参加者 35 人 8 月 14 日(水) 「夕涼みミュージアムコンサート」 参加者 61 人 9 月 23 日(月・祝)「よし笛コンサート」 参加者 68 人 11 月 16 日(土) 「ジャズコンサート」 参加者 132 人 11 月 24 日(日) 「うつけ茶屋」 参加者 21 人 12 月 14 日(土) 「クリスマスリースをつくろう!」 参加者 10 人 12 月 23 日(月・祝)「クリスマス映画会」 参加者 46 人 12 月 23 日(月・祝)「うつけ茶屋」 参加者 19 人 12 月 23 日(月・祝)「お正月飾りをつくろう!」 参加者 18 人 12 月 23 日(月・祝)「まゆ玉クラフト」 参加者 19 人 1 月 19 日(日) 「うつけ茶屋」 参加者 12 人 3 月 15 日(土)~3 月 30 日(日) 「近江風土記の丘写真展」 参加者 16 人 3.博学連携事業 学校外での体験学習に対応した博学連携事業を行った。平成 25 年度は、小・中学校をは じめ、高校・大学など延べ 36 校、2,336 人(引率者含)が参加した。展示解説・講義に加 え、バックヤードツアーや勾玉つくり、火起しなどのメニューを用意して、学習効果の定 着を図った。 また、当館では、博物館法施行規則第 1 章第 1 条に基づき博物館実習生を受け入れ、各 分野の資料取扱いの他、展示、普及啓発、資料保管等のカリキュラムを実施した。 日程:8 月 21 日(水)~24 日(土)までの4日間 参加実習生:10 人(追手門大学 3 人・京都橘大学 3 人・京都文教大学 1 人・京都府立大 学 1 人・滋賀県立大学 2 人) 4.年間入館者数 平成 25 年度(人) 平成 24 年度(人) 個人 41,549 46,046 団体 2,794 2,683 総数 44,343 48,729 内 高齢者・身障者等 7,232 8,269

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「県立琵琶湖文化館」 1.概要 平成25年度も継続して管理委託業務について、県の管理委託契約に基づき、館施設の 維持管理とあわせ、収蔵品管理などの業務を実施し、文化財所有者(寄託者)との連絡調 整を行った。また、他館における展覧会開催、文化財講座などの普及期啓発活動、調査研 究等についても積極的に協力し取り組んだ。 2.管理運営業務 (1)収蔵庫の管理 防虫防黴対策として年間を通じて文化財害虫や空中菌の生息状況のモニタリング、デ ータロガーによる温湿度測定のほか、計画的な燻蒸を行った。 (2)資料の管理 資料の貸出や返却、特別観覧および、経年劣化に伴う館蔵品の修理を行った。 (3)施設の管理 火災・地震等の緊急時に即応するため緊急連絡体制を敷き、自衛消防組織を編成した。 夜間は、機械警備を実施し、安全の確保に努めた。 3.展覧会の開催 滋賀県立安土城考古博物館で特別陳列を2回開催したほか、仙台市博物館、島根県立古 代出雲歴史博物館の2館において展覧会および写真パネル展「水と神と仏の近江」の開催 に協力した。 (1)滋賀県立琵琶湖文化館が守り伝える美「近江巡礼 祈りの至宝展」 会 期 平成25年7月12日(金)~8月25日(日) 主 催 「近江巡礼 祈りの至宝展」仙台展実行委員会(仙台市博物館、TBC 東北放送、河北新報社)、滋賀県、滋賀県立琵琶湖文化館 企画協力 毎日新聞社 協 賛 富士通株式会社、野崎印刷紙業株式会社 後 援 産経新聞社東北総局、仙台リビング新聞社、NHK 仙台放送局、仙台放送、 ミヤギテレビ、KHB東日本放送、Date fm、ラジオ3FM76・ 2、IBC岩手放送、テレビユー山形、テレビユー福島 会 場 仙台市博物館 仙台市青葉区川内26番地<仙台城3の丸跡> 入場者数 18,917人 《関連事業》 ・写真パネル展「水と神と仏の近江」 会 期 平成25年7月2日(火)~8月25日(日) ・記念講演会「近江 祈りの至宝―神仏の美」 講師:井上ひろ美(当文化館) ・記念講演会「近江の霊場と信仰世界」

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講師:佐藤弘夫氏(東北大学大学院文学研究科教授) ・友の会広報セミナー ・学校教員向けミュージアムセミナー 全2回 ・夏休みこどもギャラリートーク「近江(滋賀県)の文化をしらべよう」全4回 ・特別展記念コンサート 姫神/星吉紀 ・しろ・まち講座「近江巡礼 滋賀の風景と文化財の魅力」 講師:酒井昌一郎(仙台市博物館) (2)特別陳列 滋賀県立琵琶湖文化館の秘蔵品で味わう 「錦秋から白銀へ」 会 期 平成25年11月26日(火)~1月13日(月・祝) 主 催 滋賀県立琵琶湖文化館、滋賀県立安土城考古博物館 会 場 滋賀県立安土城考古博物館 入場者数 2,774人 (3)特別陳列 滋賀県立琵琶湖文化館の秘蔵品で味わう「茶を魅る」 会 期 平成26年1月15日(水)~2月16日(日) 主 催 滋賀県立琵琶湖文化館、滋賀県立安土城考古博物館 会 場 滋賀県立安土城考古博物館 入場者数 1,775人 (4)滋賀県立琵琶湖文化館が守り伝える美「近江巡礼 祈りの至宝展」 会 期 平成26年3月28日(金)~5月11日(日) 主 催 島根県立古代出雲歴史博物館、滋賀県、滋賀県立琵琶湖文化館、毎日新 聞社 協 賛 野崎印刷紙業株式会社 後 援 朝日新聞松江総局、産經新聞松江支局、日本経済新聞社松江支局、読売 新聞社松江支局、中国新聞社、山陰中央新報社、島根日日新聞社、新日 本海新聞社松江支社、共同通信社松江支局、時事通信社松江支局、山陰 中央テレビ、日本放送協会松江放送局、テレビ朝日松江支局、日本海テ レビ、BSS 山陰放送、エフエム山陰、出雲ケーブルビジョン株式会社、 山陰ケーブルビジョン、ひらたCATV株式会社 《関連事業》 ・写真パネル展「水と神と仏の近江」 会 期 平成26年3月19日(水)~平成26年5月11日(日) ・担当学芸員による展示解説 4.普及啓発活動 (1)「滋賀の文化財講座 打出のコヅチ」 主 催 滋賀県教育委員会・滋賀県立琵琶湖文化館

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協 賛 琵琶湖文化館友の会 後 援 滋賀県文化財保護連盟・公益一般法人びわこビジターズビューロー 会 場 コラボしが 21 3 階中会議室 1、大会議室 ①第 1 回「平成 24 年度滋賀県新指定文化財説明会」 開催日 5 月 23 日(木) 参加者 34 人 講 師 県教委文化財保護課各担当 内 容 平成 24 年度に新たに新指定文化財となった文化財について、解説し た。 ②第 2 回「近江巡礼―琵琶湖文化館の至宝、全国巡回へ―」 開催日 6 月 20 日(木) 参加者 33 人 講 師 井上ひろ美(当文化館) 内 容 「滋賀県立琵琶湖文化館が守り伝える美 近江巡礼 祈りの至宝展」で 紹介された琵琶湖文化館の至宝の数々を紹介、展覧会の様子なども報告 した。 ③第 3 回「サンヤレ・ケンケト・ハナバイ―近江の除疫行事―」 開催日 7 月 25 日(木) 参加者 57 人 講 師 矢田直樹(県教委文化財保護課) 内 容 県内で行われている民俗芸能や祇園花行事について取り上げ、地域の人 々の暮らしのなかで、祭礼行事に込められた祈りについて考えた。 ④第 4 回「北比良天満神社の天王立像―新指定重要文化財から―」 開催日 8 月 29 日(木) 参加者 68 人 講 師 古川史隆(県教委文化財保護課) 内 容 鉈彫像のなかでも屈指の古作とされる本像について、日本彫刻史におけ る位置づけや鉈彫の発生と神仏習合との関わりについて解説した。 ⑤第 5 回「修理現場から文化財の魅力を発信する―国宝日吉大社東本宮本殿の檜皮葺―」 開催日 9 月 19 日(木) 参加者 45 人 講 師 寺西正裕(県教委文化財保護課) 内 容 修理現場の見学会や、檜皮葺の模型やパネルの展示、テレビ番組の制作 ・放映・DVD版作成など、普及啓発の試みと成果を報告した。 ⑥第 6 回「奇想・奇僧の画家たち―若冲・蕭白・月僊・金谷―」 開催日 10 月 17 日(木) 参加者 68 人 講 師 上野良信(当文化館) 内 容 「奇想・奇僧の画家たち」の作品を通して、その人となりを紹介した。 ⑦第 7 回「梵鐘を守れ!―地域文化財をめぐる戦時下の裏面史―」 開催日 11 月 21 日(木) 参加者 56 人 講 師 井上 優(県教委文化財保護課) 内 容 戦時下に金属供出が進められた中、文化財を守ろうと尽力した技師の姿 を通して、「戦争と文化財」をめぐる知られざる歴史を紹介した。 ⑧第 8 回「普賢菩薩像の表現―普賢十羅刹女像を中心に―」 開催日 12 月 19 日(木) 参加者 52 人

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講 師 稲田素子(当文化館) 内 容 「普賢十羅刹女像」を取り上げ、尊像の描かれ方などの絵画的特徴を解 説し、さらに信仰の背景に迫った。 (2)出張講座 ・永源寺まちづくり協議会(9月15日) ・近江巡礼 祈りの至宝展講演会(7月13日) ・平成25年度多賀町町民大学講師(9月29日) ・美の滋賀語り部マイスター養成講座(10月27日) ・平田まなび塾講師(1月18日) (3)学校教育との連携 ①滋賀県立大津高等学校総合学習受け入れ 滋賀県立大津高等学校が文系 3 年生を対象として行っている総合学習「近江の歴史に 学ぶ」を受け入れ、近江の仏教美術や神道美術について学習する機会をもうけた。 (4)主な執筆活動 ①毎日新聞紙上での連載 平成 20 年 10 月より毎日新聞紙上において開始した連載「淡海のたからもの―琵琶湖 文化館収蔵品から」の第 104 号から第 124 号を執筆した。 ②「教育しが」電子版での連載 滋賀県教育広報紙「教育しが」の紙面上で平成 14 年 4 月号(No193)から開始された 琵琶湖文化館シリ―ズの第 92 号から第 97 号を執筆した。 ③近江歴史回廊倶楽部「会報」への原稿提供 近江歴史回廊倶楽部発行の「会報」掲載のため、館蔵品を紹介した原稿を提供した。 (5)特別観覧(調査等)受入等 ・寄託品特別観覧 2 件 ・館蔵品特別観覧 1 件 (6)文化財調査等への支援・協力 ・滋賀県美術工芸品実態調査への協力 ・滋賀県文化財(美術工芸品)防犯対策モデル事業への協力 ・滋賀県教委県指定文化財指定事業支援 ・滋賀県教育委員会修理事業支援 ・守山市未指定文化財調査協力 ・多賀町未指定文化財調査協力 ・多賀町指定文化財修理事業支援 ・東近江市未指定文化財保存修理指導 ・滋賀県博物館協議会記念事業委員

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(7)広報活動 ①ホームページの更新 収蔵品等の文化財および関連情報を提供した。ホームページアクセス数 15,646 件 ②資料提供 県庁記者クラブに対し、適宜資料提供を行った。 (8)その他 ①文化財所有者に対し保存・修理等の技術指導、火災・盗難等の緊急時における文化財 の受入れ等を行った。 金剛輪寺(愛荘町)、孔明祈水山保存会(大津市)、成菩提院(米原市)、飯道 寺(甲賀市) ②「研究紀要」第 30 号を発刊した。 ③琵琶湖文化館友の会の活動支援を行った。 「県埋蔵文化財センター」 1.普及啓発事業 (1)展示関係 常設展示 1階ロビーにおいて常設展示を行った。25 年度上半期は 24 年度下半期から継続して「縄 文人が語るもの~モノから見た縄文時代の生活~」展示を行い、埋蔵文化財センター周辺 の縄文時代の遺跡を含め、粟津湖底遺跡や入江内湖遺跡、安土弁天島遺跡など県内の代表 的な縄文遺跡の紹介を行った。展示は出土遺物のほか写真パネル、イラスト、文字パネル を用いた。 夏休み期間中は文化財保護協会事務局による「平成 24 年度発掘調査成果展-レトロ・レ トロの展覧会」を開催した。 25 年下半期は「びわ湖の船と人々のくらし」と題して、「びわ湖と船」「水辺の祈りと くらし」「港の跡」「運んだもの」の4テーマでびわ湖と人々のかかわりについて出土遺 物のほか写真パネル、イラスト、文字パネル模型等を用いて紹介を行った。 会 期 テーマ 主な展示内容 平成25年4月1日(月) ~7月12日(金) 「縄文人が語るもの~モノから 見た縄文時代の生活~」 赤野井湾遺跡・穴太遺跡・粟津湖底遺跡 ・小川原遺跡・相谷熊原遺跡・竜ヶ崎A 遺跡・入江内湖遺跡出土資料 平成25年9月9日(月) ~26年3月31(月) 「びわ湖の船と人々のくらし」 松原内湖遺跡・入江内湖遺跡・赤野井浜 遺跡・赤野井湾遺跡・柳遺跡・大中の湖 南遺跡・塩津港遺跡・関津遺跡・上御殿 遺跡・六反田遺跡出土資料

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(2)収蔵品を活用した普及啓発 ①「発掘「かわら版」in 滋賀」 報道関係機関に公表された県内の発掘調査ニュースの新聞の切り抜きをパネルにして紹 介するコーナーを設け、高島市上御殿遺跡出土の「オルドス式銅剣に似た双環柄頭の短剣 の鋳型」など5件の新聞報道を紹介した。 ②学校教育の体験・出前授業等の受入 県内小・中学校等の学校教育の体験学習や職場体験などを積極的に受け入れた。また、 発掘調査の現地や出土遺物の見学・案内、出土品を使った出前授業などを行った。 ・出前授業 6校(受入人数 405 人) ・職場体験 4校(受入人数 10 人) ・館内見学 1校(受入人数 30 人) ・史跡見学 2校(受入人数 58 人) ・体験学習 2件(受入人数 23 人) (計 526 人) ③講師の派遣 市町教育委員会・文化スクール等が実施する講座等へ専門職員を派遣し、文化財の普及啓 発に努めた(5ヵ所、88 人の参加)。 ④埋蔵文化財センターの一般公開 文化ゾーンの共同企画としての「文化ゾーン探検隊」「みどりのつどい」などに協賛し、 一般公開とスタンプラリー、クイズラリーなどを実施した。(5回 1,028 人) 2.執筆・編集関係 (1)『埋もれた文化財の話 34』の編集 ロビー展示のパンフレットとして「びわ湖の船と人々の暮らし」を執筆・編集した。 (2)『平成 25 年度滋賀県文化財年報』のデータ作成 平成 25 年度の滋賀県埋蔵文化財センターにおける活動データ資料を作成した。 3.研究会等の開催 広く県民に文化財の良さや滋賀県の歴史についての理解を深めていただくとともに、文 化財の保存・活用についても一層の協力を得ることを目的として、毎年2回の研究会等を 実施している。 (1)第 101 回滋賀県埋蔵文化財センター研究会 日 時:平成 25 年 11 月3日(日) 19 時 00 分~16 時 30 分 会 場:滋賀県埋蔵文化財センター テーマ:「古代人の生活を体験しよう」 内 容:その1「体験 古代の食の実験(デンプンを作ってみよう)」 小中学生を対象にサツマイモを石皿と杵でつぶしでんぷんを作り試食する。 参加者 6人 その2「古代人の生活を体験しよう」(「文化ゾーン探検隊」と同時開催) 本物の土器に触れる、古代の衣装を身につける、展示品のクイズを行う

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参加者 177 人 (2)第 102 回滋賀県埋蔵文化財センター研究会 日 時:平成 26 年3月8日(土) 9時 30 分~16 時 30 分 会 場:コラボしが 21 3階 大会議室 テーマ:『平成 25 年度滋賀県発掘調査成果報告会 土の中から歴史が見える'13-最新の発掘成果から-』 内 容:発表 滋賀県教育委員会 「水の宝」の案内 大津市教育委員会 曼荼羅山古墳群 甲賀市教育委員会 水口岡山城遺跡 米原市教育委員会 曲谷臼切場跡 (財)栗東市体育協会 下鈎東・蜂屋遺跡 同 中沢遺跡 (公財)滋賀県文化財保護協会 吉身西遺跡 同 金森西遺跡 同 上御殿遺跡 同 横山城遺跡 出土遺物の展示:金森西遺跡(碧玉製玉造遺物)、吉身西遺跡(須恵器3点) 上御殿遺跡(人名墨書土器・短剣鋳型レプリカ)、蜂屋・下鈎東遺跡(土馬) 参加員数: 215 人 4.出土遺物・記録資料の保管管理業務 (1)出土遺物の収蔵保管に関すること ①出土遺物の受け入れ 整理調査が完了した出土遺物を受入れ、収納した。 ・提出機関 公益財団法人滋賀県文化財保護協会 ・受入遺跡数 14 遺跡 ・箱数 788 箱 ②資料の保存処理 木製品等の保存処理を実施した(3 遺跡 1,131 点)。 (2)出土遺物の管理のための点検・データ管理・貸出業務 ①一般貸出等 全国の博物館や資料館などへの出土資料の貸出等の業務を行った(一般貸出 35 件)。 ②収納遺物の点検 埋蔵文化財センターや出土遺物を収納している7ヶ所で収蔵遺物の点検を行った(月 1 回)。 ③資料調査の受入 博物館展示資料調査・学術研究等の目的のための出土資料調査の申し出を受け入れた(山 梨県立博物館等 21 件 22 人)。

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(3)記録資料の収蔵保管および貸出 ①記録資料の収蔵保管 報告書が刊行された発掘調査の図面・写真等の記録資料について収蔵保管を行った。平 成25年度、遺構実測図:14 冊 遺物実測図:32 冊 測量成果簿等 13 冊 写真アルバム :130 冊 ②写真資料等の貸出および掲載許可等 書籍等への掲載のための写真・図面資料等の貸出や掲載等の業務 34 件(掲載・転載・撮 影等を含む)を行った。 (4)報告書等書籍の収蔵保管、貸出等に関すること 図書資料の受入と閲覧 全国で行われている発掘調査の発掘調査報告書類や、各所属団体の紀要、年報、一般図 書等 1,699 冊の寄贈を受け、収蔵し、閲覧できるよう整理した。 5.施設の維持管理業務 (1)庁舎等の管理、保守点検および維持管理 防災設備点検等施設および物品の維持管理業務を実施した。また、経年劣化による冷暖 房ポンプの取り替え等の工事を実施した。 (2)収蔵庫点検 埋蔵文化財センターと出土遺物を収納している 7 ヵ所の収蔵庫の外壁や屋根などの損 傷、雨漏り、害虫、施錠などの状態を確認するとともに、必要な防災点検を実施した。 また、本年度は安土風土記の丘施設内にある旧大中収蔵庫の改築に伴い、早崎収蔵庫等 に遺物を移動した。 6.その他 (1)入館者数 今年度の入館者総数は 7,120 人(個人 6,248 人、団体 872 人)あった。昨年度に対 し計 226 人人減少した。団体見学等の申し込みは、主に、体験学習等の小中学校のほか一 般市民の歴史愛好会などである。 【月別入館者数】 月 個人 団体 合計(人) 月 個人 団体 合計(人) 4月 221 0 221 10月 199 32 231 5月 706 54 760 11月 358 73 431 6月 149 0 149 12月 111 0 111 7月 1,253 219 1,472 1月 166 10 176 8月 2,401 476 2,877 2月 212 8 220 9月 253 0 253 3月 219 0 219 合計 7,120 人

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【年度別入館者数】 年度 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 個人 6,237 6,196 6,930 7,056 7,104 8,647 10,798 8,238 6,444 6,248 団体 560 618 345 409 764 133 279 270 902 872 合計 6,797 6,814 7,275 7,465 7,868 8,780 11,077 8508 7,346 7,120 (2)文化財情報の発信 県内で行われている埋蔵文化財の発掘調査、現地説明会等の情報、各種イベントや収 蔵品を活用した普及・啓発事業等に関する情報をホームページで発信した。 今年度から、埋文センターブログを立ち上げ、体験学習や遺物の取り上げ、保 存処理など、センターの活動記録を掲載した。 ・平成 25 年度 センターアクセス数 4,976 件 Ⅴ.文化財保護資金貸付事業 1.貸付審査会 第1回 平成 25 年 8 月 26 日(月) 1 件審査 第 2 回 平成 26 年 2 月 7 日(金) 1 件審査 2.貸付実績 貸 付 先 市 町 名 貸付金額(円) 対 象 事 業 兵主神社 野洲市 2,070,000 名勝 兵主神社庭園保存修理事業 沙沙貴神社 近江八幡市 6,830,000 滋賀県指定有形文化財 沙沙貴神社楼門 保存修理事業 計 8,900,000 3.総貸付件数 平成 26 年 3 月末 321 件 4.未償還額 平成 26 年 3 月末 50,877,400 円

参照

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