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(1)

規範 としての身体

一弘前大学新入生 「病気のとき,どうしましたか」調査か ら‑

Bo d ya sano r m : Ap r e l i mi na r yr e po r tO fhe a lt hhi s t o r yr e s e a rc ht one ws t ud e nt s

弘前大学人文学部

過去

1

か月の心身の不調 に際 して,大学生が どの よ うに対処 してい るかを質問紙法 によって調査 した。

対象者 は

672

人, うち

607

人が新入生である。全体の

65%

が何 らかの不調 を経験 してお り,その うち医療 機 関にかかった者 は

1 6%

であった。大半が民間セ クターでの 自家治療ですませてい る。記述 され た病気 のエ ピソー ドは

43 6

あった。症状 は喉 の痛み ・腫れ,頭痛,腹痛 ・胃痛,鼻,筋肉 ・関節痛の順 で多 く, 原因帰属 は疲労,生活全般 ,睡眠,行為 ・出来事,ス トレス ・精神,食生活,気候 ・住環境 な どであっ た。 さらに,エ ピソー ドの

42%

で, 「す るべ きこ とを しない」 「通 常の状態か らはずれてい る

こ とを 指す規範表現が見 られた。 この結果 は,学生たちが心身の不調 を新生活のペースメーカー として用いて いることを示唆す る。新入生 に とって,不調 は対処すべ き状態である と同時 に,それ を機会 に生活 の リ ズムやバ ランスを修復す るきっかけ となっている。

キー ワー ド :規範,病気対処,‑ル ス ・ケア ・システム,新入生,病気エ ピソー ド

は じめに

本報告 は,弘前大学の学生 を対象 に した病気対処行動の調査

(

病気の とき,どうしま したか

調査) の第

1

次報告である。本調査は主 に

1

年生 を対象 に した授業 のなかで,過去

1

か月以内の不調 の体験 ( 気エ ピソー ド) を想起 して もらい,症状 ,病 因帰属,対処 をたずね る質問紙調査である (資料

1)

論 の 目的はこの調査か ら,弘前大学生が どの よ うな心身不調 を体験 し, どの よ うに意味づ け対処 してい るのか,その実態 を把握す るところにある。本報告では結果 の概要 を示 し,今後の指針 を得 ることを 目 的 としてい る。

これ まで,大学生の健康や病気 については,医学的あるいは心身医学的,心理学的見地か らの報告が な されてきた。 しか し,学生が どの よ うな不調 を体験 し, どの よ うな対処 を行 ってい るか とい う日常的 対処 については注意が払われて こなかった。 しか し,医療人類学的な調査は,知覚 された心身不調の

6

割以上が 自家治療 な ど身近 な人間関係 のなかで対処 されてい る実態 を報告 し,民間セ クターでの対処 を 理解す る重要性 を指摘 してい る

( Kl e i n ma n

,

1 980)

。民間セ クターの理解 は,専門職セ クター に とって は医学的知識や情報 を民間セ クター‑適切 な文脈で伝 えるために,病者側 に とっては,医療化社会で病 者が 自身の不調‑の対応 を価値づ けることができるよ うになるために重要 とされ る。 同様 の理 由か ら, 大学生の民間セ クター についての実態把握 は学校保健的なケアのための背景理解や学生の健康‑ の関心

を啓発す るために役立つ と考 え られ る。

結果か らみ ると,学生の

65%

は この 1か月以内で不調 を体験 してお り,養生や大事 を とる といった 自 家治療 をお こなってい る。 また,学生 は記述 したエ ピソー ドの

42%

で病気 を 「生活 の乱れ」な ど生活実 践の秩序の指標 として表現 してい る。 この よ うな帰属 は学生ではない私たちで もお こな う気楽 な帰属方 法である。 しか し,心理社会的モ ラ寸 リアムにあ り,以前の生活 とは比較 にな らないほ ど自由度 のある

‑ 5 ‑

(2)

新生活‑の適応 を迫 られ る新入生の状況 を考 えると,病気の 「生活の乱れ

不規則

「リズムの崩れ」

‑の帰属が新生活‑の適応 のペースメーカー として役 立 ってい る可能性 を示 してい る。

1. 目的 と方法

新入生の不調‑の 日常的対処 の実態 と特色 を知 るために,質問紙法によって調査 をお こなった。質問 紙 は

5

つの項 目か らな り,過去

1

か月にお こった不調 を症状,時期,対処 に分 けて 自由記述 を求 め,不 調 に病名 をつ けて も らった (資料

1

)。得 られ たデー タは病気エ ピソー ドとして整理 した。調査 は2002 午,2003年 は

1

月,2004年度入学者 については 7月 に,

1

, 2年生向け授業 のなかで実施 した。全体で

67 4

人の質問票 を回収 した。その うち,新入生は607人,残 り

67

人は再履修 な どである。 ここでは,エ ピ ソー ドを広 く収集す るため,両者 をま とめて新入生 として分析対象 とした。各年度対象者男女別 は表

1

の とお りである ただ し,表

1

では学年不明の

2

人 は除外 してある。

1

対象者 (男女別)

実施年度

2002 ‑2 003 2004

全車

性別

病気 あ り

44 84 21 5 4̲ 90 1 43 1 55 281 436

病気/ N (

%) 68 91 51 81 51 6 2 5 5 72 64

2.不調経験 ・症状 ・原因帰属 1

)不調経験

この

1

か月以内になん らかの不調 を感 じた人は,672人 中436人,64%にあたる。 その うち病院 な ど医 療機 関にかかった例 は71人 (不調経験者 の1

6%)である。 これ は他 のよ り広範 な対象 に実施 され た調査

の結果 とほぼ同 じである (安保 ・大橋,1

995:

大橋 ・安保 ・早坂,1

9 89)。ただ し,年度別 にみ ると, 200 2

年の女性 のほ とん どが不調 を訴 えてお り,それ は91%にのぼる。実施時期が

1

月末で試験期 間 とか

さなったためか も しれ ないが,理 由は不明である。各年度で女性 が優越 してい る。

2)症状

症状 は記載順 に最大

3

つ まで をデー タ とした。症 状 を多い順 に列挙す る と,喉 の痛み ・腫れ,頭痛 , 腹痛 ・胃痛 ,鼻,筋 肉 ・関節痛 ,熱 ・さむ け,だ る

さであった (

2

N

を参照)0

ひ とつ の症状だ けでエ ピソー ドがで きてい る割合 を単独率 とす る。各症状 ごとにみ ると,熱 ・さむ け, 鼻,喉の痛み ・はれ,といった症状 は単独率が低 く, 他 の症状 に随伴 して現れ る症状 であること,筋 肉 ・ 関節痛,腹痛 ・胃痛 といった明確 な部位 の痛み は単 独でエ ピソー ドをなす ことがわかる。

2

症 状 と単 独 率

症 状 ‑ N 単独 ■ 単 独 率 ( r o ) 喉 の痛 み .はれ 95 34

35

頭痛 85 34 40

腹 痛 .胃痛 65 43

66

鼻 51 17

33

筋 肉痛 .関節 痛 48 46

95

熱 .さむ け 42 5 11

(3)

3)症状 と原因帰属

原 因帰属 を多い順 にま とめる と,疲 労 (11%),生活全般 (11%),睡眠 (9%),行為 ・出来事 (8

%),ス トレス ・精神 (8%),食生活 (8%),気候 ・住環境 (8%)である。 なお,生活全般 とは,

不規則 な生活

や 「生活 の リズムの崩れ」 といった生活 についての記述,行為 ・出来事 は 「新歓 コン

パ」

バイ ト」 といった出来事や行為だけの記述である。

症状 によって原 因帰属 に傾 向があるだろ うか。表 3に症状 と原因帰属 の関係 を示 した。次の よ うな傾 向がみ られた。喉 の痛み ・はれは 「かぜ」に も帰属 され るが,行為 ・出来事や生活全般‑の帰属 が多い。

頭痛 は睡眠不足 (過剰 )と疲労,ス ートレス ・精神的 と関連づ け られ る。腹痛 ・胃痛 は食生活 ,ス トレス ・ 精神 ,鼻 は気候や住環境 といった外部要因,行為 ・出来事,ア レル ギーに結びつ け られ,筋 肉 ・関節痛 は身体のゆがみ ・姿勢,運動や部活動 に帰属 され るほか,原因不明 とされ ることが多い。熱や寒気 はま ず疲 労 に帰属 され る一方 で,免疫や細菌 といった科学的用語で説明 され る. だるさは‑,生活不規則 と睡 眠不足であ りス トレス ・精神 とも関連づ け られ る。

原 因帰属/症状

3

症状 と病因帰属

喉 の痛み ・ はれ 頭痛 腹痛 ・ 胃痛 鼻 筋 肉・ 関節痛 熱 ・さむ け だ るさ 計 %

気候 ・ 住環境 生活全般 行為 ・出来事

酒 食生活

睡眠 疲 労 かぜ 冷 え 気 のゆるみ 消化 ・便秘 免疫 ・細菌 ア レル ギー

持病 生理 ( 不順)

ス トレス ・精神

身体 のゆがみ ・姿勢

運動 ・部活 その他

1

3

1618

0 4 5

14172

4 0 3 0 0 0

00

0 3 99 7 8 4 3 4 15 14 0 2 0 0 1 0 4 0 10 0 0 9 81 2 2 4 2 22 3 2

1303001

5 15 0 0 7 72

756

0 2 4 3 4 2 0 0 2 6 1 0 1 0 0 6 49

030

0 0 1 2

01

0 0 0 1 0

005

18 15 46

34300

3 9 5 1 1

060

0 0 1 0 0 2 38 8 11 8

189

日 6 3

1132118

1 5 1l l00

33 46 35 6 33 3 7

482712

5 3 13 7 6 5 34 5 20 44 419

180116

4 0 1 0 0 1 0 0 0 7 0 2 2 34

3.記述の分類

生活全般,行為 ・出来事の記述例 が表 4, 5である。基本的に表記 された とお りに掲示 した。 これ ら の記述 には, 「せ い」 「か ら

「しまった

とい う表現 がみ られ る。注意義務 の不履行や怠慢 ,過失 を理 由にあげ, 自己責任 を表 明 してい る。 これ らの表現 は規範 と関連す る。

記述 の表現 に着 目して,原因 を再分類 した。た とえば,喉 の痛み ・はれ の原因 として, 「気候

と記 述 され た場合 ,それ は外部要因 を指示 してい る。 しか し, 「(私 が)気候 の変化 に対応 で きなか った

とい う記述は対応すべ き気候 の変化 についていけなかった とい うことで,そ こには,ついてい けなかっ

ー 7 ‑

(4)

た 「ずれ た感 じ」 「はずれ た感 じ

を含 み, さらに 自己責任 の感覚 も うかが える。 この よ うな 「す るべ きことを しない

通常の状態か らはずれ てい る

こ とを指す表現 を規範表現 とよぶ ことにす る。再び, 喉の痛み ・はれ の例か ら,規範表現 を検討 しよ う。まず,「布 団か ら右足が出てい るまま寝ていた こと」

「うがい をす るのを忘れた,薄着 だった」は,「す るべ きことを しない」 とい う意味で規範表現である。

不規則 な生活

生活 リズムの崩れ

食生活 の乱れ

栄養 の偏 り

といった,不規則 ,崩れ ・乱れ, 偏 り表現, 「パ ソコンの しす ぎ

睡眠不足」 といった過不足表現 も同様 に扱 うことができる。

病気エ ピソー ド

43 6

の うち

,1 85( 42%)

で,規範表現が兄いだ された (

6

)0 それ は,過失 ,過不足,乱れ ・崩れ ,不規則 ,ゆるみ ・油断,不摂生,管理, 偏 り, に分類 され た。過不足 は 「睡眠不足

栄養 不足」, 「寝過 ぎ

食 べ過

が典型 的 な適切 にお こな うべ き こ とをや りす ぎた りや らなか った りした とい う記述,乱れ ・崩れ は 「生活 の乱れ

「リズムの くずれ

といった言葉 で いわれ る生活 のルーテ ィンか らの逸脱 ,不規則 は 「生活 が不規則」,ゆるみ ・ 油断 は 「気 のゆるみ

油断 した

とい う精神 的な緊張がない こと,不摂生 は

不摂生

と記述 され た り健康 に注意せず無茶 な こ とを した とい う記逮 ,管 理 は 自己管理 で生活 を律す るこ とがで きなか った とい う記述 ,偏 りは 「栄養 の偏 り」で本来まんべんな くとるべ きなのに守 らない ことである。

これ らの表現 の多 くには 自己責任 の意 味合 い も読み取れ る。過失 には 自己

6

規 範 表 現

規 範 表 現

%

過 失

7 7

過 不 足

48

被 害

16

乱 れ .崩 れ

13

不 規 則

10‑

‑ゆ るみ .油 断

5

不 摂 生

4

管 理

3

偏 り

2

そ の他

7

計 1 85

‑ の責任 の帰属 がふ くまれ るのは当然 として,た とえば,過不足 に分類 され

る 「バイ トで疲れす ぎ」は 「通常の状態か らはずれて (疲れ て)い る

だけでな く, 「その よ うに疲れ たのはバイ トを した 自分 のせい」 とい う意味合 い も含 まれてい る。ただ し,ただバイ トの過酷 さをいっ た外部帰属 の可能性 もあるので,記述 か らは一概 に判断できない。 「部屋 が乾燥 していた」は 「通常の 状態 ‑(適度 な湿度)か らはずれ てい る

が 自己責任 は不明である. 「かぜ の友人 に うつ された

とい う 被 害表現 , 「バイ ト

新歓 コンパ」 とい った 出来事 だ けの表現 は外部帰属 で ある。 しか し,そ こにも

かぜ を うつ されたのは 自分が悪い」 「バイ トを した,新歓 コンパ に参加 した 自分 のせ い」 とい う意味 合いがあるか もしれ ない。それ は体調 を崩 したのは 自分であ り,その原因 を創 り出 したの も自分 であ り, 対処す るの も自分であ るとい う,不調 の当事者 とい う立場か ら逃れることができないか らである。今後, 調査では規範 と自己責任 を分けて設問する必要がある。

キー ワー ド

4

生 活 全 般

記 述

不規則

不規則 不規則 不規則 不規則

不規則

気 の ゆるみ。食事 も寝 る時間 も,起 きる時間 もだいぶ不規則 になっていたせ いだ と思 う。 あ と, カ ラオケで歌いす ぎた。

不規則 な生活 ( 主 に睡眠不足のあ との過剰 な睡眠) 疲れ,不規則 な生活

不規則 な生活

不規則 な生活だ と思 うが, 肉を食べ るとよく出るので肉のせいか もしれ ない。 しか し,血液 検査では 異常は何 もなかった。

不規則 な生活

(5)

不規則 不規則 不規則 不摂生

キー ワー ド

寝不足 ( 不規則 な生活) 不規則 な生活

夜更か し,不規則 な食生活

原 因不明。かぜ ではなかった。私 は頭痛持 ちだが,今 までの痛み と明 らかに違 うものだった。 で も, その 日の うちにす ぐ治った。不摂生 ?正月疲れ ?

生活 リズムの崩れ

生活の リズムが崩れ ていたか ら。

ばい菌 と生活 リズム

生活の乱れ ( 睡眠不足,食生活の乱れ)

夜 中に飲み食い を した りと,生活が乱れていたか ら。

生活習慣の乱れ,土 日は 1 日中バイ トで平 日も寝 る時間が遅かった りしたか ら。

日頃のサークル等の活動の しす ぎ と夜ふか しな ど 夜更か し,テ レビゲームのや りす ぎ

夏休みの終わ りの方 で,だ らだ らとした生活 を しす ぎたせ いで体が痛 くなったのだ と思 う。 ( 座 っ た り寝た りす る時に よくあたる部分だった)

5

行為 ・出来事

記 述

雨 雨 異物 餐 寒い所

自転車 スノーボー ド コンタク ト テ レビ 友 を待つ 裸 裸 寒い格好 布団 布団 風 呂 やかん

雨にぬれた,ス トレス,部活,雨のにおい 雨にぬれたままで眠 ったか ら

前 日に異物が 目に入 ったのを取れないか らといって 1 日中ほっ といた。 か ら?

前 日の夜に髪 を乾か さないまま寝た こと

目はパ ソコンの しす ぎ,の どは うたたね をして さむい所にいたか ら 毎 日寒い中,家 まで を 30 分 自転車をこいでいるか らではないで しょうか。

筋 肉痛 は 日曜 日に行 ったスノーボー ドの無理な体勢,疲れ は暗い明か りの もとでの読書 コンタク トの長時間つ けす ぎ

寒 い部屋で TV を長 時間見ていたためだ と思 う 外で 30 分 くらい友達 を待 っていたか ら

裸 で寝ていたか ら

窓 を開けっ放 しで裸 で寝て しまった こと 寒 い格好で寝た

夜,布団をかけずに寝ていた

朝起 きた ら布団をかぶ っていなかったか らかな ? 長 い時間風 呂に入 っていたため

熱 したやかんに素手 で触 ったか ら

‑ 9 ‑

(6)

4.対

7

対 処 は多 くとられ た順 に, 1)養 生 ・大事 を とる

( 3 9%)

,

2 )

対症殆

痩 (病院以外 )

( 2 9 %)

,3)病 院 (12%),4)放置 (10%),5)様子見

対 処 エピソー ド数

% (3%),6)我慢 (3%),7) 問い合 わせ (1%), に分 けるこ とがで

養 生 ・大 事

対症 治 療

きた。表

7

に示 した。専門職セ クターにかかったのは

1 2 %

にす ぎない。

病 院

養 生 ・大事 は,健康 を第‑ に活動 を抑 え休養 を とる,対症治療 は症状

歪 雪 見

‑ の治療 的 な対応 ,放 置 はそ のまま に してお く,様 子 見 は事態 の推移

宗 男 合 わせ

に注意 した,我 慢 は症状 が鎮静す るまで耐 える, 問い合 わせ は家族や

友 人 な どに相 談す る と記述 され た行為 を さす。 それ ぞれ の対処 は経過

9 9 2 0 3 3 1 3 2 1 1

2 6 1 7 2 0 7 2 6 7 5 2 2 2 1

のなかで,複合的に用い られ てい る。

以下に,

1) 〜 6)

の例 を,喉 の痛 み ・はれ‑ の対応 であげる。 「問い合 わせ

につ いては,腹痛 ・ 胃痛 の事例で ある。

1)

養生 ・大事

朝起 きて

7

時半に症状 を感 じ, 日中はそのままに してお き,寝 る前 に熱いシャワー を浴びて早 め

( 2 3

時)就寝

2)対症治療

まず の どの痛み を感 じた とき,の どあめをなめま した。 それ で も痛みが治 ま らなか ったので, うがい を し薬 を飲 みま した。

3)放置

最初 はそのままに しておいたが,

2,3

日後 か らうがい をいつ もよ り多 くす るよ うに した。

4)病院

浅 田飴‑エスタ ックイブ‑寝 こむ‑→病院‑→薬 を もらい服用‑治 らない

5)放置

3日くらい早 く寝て様子 を見 る一病院 6)我慢

我慢‑寝 る‑薬一病院

7)問い合 わせ

特 にこれ といった医療行為 は しませ んで した。少 し食事 に気 を遣 う。気 の許せ る友人 に相談 (請) す る。生活習慣 を正す よ うに努力す る。

主要な症状 ごとに対処 をま とめたのが表

8‑1

,

8‑2

である。症状 ご とに対処の 占め る割合 をみた表

8‑2

に よれ ば,喉 ,筋肉 ・関節 の痛み は対症療法,頭痛 ,腹痛 ・胃痛 ,鼻,熱 ・さむ け,だ る さは養 生大事がお こなわれてい る。 しか し,筋 肉 ・関節 の痛みでは放置 の割合 も他 に比べ て高 い。 もっ とも病 院‑行 く割合 が高いのは,熱 ・さむ けであった。問い合 わせ は

7

例 ともっ とも少 な く,相談相手は親

3

, 友人

3

, トラブル の交際相手

1

,イ ンターネ ッ ト1であ る。 これ らの記述 の具体例 は後述す る対処別記 載例 にま とめてある。

(7)

8 1 1

.症 状 と対 処 (実 数 )

腹 ・胃 筋 肉 ・関節

熱 ・さむ け

養 生 ・大 事 対 症 治 療 病 院 放 置 様 子 見 我 慢 問 い 合 わ せ

2 5 1 8 0 0 8 2 2 0 0 喉 2 4 1 9 2 4 1 3 4 2 8 5 0 3 6 6 4 2 6 3 2 7 2 7 0 8 1 4 1 3 1 1 1 5 6 3 6 5 0 0 0 0 1 1 4 6 6 00 1 0 1 0 2 1 3

8‑ 2.

症 状 と対 処

(% )

腹 ・胃 筋 肉 ・関節

熱 ・さむ け

6 2 1 3 1 1 0 4 1 2

養 生 ・大 事 対 症 治 療 病 院 放 置 様 子 見 我 慢 問 い 合 わ せ

28 5〇 一 10 8 2 2 0 50 1 28 1 10 2 4 1 些 26 3 7 7 5 2 22 墾 18 15 一 1 7 1 些 32 15 12 0 0 0 50 一 18 堕 3 0 3 0 6.6 一 8 4 12 4 4 0 5 2 9 6 3 3 r: F: 0 2 6 4 8 4 1 1 0 4

5.

症状別記載例

以下,主要な症状別 に原 因帰属,対処 の例 を提示す る。記述 は一部表記 を改めた。 ( ) はエ ピソー ド数。

1

)喉 の痛み ・腫れ

( 100)

(1) の どが痛い,熱 っぽい,だ るい,鼻水が出 る。寒 い とき (夕方)に薄着でいたため風邪 をひい たのだ と思 う。 うがい を してマス クで乾燥 しない よ うに暖か くして過 ごした。薬 を飲 んで寝た。

病名 はかぜ。

( 2)

の どがいがいが した。朝風 呂にはいったためか。十分休 めば治 ると思い,夜

9

時 に床 に入 った。

次の 日症状が変わ らないので保健管理セ ンターに行 った。病名 は風邪。

( 3)の どが痛い,発熱 ,身体が全体的にだるい,頭 が痛い,せ きが出る。 うがいをす るのを忘れた,

薄着だった。 うがい を念入 りに した (の どが痛いので)一病院 に行 って薬 をも らい,服用 した‑

とにか く,家で じっ としていた (常にマスクをかけていた)。病名 はかぜ。

(1)では,複合 した症状 を 「寒い とき (夕方) に薄着」 として, 「うがい

マ ス ク

の対症治療 とと もに,原 因に対抗す る 「暖 か くして過 ごす」養生大事 を とり,売薬の飲用 もお こな う。 同様 に,

( 2)

朝風 呂」,

( 3)

の予防の失念 ・薄着 ともに,ふ りかえって生活上の過失 に原因を帰属 してい る。対処は 薬や医療機 関にかか るほか,薄着に 「暖 か く」 に,朝風 呂に十分な休養 を とり, うがいの失念 に うがい で対応 している。

2)頭痛

( 83)

(1

)

頭 がズー ンと重 くて気持 ち悪かったです。不規則 な生活 (主に睡眠不足のあ との過剰 な睡眠)0 何 もしなかった。病名 は,寝す ぎによる頭痛。

ifJ ‥

(8)

( 2)

頭 がズキズキ して, こめかみの辺 りの血管が ドク ドク動 いてい るのがわか る。痛みはその時々 で異なる。疲れ ?ス トレス ?何 もす る こ とが な い 時 に は 寝 る。 勉 強 や 見 た い テ レ ビが あ る 時は我慢。翌 日には大体痛みが消 える。病名 は血管 ドク ドク頭痛。

( 3)激 しい頭痛 ,吐 き気 ,微熱 ( 37

5

分。ベ ッ ドか ら起 き上がるの も困難 だ った。原 因不明。 か ぜ ではなかづ た.私 は頭痛持 ちだが,今 までの痛み と明 らかに違 うものだった。 で も,その 日の

うちにす ぐ治 った 不摂生 ?正月疲れ ?

( 4)頭 痛 薬 を飲 も う と した が , 何 も食 べ ず に飲 む の は ま ず い と思 っ た の で , 野 菜 ジ ュー

スを飲 んでか ら服用 した (吐き気がひ どかったので食べ物 は うけつ けなかったので)。その後す ぐ 寝た。病名 は偏頭痛。

頭痛は睡眠不足 (過剰) と疲労,ス トレスや精神 的問題 と関連づ け られ る。 (1),

( 2)

がその典型であ る。

( 3)

では,原 因がわか らないので,

2

か月前 の正月の生活 に遡 ってい る。対応 は対症療法 と養 生 ・ 大事である。

3)

腹痛 ・胃痛

( 76)

(1) ひ どい腹痛 に襲 われ る。腸がちぎれ るよ うな痛み。おそ らく便秘。 しば らく痛み に耐 える ( けないか ら)‑少 しで もお さまった ら トイ レに行 く‑ また しば らく横 にな る‑起 きれた ら整腸剤 をのむ。病名 は便秘。

( 2)

胃の ところ と下腹部。外国産のシイ タケ。 ス トレス。生 ク リーム (昨 日と今 日の原因か と)。ガ マ ン した。 ス トレス もあるのか と思 ったので,その原 因 (ス トレスの原因が過 ぎた ら一度治 っ た。 で もシイ タケを食 べた らまた少 し悪 くなった)が過 ぎて も治 らなかった ら薬 を飲 も うと思 っ た。シイ タケは大量 にあったので もったいない と思い食べ続 けて しまった。病名 は軽い食 あた り, 神経性 胃腸炎 (消化不良)0

( 3 )

腹,激痛。

夜遅 くいっきに食 べたか ら?うな る,暴れ る,布 団の中でジタバ タ‑治 るか どうか我慢す る‑

治 らないか ら病院 に行 こ うか考 えたけ どめん どいか ら, ど うしよ うか考 えて薬 があった こ とに気 付 く一腹に関す る薬が

3

つあって,どれ使 うか迷ってめん どくさくなって る うちに,少 しお さまっ てきたか らガマ ン して寝た。病名 は腹痛。

( 4)

冒, ちくち くす る胃痛。彼氏 とケ ンカ していた ことを不快 に思 っていたか らだ と思 う。痛 い一 原因を考える‑解決す るために話 し合 う‑ ス ッキ リ。病名 は精神性の胃痛。

腹痛 ・胃痛 は,食生活 の問題 かス トレスや精神 的問題 に帰属 され る。 (1)

〜 ( 3)

は学生の食生活 を うか がわせ るエ ピソー ドである。

( 4)

は 「精神性」

4)筋 肉 ・関節痛 ( 53)

(1)背 中の一部 にたまに痛み を感 じる。夏休みの終わ りの方 で,だ らだ らとした生活 を しす ぎたせ いで体が痛 くなったのだ と思 う (座 った り寝た りす る時によく'ぁた る部分 だった)。その部分 を押

した りして,マ ッサージをす る。痛みを感 じるたびにそれ を行 う。病名 は床づれ ?

( 2)背 中の左 半分。急 に患部 に痛み を感 じ,それ を無視 して 自転車使用で出か けた ところ,外 出先

で症状が悪化,歩 くだ けで激痛 が走 るよ うになった。原 因は正直な ところ不明。症状が出ていた 時体がかな り傾 いていたのが確認 できたので,体のゆがみが原因か と思われ る。外 出先か ら早 々 に帰宅 し,動 くと辛いので安静 に していた。その後シ ップを使用。

3日目くらいで筋肉痛 くらい

の痛みにまでお ちつ き,

4日目でほぼ完治。病名は突発性背部症。

(9)

( 3)

足底 がはれ た よ うに痛 くなった。ふ くらはぎの筋肉痛。 めまい。初売 り‑ 出かけて,アルバイ トで夜通 し働 くのを

3日続 けた こと。対処 は,栄養 を とる,足底 ,ふ くらはぎをもむ,動かす,

睡眠を とる。病名 は筋肉痛,睡眠不足,過労。

( 4)

主訴 :左膝 内側 に痔痛。 自転車で一時間走行後,左 図示部位 に違和感 が現れ た。腔 ,若 しくは 筋の骨‑の付着部位 に断続的な負荷がかか り,組織 が傷害 されて,痛みが出現 した と考 え られ る。

走行 を中止‑痛みの出現す る部位 を特定‑傷害 された組織 を予想‑アイ シ ング‑サポー ターを使 用 して家 に帰 り,痛む部位 を安静 に保 った。病名 は骨膜炎 (軽度)0

筋 肉や関節 の痛みは,身体のゆがみ ・姿勢,運動や部活動 に帰属 され るほか,原 因不明 とされ ること が多い。 (1)では 「だ らだ らした生活」,

( 2)

では 「身体 のゆがみ」

, ( 3)

ではバイ トでの働 き過 ぎに帰属 す る。

( 4)

は医学部

2

年生の記述で ある。医学生 らしい客観的な部位 の記述 に終始 してい る。

5)鼻 (40)

(1)鼻水が出 る,せ きが出る,の どが痛い。食生活 が きちん としていない。睡眠不足。 うがい,辛 洗いを細 めにす る。栄養補助食 品で ビタ ミンを摂取。野菜 ジュース,豆乳 をがぶ飲み。一病院で 診察 して もらい,薬 と注射 を して もらった。病名 はかぜ。

( 2)

かぜ で鼻水 が大量に出ま した。暖房代 をけちって,部屋 を寒 いままに しておいた ことだ と思い ます。ひたす ら鼻 をかみま した。風邪薬は飲みませんで した。風邪です。

( 3)

鼻水, くしゃみが出る。気温 の変化 に体が対応 しきれ なかった, もしくはア レル ギー。厚着 を してあたたか くした,薬を飲 んだ。病名 は鼻炎。

鼻 の症状は,気候や住環境 といった外部要因か,生活上の うっか りした出来事,ア レル ギーに帰属 さ れ る。 (1)では, 「食 生活がきちん としていない」、に対 してサプ リメン トな どを摂 取 し,

( 3)

では気温 の 変化 に 「厚着

で対応 してい る。

6)

( 2

1)

目の トラブル も多い上位

1 0

にはいってい る。

21

人 中

8

人が コンタク トレンズの トラブル を訴 えて い る。入学 を機 会 に コンタク トレンズに変 える新入生がい るた め と思われ る。 また,入学後,本格 的 なパ ソコンの利 用 ,長時間の読書 ,ゲー ムの しす ぎな ど, 目を酷使す るケー スがある。 いずれ も 眼科‑の受診や対症療法で対応 してい る。

(1) 目が充血 して, 目の中がプル プル (ゼ リー状) していた。何 かのア レル ギー。 コンタク トレン ズをはず した‑→目を洗 って寝 た一次の 日には治 ったが,数 日後 また同 じ症状が出たので病院‑‑

目薬をもらい数 日間点眼 (自分でつ けた)病名 は充血ブル ブル病,診断は結膜炎。

( 2)

目,充血 して痛 い。 目が開 け られない くらい痛 い。 コンタク トを何 日もの間つ けっぱな しに し た うえに,洗浄 をあま りしていなかったため。対処 は, コンタク トレンズを しない よ うにす る。

目をこす らない よ うにす る。病院でもらった 目薬 をさす ようにす る。病名 は 目イ タイイ タイ病。

( 3)

目全体 と後頭部が痛んだ。視神経の疲労。おそ らく長時間パ ソコンを操作 していたため。初 め てではなか った。 まずす ぐに コンタク トを外 し,洗面器 に水 を満 た してその中で 目を洗 った。次 に蒸 しタオルで 目を温めた。病名 は視神経 の疲労。

13

(10)

6.

対処行動の記載例

対処 を中心に記載例 を検討す る。 ( ) はエ ピソー ド数。

1

)養 生 ・大事

( 222)

(1) の どの痛み (イガイガす るよ うな),はなづま り,全身のだ るさ,せ き,あたまがボーつ とす る 感 じ。服 をた くさん着込んであたたか くした。栄養 のあるものを食べ な くては と思い,数 日ぶ り に 自炊。水分 をた くさん飲み,早 めに就寝。汗 をかいた らタオル でふいて,下着 を とりかえてま た寝 る。それ を くり返 した。

( 2)胸 のあた り, 胃のあた りがムカムカす る。や る気がまった く起 きない。悶々 ・・・。気分 を落

ち着 けて,休養 を意識的に取って,野菜 をめいっぱい食べた。敢 えて何 も動 こ うとしなかった ( 理 に頑張ろ うとしなかった)

( 3)頭 がス ッキ リしない。何 も食べれ ない し,食べた くもない。 胃がな くなった感 じ。身体がだ る

くて布 団か ら出れ ない.部屋 に閉 じこもっていた.カーテ ンも閉めて暗 くして一 日中寝た‑カー テ ンを開けた。気分転換 に掃除を した。‑食事 に出かけるよ うに した。外 に出るよ うに した。

( 4)

頭 ,朝起 きて歩いた ら頭 が ぐわん として 目の前が真 っ 白になって しゃがんで しまった,ぶんぶ んゆ さぶ られた感 じ。歩 けなかったので,ず っ としゃがんで 目を とじていた。その うち楽 になっ た。 あったかい ものを飲 んだ。

(1)は,薬な ど特別 な対処ではな く, あたたか くし,滋養 のあるものを食 べ,身体 を大事 にす る対応 を とってい る. また, (1)と(

2)

には身体 をあたためるとい う共通の前提 がある.

( 2)

は,原 因を 「別れ 話 な ど,

etc

精神 面 のダメー ジ」,病名 を 「うつ病 もどき」 とした学生で ある。 「頑張 らない」 とい う対 応 を とってい る。

( 3)

も,原因 を 「ス トレス」,病名 を 「初期 うつ病 (

)」

としている。心理的な危機 を,ひきこも り ・掃除 ・外 出 とい う儀礼行為 をお こなって対処 してい る。

2)対症捨療 (166)

(1) 首の周 りに炎症。 まず,市販 の炎症抑制剤 をぬ り,その後実家 に帰 った ら家 にあった 「プ ロポ リス」 を首 に塗 った。その後, こち らに帰 ってか ら病院で もらった炎症抑制剤 を塗 った ところ完 治 した。

( 2)

胃がキ リキ リします。

2

コマ 目がなかったので,家 に帰 り胃腸薬 を飲 んで休みま した。少 し楽 にな りま した。

( 3)

こめかみのあた りがズキズキ とす る頭痛。授業 中で抜 け られ なかったので,少 しで も和 らげ よ うと居眠 りを した。その後,空 きコマに鎮痛剤 を飲んだ。

家 においてある薬 を用い るのが典型的である。意外 と授業 中に体調が悪 くなる学生 もい るのがわか る。

3)

病院

( 7

1)

症状が治 らなかった り悪化 した ときに病院‑行 く保健管理セ ンター‑かかった者 も1

4

人いた。

( 1 ト 1

熱 を出 して脱水症状 にな り入院。家 に戻 り,す ぐ寝た‑熱 を計 った ら

39℃

一病院‑一点滴 一家で寝 る‑翌朝熱が下が らないため病院‑‑入院す ることに‑点滴生活‑退院

‑2

食欲不振。何 も食べない‑ ホケカ ン‑‑カ ウンセ リング‑何 も食べない。

( 2)背 中か ら腰 にかけての痛み。 しば らく様子 を見ていたが,症状が悪化 してきたので整形外科 に

診察 して もらった。病院では注射 を打った り,伸ばす な どして もらった。

( 3)

(図示 して)〜のあた りがはれ てか ゆい

AMO: 30

少 し顔がかゆい

‑ AMl: 00

気 を とり直 して風 呂に 入 る

‑ AMl: 30

寝 よ うとす る。 かゆい。

‑ AM2: 00

肌 に違和感 を感 じる

‑ AM2: 30

顔 中がはれ る。恐 ろ しいほ どかゆい

‑ AM3: 00

病院 に電話

‑ AM3: 30

病院 に行 く (救急)

‑ AM4: 00

病院で出 された薬 を飲 んで とりあえず落ち着 く。

(11)

( 4)

風邪 をひいた。頭 :熱 ,頭痛 ・の ど痛 い,せ きが出る,鼻 :鼻水。 まず熱 が出たので保健管理 セ ンターに行 った‑→診察 して もらって薬 を

3

日分 もらった‑それ で もせ きが止ま らず,風薬 を買っ てきて飲 んだ‑なかなか治 らず,その辺の病院‑行 った‑薬 をもらって飲 んだ ら

3,4

日くらいで 治 った。

( 5)

せ きが止 ま らな く,の どが とて も痛 く,頭痛,腹痛,めまい も しま した。 また,発熱 を ともな いま した。 は じめは食 事,生活 の リズムの改善 を試みま したが,少 しもよくな らず,2週 間 くら い長引いたので病院に行 きま した。

(6)カゼ‑せ きがひ どか った。保健管理セ ンターに行 った ら5秒 で診察が終わった‑ その薬 を飲 ん でいて も症状がよくな らなかった‑なるべ くきちん とした食生活で栄養 を とった ら治 った。

4)放置 (57)

( 1 )

発熱,の どの発赤,鼻水 ,期間の炎症,お う吐

・12 放置‑悪化‑漢方薬‑現状のまま良 くな らない。

・1

総合病院‑‑吸入薬, うがい薬 ,気管炎症 を しず める薬 をもらう

・2

微妙によくな らず‑0

( 2)

腹痛 ,腹部 のち ょ うど真 ん中あた りが じわ じわ と痛んだ。 トイ レに行 き,あ とは何 も しなかっ た‑その後,お風 呂に入 って,気づいてた ら治っていた。 これは民間セ クターの部類 に入 る。

( 3)

心臓 か肺 がツキン と痛む。急 に。 しか し,その瞬間だけ。 ち ょっ と苦 しい。 (いつ も)何 もしな い。 も う慣れて しまった。

5)様子見 (22)

放置ではな く,経過 を観 察 して判断 を行 った例。

(1)心臓部 あた りに短時間の圧迫 を感 じる。す ぐ治ま り日常生活 に異常はない。数秒 立 ち止 ま り, 痛みが治 ま るのを待つ‑その後, 日常生活 に支障ないのであま り気 に留 めない‑数 ヶ月続 くので 心配 にな り‑ 医師の診断 を受 ける‑異常な し‑診断結果 に安心 しなが らも忘れた ころに痛みが現 れ不安 は続 く。

( 2)

背 中か ら腰にかけての痛み。

しば らく様子 を見ていたが,症状が悪化 してきたので整形外科 に診 察 して もらった。病院では 注射 を打った り,伸ばす な どして もらった。

( 3)

腹,腰 ,生理が長 く続 き腹 と腰 が痛 んだ。 まず,保健管理セ ンター‑行 き,そ こで もらった薬 を使 って様子 を見た。

6)我慢 (20)

激 しい病状 に耐 えて,様子 をみた り病院‑かかった例。

(1)舌の図に書いたあた りがつばをのみ こんだ り, ものを食べ るたび に激痛 が走 る。病院 に行 くか どうか悩 んだが, どこに行 けばいいのか よく分か らなかったので,激痛 にたえなが ら生活 した。

4日ほ どたった らさほ ど痛みを感 じな くなった。

(2)腰 の真 ん 中あた りがず きず き痛む よ うになった。痛み出 したのが夜 で病院 は開いていなかった ので,その 日は我慢 した。次の 日,整形外科に行 った

( 3)

の どにホ コ リがつまった様 な感覚。せ きをす ると楽 になる,で もまたす ぐに元 に戻 る,授業 中 だったので我慢 していた らいっそ うひ どくなる,水 を飲む。

7)問い合 わせ

( 7)

(1)右手 の甲の左 下部分 に発疹。母 に聞いて,以前 に皮膚科で処方 して も らった塗 り薬 を使 った。

15 ‑

(12)

( 2)

下腹部の痛 み, 胃の痛み,吐 き気特 にこれ とい った医療行為 は しませ んで した。少 し食事 に気 を遣 う。気 の許せ る友人に相談 (請)す る。生活習慣 を正す よ うに努力す る。

( 3)生理不順。友達に聞 く‑イ ンターネ ッ トで調べ る。

8)持病 (3)

学生のなかには,後遺症や持病 をもってい る者 もい る。下の例 はケアの必要な腰痛 の例である。身 体 に即 した対処 を行 ってい る。

腰 の左側 か ら尻 の鈍痛, こ りがひ どくなった よ うな感 じ,左足 の前部のだ るさ。座 る時間が長 くな ると痛 くなって くるので,運転 中は

2

時間に

1

回程度 は車 を降 りてス トレッチ した り,数分間歩 いた りした。家の中で はできるだけ横 になるか正座す るよ うに した。 また,風 呂で温 めた後,腰 のス トレ ッチ も した。夜 に

1

/1

日家庭用治療器 を使 って治療 を した。帰 りの運転 中は同 じ。戻 ってか らは床 に座 る‑ことを避 け,椅子か横 になるか立ってい るよ うに した。 ス トレッチ,家での治療 を続 けた。

7.

考察

1

)ま とめ

以上の結果 か ら,学生た ちの病気対処 ・健康維持行動 をま とめ る と,次の よ うにな る。

(1) この

1

か月以内に,

6 5 %

が何 らかの心身の不調 を感 じてい る。主要 な症状 は喉 の痛み ・はれ, 頭痛,腹痛 ・胃痛,鼻,筋肉 ・関節痛である。その うち,

8 4%

は 自家治療で対処 し,保健管理セ ン ターや病院 な ど専門職セ クター にかかったのは

1 6%

に とどまってい る。 なお,保健管理セ ンターの 利用は

2 % ( 1 4

人)である。

( 2)症状 と原因帰属 には特定の結びつ きがみ られた。喉の痛み ・腫れはまず,かぜ と判断 され,同

時に,生活不規則や 日常生活 での うっか りした出来事 と結びつ け られ る。頭痛 は睡眠不足 (過剰) と疲労,ス トレスや精神 的問題 と関連づ け られ る。腹痛 ・胃痛 は食生活 の問題,ス トレスや精神 的 問題,鼻 は気候や住環境 といった外部要因,行為 ・出来事,ア レル ギーに,筋肉 ・関節痛は身体の 歪み ・姿勢,運動や部活動 に帰属 され るほか,原因不明 とされ ることが多い。熱や さむけはまず疲 労に帰属 され るが,一方 で免疫や細菌 といった科学的用語 で説 明 され る。だるさは,生活不規則 と 睡眠不足,ス トレス ・精神 的問題 と関連づ け られ る。

( 3 )

病気 エ ピソー ド

4 3 9

の うち,

1 8 5( 42%)

で, 「す るべ き こ とを しない

通常の状態か らはず れてい る

ことを指す規範表現が兄いだ された。それ は,過失,過不足,乱れ ・崩れ,不規則, ゆ るみ ・油断,不摂生,管理 (不足),偏 りな どに分類 された。 その うち,主要な症状 を示す

1 6 8

のエ ピソー ドに限ってみ る と,

1 5 2( 9 0%)

が規範表現で,その うち,過失 と過不足が

1 0 8( 71 %)

を占 める。学生が 日常的に経験す る症状の原因帰属 には規範がかかわってい る。

( 4 )

自家治療 としては,養生 ・大事 と手持 ちの薬や 自己流マ ッサージな どによる対症治療が

8 7%

占めてお り,親や友人に相談す る場合 は

1%

にす ぎない。症状 と対処の関係では,喉 の痛み ・はれ と鼻 には対症療法が,他 の症状 に対 しては養生 ・大事が優越 してい る。身体を温 めた り滋養 のある ものをたべた りといった養生 ・大事をお こなってお り,民間セ クターの身体観 が基本 にある。

( 5)

症状や対処 の具体的記述か らみ ると,学生達 は筋肉痛か ら抑 うつ的状態まで幅広い, ときに激 しい苦痛 に耐 えなが ら学生生活 を送 ってい る。そのなかで,医療資源 についての知識 が不足 してい ることを伺 わせ る記述 もある。具体的な対応 としては医院や薬局の位置 を知 らせ るマ ップの配布が 考 え られ よ う。 また,授業 中に不調 を経験 した り,持病 をかか える学生 もいる。学生‑のよ り細か

(13)

い配慮 が必要なことを示 してい る。

2)ペースメーカー としての身体

対象学生のほ とん どは新入生である。彼 らの記述 は一人暮 らしや生活 の変化 のなか, 自らの不調 を意味づ け,対応 を模 索す る姿 とみ るこ とができる。そのなかで,体調 の変化 を 自身 の生活 の過 ご し方や振 る舞い と結びつ ける記述が 目立つ。 この現象 を どの よ うに とらえた らいいだ ろ うか。

まず,大部分の学生 は入学前の保護領域での生活か ら, よ り自由度 の大 きな大学生活‑の移行期 にある。学習の仕方,単位 の とりかた といった勉強面か ら,サー クルや部活動,バイ ト,交友関係 ,

さらに一人暮 らしの場合 には,毎食 の支度 がある。大学生活 を上手 にす ごす とい う課題 はつい先 日 まで高校生であった新入生に とっては大 きな課題 である。 自由度 が大 きいため, これが大学生活 の モデルであるとい う暮 らしぶ りがわか らない状態 にある。学生た ちは心身の不調 を新生活 のペース メーカー として用いてい るではないだろ うか。生活 のペースや生活 の要素の組み合 わせ かたのバ ラ ンス, 目立った出来事 と結びつ け られ,規範的に記述 され る。 これ は,心身の不調 を規範か らの逸 脱 の結果 として受 け とることを意味す る。かぜ をひいたのは生活 の リズムが崩れていたか らだ とい

うわけである。 これ は,身体が規範 をよび出す過程だ と思われ る。

医療化社会 において,病者 は医療的な規範 の圧力の もとで身体 を意識す る。規範 を内面化 した病 者 は医療のまな ざしで身体の状態 を精査す るよ うになる。 しか し,医療の効果が期待 できない難病 や治療 の 目的が生活 の質 の確保 にある慢性病の場合,病者 の対応 は 「戦術」に似 た ものになると, 浮 ヶ谷

( 2 0 0 4 )

は次の よ うに指摘 した。 「治療者 との関係 を調整 しなが ら,また医学上の知識 を把 握 しつつ部分的には治療指導を受 け入れ なが ら,試行錯誤 の末, 自分 の生 きる術 として治療実践 を 飼 い慣 らしてい る」(浮 ヶ谷,

2 0 0 4

,

p7 5 )

0

一方,大学生, とりわけ新入生は新 しい環境や生活 ,人間関係 に適応 しなけれ ばな らないoそれ は以前の高校 までの生活 と比べて,生活 の組み立てに 自由度が高い生活である。学生は生活 を自身 で組み立て ることを余儀 な くされ る。規律 なき自由のなかで, 自律的な取 り組みが要求 され るので ある。その とき,手がか りになってい るのが身体の状態だ と思われ る。す なわち,先の慢性病患者 の場合,かれ らは医療 の優勢な言説や指示 をスタンダー ドとしなが らも,それ に対す る戦術 として 日常実践 をお こな う。 だが,学生はあたか もスタンダー ドな言説 がない よ うな状態 にあって,身体 に 目をこらすのである。 その とき,顔 を出すのが熱 ・袷 といった民俗的身体観 なのである。学生で はない私たちも日々の不調 の原 因を 日常生活の出来事や生活スタイル にもとめて,節制や反省 をお こな うことはある。 しか し,学生が新生活 を送 るにあたっては,その意味が よ り重要 なのではない か と思われ る。 これ らの推論 を確 かめるためには,今後,学年 ごとの病気エ ピソー ドの特徴 を比較 す る必要があろ う

学 生 の記 述 は ,病 気 を語 る こ とが 喪 失 を修 復 し回復 を遂 げ る とい う倫 理 的 な 目的 を も ち

( Kl ei nma n, 1 988)

,道徳的な秩序 の破壊 として経験 され る病いにたいす る 「道徳化 した判断」(

Good

,

1 99 4)であることをい う医療人類学の文脈 で理解す ることができる。 もちろん,若 く健康 で将来の

ある学生たちの病いの記述 は 「ち ょっ と うっか り」 といった気楽で陽気な表現であって,慢性病や 難病 の患者 の語 りが もつ存在論的な深刻 さはないに して も,である。

Ha m iS

(

1 989)は何 らかの病気 で医療 にかかってい る患者 を対象 に,彼 らが病気や けがを どの よ

うに説 明,解釈す るか を調べた。それ によれ ば,患者 は 自己を内的 ・外的にわけ,その影響関係 を 考 える "心理主義" に もとづいてい る。 とくにス トレス とい う概念が身体の仕組みによる説 明 と道 徳 的な解釈 とを結びつ ける。た とえば,胃の潰癌 (身体の仕組み)はス トレスによって引き起 こさ

17

(14)

れ,ス トレスは 自己の間違 った行為‑の吋責 の念 (道徳 的解釈)に よって生 じる といった形 であ る。

また,ス トレスは 自己を含 めた誰 か‑の責任帰属 を暖味 にす る働 きをす る とい う。つま り,対象者 は心理主義 を前提 に,ス トレス とい う科学的概念 を媒介 させ るこ とで責任 の帰属 を回避 してい る と いえよ う。 学生の場合 ,ス トレスは重要 な帰属先 ではな く,む しろ,生活上 の うっか りした失敗や 生活全般 の乱れ が と りあげ られ た。学生 は不調 の原 因 を 自己に帰属 させ る傾 向がある。それ はス ト

レス とい った 中和化す る媒介概念がないか らで あるが,深刻 な病気の患者 と一時的 な不調 にあ る健 康な学生 とい う対象者 の ちがいによるもので もあろ う。 しか し,そ こには 自己の不養 生や不摂生 と い う否 定形 で現れ る,遡及 的 な身体があ る。不調 が展開 され る身体が即規範 をよび 出 し,それ に沿 えない もの としての 自己を形硬す る。 その意味で,身体が規範 を生成す るので ある。

本報告 は学生‑ の簡単な質問紙調査 の結果 である。 ここで,示 され たのは不調 とい う窓か ら垣 間 見た学生 の 日常生活 の実践で ある。 その理解 は学校保健 だ けではな く,医療人類学 に対 して も豊 か な資料 を提示す る可能性 を もってい る。

資料

1

病気 の とき, どうしま したか

● 授業 をすす める手がか りに します。以下の質問に答 えて くだ さい。

この

1

ケ月の うちで, あなたは身体の不調 を感 じた こ とがあ ります か。不調 の経験 についておたずね し ます。複数 回 あった場合 には,それぞれ番号 をふ って,分 けて書 いて くだ さい。不調 の経験がない場合 には, 「な し

とお書 き くだ さい。書 ききれ ない場合は,裏 に ど うぞ。 なお,みな さんのお応 えは匿名化

して授業や発表で例 として使 うこ とがあ ります。‑

1.いつ ごろの ことですか。

2.

どのあた り (部位)の, どの よ うな症状の不調 ですか (図を書いて説明 して もいいです)0

3.その とき, どの よ うな対応 を と りま したか。時間順 に書いて くだ さい。

4.

その不調 の原 因は何だ とお もいますか。

5.病名 をつ けるとす ると,何 で しょうか

● ライフ ・スタイル について,当てはまるものに○をつけて くだ さい。

壁互生

1)アパー ト, 2)下宿, 3) 自宅, 4) その他 アルバ イ ト

1) してい る (だいたい週 ( )回, 2) していない 部活 ・サー クル

1) してい る, 2) していない

学籍番 号 氏名 性別 男 ・女

(15)

安保英勇 ・大橋英寿 1 9 9 5 医療人類学的方法 日本プ ライマ リ ・ケア学会誌 1 8 ( 1 ) 3 9 ‑ 5 3 .

Go o d , B.1 9 9 4Me d i c i ne ,r a t i o n a li

ty,a

nde x p e r ie n c e: A n a nt hr o p o l o g iC a l p e r s p e c t i v e .Ca mb r id geUn i v e r s i t y Pr e s s . 江 口重幸他訳 医療 ・合理性 ・経験 :バイ ロン ・グ ッ ドの医療人類学講義 2 0 01 誠信書房

Ha r r i s ,G. G.1 989Mec ha ni s m a ndmo r a l i t yl npa t i e nt s'Vi e wsofi l l nes sa ndi n j ur y , Med i c a la nt hr opol o gy q ua r t e r l y , 3 ( 1 ) 3 ‑ 2 1 .

Kl ei nma n, A.1 980Pa t i ent sa ndhea l e r si nt hec o nt e xto fc ul t ur e: Ane xpl o r a t i o noft hebo r d e r l a ndbe t weena n t h r o p o l o

gy

, me d i c i ne , a ndps y c h i a t i y. Um iv e r s i t yo fc a li t o m i oPr e s s . 大橋英寿 ・遠 山宜哉 ・作道信介 ・川村邦光訳 臨床人類学 :文化 のなかの病者 と治療者 1 9 9 2 弘文堂

Kl e i nm a n

,A

.1 9 8 8Thei l l n e s sna rr a t i ve s:Su f fe r in g , He a li n ga ndt heh u ma nc o nd i t i o n.Ba s i cBo o ks . 江 口重幸他訳 病 の語 り :慢性の病 いをめ ぐる医療人類学 1 9 9 6 誠信書房

大橋英寿 ・安保英勇 ・早坂浩志 1 9 8 9 「 健康 日記

にみ る住民のセル フケア :青森県津軽 の動向調査 日本保健 医療行動科学会年報 4,3 3 ‑ 4 7 .

浮 ヶ谷幸代 2 0 0 4 病気だけ ど病気 ではない :糖尿病 とともに生 きる生活世界 誠信書房

‑ 1 9 ‑

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