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フラン誘導体合成に関する研究(第18報)*1 5‑ニトロ‑2‑(p‑置換スチリル)フランの合成
工業化学科有機合成化学教室平尾一郎
喜 多 村 泰
Studies on Synthesis of Furran Compounds. XVIII.
Synthesis of 5−Nitro−2−(」ウ.substituted.styryl)furan
by Ichiro HIRAO and Yasushi KITAMURA
5−Nitro−2−(カーsubstituted−styryl)furans as follows were prepared by the decaroxylation of 3−(5−nitro−2−furyl)−2−(ρ・substituted−phenyl)acrylic acids(A)which were obtained using the Perkin reaction of 5−nitro・furfural with potassiumρ一substituted−phenyl acetates.
5−Nitro−2−(ヵ一acetylstyryl)furan (1)
5−Nitro・2・(ρ一nitrostyryl)furan (1)
5・Nitro・2−(ρ一acetamidostyryl)furan (W)
The decarboxylation of A was given by heating in the presence of catalytic amount of copper chromite in quinoline. W gave 5・nitro−2−(かaminostyryl)furan (皿)by the hydrolysis in hydrochloric acid. And then, by heating 皿 in butyric anhydride,5−
nitro−2−(かbutyramidostyryl)furan(V)was obtained.
1.緒言 ルアミドスチリル)フラン(V)の合成を行った 既報1)において5一ニトロフラン核の2位と, ので・その結果について報告する。
か置換フエニル基とを一CニC一結合で連結し 2.結果および考察 た化学構造を有する化合物のうち,置換基がカル
バモイル基である5一ニトロ.2−(ρ一カルバモイ これら化合物のうち1・LIyは従来の方法に ルスチリル)フランはすぐれた抗菌性を有するこ したがってρ・アセチルフエニル酢酸・かニトロ とを見出した。従って化学構造とその抗菌性との フエニル酢酸およびカ・アミノフエニル酢酸のぞ 関係について検討を試みる目的でフエニル基のパ れそれのカリウム塩を合成し・無水酢中で等モル ラ位にそれぞれアセチル基, ニトロ基,アミノ の5 ニトロフルフラールとPerkin型反応を行 基, アセトアミド基, ブチルアミド基を有する って3−(5一ニトロー2一フリル)−2−(ρ一アセ
5一ニト。−2−(かアセチルスチリル)フラン チルフエニル)ア川ル酸(W)・3−(5一ニト
(1),5一ニト・・2−(かニト・スチリル)フ ゜−2一フリル)−2−(かニト・フエニル)アク ラン(1),5.ニト・−2−(かアミノスチル) リル酸(肥・3・(5一ニト・・2一フリル)・2一 フラン(皿),5一ニト・−2−(かアセトアミド (かアセトアミドブエニル)アクリル酸佃)
スチル)フラン(の,5一ニトロー2−(かブチ を得・ついでキノリン中で亜クロム酸銅触媒の存
一:二亘報(第17報)二元_郎示ヒ88,574(1g67) 在下に高温加熱によって脱炭酸を行ない目的とす 1)喜多村泰,平尾_郎,日化,87.1063(1966) る化合物1,1および1yを合成した。
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認CH・+吟C・C…・、N恩CH一亨{}C・C晶±qN恩CH−CH⇔C・C馬
COOK 〔町COOH 〔1〕
仇N恩Cr《y−・ぷCH−♀⇔N⇒、N恩CH−CH⇔N仇
COOK 〔W〕COOH 〔皿〕
典CH・+吟N凡一qN恩CH−9{yNHC・C講、N恩CH−CH谷NHC・C馬
COOK 〔珊〕COOH 〔W〕
↓加水分解
qN恩CH−CH⇔NHC。鋼里三仇N畢CH−CH⇔H凡
〔V〕 〔田〕
5一ニトロフルフラールとかアセチルフエニル 化物であるVを得た。
酢酸カリウムとの反応によるWの合成において,
5・ニト・フルフラールとアセチル基との脱水縮 §100 合物も考えられるが,生成物およびその脱炭酸反 嘉 50応生成物はいつれもヨードホルム反応陽性である 閑
ことよりアセチル基を有するWおよび1であるこ 圏 0
400032002400 18001600140012001000800 とを確認した。 波 数(cm−1) 、 また5一ニトロフルフラールとカ・アミノフエニ
ル酢酸カリウムの反応においてシツフ塩基の生成 100 も考えられるが,脱水縮合物および脱炭酸反応生
成物の元素分析値はいつれもルアセチル基を有 §50 しているものとしての計算値とよく一致してお 侵 oIV 100
り,また赤外吸収スペクトル図*2において珊お 四 よびWは3500cm−1に第ニアミドレNHの吸収がみ 畑50 られることより,反応生成物は反応中に用いた無 珊
水酢酸により容易にアミノ基がアセチル化された 400032002400 18001600140012001000800 波数(・m−1)
2V一アセチル基を有する珊およびその脱炭酸反応
生成物lyであることを確認した。 Vlm,1V,111の赤外吸収スペクトル図 さらにIyをジオキサン溶媒中で濃塩酸とともに
一時間加熱還流し冷却後ロ取水洗して得られた沈 これら化合物のin vitroにおける抗菌性を調 澱はその赤外吸収スペクトル図の皿において3360 べたところ表1に示すように,電子供与性のアミ および3450cm−1に第一アミンのレNHの二本の ノ基を有する班を除いていつれも対照に用いた3 吸収がみられ,また元素分析値もWの加水分解生 一(5一ニトロー2一フリル)アクリル酸アミドより 成物田としての計算値と一致した。さらに皿を無 もすぐれた抗菌性を有することを知った。
水酪酸とともに160°C,2時間加熱するとアシル
2) 日立回析格子赤外分光々度計EPFG2形により測定した。 (KBr法)
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表一1 5・ニトロー2−(ρ・置換スチリル)フランの抗菌試験(濃度はμg/mlで示す)
No 化合物 A.aerogenes E.coli St・aureus B・subtilis Ps・aeruginosa
、軌N早CH−CH⇔C。C凪 、.56 ・.78 1.56 ・.39 一
皿◎恩CH−CH⇔N仇 、.253.、3。.39。.、以下 一 皿◎早CH−CH⇔N馬 一 25以上25以上25以上 25以上
WらN早CH−CH⇔NHC螂 3.、3。.78。.78,。.・95以下 一
VらN早CH−CH⇔NHC。鋼 一 3.、33.、3・.・9肝 6.25 靱
対照 02N O CH=CH−CONH2 6.25 3・13 6.25 1・56 一
3.実験の部 ノリンを溶かし沈澱をロ取する。得られた沈澱は 3.13.(5.ニト。.2.フリル).2.(ρ.アセ 1°%塩酸・ついで水で洗浄し酬後メ 一ルか
チルフ=ル)アクリル酸⑰の合成 ら再結晶し横土色板状結晶を得た・融点137〜
カキマ磯を付したフラスコに無水酢蜘9 137・5°C・収量1・19(収率47・5%)・
を入れカ.アセチルフエニル酢酸カリウム5.99 分析値C:65・37%・H:4・13%・N:5・08%
(0.027m。1),5.ニト・フルフラール3.8g C・4H・・NO・としての
(0.027mnl)を加えて65〜70。Cで1.5時間加熱 計算値C:65・37%・H:4・28%・N:5・45%
かきまぜたのち,水40mlを加えて無水酢酸を分 3・33・(・ニトロ・2・フリル)・2・(ρ・二 解しついで20%炭酸カリウム水溶液で中和し不溶 トロフエニル)アクリル酸(理)の合成
物を除去する。水層に塩酸を加えて酸性にし析出 カキマゼ機を付したフラスコに無水酢酸709を する黄土色結晶をロ取,80%メタノールで再結晶 入れP一ニトロフエニル酢酸カリウム6・89(0・031
して黄色板状結晶を得た。融点191.5〜192°C, mol)・5一ニトロフルフラール4・49(0・031mo1)
収量3.49(収率39%) を加えて60°Cで3時間加熱かきまぜたのち・
分析値C:59.80%,H:356%, N:4.22%, 3・1とまったく同様に処理して得られた黄土色結 C、5H、、NO,としての 晶を80%エタノールで再結晶して黄色プリズム状 計算値C:59.80%,H:3.65%, N:4.65% 結晶を得た。融点184〜185°C・収量8・09(収率 3.25.ニトロ.2.(P.アセチルスチリル) 85・7%)。
フラン(1)の合成 分析値C:50・95%・H:2・76%・N:9・24%
還流冷却器,カキマゼ機を付したフラスコにキ C・3H8N207としての
ノリン30mlを入れ亜クロム酸銅0.39を懸濁さ 計算値C:51・32%・H:2・65%・N:9・21%
せ,油浴上で200〜205°Cに加熱する。 ゆるや 3・45・ニトロ・2・(.ρ・ニトロスチリル)フ かにかきまぜながらW3.09(0.01mol)を少量づ ラン(1)の合成
つ15分かけて加える。加え終ってさらに20分間, 還流冷却器,カキマゼ機を付したフラスコにキ 同温度でゆるやかに加熱かきまぜたのち放冷し, ノリン50mlを入れ亜クロム酸銅0.59を懸濁さ 触媒を除いた黒色粘稠濾液を10%塩酸に注いでキ せ,油浴上で220〜225°Cに加熱する。ゆるや
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かにかきまぜながら珊5.Og(0.0164mol)を少 228°C,収量2.8g(収率73.7%)。
量つつ20分かけて加える。加え終って更に輻201分 分析値C:62.15%,H:4.46:,N:10.07%
間同温度でゆるやかに加熱かきまぜたのち放冷し C、4H、2N204としての
3.2:と同様に処理して得られた沈澱を酢酸で再結 計算値C:61.76%H:4.44%,N:10.29%,
晶して黄土色プリズム状結晶を得た。融点178〜 3.7 】yの加水分解による皿の合成
179°C,収量3・89(収率88%)。 W2.59をジオキサン100m1に溶かし,濃塩酸 分析値C:55.38%,H:3.17%, N:10・75% 5mlを加えて30分間加熱還流後,さらに濃塩酸 C、2H8N205としての 5mlを加えて30分間還流する。冷却後沈澱をロ 計算値C:55.38%,H:3.08%, N:10.77% 取,ロ液にさらに水を加えて生じた沈澱は前者と 3.53・(5・ニトロ・2・フリル)・2・(ρ・ア ー諸にしたのち充分水洗しエタノールより再結晶 セトアミドフエニル)アクリル酸(珊)の合成 して赤紫色板状結晶を得た。融点196〜197°C,
カキマゼ機を付したフラスコに無水酢酸100g 収率1.7g(収率80.5%)。
入れクーアミをノブエニル酢酸カリウム21g(0.11 分析値C:62.34%, H:4.56%N:11.82%,
mol),5・ニトロフルラール15.59(0.11mol) C12HloN203としての
を加えて60〜65°Cで3時間加熱かきまぜたのち 計算値C:62.60%,H:4.38%, N:12.17%
3.1と同様1こ処理して得られた黄褐色結晶をエタ 3.85一ニトロ・2・(ρ・ブチルアミドスチ ノールージメチルホルムアミド(5:2)混合溶 リル)フラン(V)の合成
媒で再結晶して黄色プリズム状結晶を得た。分解 皿1.09を無水酪酸25mlと共に160°C,2時 点270°C,収量29.9g(収率86%)。 間加熱したのち150mlを加えて一夜放置後,生 分析値C:57.08%,H:3.64%, N:8.58% じた沈澱をロ取水洗しメタノールから再結晶して C・5H、2N206としての 燈黄色針状結晶を得た。融点176〜177°C,収量 計算値C:56.96%,H:3.79%, N:8.86% 0.6g(収率46.1%)。
3.65・ニト回・2・(p・アセトアミドスチ 分析値C:63.55%,H:5.45%, N:9.03%
リル)フラン(W)の合成 C、6H、6N204としての
還流冷却器,カキマゼ機を付したフラスコにキ 計算値C:63.99%,H:5.37%, N:9.33%
ノリン50mlを入れ亜クロム酸銅0.59を懸濁さ
せ,油浴上で200〜203°Cに加熱する。ゆるや 終りにあたり,本研究にご協力下さった蘭哲,
かにかきまぜながら粗4・49(0.14mol)を少量づ 網田浩史,藍沢正実の三君および元素分析して下 つ15分かけて加える。加え終ってさらに20分間同 さった横山邦子氏に感謝します。またこれらの化 温度でゆるやかに加熱かきまぜたのち放冷し3.2 合物の抗菌力テストは上野製薬株式会社研究所に
と同様に処理して得られた沈澱をエタノールで再 ておこなわれたものでありここに謝意を表しま 結晶して赤燈色プリズム状結晶を得た。 分解点 す。