五
相
成
身
觀
の
體
系
的
研
究
ー
特
に
經
軌
の上
に
於
け
る そ の成
立
的
一
考
察
1
坂
野
榮
範
一
五 相 成 身 は 帥身
成 佛 へ の 分 證 的 歡 觀 と し て、
本 有 的 に も 修 生 的 に も 貴 踐 宗 乘 の 基 底 を な す こ と は 謂 ふ ま で も な い。
從 來 我 が 翼 言 學 に 於 て は、
五相
成
身 を 以 つ て 金 剛 頂宗
義 の 特 質 的 教 格 と な し、
金 剛 界 建 て の 修 法 に は 常 に 五相
成 身觀
と 稱 し て 、 五 段 の 瑜 伽 觀 法 に よ つ て 、 本 有 淨 菩 提 心 を 顯 發 し 所 謂 五 智 五部
五 佛 の 功徳
妙 用 を 具 現 す べ き 基 本 的 修 法 と な つ て ゐ る の であ
る 。 さ て 此 の 五 相 成 身 の 名 目 は 、 「 金 剛 頂 經 瑜 伽 十八
會指
歸 」 に 読 く 所 の、
第
一
邇 達 本 心、
( 常 に は 逋 達 菩 提 心 と 稱 す )、
第 二 修 菩 提 心・
第 三 成 金 剛 心・
第 四 證 金 剛 身・
第 五 佛 身 圓 滿 の 名 が一
般 的 に 使 用 さ れ て ゐ る 。 而 し て 、 そ の 觀 法 形 式 は 大 饐、
「 金 剛 頂 邏 花部
心 念 誦 儀軌
」 の 五 相 成 身觀
が 本軌
と し て 依 用 さ れ て ゐ る 。 が 然 し實
の 所 諸 經 軌 の 、 、、
、
上 に 於 い て 、 こ の 五 相成
身 の 名 目・
觀 想・
眞 言・
印・
三 形 の 組 織 な ど は、
全 く 區 々 に し て、
五部
都 法 五 相 成 身 觀 の 懺 系 的 研 究 六 三智 山 學 報 六 四 ヵ
ぬ
ぬへ
う
へ
うも の 五 相 あ り
、
叉 五部
隨一
法 と し て の 金 剛部
・
蓮 花部
な ど の 五 相 あ り、
一
茸
別 法 の 五 相 あ り て そ の 問 多 く の 相 異 點 が 見 出 さ れ る の であ
る 。 從 っ て、
古 來 五 相 成身
の釋
義 に 就 い て も 、 五 相 成 身 は 佛 果 の 上 の 功 徳 妙 用 で あ る と 詮 き、
或 は 從 因 至 果 の 修 行 的 立 揚 と し て 前 の 四 相 は 因 位 に し て 、 後 の一
相 は 佛 果 位 で あ る と 解 し て、
五 位 に 配 當 す る な ど、
種 々 の 釋相
が 試 み ら れ て ゐ る 。 ま た 五 相 成 身 觀 と し て 實 修 的 立 楊 に 於 い て 、 東 密・
台 密 ・ 小 野・
廣 澤 の 疏 釋・
鈔 記・
口 決 な ど の 間 に 種 々 な 異 義 異 釋 が 相 傳 さ れ て ゐ る 。 此 等 の 問題
に 關 し て は か の覺
超 師 の 「 五 相成
身 私 記 」 や 濟 暹 師 の 「 五相
成 身 義 問 答 抄 」 等 に 於 い て . 既 に 指 示 せ ら れ て ゐ る 所 で あ る が、
い 轟 ま 私 は 特 に 經軌
の 上 に 顯 は れ た る 五 相 成 身 觀 の 成 立 的 過 程 を 中 軸 と し て、
聊
か 考 證 を す 、 め て 見 た い 。 五 相 成身
と い ふ 名 目 の 典 據 は、
古 來 我 が 宗 學 に 於 い て は 「 十 八會
指 贐 」 及 び 「 菩 提 心 論 」 に 求 め ら れ て ゐ る。
先 づ 十 八會
指 蹄 の 具 文 を 出 せ ば、
勝・
蘊
・
欝
筆霽
籌
鰄
蘿
躰黔
驪
飜
鷺
成
撰
以・
金 剛 三 麈輩
笙
三 + 七聟
云 ・ ( 大 正 藏・
一
八・
二 八 四・
c)
もし
ろ
り も こ れ に よ れ ば、
「 五 相 を 以 つ て 現 に 等 正 覺 を 成 す 」 と い ふ 指 蹄 の 本 文 に 割 註 を 附 し て、
五 相 の 名 目 を 擧 げ て ゐ る に 過 ぎ な い の であ
る。
然 も こ の 十 八 會 指 蹄 の 異 本 に 於 い て、
我 が 大 師 の 「 三 十 帖 策 子 第 二 十 七 」 の 該 本 に は、
此 の 割 註 が 全 然 な い 點 な ど よ り 推 考 す れ ば、
書
誌 學 上 か ら一
つ の 疑 難 が 提 案 さ れ る 。嘗 つ て
一,
密 教 發 達 志 L の 著 者 は 、 十 八 倉 指 鑑を
評 し て、
不 筌 三 藏 肆 意 の 豫 定 目 録 に す ぎ な い と 逋 べ ら れ た ほ ど に、
嚴密
な 經 典 批 評 の 立 場 よ り す れ ば 可成
り 問 題 と な る が、
少 な く と も 此 の 五 相 の 割 註 に 關 す る 限 り 原 本 に は な く、
恐 ら く 不 空 三 藏 若 し く は 後 人 の 註 記 と 考 へ ら れ る の で あ る。
然 も た ∫ 五 相 の 名 目 の み を 記 し て 夫 々 の 觀 想・
眞 言 な ど を 出 さ す し て.
然 も 五 鯉 通 達 の 理 趣を
明 せ る 點 は 寧 ろ 他 の 經 軌 に 於 い て 詳 説 さ れ 九 る 實 修 的 五 相 成 身觀
を 豫 想 し て ゐ る も の と も 考 へ 得 る の で あ る 。 次 に 「菩
提 心論
」 の 丈 を 檢 す る に、
次 明昌
五 相成
身一
者 。一
是 逋 達 心。
二 是菩
提 心。
三 是 金 剛 心。
四 是 金 剛 身 。 五 是 證二
無 上 菩 提冒
獲二
金 剛 堅一
固丘
牙一
也 。然
此 五 相 具 備 方 成昌
本奪
身「
也 。 ( 大 正 蔵・
三 二・
五 七 四・
b)
こ れ は 極 め て 整然
と 五 相 成 身 の 名 目 を あ げ て、
五 相 具 さ に 備 り て ま さ に 本 彜 の 身 を 成 す と 設 明 さ れ て ゐ る 。 此 れ に よ れ ば、
五 相 成 身 の 名 目 は一
應 こ 丶 に 明 確 な 典 據 を 持 つ て ゐ る 如 く 考 へ ら れ る の で あ る 。 然 し 私 は菩
提 心 論 に關
し て、
敢 へ て 圓 珍 師 の 「 些 々 疑 問 」 や 宗 叡 師 の 「 眞 言疑
目 」 等 の 疑 難 を 云 々 す る も の で は な い が、
不 空 三 藏 に よ っ て 本 論 が、
逐 字 的 に 直 譯 的 に 翻譯
さ れ た も の で は な く、
少 な く と も 義 譯・
引 證・
謎 紀 な ど幾
分 か 補 修 さ れ て ゐ る點
が あ る や う に 考 へ ら れ る 。 特 に 三 摩 地 段 に 於 け る 三 摩 地 菩 提 心 の 實 修 開 顯 を、
贋 く 眞 言 的 に 阿 字 月 輪 觀・
五 轉 の 雁 字觀
・ 三 密 行 觀 と 交 へ て 、 五 相 成 身 を 詮 く が 如 き、
他 の 金 剛 頂 宗 經軌
所 明 の そ れ と、
全 く 異 っ 忙 教 趣 機構
を 持 っ て ゐ る こ と、
叉 五 相 成 身 の 五 相 成 身 觀 の 體 系 的 研 究 六 五智 血
門
虱 軍 報亠
ハ 六 名 目 が 「 十 八 會 指 婦 」 の そ れ と一
致 せ ざ る こ と、
更 に 文 相 の 上 か ら 見 れ ば、
他 に 五 相 成 身 の 實 修 的 鸛 法 の 儀軌
の あ る こ と を 豫 想 し て 極 め て 整 備 さ れ た 綱 目 的 羅 列 と な つ て ゐ る こ と、
此 等 の 種 々 の 觀 點 か ら 想 定 す れ ば、
こ 丶 に 叉一
つ の 問 題 が 潜 ん で ゐ る と 考 へ ら れ る の で あ る。
か く の 如 く 「 十 八會
指 鯑 」 及 び 「 菩 提 心論
」 は 、 忙 ゴ 五 相 成 身 の 名 目 の み を 羅 列 し て あ る に 過 ぎ な い 。 從 つ て 如 何 に觀
じ 如 何 な る 眞 言 を 誦 じ て 、 佛身
を 圓 滿 す る か と い ふ實
踐 的觀
法 の内
容 は 全 く 不 明 で あ る 。 此 れ と 逆 に、
「 金 剛 頂一
切 如 來 眞 實 攝 大 乘 現 證 大 歡 王 經 」・
「 金 剛 頂 瑜 伽 中 略 出 念 誦 經 」 を 初 め 、 「 諸 佛 境 界 攝 眞 實 經 」・
「 金 剛 頂 蓮 花部
心 念 誦 儀 軌 」・
「 金 剛 頂 瑜 伽 修 碧 毘 盧 遮 那 三 摩 地 法 」 等 の 如 き 實 質 的 に 明 か に 五 相成
身観
を 詮 き な が ら も、
亠
相一
觀
の 名 目 が は っ き ら 誂 か れ て ゐ な い た め に、
こ 丶 に 五 相 成 身 の 名 目 を、
此 等 の 經軌
の そ れ に 配 釋 す る に當
つ て、
種 々 の 悶 題 が 生 す る に 至 つ た 。 更 に 「一
字 頂 輪 王 儀軌
」 を 初 め、
「 金 剛 頂 瑜 伽 護摩
儀軌
」・
「 金 剛 頂 瑜 伽 降 三 世 成 就 極 深 密 門 」・
「 都部
陀 羅 尼 目 」 な ど の 如 き、
五相
威 本 算 瑜 伽 と い ふ 全 稱 的 名 目 を 読 き な が ら も、
そ の一
々 の 觀 法 を 明 さ ざ る が 赦 に、
こ 丶 に も 亦 五 相 成身
観 の 全貌
を 見 出 し 得 な い 歓 陷 を 持 つ て ゐ る 。 更 に 叉 施 護 譯 の 「 佛 詮 秘 密 相 經 」 ( Ω =ξ
鋤 αq 碧 σ冨
4
& p ) の 如 き、
五 相 の 觀 法 衣 第 を 明 詮 し 終 っ て、
然 も 所 有 諸 佛 身 秘 密、
境 界 性 智 行 亦 しヤ
も
然、
以 五 相 成 正覺
覃、
諸 佛 成 滿皆
清
淨 。〔
大 正 藏 二 八・
四 六 四二
)
と 述 べ、
明 か に 五 相 成身
觀
を 詮 く の で あ る 。 然 し、
そ の觀
法 の内
容 が、
特 に 菩 提 心 の 行 相 尋 求 に當
つ て、
大 日 經 字 輪 品 第 十(
大 正 藏・
一
八・
三 〇・
b ) を依 用 し て ゐ る 點 な ど よ り 見 れ ば
、
五 相 成 身觀
の内
容 が 可 成 り 相 異 し て ゐ る の で あ る 。 か く の 如 く 觀 じ 來 れ ば 、 經 軌 の 上 に 於 い て は、
五 相 威身
の 形 式 名 目 と 觀 法 内 容 と が ピ ツ タ リ一
致 し て を ら 蹟 こ と、
帥 ち 整 然 と組
織 化 さ れ 體 系 づ け ら れ て を ら ぬ と い ふ 所 に、
問 題 の 焦 點 が 据 へ ら れ る の であ
る 。 然 し 從 來 稍 も す れ ば 、 五 相成
身 の 形 式 的 名 目 の み に よ つ て、
公 式 的 に 此 れ を 理 解 し、
そ の 内 に 盛 ら れ た 發 達 的 過 程 や 、 そ の 異質
的 系 統 な ど に 關 し て は、
全 く 考 究 さ れ て ゐ な い や う で あ る 。 五 相 成身
が 即 身 成 佛 へ の 直 路 と し て 開 顯 さ れ、
整 然 た る 金 剛 界 の觀
法體
系 と し て 確 立 す る に 至 る ま で の 背 景 的・
素 材 的 諸 問 題 を看
過 し て は、
到 底 正 し き 領 解 を も つ こ と が で き ぬ と 思 ふ。
い つ た い 五 相 成 身 に 關 す る 實 修 的 觀 法 を 読 け る 金 剛 頂宗
經軌
は 極 め て 多 く 四 十 蜍 部 を數
へ 得 る 。 い ま 此 等 の 經軌
の 上 に 於 い て、
五 相 成 身 觀 の 組 織 が 和 異 し て ゐ る も の、
叉 五 相 の 名 を 出 さ 〜 る も、
實 質 的 に は 五 相 成 身 を 説 け る も の 、 叉 は 五 相成
身 と し て、
成 立 す る に 至 ら す 、 若 し く は 、 五 相 成 身觀
よ り 分 化 涙 生 し て 四 相 ニ ニ 相・
一
相 成 身 な ど を 詮 け る も の、
或 は觀
照 の 對 象 が 相 異 せ る も の、
更 に 進 ん で 五 相 の 内 容 即 ち 教 理・
觀 想 ・ 眞 言・
種 字.
三 形 な ど の 相 異・
読 否・
廣 略・
具缺
等 々 に 關 し て、
密 歡 經軌
を 普 ね く 檢 索 對 校 す る こ と に よ っ て、
こ 》 に 五 相成
身 觀 の成
立 に 關 す る 體 系 的 考 察 を試
み、
五 相 成 身 觀 の 正 し き 實 踐 的 領 解 に資
し た い。
醗 第一
通 逹 本 心・
通 逹 心・
通 逵 菩 提 心 ・ 徹 心 第 二 修 菩 提 心・
菩 提 心・
大 菩 提 心・
無 染 心 五 相 成 身 観 の 體 系 的 研 究 六 七(3)〈2) (4) 智 幽 畢 報 六 八 第 三 成 金 剛 心
・
金 剛 心・
成 蓮 花 心・
加 持 蓮 花 心・
菩 提 心 堅 固・
觀 金 剛 蓮 花 心・
額 卒 都 婆 堅 周 菩 提 心 第 四 證 金 閾 身・
金 剛 身・
醗 蓮 花 身・
蓮 花 界・
金 剛 界。
讐 聞 法 界 。 金 剛 蓮 花 菩 提 身・
卒 都 婆 界 第 五 佛 身 圓 滿・
成 本 尊。
佛 心 圓 滿・
金 剛 堅 固 身 。冖
ρ 私 記 は 大 正 藏・
七 五・
七 八 三 頁・
bo 問 答 抄 は、
大 正 藏・
七 八。
一
〇 四 頁・
c 以 下 三 十 帖 策 子 第 二 十 七 所 載 の 「 十 八 會 指 歸」
は、
他 の 宋・
元・
蘗 の 諸 本 と 相 異 し て、
五 楕 成 身 の 割 謎 な し、
更 に 第 九 會・
佛 集 曾 緊 吉 尼 戒 細 瑜 伽 の 設 段 に 於 け る、
華 麗 ( 金 剛 薩 唾)
以 下 の 割 註 な し 。 大 正 藏・
一
八・
二 八亠
ハ・
G 參 照 。 智 詮 大 師 全 鷹兀
笛 矼 二・
日 本 佛肌
朕 全 書一
二 七 。一
〇 こ ご 二 頁 參 照 O一
切 五 相 成 身 の 歡 理 史 的 基 地 は、
釋 算 の 菩 提 樹 下 に 於 け る 正覺
の そ れ に 置 か れ る こ と は 五 相成
身 そ の も の が 明 か に 物 語 つ て ゐ る 。 か の 「 諸 佛 境 界 攝 眞 經 」 卷 中 に 、 復 應 觀 察 釋 迦 如 來 成 迸 法 ( 大 正 藏一
八・
二 七 三・
b ) と 稱 し て、
五 相 的 成 身 を 設 い て ゐ る が 如 き は 、 如 實 に 此 れ を 裏 書 き し て ゐ る と 考 へ ら れ る 。 五 相 と は 金 剛 頂 宗 義 の 特 質 た る 五 智・
五 佛・
五部
な ど よ り 必 然 的 に導
き 出 さ れ る 法 相 で あ ら う が、
曇 寂 の 金 剛 頂 大 教 王 經 私 記 ( 大 正・
六 丁 二 〇 Q・
・)
に よ れ ば、
相
と は 落 叉 (卩
舞
密芻
) の 義、
五 相 と と は 五 落 叉 に し て 、 σり 五 智 五 佛 の 三 三 昧 であ
る と 釋 さ れ て ゐ る 。 「 五 相 成 身 義 私 記 」 に は 大 日 如 來 八 相 成 道 ( 五 相 に 廣・
斂 二 親 と 諸 佛 加 持 を 加 へ て 八 柑 と な す ) の こ と を 引 用 さ れ て ゐ る が 、 か の 「 十 地 經 論 」 第 三 な ど に 詮 か れ て ゐ る釋
迦八 相 成 道 の
樣
相 と、
關聯
せ し め て ゐ る と 考 へ ら れ る.
然 し そ の 本 茸 の 身 を 成 す と い ふ 成 道 的 法 相 が 五 相 五 觀 と な る ま で の成
立 的 過 程 に 就 い て は 後 章 に 述 べ よ う と 思 ふ 。 今 私 は 密 歡 經軌
の 上 に 於 い て 、 五 うも
も
も
も
相 戊 身 の 第一
義 的 典 據 と し て、
そ の 歡 理 的 機 構 の 上 か ら 發 生 的 胎 盤 を 求 む る な ら ば、
不 筌 三 藏 譯 の 「 金 剛 頂一
切 如 來 眞實
攝 大 乘 現 證 大 教 王 經 」 及 び 此 れ と 同 本 異 譯 た る 施 護 三 藏 譯 の 「一
切 如 來 眞實
攝 大 乘 現 證 三 昧 大 敏 王 經 」、
こ れ に 相 當 す る 西 藏譯
の u∩ 固「
< 卩 宀 卸 筈凋
舞 四 み舞
く 甲・
,
2 ず σ.
q 曁 四 コ 倒 昌一
p量
観
羇
旨 卩 ゜【 創.
四 及 び 般 若 三 藏 譯 の 「 諸 佛 境 界 攝 眞實
經 」 を擧
げ な け れ ば な ら ぬ 。 私 は 先 づ 不 室 三 藏 譯 の 金 剛 頂 經 に 依 つ て、
五 相 成 身觀
が 開 詮 さ れ る に 至 る ま で の 序 曲 的 前 景 を 略 逋 せ ね ば な ら ぬ 。 釋 奪 は un 置鼻
訓 「 窪甲
び 。鼻
向
1 ω畏
毒 帥ち
一
切 義 成 就 菩薩
と し て 、 六年
間 苦 行 さ れ た が 、 眞實
な る 解 脱 を 得 る こ と が 出 來 な か つ た.
然 し 邃 に そ の 日 が 來 た 。 我 れ 若 し 正 覺 を 證 せ す ん ば 此 の 座 を 起 た す と の 大 誓 願 を 以 つ て 菩 提 道 揚 に 座 し給
へ る 時、
善 男 子 云 何 證 無 上 正 等 覺 菩 提。
不 知一
切 如 來 眞 實 忍 諸 苦 行 ( 大 正 藏・
天
二 δ 七・
G ) と の 如 來 の 警 覺を
蒙
つ て、
阿 娑 頗 那 伽 三 摩 地 ( 闘 ・。 ℃餅
き 冨 山 四 ∋豊
算
目
F
ヨ7
σq 団9
ぴ畳
冖苧
甘↓
α 切 ぎ}
無 動 三 摩 地 ・ 若 し く は 不 動 定 ) よ り 起 つ て、
一
切 如 來 を 禮 し、
云 何 ん が 修 行、
云 何 ん が 是 れ 眞 實 な る や と の 教 示 を 請 問 せ ら れ た。
此 れ に 對 し て 所 謂 五 相 成身
の 修 觀 が 答 詮 さ れ た の で あ る。
こ の 五 相 秘 觀 に 依 つ て こ そ一
切 義成
就菩
薩 は 、 途 に 金 剛 界 如 來 を 現 證 す る に 至 っ た 内 景 を 眞 言 的 に 読 か れ て ゐ る 。 此 れ に よ れ ば 、 五 相 成 身 鸛 は 入 密 の 釋 奪 が、
自 身 大 毘 慮遮
那 如 家 を 體 現 せ る 第一
義 的 觀 法 と し て、
極 め て 五 相 成 身 麓 瓢 の 體 系 的 研 究亠
ハ 九智 山 學 報 七 〇 興 味 深 き 本 生 的
因
縁 を 見 逃 し て は な ら ぬ と 思 ふ 。 我 が 宗 學 に 於 け る 大 釋 同 異 の論
劉 は 暫 く 措 く も、
此 等 の 文 相 を 素 直 に 解 せ ば 、 歴 史 上 の 釋 奪 は 此 の 五 相 成 身觀
に よ る が 故 に そ の ま 丶 に 大 毘 盧 遮 那 如 來 と な り て 、 凝 成 の 佛 陀 が そ の ま 、 に 久遠
實
成 の 本 佛 と 同體
と な り、
こ 、 に 本 修一
如 の 妙 境 を 具 現 す る に 至 つ た の で あ る 。 「 問 答 抄 」 に一
切 義 成 就菩
薩 所 修 の 五 相 行 法 と、
眞 言 門 行 者 所觀
の 五 相 成身
觀 と の 關 係 に 就 い て 、ヤ
も
も
ヤ
ヘ
ヤぬ
もも
ハ
サ ヵ ヘ
ヘ
サ
ヵ
もう
修二
此 法一
事 二 類 別 故。
但 取二
修 慚 悟 之 所 成 先 例司
而 爲γ
欲 v成
罪
當 今 頓 悟 行 人 修 學噌
故 。 引凹
”
此 古 迹 之 比 ぬ う 例一
也 。 是 即爲
一
當 今 行 人一
能 以二
是 例一
足ゾ
爲.
】
規 模一
故 也一
、
(
中 略)
如二
彼慚
悟一
切 義成
就 菩 薩 之 善 修 得二
此 法 佛 所 得 果輔
便 今 頓 悟 凡 夫 如ソ
彼 修 行 者 、 必 定 可γ
得昌
此 佛 果輔
也 。 ( 中 略 ) も へも
も
も
うも
も う いい
リコ
佛 假 示二
現一
切 義成
就 菩 薩相
司
表 7 所 以 從=
顯 教 極 果冖
方 隔 蹄”
入 密 教 佛 果一
義畠
云 々 。 ( 大 正 藏.
舶 ( ∴ δ1
一
=・
、 ) と 會 釋 し て あ る が、
金 剛 頂 宗 義 の 上 か ら 解 す れ ば、
此 の一
切 義 成 就 菩 薩 は 明 か に 金 剛 薩 埋 の 異 名 な る が 故 に 、 そ の 所 修 の 五 相 成身
觀
は そ の ま 丶 に 具 言 行 者 の 規 範 と す べ き で あ る 。一
禮 此 の 五 相 成身
觀
の 前 行 と し て の 阿 娑 頗 那 伽 三 摩 地 ( 剛 もり ℃ ゲ 闘 = 巴《
騨 IO 岡 ヨ 訓 飢 7 斜9.
刺 ω ℃ ゴ 91B 弓 諍 岸 PI ゆ゜
) と は 如 何 な る 觀 法 で あ る か 。 「 金 剛頂
經 義訣
」 に は、
うう
もも
うヤ
阿 之 言 無 。 娑頗
那 者 識 也 。 三 摩 地 罕 等 持 也。
伽 者身
也 。 應ゾ
云二
無 識 身 李 等 持一
也、
入二
此 定一
者 。 能治 攀 緑 散 亂 等
障
噌
故。
云下
不γ
應ゼ
動昌
心 及 身 支 節−。
唇 齒 倶 合。
兩 目似
閉.
息}
‘
心 禁 縁 司 勿ヲ
令一
散 亂胃
也 ( 大 正 藏・
三 九・
八一
一
・
a)
と 釋 さ れ て.
從 來 此 の 無 識 身 定 の 義 を 依 用 し て ゐ る の であ
る 。 然 し こ の 阿 娑 頗 那 伽 三 麈 地 の 内 容、
帥 ち 調 身.
調 息 及 び 定 中 觀 想 な ど に 就 い て、
經軌
の そ れ を檢
べ て 見 る と 必 す し も一
致 し て 居 ら ぬ 。 不 察 三 疲 譯 の 「 金 剛 頂 經 」 、 こ れ に 相 應 す る 施 謹 三 藏 譯 の 「 金 剛 頂經
」、
及 び 西 譯 の二
切 如 來 眞 實 攝 大 乘 経 」 は 大 同 に し て、
觀 法 の 内 馨 は 設 い て ゐ な い。
然 る に 金 剛 智 三 藏 譯 の 「 略 出 經 」 第 二 に、
次 須、
入γ
觀
止゜
[
出 入 息叫
初 依r
・
瑜 伽 安 那 般 那司
繋 念 修 習 。 不γ
動”
身
纒司
亦 不レ
動噐
支 分輔
名二
阿 娑 頗 那 伽 法 → 云 々、
(
大 正 藏・
一
八。
二 三 七 ) こ れ に よ れ ば 、 阿 娑 頗 那 伽 法 の 初 め に 瑜 伽 安 那 般 那 ( 団 o σQ9 ・ 山品
冨 塁 ) 節 ち 數 息觀
を 修 す こ と が 詭 か れ て ゐ る.
此 の 觀 法 形 式 は 不 室 三 臓 譯 の 「 文 殊 菩 薩 法 」、
「 同 供 養 儀軌
」 を 初 め、
實
質 的 に は 「 蓮 花部
心 儀軌
」 、 「 二 卷 金 剛 頂 經 」 な ど 五和
成 身觀
所 読 の諸
纏軌
の 上 に 見 出 さ れ る 。 但 し般
若 三 藏 譯 の 「 諸 佛 境 界 攝 眞實
經 」 卷 中(
大 正 藏 二 八・
二 七 三 ) に は、
阿 娑 頗 那 伽 觀 が 擴 大 さ れ て 五 相 成身
觀 の一
部
の 觀 法 と な つ て 説 か れ て ゐ る 。 叉 そ の 印 翔 に 就 て も 「 遘 花部
心 儀軌
」 に は 金 剛 縛 印 と 詮 か れ、
「 略 出 經 」 に は 右 手 を 左 手 の 上 に 置 く と 説 か れ 、 「 三 廨 地 法 」 及 び 「 千 手 儀軌
」 な ど に は 妙觀
察 層 印 が 説 か れ て ゐ る の で あ る 、 の 從 つ て そ の 定 中觀
想 も 廣 略 具 缺 ま こ と に區
々 九 る も の があ
る が、
要 す る 所 か の σ玉 騨巻
ー ヨ一
舞
の 「 疏 」 五 相 成 身 叡 の 髄 系 的 研 究 七一
智 肉 學 報 七 二 及 び 詞 冨 昌
甜
1 σq 胃 『訂
の 「 釋 」 に 釋 さ れ て ゐ る 如 く 、 初 め に數
息觀
を 修 し て 、 出 入 の 呼 吸 を 制 止 し、
漸 次 そ の 身 體 支 分 を 不 動 な ら し め 、 絡 に は身
心一
如 の 寂 滅 李 等 の 境 に 至 る觀
法 で あ る と 考 へ ら れ る 。う
ヤ
う もヤ
ヵ
ヨ
カ し 「 金 闘 頂 經 義 訣 」 に は 、 此 の觀
法 は 小 乘 漸 學 大 乘 者 の 方 便 に し て、
漸 衣 修 入 の 空 定 な る が 故 に、
眞 言 正 機 頓 入 の 定 で は な い と 釋 さ れ て ゐ る 。 然 し 慈 覺 大 師 の 「 金 剛 頂 大 教 王 經 疏 」 卷 二 ( 大 正 顧・
六一
・
三 四・
・ )ヵ
ヤ を 初 め 曇 寂 師 の 「 金 剛 頂 大 教 王 經 私 記 」 〔 大 正 藏・
六一
・
二 〇 〇・
c ) な ど に は 、 そ れ ぞ れ 方 便 引 入 や 警 覺 の 秘 趣 を 以 つ て 會釋
さ れ て ゐ る。
い ま 私 が 特 に 此 の 阿 娑 頗 那 伽 三 摩 地 を 問 題 と す る 底意
は 、 弘 法 大 師 の 十 ヨ うう
もも
も ぬ もヤ
し
ヤ
も
も
カ らヘ
ヤ も 住 心 法 門 の 教 理 機 構 に 於 い て、
外 に顯
密 到 教 的 立 揚 よ り し て も、
内 に 具 言 行 者 心 品 轉 昇 的 立 揚 よ り 見 て も、
極 め て 重 大 な 宗 學 的 契 機 點 と な つ て ゐ る こ と に あ る 。 又 遡 源 的 に 釋 奪 の 苦 行 か ら 正 覺 へ の 風 光 ね ゆも
を 眞 言 的 に 再 生 せ し め た こ と、
謂 は ゴ一
般
佛 教 と眞
言 密 敏 と の 結 び 目 と し て、
即 ち 從顯
入 密 若 し く は 顯 極 密 因 の 秘 趣 と し て、
こ 、 に 阿 娑婆
那 伽 三 麈 地 が 重 要 な 回 歸 線 と な つ て ゐ る こ と を 指 摘 し 忙 い の で あ る 。 斯 う し た 槻 點 か ら 見 れ ば、
阿 娑 頗 那 伽 三 摩 地 は、
五相
成身
が 眞 言 瑜 伽 觀 法 と し て 成 立 す る に 至 っ た觀
法 的 墓 底 と な つ て ゐ る こ と を 、 特 に 五 相 成 身 觀 の 經軌
に 於 け る一
般 的 成 立 史 上 の 根 本 問 題 と し て 究 明 さ れ な け れ ば な ら ぬ と 患 ふ 、 古 來 我 が 宗 に 於 い て は、
般 若 三 藏 譯 の 「 守 護 國界
圭陀
羅 尼 經 」 第 二 の 二相
成 身 觀(
大 正 藏 二 九・
五 三Ta
)
及 び 「 大 乘 本 生 心 地 觀 經 」 第 八 の 三 相 成 身 觀(
大 正 藏・
三・
三 二 八.
a ) な ど を 以 つ て 、 五 相 成 身 觀 の 顯 敏 よ り 密 教 へ の 過 渡 的 觀 法 と 云 は れ て ゐ る 。 が 然 し こ 丶 に 新 た に か の阿 娑 頗 那 伽 三 摩 地 の 發 逹 の 經 過 を 遡 つ て 考 へ れ ば 、 「 善 曜 經 」 卷 五 及 び 「 佛 本 行 集 經 」 等 の 所 謂 佛 傳 經
も
ヤ
もゆ
もも
カ もも
ね
ゐ
る
典 に 於 け る.
釋
奪 の 苦 行 よ り 正 覺 へ の 轉 機 と し て の 無 息 禪 や 不 動 三 昧 、 若 し く は 周 遍 虚 察 な ど の 修 觀 形 式 が、
阿 娑 頗 那 伽 法 の 淵 源 と 云 は る る 點 よ り す れ ば、
五 相 成身
の 構築
さ れ た 最 も 素 朴 的 な 本 初 的 基・
點 は、
こ 、 に ま で 及 ば な け れ ば な ら ぬ 。 が し か し い ま 泓 の 此 の 小 論 考 に 於 て は 企 て 得 な い と こ ろ で あ る。
〔5) (’
t> C3} (2} (t) (8) C7} (9} 大 正 蔵・
七 五・
七 八 五・
a 攀 照 。 大 正 蔵・
一
八・
二 〇 七ー
二 〇 八・
a 參 照 o 同 ・一
入 二 二 四 二・
a 。 O 甲 寓 げ 言 − 簒 農 冒 詩 ロ 琶 占 9 辛 ご崩
山 o ア げ o 凸 蹲 き 乙 げ 巴 口 甲 冨 鴇 。 ξ 91 ぎ 旨 。 α喬 感 m。
ぎ 〒 它 三 目 象 ( 戸 ロ p 3昌
野 ) 大 正 藏 ・一
八。
二 七 三ー
二 七 四 ・ a 參 照 。 慈 覺 の 大 教 王 經 私 記 第 二 日 「一
切 義 成 就 菩 薩 者、
金 剛 薩 塊 琵 也 。 故 理 趣 經 愛 。 時 薄 伽 梵一
切 如 來 大 乘 現 證 三 昧 耶一
切 疊 荼 羅 持 金 剛 醗 麺 o 於 三 界 中 調 伏 無 餘一
切 義 成 就 金 剛 拳 喜 薩 云 々 」 ( 大 正 藏・
六一
・
三 四・
a ) 龍 大 論 叢 三 〇 二 號・
八 六 頁 以 下 所 載 の 月 輪 賢 隆 先 生 の 「 阿 娑 婆 那 伽 三 摩 地 に 就 い て 」 參 照 。 ご 旦訂
…
ぎ 鶏 巨 鼠一
寄 旨 巨冖
く
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1 αq 鴫 〒 げ 昌 = ぎ ー , 守 ケ 侮 鐵 = ヨ } o 〒 。・
ロ 登 占 扇 び 史 亀 亠 p 同 冨 〒 ケ ξ 。 ヤ 冨 撃 訪 巨一
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巳 占 曳 Φ 臣 丶 零 〒 冨 鳳 冨凶
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賢 ヤ ξ 巴 蒔 葦 〒 冨 コ ゑ ー ξ & 。 節丶
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あ 冒 鴫 。 隅 − 窟 冒 ・ 叔 臣 器 ε σq ロ 鶲 −切
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°
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訂 旨 缶 げ 置 旨 琶 亀 9 昌 ヨ p 冨 三 岩 冒冖
冖
く 理 昆 舞 理 ご 熱 壽 ξ 闘一
ρ
ど ヨ(
「.
一
慨申
N ご甑
宀 σ.
) 此 の 問 題 に 關 し て は、
既 に 龍 谷 大 學 論 叢 第 三 Q 二 號 ( 昭 利 七 年 六 月 刊)
に 於 い て 月 輪 賢 隆 教 授 の 「 阿 娑 頗 那 伽 三 摩 地 に 就 い て 」 五 相 成 身 観 の 體 系 的 研 究 七 三智 山 學 報 七 四 の 愉 文 に 極 め て 重 要 な 御 指 針 を 得 た こ と を 記 し て 多 謝 す 〇 三 五 相 成 身 の 教 學 的 核 心 は 、 本 有 淨 菩 提 心 の 功 徳 を 開 顯 し
、
そ の 妙 用 を 異 現 せ し む る 所 に あ る 。 か の 「菩
提 心 論 」 に 、 當γ
知 法 爾 應レ
住昌
普 賢 大 菩 提 心 明一
切 衆 生 本 有 薩 堙、
爲轟
貪 瞋 癡 煩惱
一
之 所 y 縛 。 故 諸 佛 大 悲 以邑
善 巧 智司
カも
も
も も ヵ うヤ
も
し
ぬ
も
し
し
へ もも
ぬも
カも
り
も
う
るも
ゐ
も
ヤ も 説“
此 甚 深 秘 密 瑜 伽 四 令下
修 行 者 於昌
内 心 中一
觀゜
日 月 輪圓
由 レ 作二
此觀
一
照二
見 本 心 → 湛 然 清 淨 獪 如 滿 月 光 遍‘
虚 筌門
無膨
所馬
分 別一
云 々 ( 大 正 藏・
ご 三・
五 七 三)
と 説 け る が 如 く、
我 等 本 具 の 菩 提 心 を 磨 き 出 す 修 觀 的 方 法 と し て、
こ 、 に 日 月 輪 觀 が 提 案 さ れ て ゐ る 。 五 相 戊 身 の觀
法 的 規 準 は、
ま さ し く 此 の 日 月 輸觀
に 置 か れ て ゐ る の で あ る。
蓋 し 韮 “ 提 心 の 實 相 を 如 飼 ヨ リ ヤ ぬ ぬ に 觀 照 し、
如 何 に 此 れ を 體 現 す る か と い ふ 實 錢 的 方 法 は、
あ ら ゆ る 眞 言 瑜 伽觀
法 の 基 本 的 課 題 と な る の で あ る 。 もも
も ヵ 今 公 式 的 に 見 れ ば 胎 臧 宗 經 に よ る 阿 字 観 は.
菩 提 心 阿 字 の 秘 藏 を 月 輪 に 即 し て 觀 す る 所 の一
相 的 菩い
ぬハ
提 心 觀 で あ る.
此 れ に 對 し て、
金 剛 頂 宗 經 に よ る 五 胡 成 身觀
は、
菩 提 心 を 本 修 二 門 に 分 解 し 、 此 れ を 輕 霧 月 輪 と 圓 明 月 輪 と を 以 つ て 分 觀 し 、 更 に そ の 上 に 蓮 花・
金 剛・
劍 等 の 三 昧 耶 形 を 再觀
し て 、 そ の 堅り も ヤ も
も
も へ ら 固 ・ 廣・
斂
の 觀 想 に よ つ て 、 邃 に 菩 提 心 の 全一
的 な は た ら き を、
具 象 的 に 人 格 的 に 佛 身 の す が た に まも
カ
ぬ もう
へも
で觀
達 す る 所 の 五 相 的 菩 提 心觀
で あ る と 云 ひ 得 ら れ る。
さ れ ば 阿 字觀
が 阿 字 本 不 生 際 の一
實
法 界 を 直觀
す る に 對 し て、
五 相 成身
觀 は 五 智 ・ 五 佛・
五部
の 多 佛 界 を觀
照 す る義
趣 と 見 る こ と が で き る 。 所 詮 自 性 成 就 本 具 開 顯 の 同一
醍 醐 味 であ
る け れ ど も、
五成
身 觀 の 方 が 、 何 れ か と 云 へ ば 修 觀 的 實 踐 性 が 表 で あ る と 思 ふ.
然
る に 古 來 此 の觀
法 が 阿 字觀
の 如 く 獨 立 し て 眞 言 宗 徒 に よ つ て 、實
修 さ れ る に 至 づ て ゐ な い の は 如 何 に も 不 審 に 堪 へ ぬ。
從 來 我 が 宗 に 於 い て 、 此 等 の觀
法 内 容 を 種 子 と 三 昧 耶 形 と 算 形 と に 配當
し て、
所 謂 種 三 奪觀
と し て 呼 ば れ て ゐ る が、
此 等 の觀
法 の 總 別 開 合 の關
係 や、
そ の 成 立 的 圭 俘 前 後 の 關 係 は い つ れ 後 日 稿 を 改 め て 述 べ た い と 思 ふ。
い ま 私 は 五 相 成身
觀
の 成 立 史 的 な一
斷 面 考 と し て、
そ の 觀 法 の 焦 點 た る 菩 提 心 月輪
觀 の 問 題 を 少 し く 經軌
の 上 に 就 い て檢
べ て み よ う。
さ て 菩 提 心 を 月 に 喩 へ て そ れ を 觀 照 す る こ と に 關 し て 、 「 無 畏 三 藏禪
要 」 及 び 「 念 誦 結 護 法 普 逋 部 」 に.
此 れ を 読 明 し て 、 う ゐ サ もい
コ
う い う カ うも
以 ソ 觀γ
月 爲昂
方 便司
具 有 二 二 義 4一
者 自 性 清 淨 義 。 離 貪 欲 垢 故 。 二 者 清 凉 義 。 離瞋
熱
惱
故 。 三 者 光 明 義 。 離 愚 闇 故 し 所 以 取 γ 月 爲 ソ 喩 云 々 。(
結 護・
大 正・
一
八・
九 〇 八。
b ) と 逑 べ ら れ て ゐ る 。 月 は 喩 設 で あ る。
方 便 觀 で あ る 。 菩 提 心 の 實 相 が 難 思 難 解 な る が 故 に、
月 を 以 っ て 喩 へ と な し、
一
應 そ の實
義 を觀
照 す る の で あ る 。 興 歡 大 師 の 「 心 月輪
秘釋
」 に、
若 不 寄ヨ
喩 此 事 相舶
五 相 戌 身 觀 の 髄 系 的 研 究 七 五智 山 畢 報 七 六 う
あ ぬ も
も
ヤ
何 得 7 悟凵
r
入 其 理 體司
因レ
茲 暫 假昌
世 月一
以 彰ユ
眞 心一
故 ( 全二
〇 五 七 頁)
と 釋 さ れ て ゐ る の は、
此 の 義 趣 に 外 な ら ぬ。
蓋 し 月 を 以 つ て 覺・
不 覺 或 は 善 不 善 等 の 法 に 喩 詮 し た こ と は、
種 々 の 經 典 に 見 出 さ れ る が 、 今 「雜
阿 含 」 第 三 を 見 る に、
信 迦 羅 婆 羅 門 に對
し て、
釋 奪 が、
不善
男 子 は 月 の 黒 分 の 如 く 光 明 を 失 ひ 日 夜 淌 滅 す る の み、
善 男 子 は 明 月 の 如 く 淨 光 日 夜 に 増 明 し 途 に 滿 月 の 圓 光一
切 を 光 被 す る こ と を 答 へ ら れ て ゐ る 。 此 れ と 同 巧 異 曲 の 喩 詮 は、
「 増一
阿 含經
」 第 入 に、
月 末 の 月 を 惠 智 識 に 喩急
月 初 生 の 時 を 善 怱 識 に 喩 へ て、
善 法 欣 求 を 教 誡 し て ゐ る 。 更 に 「 文 殊 師 利 問菩
提 經 」 に 至 れ ば 、 月 を 以 つ て 菩 薩 の 四 心 開 顯 の 分 證 的 様 相 に 喩 へ て あ る.
.
即 ち、
又 初 發 心 如臼
月 新 生舶
行 道 心 如蒔
月 五 ロ → 不 退 轉 心 如二
月 十 日 司一
生 補 處 心 如’
四
月 十 四 日岨
如 來 智 慧 如・
月 十 五 日 → 云 々。
(
大 正 藏 二 四 ・ 四 八 二)
此 れ に よ れ ば 月 の 分 滿 を 以 つ て 、菩
薩 修 道 の 段 階 を 分 読 し、
滿 月 を 如 來 智 慧 に 喩 ふ る に 至 っ て ゐ る 。 か く の 如 く 滿 月 を 佛 果 佛 智 に 喩 ふ る 例 次 は、
諸 大 乘 經 論 の 上 に 於 い て 枚 擧 に 遑 な き ほ ど で あ る 。 然 し 此 の滿
月 を 提 し 來 つ て 、 我 等本
具 の 菩 提 心 の 相 に、
即 ち 父 母 所 生 の 此 の 身、
こ の 心 の す が た に 端 的 に象
徴 す る に 至 つ た の は 、 ま さ し く 眞 言 經軌
の 本 覺 門 的 特質
であ
る と 思 ふ 。 さ て 不 筌 三 藏譯
の「
, 金 剛 頂 經 」 に よ れ ば 我 見昌
自 心一
形 如二
月 輪一
( 大 正 藏二
八・
二 〇 七二
) と 読 か れ、
或 は 便 見 y 心 圓 滿 如、
「
淨 月一
と 説 か れ て ゐ る 。 又 金 剛 智 三 藏 譯 の 「 佛 読 七 倶 胝 佛 母 准 提 大 明 陀 羅 尼 經 」に は
、
三 摩 地 瑜 伽觀
法 の 心 構 へ と し て、
自 心 如一
滿 月 湛 然 清 淨 内 外 分 明(
大 正 藏・
一
九 二 七 七 ) と 詮 か れ て ゐ る 。 又 「諸
佛 境 界 攝 眞 實 經 」 に、
大 菩 提 心 相 云 何 。 諸 佛 告 言 。 譬二
如 五 十 由 旬 圓滿
月 輪 の清
凉 皎 潔 無二
諸 雲 翳叩
當ソ
知 此 是 菩 提 心 相 ( 中 略 ) 我 已 見邑
心 觀 司清
淨 如“
月 輪叫
離昌
諸 煩 惱 垢 能執
所 執 等司
諸 佛 咸 告 言。
汝 心 本 如 レ 是。
爲昌
客 塵「
所γ
翳 。 不レ
悟 昌 菩 提 心 岡 汝 觀‘
淨 月 輪哺
念 々 而 觀 察 。 能 令 下 智 明 顯 得 汐 悟昌
菩 提 心一
云 々 。 ( 大 正 藏 二 八・
二 七 四 ・ a − b)
と 読 け る が 如 く、
菩 提 心 の實
相
は清
淨 圓 滿 の 月 輪 を 觀 す る こ と に よ つ て 、 開 顯 す る 義 趣 が 述 べ ら れ て ゐ る 。 然 し 斯 う し た 自 心 形 如 月輪
の 理 趣 が、
實 修 的 に觀
法 的 に 組 織 づ け ら れ る に 當 つ て、
先 つ か の 「 守 護 國界
主陀
羅
尼 經 」 第 二 に 、 以 堅 牢智
諦觀
自 心 以 爲二
月 輪 司 當 於二
鼻 端冖
不γ
令篇
馳 散岡
(
中 略)
此 月 輪 爲‘
で
う うう
や もハ
カ もし
も 菩 提 心 明 此 菩 提 心 本 無凹
”
色 相明
爲 未 成 就 諸 衆 生 故 。 読 F 如‘
月 輪一
云 々(
大 正 藏・
一
亀・
五 三 丁 ・)
と 詮 け る が 如 き、
こ 丶 に菩
提 心 月 輪 觀 の 觀 法 的 の 墓 底 が 打 ち 建 て ら れ る に 至 つ た。
又 か の 「 蓮 花部
心 念 誦 儀軌
」 な ど に 設 け る 所 の 輕 霧 月 輪・
圓 明 月 輪 の 二 相觀
が分
化 し て 、 更 に 月 輪 觀 の 實 踐 體 系 を よ り よ く 整 備 す る に 至 つ た と 考 へ ら れ る。
更
に 自 心 と 月輪
と の譬
喩 的關
係 が、
高 次 的 に 融 會 さ れ て.
「 大 乘 本 生 心 地 觀 經 」 第 八 所 詮 の 如 き 月 即 是 心 。 心 帥 是 月(
大 正 藏・
三・
三 二 八・
・ ) の 所 謂 心 月 不 二 觀 が 成 立 す る に 至 っ た 。 此 の 心 月 輪 觀 は、
略 出 經 を 初 め 遘 花部
心 儀軌
・
毘 盧遮
那 三 摩 地 法・
如 意 輪 儀軌
・
觀 自 在 王 儀 軌・
交 殊 儀 軌 な ど、
五 相 的 成 身 の觀
法體
系 を 持 つ て ゐ る 念 誦 儀軌
に 於 い て 、 極 め て 重 要 な 果 上 法 門 的 な觀
想 と 五 椙 成 身 叡 の 體 系 的 研 究 七 七智 肉 贔 雜 七 八 な つ て ゐ る こ と は
注
意 に値
す る。
更
に 又 此 の 心 月 輪 の 上 に 絢 哩 ( ゲ尋
) や 曇 (象
譽
) の 如 き 種 字 を 觀 じ、
或 は 五 股 金 剛 杵・
蓮 花・
劍 等 の 三 昧 耶 形 を觀
じ、
或 は 奪 形 を觀
す る こ と な ど を 設 け る 種 々 の 念 誦 儀軌
が 作 ら れ る に 至 っ た と 推 考 し 得 る の で あ る 。 此 等 の 考 證 は 後 章 に 於 い て、
各 儀軌
の 比 較 對 校 の 結 果 に 依 っ て 釋 明 さ れ る で あ ら う。
さ て 上 來 月 輪觀
を 規準
と せ る 五 相 成 身 觀 の 發 展 的 楔 機 點 を 指 摘 し た の で あ る が 、 此 處 に 特 異 的 觀 法 と し て 日 輪 觀 に よ る 五 相 成 身 觀 を 紹介
せ ね ば な ら ぬ 。 既 に 「 菩 提 心 論 」 に 瑜 伽 修 行 者 の 心 中 に 於 い て、
日 月 輪 を觀
ぜ し む べ き こ と が 勸 読 さ れ、
又、
蓮 花部
心 儀軌
に 麼 睫 爲 兩 目。
應 觀 爲 日 月 と 蓮 べ ら れ て ゐ る。
然 し 日 輪觀
に よ る 修 觀 形 式 は 極 め て 少 な い 。 「 五 相 成身
私 記 」 に 安 然 の 義 と し て 引 用 さ れ て ゐ る が 、 日 輪觀
と 月 輪 觀 と の 相 異 に 關 し て、
約昌
果 地 智 徳一
故 。 以昌
日輪
形哺
觀昌
本 奪 形一
今 約’
因 果 三 昧 進 修司
以心
月 輪 形輔
觀昌
本 奪 形一
云 々(
大 正 藏・
七 五・
七 九 二。
a ) と 述 べ て ゐ る 。 い ま 不 筌 三 藏 譯 の 「 金 剛 頂 瑜 伽 他 化 自在
天 理 趣 會 普賢
修 行 念 誦 儀軌
」 に よ れ ば 、マ
ぬね
ヨ
誦 も 疋 眞 言司
前 所 詮内
心 惡 字 。 從レ
字 出二
無 量 赤 光尋
右 旋 威 日 眞 言 日。
唾 質 多 鉢 鑼 二 合 底 吠 能 迦瞻
弭 もう
も 由
跖
是眞
言 加 持一
故。
自 心 如 y 日。
由 γ 末二
分 明一
復 誦’
”
此 眞 言司
庵
冐
地 質多
母 怛 跛 弛 ム.
娜 夜 弭 由h
疋 眞 言 加 持司
獪昌
如 盛 夏 目 輪的
光 明 晃 耀 云 云(
大 正 麟 二 δ・
五 二 六・
・ ) と 詮 か れ て、
自 心 如 月 輪 の觀
に 對 し て 自 心 如 日 と な し、
秋 月清
凉 に 對 し て、
盛 夏 日 輪 と 觀 す る が 如 き は實
に 興 味 深 き 對 照 で あ る 。 然 も 此 の 儀軌
に は實
質 的 に 五 相 に よ る 成身
觀
が 設 か れ て ゐ る 點 も 亦看
過 し 得 な い 所 で あ ら う 。 蓋 し 日 輪 觀 に よ る 五相
的 成 身 を 読 け る も の と し て は 、 殆 ん ど 見 當 ら な い。
但 し 日輪
若 し く は 日 輪 曼 荼 羅 を 觀 じ て 夫 々 の 果 徳 を 成 就 す る こ と を 讒 け る 經軌
は 少 な く な い 。 か の 不 塞 譯 あ も ぬで
コ
の 「 金 剛 頂 經一
字 頂 輪 王 瑜 伽一
切 時 處 念 誦成
佛 儀軌
」 に 於 け る 以 白 性 智 光 。 成 威 曜 日 輪。
邁 照 無 餘 界 。 摧 壊 諸 暗 瞑 ( 大 正 藏 二 九・
三 二 〇・
b)
を 初 め、
施 護 譯 の 「一
切 如 來 金 剛 三 業 最 上 秘 密 大 教 王 經 」 に 於 け る ラ の 十 忿 怒 明 王觀
想 法 の 如 き、
ま た 「 無 二 夲 等 最 上 瑜 伽 大 教 王 經 」 の 如 き、
更 に 「 大 悲 察 智 金 剛 大 教 王 經 」 第一
所 詮 の 如 き は、
何 れ も 忿 怒 明 王 教 令 輪 身 の 三 摩 地 を 應 現 す る 牝 め に、
此 の 日 輸 観 若 し く は 日 輪 曼 茶 羅 に 住 す る 理 趣 を 読 い て ゐ る 。 か く の 如 く 諸 經軌
を 檢 索 す る に、
日輪
觀 に よ る 完 垂 な 五 胡 成 身 は、
前
掲 の 「 理 趣 會 儀 軌 」 の み で あ る が、
少 な く と も 儀軌
成
立 臭 的 見 地 よ り 評 し 得 る と す れ ば、
恐 ら く 理 趣 會軌
の 日 輪 觀 は 、 他 の 月輪
觀 の そ れ に摸
し て 作 ら れ た こ と は、
儀軌
の 内 容、
觀
法 の組
織 な ど か ら 見 て 想 定 し 得 る 種 々 な る論
據 が あ る 思 ふ 。 五 相 成 身 觀 の 彊 系 的 硝 究 七 九(4) 〔3) (2) (】) {〔う (5) (7) (9) (
8
) {10} 智 山 學 報 八 〇 興 教 大 師 の 月 輪 觀 頚 及 び 心 月 輪 秘 釋 ( 全・
一
〇 三 七 以 下 ) 參 照 o 大 正 藏・
二・
二 五・
じ 以 下 o 大 正 藏・
二・
五 八 五・
c 以 下 o 「 丈 殊 師 利 問 菩 提 經 し 鳩 摩 羅 什 譯 。 此 れ と 同 本 異 譁 と 霧 さ れ る 「 伽 耶 山 頂 經 」 菩 提 流 支 課 「 大 乘 伽 耶 山 經 」 菩 提 流 支 課(
大 正 藏・
一
四・
四 八 三・
以 下)
大 正 藏・
一
八・
二 〇 二・
C 參 照 。 移 藏 記 第 五 十冖
章 に、
姫 四 心 如.
二
月 輪 獪 在昌
輕、
霧 中叩
霧 是 水 O 水 即 大 悲 O 月 是 智 o 故 知 霧 申 有 y 月 表二
大 悲 中 有 , 智 也 O(
眞・
全。
一
一
・
一
五・
a ) 秘 藏 記 拾 要 記 卷 七 。(
醜・
全 二 丁 二 六 〇・
a)
に 此 れ を 委 釋 し て ゐ る o 爺 伽 蓮 華 部 ハ 心 誦 法・
不 甕 譯 ( 大 正 藏・
二 〇・
七・
a)
金 剛 頂 瑜 伽 千 手 千 眼 觀 自 左 菩 薩 修 行 儀 軌 經。
不 空 譯 ( 大 正 藏 二 〇。
七 四・
b ) 金 剛 頂 經 憩 伽 文 殊 師 利 蒋 薩 供 養 儀 軌・
不 空 譯(
大 正 藏 二 〇・
七一
九 ・ c)
等 大 正 藏・
一
八・
四 八 七 以 下 參 照 o 想 虚 聖 金 剛 o 日 輪 曼 拏 羅 。 現 焔 盤 得 迦 o 忿 怒 明 王 像(
大 正 藏・
一
八・
四 八 七・
b ) 以 下 無 能 勝。
馬 頭・
甘 露 軍 茶 利 等 の 盆 怒 明 王 が 夫 々 日 輪 曼 拏 羅 に 住 す る こ と を 明 す o 現 前 秘 囃 字、
成 熾 盛 日 輪、
於 彼 日 轄 中、
吽 字 金 剛 粟 。 自 心 想 曝 字、
成 輝 曜 日 輪 云 々 ( 大 正 藏・
一
八・
五 九 〇・
a)
四 「 金 剛 頂 經 」 に 於 け る 五 相 的
成
身 義 が 、實
修 儀 則 と し て の觀
法 體 系 を 具 備 す る に 至 っ た 金 剛 界 の 根 本 儀軌
は、
古 來 不 空 譯 の 「 金 剛 頂 蓮 花部
心 念 誦 儀軌
−
一
を 以 つ て 代 表 さ れ て ゐ る 。 此 の 金 剛界
の 根 本 儀軌
を 夏 に 翼 言 行 者 の實
修 次 第 と し て 要 略 整 備 さ れ た の が、
弘 法 大 師 の 「 金 剛 界 黄 紙 衣第
」 で あ る。
此 の 「 金 剛 界 次第
」を
更 に 解 鏡 的 に 念 誦 法 次 第 と し て 作 ら れ た の が 、 長慶
の 「 金 剛 界念
誦 私 記 」 や 元 呆 の 「 金 剛 界 念 誦 次 第 」 であ
る と 云 は れ て ゐ る 。 か く の 如 く 「 蓮 花部
心 儀軌
」 が 金 剛界
法 の 粮 本 的 儀 軌 と な つ て ゐ る が 、 古 來 此 れ に關
し て 種 々 の會
釋
が試
み ら れ て ゐ る 。 佛・
金・
蓮・
費・
羯 の 五部
各 別 の 上 よ り 論 す れ ば 、 今 の 蓮 花部
心 軌 は 明 か に 蓮 花部
の 所 攝 な れ ば 、金
剛 界 都 法 の儀
軌
と な す の は 爰當
で は な か ら う 。 此 の 疑 難 に 對 し て 、濟
暹 の 「 五 相成
身 義 問 答 抄 」 に は、
一
切 有 情 以箭
心 蓮 花一
爲 γ 因 而 成昌
佛 果一
故。
殊 約二
蓮 花部
回
也 と 答 へ ら れ て ゐ る 。 曇 寂 の 「 金 剛 界 次 第 私 記 」 は、
問 答 抄 の 詮 を 依 用 し て、
兩部
雖γ
異 心 蓮 開 敷 爲レ
要 。 心 蓮 開 敷 邸 成 身 也 と 釋 さ れ て ゐ る 。 然 し 今 少 な く と も 五 相 成身
觀 に 關 す る 限 り、
縱 に 金 剛 頂 經 ( 略 出 經 )↓
遘 花 部 心 軌↓
金 剛 界 次 第↓
金 剛界
念 誦 私 記 と い ふ が 如 く 同一
系 列 に 結 び 得 な い 所 の 具 缺 。 出ズ
な ど の 相 異 點 が 見 出 さ れ る 。 又 横 に 菩 提 心 論・
十 八會
指 歸・
毘 盧 遮 那 三 摩 地 法・
普 賢 金 剛 薩 唾 修 行儀
軌
・ 佛 詮 秘 密 相 經。
心 地 觀經
・
觀 自在
念 誦 法 門・
多 羅 菩 薩 念 誦 法・
一
字 頂輪
王 念 誦 儀軌
・
文 殊 五 字 心 五 相 成 身 觀 の 體 系 的 研 究 八一
智 山 學 報 八 二